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第四章「白村江は朱に染まる」 後編
第23話
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二人が連れて行かれたのは、兵庫であった。
「こいつらに、掛甲と剣を渡してやってくれ」
大国は、弟成と黒万呂の二人に、掛甲と剣を渡してやった。
弟成は、初めて本物の剣を手にした ―― 小さい頃、よく棒切れを振り回していたが、あれとは違う重みを感じる。
そして彼の脳裏に、二十年前の忌まわしい記憶が蘇ってきた。
―― これで、兄は切り殺されたのだ。
そして、その張本人は………………
彼は剣を抜き、大国に切り掛かっていた。
大国も、その殺気に気が付いたのか、咄嗟に剣を抜き、これを受けた。
激しい金属音が、暗闇に響き渡る。
弟成の目は燃えている ―― 松明の光のせいではない ―― 明らかに、殺意の炎である。
「お前……、やはりあの時の餓鬼だな?」
大国は、弟成の目に、斑鳩寺で不意に飛び掛って来た子どもの目を思い出していた。
弟成は、大国目掛けて数度剣を振り下ろす。
その度に、激しい金属音と火花が飛び散る。
黒万呂や兵士たちは、その凄まじさに手が出せない。
数度目にして、弟成の剣は真っ二つに折れる。
大国は、その瞬間を見過ごさなかった。
彼の顔面に、拳を一発お見舞いした。
それで全て終わった。
「こいつらに、掛甲と剣を渡してやってくれ」
大国は、弟成と黒万呂の二人に、掛甲と剣を渡してやった。
弟成は、初めて本物の剣を手にした ―― 小さい頃、よく棒切れを振り回していたが、あれとは違う重みを感じる。
そして彼の脳裏に、二十年前の忌まわしい記憶が蘇ってきた。
―― これで、兄は切り殺されたのだ。
そして、その張本人は………………
彼は剣を抜き、大国に切り掛かっていた。
大国も、その殺気に気が付いたのか、咄嗟に剣を抜き、これを受けた。
激しい金属音が、暗闇に響き渡る。
弟成の目は燃えている ―― 松明の光のせいではない ―― 明らかに、殺意の炎である。
「お前……、やはりあの時の餓鬼だな?」
大国は、弟成の目に、斑鳩寺で不意に飛び掛って来た子どもの目を思い出していた。
弟成は、大国目掛けて数度剣を振り下ろす。
その度に、激しい金属音と火花が飛び散る。
黒万呂や兵士たちは、その凄まじさに手が出せない。
数度目にして、弟成の剣は真っ二つに折れる。
大国は、その瞬間を見過ごさなかった。
彼の顔面に、拳を一発お見舞いした。
それで全て終わった。
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