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悪役令嬢の努力
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この3年間はとても長いようで短い時間だった。
やるだけのことをやったという達成感と、婚約解消ではなく婚約破棄を選んだ王子への落胆の気持ちで胸がいっぱいになる。
はぁ。頑張ったんだけど王子の元には届かなかったのね。
「えっ…真実の愛って…たしか問題となってた…」
「そうそう。貴族の政略結婚は貴族同士の繋がりを密にするもので、格差を広げるものだから廃止すべきと」
「えっ、貴族社会のトップである王族が貴族の義務である政略結婚を否定するってこと?」
「いやいや、公式に陛下がおっしゃられてましたよ。義務を怠るものが権利を行使する事はできないと」
「ということは、王子は王族としての義務を放棄したってことですよね」
「あぁ、真実の愛をとるとおっしゃられていた。王族の地位を捨て、平民になるということだ」
「やはりか、平民となってあの娼婦と一緒になるということか…変わった方だとは思っていたが…」
ひそひそとした嘲笑がいつの間にか大きくなり、王子とナターシャにも届いてきた。
「なっ、何を言ってる‼︎私は平民になるとは宣言などしていない‼︎ナターシャを王子妃とすることを宣言したのだ!」
「ミカエル殿下、真実の愛をとり婚約破棄をするということは、貴族としての義務を放棄するということなのですよ。授業でも、国会でも問題提起されてたのにご存知なかったのですか?」
「だ…だ…だって…マリアンナはナターシャを虐めていて」
「私はそこの男爵令嬢を虐めたことなどございません。常にお二人は一緒にいたのに私が虐める事がいつ出来るのでしょう。
そもそも相応しいか否かを判断するのは陛下と王妃であり、あなたにその権限はありません」
「‼︎」
「ミカエル!マリアンナが何か意味がわからないこと言ってるわ。ナターシャ怖い。やっつけて」
ミカエル王子の首に腕を絡ませて抱きついている。
あまりにも非常識な行動に、誰もが呆れ果てている。
記憶ではヒロインは王子以外にもその側近達を取り巻きにしてたけど、側近達は周りにはいない。
授業や情勢で真実の愛問題を知るにつれ、王子達の行為の危険性に気づき諫めたようだ。それでも声が届かず、側近を辞退する運びとなった。
やるだけのことをやったという達成感と、婚約解消ではなく婚約破棄を選んだ王子への落胆の気持ちで胸がいっぱいになる。
はぁ。頑張ったんだけど王子の元には届かなかったのね。
「えっ…真実の愛って…たしか問題となってた…」
「そうそう。貴族の政略結婚は貴族同士の繋がりを密にするもので、格差を広げるものだから廃止すべきと」
「えっ、貴族社会のトップである王族が貴族の義務である政略結婚を否定するってこと?」
「いやいや、公式に陛下がおっしゃられてましたよ。義務を怠るものが権利を行使する事はできないと」
「ということは、王子は王族としての義務を放棄したってことですよね」
「あぁ、真実の愛をとるとおっしゃられていた。王族の地位を捨て、平民になるということだ」
「やはりか、平民となってあの娼婦と一緒になるということか…変わった方だとは思っていたが…」
ひそひそとした嘲笑がいつの間にか大きくなり、王子とナターシャにも届いてきた。
「なっ、何を言ってる‼︎私は平民になるとは宣言などしていない‼︎ナターシャを王子妃とすることを宣言したのだ!」
「ミカエル殿下、真実の愛をとり婚約破棄をするということは、貴族としての義務を放棄するということなのですよ。授業でも、国会でも問題提起されてたのにご存知なかったのですか?」
「だ…だ…だって…マリアンナはナターシャを虐めていて」
「私はそこの男爵令嬢を虐めたことなどございません。常にお二人は一緒にいたのに私が虐める事がいつ出来るのでしょう。
そもそも相応しいか否かを判断するのは陛下と王妃であり、あなたにその権限はありません」
「‼︎」
「ミカエル!マリアンナが何か意味がわからないこと言ってるわ。ナターシャ怖い。やっつけて」
ミカエル王子の首に腕を絡ませて抱きついている。
あまりにも非常識な行動に、誰もが呆れ果てている。
記憶ではヒロインは王子以外にもその側近達を取り巻きにしてたけど、側近達は周りにはいない。
授業や情勢で真実の愛問題を知るにつれ、王子達の行為の危険性に気づき諫めたようだ。それでも声が届かず、側近を辞退する運びとなった。
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