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3回目の婚約破棄

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「オリヴィア=ポートレット侯爵令嬢、義妹シエンナ嬢に対する非道な行いは私の婚約者として相応しくない。
貴様との婚約を破棄して、シエンナ=ポートレット侯爵令嬢と婚約することを宣言する」
ああ、やはり同じなのね。

ー殿下はどうされたのかしら?
ー虐められているのはオリヴィア様の方なのに…
ーシエンナ様の色仕掛けで騙されておかしくなったのかもしれませんわ
ー確かにご公務もサボりがちで最近の素行に問題ありと聞いてますわ

ひそひそとした話し声が大きくなり、王子の耳にも批判が届く。

「うるさーい!オリヴィア=ポートレット侯爵令嬢は国外追放と「王子…少し…旗色が悪いかと…」
王子の側近の宰相の息子アランが王子の耳元で囁いている。

王子はゴホンと咳払いをすると、改めて宣言した。
「オリヴィア=ポートレット侯爵令嬢は塔で厳正に事実確認をした後国外追放とする。
なお、確認において事実に誤りがあった場合は当処分は取り消しとする」

えー前回とは違うわ。
もしかして生き残れる?

私は両腕を護衛騎士に抱えられ、パーティー会場を後にした。
私はシエンナを虐めていない。
それさえ証明できれば解放される。
それなら私が持ってきた証言さえ見て貰えれば…






「オリヴィア=ポートレット嬢、私がこの事案について担当するが、何か反証はあるならここで示してほしい」

あぁ、ダメね。
騎士ではなく何故側近に過ぎないアランが取り調べを担当するの?
形だけの事実確認をするという意思がありありと感じられるわ。

でも、ここで抵抗しないと前回と同じく国外追放となってしまうわ。

「アラン様、私はシエンナを虐めてなどいません。ここに私の日記と、我が家の使用人の証言をまとめたものがありますのでご確認ください」

結局、私に用意できたのは日記と、数人の味方に証言をしてもらうことだけだった。

書類の束をアランに手渡すと、アランがニヤリと笑った。

「随分準備がよいんですね。あらかじめこの婚約破棄のことを耳にしていたのですか?
事前に準備していたのであれば、この書類も捏造の可能性が高いので信用できません」
目の前で書類をびりっと破かれる。

そして形だけの事実確認が行われ国外追放となった。



「悪く思うなよ、お嬢ちゃん」
前回同様、隣国の手前で野盗に刀を当てられてました。
前回は背中を守ったら、前から刺されたので、今回は前と後ろに薄い側のお盆を挟んでいる。

「俺は女子供が怯えて泣き叫ぶ姿が好きなんだよ。今からカウントダウンするから逃げてみろよ」
走って逃げる私を野盗が追いかけてきて、私の首を刀で切り、首が地面に転がった。


ー暗転ー

ああ、部屋にいるわ…
ってことはあの時首を切られて死んだのね。
前のより残酷な死に方じゃないの!
どう言うこと?
やはり、断罪されるまでが勝負ね。
王子はわからないけど少なくともアランは敵と判断した方がよいわ




「おはようございます、お嬢様。パーティー日和ですね。今日婚約を正式締結されるんですね。ご緊張されてるんじゃありませんか?」



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