本能寺燃ゆ

hiro75

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第三章「寵愛の帳」

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 どのぐらい話したか、酒もそろそろとつきかけたこと、信長の頬も真っ赤になり、目もうつろになって、酔っぱらったようで、そろそろ休まれてはと声をかけると、不意に手を引っ張り、抱きしめてきた。

 匂いを嗅いでいるのか、頭のあたりでくんくんと鼻を鳴らす。

「ああ、良き香りじゃ、食べてしまいたい……」

 と、首元に吸い付く。

 まるで太若丸の体臭を啜りだすように、何度も何度も唇を押し当ててくる。

 体臭だけでなく、体液まで啜られそうだ。

 あげく舐めてくる。

 これは聊か擽ったい。

 ならばと、太若丸は信長の下半身に手を伸ばす。

 そっと優しくつかみ、撫でるように弄る。

 意外に小さい………………多分、太若丸が相手をした中で一番小さいかもしれない。

 だが、張りが凄い。

 まるで刀剣のように硬く、反り返り、燃えるように熱い。

 ゆっくりと扱きあげると、首筋に吸い付きながら荒い息を漏らし、腰を押しつけてくる。

 崩れるように寝床に倒れこむ。

 信長は、太若丸の着物を脱がせ、今度は首筋でだけでなく、全身隈なく吸い付き、舐めまくる。

 手の指から足の小指まで、乾肉をしゃぶるように、口に含んでちゅうちゅうと啜る。

 いろんな者を相手にしてきたが、こんな人に、人の体を舐めまわす人は初めてだ。

 しかも、

うつくしい、愛しい……」

 と、酒を飲んでいたときとは打って変わって、おしゃべりだ。

 出し入れしている間も、太若丸を抱きしめ、

「そなたは愛しいのぉ……、ああ、愛しい……」

 と、耳元で囁いてくる。

 そんなことを言われると、妙に擽ったくて、なぜか嬉しい。

 これが、十兵衛相手なら、もっと良いのだが………………

 だが、己が必要とされていると、なお気持ちが良かった。

 男は果てた。

 挿入れて、しばらくしないうちに果ててしまった。

 放つ瞬間、男は女のようなか細い悲鳴をあげ、腰を激しく痙攣させ、太若丸の胸元に顔を埋めた。

 太若丸は、彼の頭を抱き、優しく撫でる。

 男は、果てた後の特有の荒々しい息をしている。

 これで、ゆっくりと眠れるだろうか?

 と、思ったが、なかなか眠れないようだ。

 また動かし始める。

 前から、後ろから、攻めまくる。

 今までの中で一番荒々しい………………が、求められるようで、嬉しい………………

 結局男は、太若丸の中で五回も果てた。

 五回もしてようやく満足したのか、入れたまま寝てしまった。

 太若丸も流石に疲れて、不覚にもそのまま寝入ってしまった。
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