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攻略対象の兄
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「そこまでだ‼︎愚か者‼︎」
バンと扉が開き、第一王子のアーサーが入ってきた。
「マリアンナ、遅くなりすまなかった」
私の横に立つと、耳元で小声で囁いてきた。
思わず赤面してアーサー王子の顔をみつめると、アーサーは大きく頷いた。
「ミカエル、この愚か者が!大事な卒業パーティーの場で恥を晒すなんて!」
「だって、兄上。マリアンナが虐めを!」
「裏取りは済ませた。虐めの事実などない。
それはその方らこそが重々知っているだろう。
公共の場で常に一緒に獣のようにいかがわしい行為にふけっていたというではないか」
「‼︎あ、兄上…それは」
「喜べ!婚約破棄は認められた。父上の許可も得ている。但しお前の有責でな。このままだと、お前は廃嫡され去勢のうえ平民として暮らすことになる」
「平民に…」
「えっ⁉︎やだやだやだ!ミカエル平民になるの?じゃあいらない。王子じゃないミカエルなんていらない。あっ、アーサー様、実はぁ、ナターシャはミカエルに脅されててぇ。ほんとぉはぁミカエルと婚約なんかしたくないんです。むしろ、アーサー様のが運命感じちゃうっ……っ…痛っ、痛いじゃない…何すんのよ!」
アーサーの腕に抱きつこうとして護衛に取り押さえられている。
抑えられながらもギャアギャア騒いでいるので口に猿轡を噛ませられている。
「どうも、諸君失礼した。愚弟と愚かな女はこっちで引き継ぐので、パーティーを引き続き楽しんでくれ。愚弟が迷惑をかけたお詫びにオーケストラと特別料理等を手配した。ささやかながら堪能してくれたまえ」
一瞬静まったあとに、一気に歓声が湧き上がった。
「では、また後日。私は弟とは違うからね」
私の耳元で謎の言葉を囁くとアーサーは部屋を出て行った。
バンと扉が開き、第一王子のアーサーが入ってきた。
「マリアンナ、遅くなりすまなかった」
私の横に立つと、耳元で小声で囁いてきた。
思わず赤面してアーサー王子の顔をみつめると、アーサーは大きく頷いた。
「ミカエル、この愚か者が!大事な卒業パーティーの場で恥を晒すなんて!」
「だって、兄上。マリアンナが虐めを!」
「裏取りは済ませた。虐めの事実などない。
それはその方らこそが重々知っているだろう。
公共の場で常に一緒に獣のようにいかがわしい行為にふけっていたというではないか」
「‼︎あ、兄上…それは」
「喜べ!婚約破棄は認められた。父上の許可も得ている。但しお前の有責でな。このままだと、お前は廃嫡され去勢のうえ平民として暮らすことになる」
「平民に…」
「えっ⁉︎やだやだやだ!ミカエル平民になるの?じゃあいらない。王子じゃないミカエルなんていらない。あっ、アーサー様、実はぁ、ナターシャはミカエルに脅されててぇ。ほんとぉはぁミカエルと婚約なんかしたくないんです。むしろ、アーサー様のが運命感じちゃうっ……っ…痛っ、痛いじゃない…何すんのよ!」
アーサーの腕に抱きつこうとして護衛に取り押さえられている。
抑えられながらもギャアギャア騒いでいるので口に猿轡を噛ませられている。
「どうも、諸君失礼した。愚弟と愚かな女はこっちで引き継ぐので、パーティーを引き続き楽しんでくれ。愚弟が迷惑をかけたお詫びにオーケストラと特別料理等を手配した。ささやかながら堪能してくれたまえ」
一瞬静まったあとに、一気に歓声が湧き上がった。
「では、また後日。私は弟とは違うからね」
私の耳元で謎の言葉を囁くとアーサーは部屋を出て行った。
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