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一章 獣化ウイルス
1-7 初手の方向
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私は続ける。
「間違いかとも思ったよ。でも、希亜は五回連続でその結果が出た、って言ってた。彼女の腕からいって、認めざるをえなかったのよ」
「詩占はどう出た?」
懐から詩占が書かれた紙を取り出し赤斗に手渡す。
そして溜息一つ。
「逆らるる 巡り会いにて 彼の人は 黒き光に 眠り給ふ。よくは分からないけど、眠るって記述は、死の抽象表現。会うって表現は、それが他人によってもたらされるってことだから……」
私の声なぞ、耳に入らないという表情で紙を見つめる赤斗。
こんなときに不謹慎な、と思ったが、やっぱり綺麗な顔だな、と思わず惚けてしまう。
「……世流。これは……」
「まだ王には報告してない。赤斗に相談してからにしようと思って」
やっと紙から視線をはがした赤斗は私を見た。
その瞳に宿った光が、とても寂しげで、それでいて冷たくて。
思わず息をのむ。
「……依斗と羅日斗にはこのことを伏せておく。父上には……ありのままを伝えることにする。謁見を控えていただかないといけないからな。」
少し考えた末、彼は決断を下した。
私はその決断に頷いて同意の意を示す。
今はとにかく出来ることをして、ことを未然に防ぐ努力をしなくてはならない。
ちなみに依斗とは、この国の第二王子。赤斗と三つ離れた弟。羅日斗は第三王子で、赤斗とは十も歳が離れている。
赤斗が二十三歳に対して、依斗は二十歳。羅日斗は離れて十二歳だ。
赤斗・依斗と羅日斗は腹違いの兄弟。
前王妃様は、赤斗が十五の時に病気で亡くなられた。その後迎えた羅日斗の母君も、羅日斗を生んですぐ他界された。
依斗はともかく、母を知らない羅日斗にこれ以上哀しい思いをさせたくないのだろう。
腹違い、王位継承問題、彼らの背景には色々なものがあるが、純粋に赤斗は兄弟として羅日斗を大事に思っている。
「今頃、希亜が運命占してるだろうから、結果はまた伝えるよ」
「あぁ。頼む」
頷く赤斗。これで城のほうは大丈夫だろう。
赤斗は、王からはもちろんのこと、民や家臣、兵たちからの信頼も厚い。私も彼を信頼しているから、彼にまかせておけば大丈夫だ。
と、安堵するものの。
実を言うと、私にはもう一つ気になることがあった。
それを言おうか言うまいか悩んでいると……。
「何か……言いたそうだな。世流」
「……え?」
「言いたい事があるのなら、言ってしまえ」
そう言われ、思わず目を見開いた。
いつも……こうだ。赤斗には隠し事ができない。どんなにうまく隠しても、何故か赤斗にだけはばれてしまう。
私はすこし微笑んで口を開いた。
「気になることが……もう一つあるんだ」
今のところ王には関係ないと思うけれど、と付け加えて。
「昨夜、獣化ウイルスの患者が二人運ばれてきたの。そのうち一人は、元・王宮警備兵だったんだけど」
「あぁ、多分昨年結婚して北国へ行った光だろう」
「そうそう……って。あんたよく分かるね……」
私は感心した。
まさかこの男、城務めの兵を全員覚えているのだろうか……。私には、何人いるかもわからないというのに……。
「亜人跡で、噛まれたって言うんだ」
「ありえないことではないだろう。あそこに魔獣や野良が住み着きはじめたのはここ半年くらいのことだ」
そんなことくらい分かっている。私の言いたいことは、そういうことではない。
「何か……さ……。気になるんだ。亜人跡のあたり」
私の言葉に赤斗は首をかしげた。
「なんていうか……うまく言えないんだけど、何かありそうな気がする。それも、いい意味じゃない何かが……」
漠然としすぎて、何も分からないけどね、と苦笑しながら呟いた。
「何にせよ、今は王のことが最優先だから。頭の片隅にでも置いておくことにするよ。とりあえず話はそれだけ」
言いながら立ち上がった私の手首を、赤斗が掴んだ。
今度は、彼が何か言いたそうな表情をして。
「希亜からの連絡。お前のことだ。何かあったら言霊でと言ったんだろう?」
「……そうだけど……?」
「なら、帰る必要はない。ここにいろ」
何ですと?
聞き返す間もなく、体が強く引かれバランスを崩しベッドへ倒れこんだ。
あわてて起き上がろうと体を起こすが、赤斗の体がそれを許さない。腕を押さえつけ、私の瞳を覗き込む。
不意に、彼の右手が私の顔に触れた。まるで、壊れ物を扱うかのように、大きな手で私の頬を包み込む。
「もう日が暮れる。疲れた、と言っていたな? そんな体で何かあったらどうする」
「いや、大丈夫だって」
「俺が大丈夫じゃない」
「……わけ分からないんだけど……」
「心配で眠れないだろう。いいな。今日はココにいろ」
それは命令に近い口調だった。
普通、王族の私宮に夜訪ねるという行為は、やはりそれ相応の意味を持っている。いくら私とて、この部屋に泊まったことは無い。
……んなことしたら、私から赤斗の婚約者ですなんて、示してみせることになりかねない。
今までも、こういう展開は何度もあった。そのたびに城内の神殿に世話になっていたのだ。
「お前が来てるってことは、神官長は知っているからな。おそらく準備はしてるだろ」
「……あんた……帰ってくるのが遅いと思ったら……」
どうやら赤斗は、部屋へ戻る前に神殿の方へ行き、私が泊まる手はずを整えてきたようだ。
……まったく……抜け目が無いというか何というか……。
「連絡がきたらすぐ伝えに来い。あぁ、安心しろ。今日の見張りは永だ」
「それもあんたの差し金なの?」
「ひどい言いようだな。夜中、ココへ来ても嫌な噂がたたんようにしてやったのに」
にやり、と口の端を持ち上げる。
「噂になっても俺は一向に構わんぞ。なんなら、ここへ泊まっても、俺は構わんぞ?」
意地の悪い笑みを顔に刻んだまま、私の水源色の髪を弄ぶ。
「その性格が治ったら考えてやってもいいよ」
少し強めに赤斗の胸を押し、体の下から這い出る。
「手厳しいな。そこが俺のいいところとは思わんか?」
「あぁ、そーだねー」
ぱたぱたと手を振り、適当にあしらっておく。
この性格がこいつのいいところ……ねぇ……。プラス思考もここまできたら、頭が痛くなってくる。
このひねくれた性格が、彼の長所であるというのならば、冷の究極の方向音痴や、炎の三歩で忘れる記憶力さえ可愛いものに見えてくる。
……いや、そうでもないか……。
「とにかく。何か分かったらすぐに知らせに来い。いいな?」
「分かったよ。まったく。赤斗にはかなわないな」
ふぅ、と今日何度目かわからない溜息。ただし、今までのとは気分が大分違う溜息だが。
「じゃぁ、私は神殿に行くからね」
今度こそ、部屋を出るために扉の方へ向かう。
が。
「世流」
またもや腕を掴まれ、扉に手をかけようとしたところで立ち止まる。
振り向き赤斗の顔を見上げた。
190センチある赤斗と、155センチしかない私とでは、まるで大人と子供の差がある。赤斗の胸より小さい自分がなんだか情けなく思えることもあるが、彼にとっては好都合らしい。
「気になるからといって、一人で亜人跡に行こうだなんて思うなよ」
「なになになぁに? 心配してんの?」
少し仕返ししてやろうと、私は赤斗を真似て、意地悪く笑いながら聞き返した。
「遺跡探検なんて楽しそうなこと、お前にだけにさせてたまるか。俺も誘え」
その、王子らしからぬ発言に思わず赤斗のお腹を叩いた。
「間違いかとも思ったよ。でも、希亜は五回連続でその結果が出た、って言ってた。彼女の腕からいって、認めざるをえなかったのよ」
「詩占はどう出た?」
懐から詩占が書かれた紙を取り出し赤斗に手渡す。
そして溜息一つ。
「逆らるる 巡り会いにて 彼の人は 黒き光に 眠り給ふ。よくは分からないけど、眠るって記述は、死の抽象表現。会うって表現は、それが他人によってもたらされるってことだから……」
私の声なぞ、耳に入らないという表情で紙を見つめる赤斗。
こんなときに不謹慎な、と思ったが、やっぱり綺麗な顔だな、と思わず惚けてしまう。
「……世流。これは……」
「まだ王には報告してない。赤斗に相談してからにしようと思って」
やっと紙から視線をはがした赤斗は私を見た。
その瞳に宿った光が、とても寂しげで、それでいて冷たくて。
思わず息をのむ。
「……依斗と羅日斗にはこのことを伏せておく。父上には……ありのままを伝えることにする。謁見を控えていただかないといけないからな。」
少し考えた末、彼は決断を下した。
私はその決断に頷いて同意の意を示す。
今はとにかく出来ることをして、ことを未然に防ぐ努力をしなくてはならない。
ちなみに依斗とは、この国の第二王子。赤斗と三つ離れた弟。羅日斗は第三王子で、赤斗とは十も歳が離れている。
赤斗が二十三歳に対して、依斗は二十歳。羅日斗は離れて十二歳だ。
赤斗・依斗と羅日斗は腹違いの兄弟。
前王妃様は、赤斗が十五の時に病気で亡くなられた。その後迎えた羅日斗の母君も、羅日斗を生んですぐ他界された。
依斗はともかく、母を知らない羅日斗にこれ以上哀しい思いをさせたくないのだろう。
腹違い、王位継承問題、彼らの背景には色々なものがあるが、純粋に赤斗は兄弟として羅日斗を大事に思っている。
「今頃、希亜が運命占してるだろうから、結果はまた伝えるよ」
「あぁ。頼む」
頷く赤斗。これで城のほうは大丈夫だろう。
赤斗は、王からはもちろんのこと、民や家臣、兵たちからの信頼も厚い。私も彼を信頼しているから、彼にまかせておけば大丈夫だ。
と、安堵するものの。
実を言うと、私にはもう一つ気になることがあった。
それを言おうか言うまいか悩んでいると……。
「何か……言いたそうだな。世流」
「……え?」
「言いたい事があるのなら、言ってしまえ」
そう言われ、思わず目を見開いた。
いつも……こうだ。赤斗には隠し事ができない。どんなにうまく隠しても、何故か赤斗にだけはばれてしまう。
私はすこし微笑んで口を開いた。
「気になることが……もう一つあるんだ」
今のところ王には関係ないと思うけれど、と付け加えて。
「昨夜、獣化ウイルスの患者が二人運ばれてきたの。そのうち一人は、元・王宮警備兵だったんだけど」
「あぁ、多分昨年結婚して北国へ行った光だろう」
「そうそう……って。あんたよく分かるね……」
私は感心した。
まさかこの男、城務めの兵を全員覚えているのだろうか……。私には、何人いるかもわからないというのに……。
「亜人跡で、噛まれたって言うんだ」
「ありえないことではないだろう。あそこに魔獣や野良が住み着きはじめたのはここ半年くらいのことだ」
そんなことくらい分かっている。私の言いたいことは、そういうことではない。
「何か……さ……。気になるんだ。亜人跡のあたり」
私の言葉に赤斗は首をかしげた。
「なんていうか……うまく言えないんだけど、何かありそうな気がする。それも、いい意味じゃない何かが……」
漠然としすぎて、何も分からないけどね、と苦笑しながら呟いた。
「何にせよ、今は王のことが最優先だから。頭の片隅にでも置いておくことにするよ。とりあえず話はそれだけ」
言いながら立ち上がった私の手首を、赤斗が掴んだ。
今度は、彼が何か言いたそうな表情をして。
「希亜からの連絡。お前のことだ。何かあったら言霊でと言ったんだろう?」
「……そうだけど……?」
「なら、帰る必要はない。ここにいろ」
何ですと?
聞き返す間もなく、体が強く引かれバランスを崩しベッドへ倒れこんだ。
あわてて起き上がろうと体を起こすが、赤斗の体がそれを許さない。腕を押さえつけ、私の瞳を覗き込む。
不意に、彼の右手が私の顔に触れた。まるで、壊れ物を扱うかのように、大きな手で私の頬を包み込む。
「もう日が暮れる。疲れた、と言っていたな? そんな体で何かあったらどうする」
「いや、大丈夫だって」
「俺が大丈夫じゃない」
「……わけ分からないんだけど……」
「心配で眠れないだろう。いいな。今日はココにいろ」
それは命令に近い口調だった。
普通、王族の私宮に夜訪ねるという行為は、やはりそれ相応の意味を持っている。いくら私とて、この部屋に泊まったことは無い。
……んなことしたら、私から赤斗の婚約者ですなんて、示してみせることになりかねない。
今までも、こういう展開は何度もあった。そのたびに城内の神殿に世話になっていたのだ。
「お前が来てるってことは、神官長は知っているからな。おそらく準備はしてるだろ」
「……あんた……帰ってくるのが遅いと思ったら……」
どうやら赤斗は、部屋へ戻る前に神殿の方へ行き、私が泊まる手はずを整えてきたようだ。
……まったく……抜け目が無いというか何というか……。
「連絡がきたらすぐ伝えに来い。あぁ、安心しろ。今日の見張りは永だ」
「それもあんたの差し金なの?」
「ひどい言いようだな。夜中、ココへ来ても嫌な噂がたたんようにしてやったのに」
にやり、と口の端を持ち上げる。
「噂になっても俺は一向に構わんぞ。なんなら、ここへ泊まっても、俺は構わんぞ?」
意地の悪い笑みを顔に刻んだまま、私の水源色の髪を弄ぶ。
「その性格が治ったら考えてやってもいいよ」
少し強めに赤斗の胸を押し、体の下から這い出る。
「手厳しいな。そこが俺のいいところとは思わんか?」
「あぁ、そーだねー」
ぱたぱたと手を振り、適当にあしらっておく。
この性格がこいつのいいところ……ねぇ……。プラス思考もここまできたら、頭が痛くなってくる。
このひねくれた性格が、彼の長所であるというのならば、冷の究極の方向音痴や、炎の三歩で忘れる記憶力さえ可愛いものに見えてくる。
……いや、そうでもないか……。
「とにかく。何か分かったらすぐに知らせに来い。いいな?」
「分かったよ。まったく。赤斗にはかなわないな」
ふぅ、と今日何度目かわからない溜息。ただし、今までのとは気分が大分違う溜息だが。
「じゃぁ、私は神殿に行くからね」
今度こそ、部屋を出るために扉の方へ向かう。
が。
「世流」
またもや腕を掴まれ、扉に手をかけようとしたところで立ち止まる。
振り向き赤斗の顔を見上げた。
190センチある赤斗と、155センチしかない私とでは、まるで大人と子供の差がある。赤斗の胸より小さい自分がなんだか情けなく思えることもあるが、彼にとっては好都合らしい。
「気になるからといって、一人で亜人跡に行こうだなんて思うなよ」
「なになになぁに? 心配してんの?」
少し仕返ししてやろうと、私は赤斗を真似て、意地悪く笑いながら聞き返した。
「遺跡探検なんて楽しそうなこと、お前にだけにさせてたまるか。俺も誘え」
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