ヒロインの兄は悪役令嬢推し

西楓

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ゲームとのズレ

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試験結果が張り出されている。
俺はどうせ3位だろう。1位の宰相子息ランドンと、2位のフェリクス王子は常に固定だ。それはゲームでも変わらなかった。
アリーシャはどうだったのかな。あまり勉強する姿を見かけてはないが、ゲームでは上位に食い込んでいたはず。
とりあえず見にいってみるか。

「おめでとうございます、セオドア様」
「セオドア様だ」

番狂わせが起こったと少し騒がしい。
どうやら俺が1位になっていたようだ。あれ?ランドンは?王子は?
ランドンは5位、王子は7位となっている。ストーリーと違うな。
確か、ここで1位となったランドンをアリーシャが褒めちぎって、その言葉に感動したランドンがアリーシャに勉強を教えるという流れだったような…

注目を浴びると居心地が悪い。教室へ戻ろうとすると、遠目にも顔色の悪い王子が近づいてきた。

「セオドア、1位おめでとう。とうとう抜かれてしまったな」
「ありがとうございます。でも、運良く予想が当たっただけですので」

セオドアは謙虚なんだな、と差し出された手を握る。
触れている手先にピリッとした電気のようなものが走ったかと思うと、王子がふらっと倒れかかってきた。

俺よりも大きな王子に潰されそうになりかけていたところ、慌てて駆けつけたランドンにより王子は医務室へ運ばれた。
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