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男爵令嬢とフィンレイ
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ちょっとしたほんの気の迷いだった。
フィンレイの文字に似た優しい文字だった。
いつもなら手紙をみて、その場で断りの手紙を送るのに珍しく呼び出しに応じてみた。
呼び出された先の中庭に向かうと可憐な少女がいた。
前にどこかのお茶会で俺をみかけてずっと気になっていたらしい。
可愛く微笑む男爵令嬢の彼女は蜂蜜色の髪とブルーの瞳をしてフィンレイの色とよく似ていた。
「ルーク様、手紙読んでいただけましたか?私とお付き合いいただけませんか?」
婚約の前に数ヶ月から数年のお試し期間を置くのが慣わしだ。
まだ、婚約は考えられないがフィンレイを連想させる彼女なら好きになれるかもしれない。
いや、こんな気持ちで付き合うなんて彼女にもフィンレイにも失礼だ。
「ごめんなさい」
視線を逸らすように若干俯いて断りの言葉を伝えると、驚いたような表情をされた。
「では、一度だけお茶をご一緒いただけませんか?」
それできっぱり諦めますという彼女に強く出ることができず、そのまま校内のカフェに向かった。
そんな俺達の様子をフィンレイが悲しそうに見ていたのに気づかなかった。
*
カフェには他に生徒はおらず、俺達をみて気を利かせたスタッフに個室に案内された。
「このフレバーティーが私のお気に入りですの」
フィンレイ似の彼女はこのカフェの常連らしい。彼女の勧めるフレバーティーを口にすると独特の香りがした。
ルークは身体が熱くなり、頭の中がぼーっとしてきて頬が赤くなるのを感じた。
呼吸を整えようと考えるが、逆にハァハァと乱れ、息が荒くなった。
紅茶にアルコールが少し入っていたのかな。
香り付けのアルコールで酔ってしまったのかもしれない。
この身体はお酒に弱いのかも…
「ヴィオレッテ嬢、お茶の途中で申し訳ないが体調が悪いので失礼する」
楽しかったよ、と立ちあがろうとするがふらついてしまう。
「少し横になられたらどうですか?他に人もおりませんし」
お言葉に甘えて倒れるようにソファに横たわった。
「ハァ…ハァ…」
身体中に熱がまわり、下半身がジンジンと痺れてきて、息がうまくできない。
「苦しそうなので、服緩めますね…」
ヴィオレッテ嬢が俺の上に座ると、しなやかな指で俺のシャツのボタンを外していき、胸がはだけた。
「いやっ…ハァっ…大丈夫だから…ハァ…そのままで」
静止しようとするも力が入らない俺を見下ろすヴィオレッテ嬢の顔が少し歪んでみえた。
フィンレイの文字に似た優しい文字だった。
いつもなら手紙をみて、その場で断りの手紙を送るのに珍しく呼び出しに応じてみた。
呼び出された先の中庭に向かうと可憐な少女がいた。
前にどこかのお茶会で俺をみかけてずっと気になっていたらしい。
可愛く微笑む男爵令嬢の彼女は蜂蜜色の髪とブルーの瞳をしてフィンレイの色とよく似ていた。
「ルーク様、手紙読んでいただけましたか?私とお付き合いいただけませんか?」
婚約の前に数ヶ月から数年のお試し期間を置くのが慣わしだ。
まだ、婚約は考えられないがフィンレイを連想させる彼女なら好きになれるかもしれない。
いや、こんな気持ちで付き合うなんて彼女にもフィンレイにも失礼だ。
「ごめんなさい」
視線を逸らすように若干俯いて断りの言葉を伝えると、驚いたような表情をされた。
「では、一度だけお茶をご一緒いただけませんか?」
それできっぱり諦めますという彼女に強く出ることができず、そのまま校内のカフェに向かった。
そんな俺達の様子をフィンレイが悲しそうに見ていたのに気づかなかった。
*
カフェには他に生徒はおらず、俺達をみて気を利かせたスタッフに個室に案内された。
「このフレバーティーが私のお気に入りですの」
フィンレイ似の彼女はこのカフェの常連らしい。彼女の勧めるフレバーティーを口にすると独特の香りがした。
ルークは身体が熱くなり、頭の中がぼーっとしてきて頬が赤くなるのを感じた。
呼吸を整えようと考えるが、逆にハァハァと乱れ、息が荒くなった。
紅茶にアルコールが少し入っていたのかな。
香り付けのアルコールで酔ってしまったのかもしれない。
この身体はお酒に弱いのかも…
「ヴィオレッテ嬢、お茶の途中で申し訳ないが体調が悪いので失礼する」
楽しかったよ、と立ちあがろうとするがふらついてしまう。
「少し横になられたらどうですか?他に人もおりませんし」
お言葉に甘えて倒れるようにソファに横たわった。
「ハァ…ハァ…」
身体中に熱がまわり、下半身がジンジンと痺れてきて、息がうまくできない。
「苦しそうなので、服緩めますね…」
ヴィオレッテ嬢が俺の上に座ると、しなやかな指で俺のシャツのボタンを外していき、胸がはだけた。
「いやっ…ハァっ…大丈夫だから…ハァ…そのままで」
静止しようとするも力が入らない俺を見下ろすヴィオレッテ嬢の顔が少し歪んでみえた。
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