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第四章「白村江は朱に染まる」 後編
第24話
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弟成はその場に崩れ落ち、兵士たちに取り押さえられた。
「流石に、俺が見込んだだけある。鋭い振りだ。だが、兵士としてまだまだだな」
大国は剣を仕舞い、兵士たちに組み伏せられている弟成の顔を覗き込んだ。
「お前、なぜ俺に恨みを持つ? 俺が何かしたか? それとも、あの娘はお前の女だったのか?」
兵士は、弟成の髪を掴んで顔を上げさせる ―― 左目には、大きな痣ができている。
「お前が、兄を殺したからだ!」
「兄? 俺は、奴を殺すようなことはしておらんぞ。いや、待て……、もしや……、あの斑鳩宮の奴か?」
「そうだ! あんたに殺された三成だ!」
「そうか、あの時の奴か……、お前は、あの奴の弟か………………、どおりで、なかなか鋭い振りをするはずだ。そうか、なるどな、こうやって見ると、良く似ているな」
弟成は、大国を睨み付ける。
「それで、兄の復讐か? いいだろ、面白い! 放してやれ!」
「しかし、大伴様」
「放せ!」
大国の命令で、兵士たちは弟成の体を自由にしてやった。
「名は何と言う?」
「弟成!」
「よし、弟成、斬りたければ、いつでも俺を斬れ。いつ襲っても構わん。そして、兄の復讐を果たせ。だが、俺に勝てるだけの腕があればの話だがな。おい、二人に掛甲の着方と剣の扱い方を教えてやれ」
大国は兵士に命じて、その場を立ち去ろうとした。
「やってやるよ! お前を斬ってやる、絶対に!」
弟成は、大国の背中に投げつける。
大国は振り返り、にやっと笑った。
「ああ、楽しみにしているよ。」
弟成は、彼の背中をじっと睨みつけた。
「流石に、俺が見込んだだけある。鋭い振りだ。だが、兵士としてまだまだだな」
大国は剣を仕舞い、兵士たちに組み伏せられている弟成の顔を覗き込んだ。
「お前、なぜ俺に恨みを持つ? 俺が何かしたか? それとも、あの娘はお前の女だったのか?」
兵士は、弟成の髪を掴んで顔を上げさせる ―― 左目には、大きな痣ができている。
「お前が、兄を殺したからだ!」
「兄? 俺は、奴を殺すようなことはしておらんぞ。いや、待て……、もしや……、あの斑鳩宮の奴か?」
「そうだ! あんたに殺された三成だ!」
「そうか、あの時の奴か……、お前は、あの奴の弟か………………、どおりで、なかなか鋭い振りをするはずだ。そうか、なるどな、こうやって見ると、良く似ているな」
弟成は、大国を睨み付ける。
「それで、兄の復讐か? いいだろ、面白い! 放してやれ!」
「しかし、大伴様」
「放せ!」
大国の命令で、兵士たちは弟成の体を自由にしてやった。
「名は何と言う?」
「弟成!」
「よし、弟成、斬りたければ、いつでも俺を斬れ。いつ襲っても構わん。そして、兄の復讐を果たせ。だが、俺に勝てるだけの腕があればの話だがな。おい、二人に掛甲の着方と剣の扱い方を教えてやれ」
大国は兵士に命じて、その場を立ち去ろうとした。
「やってやるよ! お前を斬ってやる、絶対に!」
弟成は、大国の背中に投げつける。
大国は振り返り、にやっと笑った。
「ああ、楽しみにしているよ。」
弟成は、彼の背中をじっと睨みつけた。
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