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番外編

ハロウィンとは 前編

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「はろうぃん?」
「そう、ハロウィン。なんか国外のお祭りの一つらしい」

 ソファでコーヒーを飲んでいたケンタは相変わらずベタベタしたがるワタルから逃げられず、腕の中にいた。

「ふーん。それで?」
「なんかね、子どもが魔物の被り物をして『お菓子くれなきゃイタズラするぞ』って言われたら、お菓子あげなきゃいけないんだって」

 ……なんか嫌な予感がする。

「……それで?」
「うん、だから大人の俺らは大人らしく、やってみない?」

 その先は知りたくないし聞きたくない。やりたくもない。
 しかし腕の中から逃げだそうにも、分かっているのか抱きしめる力が強くて剥がせない。

「やらないからな!?」
「あー、マグカップ持ってると危ないからね~。さ、置いとこうか」

 突然マグカップ取られ、机に置かれたことによって片腕になったのに、なんで剥がせないんだ!? ちくしょう護衛してるからか!

「何をやろうってんだ!?」
「好きって言わなきゃイタズラするぞ♡」
「はいはいはい! 好き! 好きです!!」

 嫌な予感的中ってことですぐ応えたら、つまんないって顔された。
 なんだよ!? ちゃんと応えたぞ!?

「…………じゃあ、愛してるって言わなきゃイタズラするぞ」

 耳元で囁かれ、顔が赤くなってしまう。

「あれ? これはすぐ応えないの?」

 ニヤリとした顔で顎を掴まれキスしようとしてきたので、ワタルの口を手で塞いだ。が、手のひらにペロリと舐められ思わず引っ込んでしまい、結局されてしまった。
 『好き』は何度か言ったことあるけど、『愛してる』はまだ言ったことなかった。
 愛してるなんて恥ずかしくて言えない。
 何度か軽くキスされ、そして顔じゅうにもされる。

「ケンタ、愛してるよ。ケンタからも聞きたいな」
「……っ」
「じゃあ、イタズラする」

 身体が突然浮いたかと思うと、ソファに寝かされて上着を脱がされようとしていた。

「やめっ、あっ、あんっ」

 乳首を摘まれてしまい、思わず甘い声が出てしまう。そしてクニクニと揉まれ、先端を擦られてしまう。

「あっ、ああんっ、はぁ…っ、しつこ、い…っ」
「じゃあ言って。でなきゃずっとこうだよ?」
「……っ、やだ…っ」
「そっか。じゃあ舐めようっと」

 いじられたことでプクリと勃った乳首を唇で摘まれ、舌先でチロチロと舐められた。
 指でいじるとはまた違う快感に身体が震えてしまう。
 股間はもうすでに勃っていて、ズボンの前が膨らんでいた。

「膨らんでるからイタズラしちゃおうっと」
「やめろ…っ」

 イタズラなのだから僕の制止なんて聞かないのは当然で、あっさりとワタルの手がズボンの中に入られてしまった。
 直接触られ、ビクンと腰が揺れてしまう。

「未だに感動するんだよなぁ。俺が触ると膨らんでいくココが……」

 長いことまじないのせいで、性欲スイッチが入るまでは勃つことはなかったケンタ自身が、解けた今では欲情するときやワタルが触るときに、もたげてしまうことにまだ慣れていなかったりする。
 こんなに簡単に勃ってしまうものなのかとパニックになってしまうのだ。そう、今でも。

「触るなって…!」

 思わず涙が出てしまう。嫌だからではない、ただ、感情が昂ぶると涙が出てしまう癖があるのだ。
 涙が出てきた左目の目尻にチュッと唇で吸われたが、ワタルのことだ。ついでにほくろのところもチロリと舐められる。
 恋人同士になってからセックスするときにいつも舐められていた。別に何かあるわけでもないのに、何故舐めるのかって一回聞いたことあるけど『なんか舐めたくなる』って。全然分かんない。

「あっ、ああっ、やめ…っ」

 直接触られたケンタ自身が外に出されて、先走りで濡れているのが分かる。先走りが出るとすぐ親指ですくいとられ、亀頭全体を塗るかのように擦られた。その間に乳首もいじられて、快感で頭がおかしくなる。

「言わなきゃ、イタズラは止められないよ……?」

 さっさと『愛してる』って言えばいいんだろうけど、いざ言おうとしても恥ずかしさが勝ってどもってしまう。
 初めて『好き』と言ったときもなかなか言えなかったのだから。
 なかなか言えないことをワタルはきっと気づいてる。だから余裕綽々なのだ。それにだんだんとムカついて、反撃としてワタルの股間に膨らんでいるところを掴んで、揉んでみた。するとグンと大きくなるのを感じる。
 そうだ、こう言えばいいのか。

「……イタズラをやめなきゃ、挿れてやらない」

 あれ? なんか間違えた? と気づいた時にはもう遅かった。
 ズボンと下着がいつの間にかすべてはぎ取られていて、後孔には潤滑油で滑りが良くなっていた。

「まて……っ! なんでそんなに早いんだよ!?」
「そりゃ、今までの経験がこうなんで。んー……どうしようかな。ケンタからの『愛してる』が聞きたいけど、ケンタのナカには挿れたいし……、迷うなぁ♡」

 そう言いながら、指は僕の後孔をクプクプと浅く抜き差しする。

「さっきの、なし! なしだから!」
「んー、やっぱりケンタの『愛してる』って聞きたいから、イタズラ続行♡」

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