3 / 7
3回目の婚約破棄
しおりを挟む
「オリヴィア=ポートレット侯爵令嬢、義妹シエンナ嬢に対する非道な行いは私の婚約者として相応しくない。
貴様との婚約を破棄して、シエンナ=ポートレット侯爵令嬢と婚約することを宣言する」
ああ、やはり同じなのね。
ー殿下はどうされたのかしら?
ー虐められているのはオリヴィア様の方なのに…
ーシエンナ様の色仕掛けで騙されておかしくなったのかもしれませんわ
ー確かにご公務もサボりがちで最近の素行に問題ありと聞いてますわ
ひそひそとした話し声が大きくなり、王子の耳にも批判が届く。
「うるさーい!オリヴィア=ポートレット侯爵令嬢は国外追放と「王子…少し…旗色が悪いかと…」
王子の側近の宰相の息子アランが王子の耳元で囁いている。
王子はゴホンと咳払いをすると、改めて宣言した。
「オリヴィア=ポートレット侯爵令嬢は塔で厳正に事実確認をした後国外追放とする。
なお、確認において事実に誤りがあった場合は当処分は取り消しとする」
えー前回とは違うわ。
もしかして生き残れる?
私は両腕を護衛騎士に抱えられ、パーティー会場を後にした。
私はシエンナを虐めていない。
それさえ証明できれば解放される。
それなら私が持ってきた証言さえ見て貰えれば…
「オリヴィア=ポートレット嬢、私がこの事案について担当するが、何か反証はあるならここで示してほしい」
あぁ、ダメね。
騎士ではなく何故側近に過ぎないアランが取り調べを担当するの?
形だけの事実確認をするという意思がありありと感じられるわ。
でも、ここで抵抗しないと前回と同じく国外追放となってしまうわ。
「アラン様、私はシエンナを虐めてなどいません。ここに私の日記と、我が家の使用人の証言をまとめたものがありますのでご確認ください」
結局、私に用意できたのは日記と、数人の味方に証言をしてもらうことだけだった。
書類の束をアランに手渡すと、アランがニヤリと笑った。
「随分準備がよいんですね。あらかじめこの婚約破棄のことを耳にしていたのですか?
事前に準備していたのであれば、この書類も捏造の可能性が高いので信用できません」
目の前で書類をびりっと破かれる。
そして形だけの事実確認が行われ国外追放となった。
「悪く思うなよ、お嬢ちゃん」
前回同様、隣国の手前で野盗に刀を当てられてました。
前回は背中を守ったら、前から刺されたので、今回は前と後ろに薄い側のお盆を挟んでいる。
「俺は女子供が怯えて泣き叫ぶ姿が好きなんだよ。今からカウントダウンするから逃げてみろよ」
走って逃げる私を野盗が追いかけてきて、私の首を刀で切り、首が地面に転がった。
ー暗転ー
ああ、部屋にいるわ…
ってことはあの時首を切られて死んだのね。
前のより残酷な死に方じゃないの!
どう言うこと?
やはり、断罪されるまでが勝負ね。
王子はわからないけど少なくともアランは敵と判断した方がよいわ
「おはようございます、お嬢様。パーティー日和ですね。今日婚約を正式締結されるんですね。ご緊張されてるんじゃありませんか?」
貴様との婚約を破棄して、シエンナ=ポートレット侯爵令嬢と婚約することを宣言する」
ああ、やはり同じなのね。
ー殿下はどうされたのかしら?
ー虐められているのはオリヴィア様の方なのに…
ーシエンナ様の色仕掛けで騙されておかしくなったのかもしれませんわ
ー確かにご公務もサボりがちで最近の素行に問題ありと聞いてますわ
ひそひそとした話し声が大きくなり、王子の耳にも批判が届く。
「うるさーい!オリヴィア=ポートレット侯爵令嬢は国外追放と「王子…少し…旗色が悪いかと…」
王子の側近の宰相の息子アランが王子の耳元で囁いている。
王子はゴホンと咳払いをすると、改めて宣言した。
「オリヴィア=ポートレット侯爵令嬢は塔で厳正に事実確認をした後国外追放とする。
なお、確認において事実に誤りがあった場合は当処分は取り消しとする」
えー前回とは違うわ。
もしかして生き残れる?
私は両腕を護衛騎士に抱えられ、パーティー会場を後にした。
私はシエンナを虐めていない。
それさえ証明できれば解放される。
それなら私が持ってきた証言さえ見て貰えれば…
「オリヴィア=ポートレット嬢、私がこの事案について担当するが、何か反証はあるならここで示してほしい」
あぁ、ダメね。
騎士ではなく何故側近に過ぎないアランが取り調べを担当するの?
形だけの事実確認をするという意思がありありと感じられるわ。
でも、ここで抵抗しないと前回と同じく国外追放となってしまうわ。
「アラン様、私はシエンナを虐めてなどいません。ここに私の日記と、我が家の使用人の証言をまとめたものがありますのでご確認ください」
結局、私に用意できたのは日記と、数人の味方に証言をしてもらうことだけだった。
書類の束をアランに手渡すと、アランがニヤリと笑った。
「随分準備がよいんですね。あらかじめこの婚約破棄のことを耳にしていたのですか?
事前に準備していたのであれば、この書類も捏造の可能性が高いので信用できません」
目の前で書類をびりっと破かれる。
そして形だけの事実確認が行われ国外追放となった。
「悪く思うなよ、お嬢ちゃん」
前回同様、隣国の手前で野盗に刀を当てられてました。
前回は背中を守ったら、前から刺されたので、今回は前と後ろに薄い側のお盆を挟んでいる。
「俺は女子供が怯えて泣き叫ぶ姿が好きなんだよ。今からカウントダウンするから逃げてみろよ」
走って逃げる私を野盗が追いかけてきて、私の首を刀で切り、首が地面に転がった。
ー暗転ー
ああ、部屋にいるわ…
ってことはあの時首を切られて死んだのね。
前のより残酷な死に方じゃないの!
どう言うこと?
やはり、断罪されるまでが勝負ね。
王子はわからないけど少なくともアランは敵と判断した方がよいわ
「おはようございます、お嬢様。パーティー日和ですね。今日婚約を正式締結されるんですね。ご緊張されてるんじゃありませんか?」
0
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説
【完結】ああ……婚約破棄なんて計画するんじゃなかった
岡崎 剛柔
恋愛
【あらすじ】
「シンシア・バートン。今日この場を借りてお前に告げる。お前との婚約は破棄だ。もちろん異論は認めない。お前はそれほどの重罪を犯したのだから」
シンシア・バートンは、父親が勝手に決めた伯爵令息のアール・ホリックに公衆の面前で婚約破棄される。
そしてシンシアが平然としていると、そこにシンシアの実妹であるソフィアが現れた。
アールはシンシアと婚約破棄した理由として、シンシアが婚約していながら別の男と逢瀬をしていたのが理由だと大広間に集まっていた貴族たちに説明した。
それだけではない。
アールはシンシアが不貞を働いていたことを証明する証人を呼んだり、そんなシンシアに嫌気が差してソフィアと新たに婚約することを宣言するなど好き勝手なことを始めた。
だが、一方の婚約破棄をされたシンシアは動じなかった。
そう、シンシアは驚きも悲しみもせずにまったく平然としていた。
なぜなら、この婚約破棄の騒動の裏には……。
ある愚かな婚約破棄の結末
オレンジ方解石
恋愛
セドリック王子から婚約破棄を宣言されたアデライド。
王子の愚かさに頭を抱えるが、周囲は一斉に「アデライドが悪い」と王子の味方をして…………。
※一応ジャンルを『恋愛』に設定してありますが、甘さ控えめです。
ええ、婚約破棄は構いませんが、今まで貸したお金は返してくださいね?
水垣するめ
恋愛
「お前との婚約は破棄する! 卒業パーティーだしいい機会だからな!」
主人公ローラ・ベネットは婚約者のニック・エドマンドにいきなり婚約破棄された。
どうやらニックは卒業パーティーだからという理由で思いつきで婚約破棄したようだ。
ローラはそんなニックに呆れ返り、こんなのと婚約していられない!と婚約破棄することを受け入れた。
するとニックは「当然だ!お前みたいな女より俺にはもっと相応しい相手がいるからな!」とローラを貶め始めた。
ローラは怒りが溢れそうになったが、何とか我慢する。
そして笑顔でニックにこう言った。
「今まで貸したお金を全て返して下さい。卒業パーティーだしいい機会なので」
ニックは今までローラから友人と遊ぶためのお金を借り続けていた。
それは積りに積もって、大金となっていた。
その額にニックは「覚えてない」と逃げようとするが、ローラはすかさず今までの借用書を突きつけ逃さない。
「言い逃れは出来ませんよ? 指紋も押してあるしサインもしてあります。絶対に絶対に逃しませんから」
一転して莫大な借金を背負ったニックはローラに許しを乞うがもちろんローラは許すはずもなく……。
婚約なんてするんじゃなかった——そう言われたのならば。
ルーシャオ
恋愛
ビーレンフェン男爵家次女チェリーシャは、婚約者のスネルソン伯爵家嫡男アンソニーに振り回されていた。彼の買った時代遅れのドレスを着て、殴られたあざを隠すよう化粧をして、舞踏会へ連れていかれて、挙句にアンソニーの同級生たちの前で「婚約なんてするんじゃなかった」と嘲笑われる。
すでにアンソニーから離れられやしないと諦めていたチェリーシャの前に現れたのは、長い黒髪の貴公子だった。
お前は名前だけの婚約者だ、と言われたけれど、おかげで幸せになりました。
あお
恋愛
厳しい選考会を経て第一王子の婚約者に選ばれた侯爵家令嬢シェリアーナ。
王宮での顔合わせの日、王子はお気に入りの侍女を抱きながら、
「お前は名前だけの婚約者だ。愛する人はイリアだけ。俺たちの邪魔をするな」
と言った。
元婚約者は入れ替わった姉を罵倒していたことを知りません
ルイス
恋愛
有名な貴族学院の卒業パーティーで婚約破棄をされたのは、伯爵令嬢のミシェル・ロートレックだ。
婚約破棄をした相手は侯爵令息のディアス・カンタールだ。ディアスは別の女性と婚約するからと言う身勝手な理由で婚約破棄を言い渡したのだった。
その後、ミシェルは双子の姉であるシリアに全てを話すことになる。
怒りを覚えたシリアはミシェルに自分と入れ替わってディアスに近づく作戦を打ち明けるのだった。
さて……ディアスは出会った彼女を妹のミシェルと間違えてしまい、罵倒三昧になるのだがシリアは王子殿下と婚約している事実を彼は知らなかった……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる