翡翠堂の店主

結城 鈴

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 翌朝。店を開けながら思う。このお店は、祖父のもので・・・将典が立て替えたら、翡翠堂は将典さんのものになるのかな。
やっぱり、今のこの翡翠堂がなくなるなら、自分も一緒に消えるのがいいような気がする。
消えて、それで・・・。
気持ちが落ち着いたら、就職して働いて、一人暮らしなりすればいい。それがこの町でなくとも。もともと、大学は地方で一人暮らしだった。収入次第だが、親の仕送り無しで生活できる水準の、どこか家賃の安い地域で、職を探したらいいように思う。
将典は、この町で仕事をしているから・・・。
離れ離れになっちゃうのかな。
そうならないために、家をここに建てると言ってるわけだけれど。男同士で住む家をここに建てて、そこに自分と将典が住むことを、果たして家族はどう思うのか。
許さないような気がするなぁ。
結婚して、普通に子供を二人育てるくらいには、普通の両親だ。受け入れがたいだろう。息子が、ゲイになったかもしれないなんて。そもそも自分は、ゲイなのか?もうそこからわからなかった。
「セックスして・・・気持ちいいって思ったらそうなのかな。」
朝から、そんなことを考え始めて、思考を止める。
将典がここに、翡翠堂付きの家を建てたとして・・・果たして、そこを好きになれるのだろうか。
あんなことまでしちゃったけど、自分は本当に将典のことが好きなのだろうか。甘やかされて、勘違いをしているだけのような気がしないでもない。
「冷静」に、考えちゃうくらいだったら、それはきっと恋じゃない。そんな気がする・・・。けれど、将典を前にすると、「冷静」さを失うのも事実だ。
ドキドキして、もっと、って気持ちになる。
もっと、近づきたい。
もっと、触れたい。
もっと、声を聴きたい。
最近はそこに、もっとキスしてほしい、もっと気持ちよくしてほしいが追加されてしまった。
たまにふと我に帰ることもあるが、やっぱりこれは恋なのだろうか。
「好き・・・?」
将典のことは好きだ。
自身でハイスペックと言うだけのことはある。肩書が社長と言うだけで、若い将典に群がる女性は多いだろう。女避けに、指輪が欲しいと言うくらいだ。きっと相当なんだろう。
花に水をやり、カウンターの小さな椅子に座って、将典を思う。将典を思うことは、自分の将来を考えることだった。
将典にすべて預けるには、情報が少なすぎた。会社の規模も、どこに住んでいるのかも、まだ知らない。知りたいと思うのは、どうしてなんだろう。将典も、同じように思ってくれているのかな。当面の懸念事項は、この翡翠堂と母屋のことだろうか。
本気・・・なんだろうな。
たぶん、家のことも、セックスをしたいと言うのも。
応えてしまっていいのだろうか。
自分は成人男子で、自分のことは自分で決めていい歳だけれど、生活費は親にお世話になっている。そういう意味で、まだ子供で・・・。親の監視下にあるのに、男性とセックスをするのは、性的に逸脱してる気がするのだ。そんなことしちゃ駄目だって、頭の隅で警鐘が鳴る。でも、このままだと近い将来には流されてしまっている気がする。
そこに、自分の意志はあるのか・・・。
もやもやしているうちに、お昼の鳩が鳴いた。

 夕方、将典から『飲みに行きたいので、駅前のカフェで待ち合わせしませんか?』とメールが来た。
飲みに?月曜日なのに?待ち合わせなら、ここですればいいのでは?
不思議に思いながらも『大丈夫ですよ。何時ですか?』と返した。『時間はまた仕事が終わったらメールします。』と返ってきた。
「あの、これ、いいですか?」
唐突に話しかけられて、スマホを取り落としそうになる。慌ててカウンターに置いて、目の前の女の子に対応した。
しまった。お客さんいたんだっけ。
いつもの女子高生だ。花を置いてからというもの、よく来てくれるようになった。三回に一回は、買って行ってもくれる。
女の子が手にした本の裏表紙をめくると、百円、と記してあった。薄くて古い文庫本だ。見れば、聞いたこともない作家のものだったが、一応初版本だった。
「お待たせしました。百円です。」
女の子は、百円玉で支払うと、手渡したしおりを大事そうに本に挟んで帰っていった。
五時半の鳩が鳴く。どうやら、今日の客は、彼女一人になりそうだった。

 八時。夕ご飯は済ませてくださいと将典から連絡があったので、家で一人フランスパンに明太子スプレッドを塗って、焼いて食べる。インスタントのオニオンコンソメスープを付けた。明太子スプレッドは、実は手作りだ。バターと明太子が安かったので、作り置きして小分けにして冷凍した。パスタの時にも使えて、重宝するのだ。本当は、将典と食べたかったのだが仕方ない。将典は夕ご飯どうするのだろう。まさか、すきっ腹で飲みにはいかないだろうが・・・。
 カフェのドア近くの席に座り、壁にかかった時計を見る。
そろそろ、来るかな、と思ったところで、将典が現れた。いつもの鞄と、腕にはジャケットを掛けている。そうか、そろそろ衣替えだから。
「お疲れ様です。こんばんは、将典さん。」
「こんばんは。」
暑そうですね、それ、とジャケットを指すと、まだ夏ものだけどね、と返された。夜風は冷たい。それでも、歩いてくる将典には暑かったのだろう。
「ここで軽く食べようかと・・・。未知は何か飲む?」
御飯済んでるよね?と将典がカウンターに向かう。それについていきながら、頷いて見せた。
「軽くですけど食べてきました。」
将典は頷くと、ポテトチーズグラタンと、サンドイッチをオーダーした。もう、グラタンの美味しい季節だった。
「未知はアイスティー?ミルク?」
「あ、はい。」
なんでわかったんだろう?
首をかしげていると、住宅展示場で、アイスティーにミルク入れてた、と将典が笑う。そんな些細なことを覚えていたのか。よく見ている。ちがうな。よく見られている。
「将典さん、アイスコーヒーでしたっけ?」
「いや。今日は、期間限定の、洋ナシの生ジュース。この前、のぼりが立ってて美味しそうだなって思って。まだやってたら。数量限定らしいから。」
期間限定とか、数量限定とか、意外と乙女な将典が可愛い。
そしてその限定品は、今日まだあったようで。料理の前に、席に運ばれてくる。テーブルに、ふわりと甘い香り。
「わぁ。美味しそう!」
思わず声を上げると、将典がグラスをこちらによこした。
「先に飲んでいいよ。」
「えっ?」
「それとも、俺が口付けた後がいい?」
思わず周りを見る。いつの間にか、客は自分たちだけになっていた。でも、店員はいる。思わず、どっちでもいいです、と小声で言っていた。まさのりは、ふふ、と笑うと、差し出したグラスを引き寄せて、一口飲み、またこちらに差し出した。それを、一口飲む。
「美味しい!」
けれど、やっていることは間接キスで。もちろん、もっとすごいキスも体験済みだったけれど、とにかく恥ずかしかった。
将典もまた、一口する。小さな声で、間接キスご馳走様、と笑った。
そこにグラタンとサンドイッチが運ばれてくる。
「大丈夫だよ。ここはそういうお店じゃないけど、店員は慣れてる。」
あぁそうか。噴水が近いから・・・。
窓の外を見ようとしたが、光が反射して見えなかった。
「未知、あとでね。」
「あとで?・・・なんですか?」
尋ねたが、将典はお腹が空いていたのか、サンドイッチ片手にグラタンを食べていた。
将典は、無言で食べきると、満足したのかジュースを飲んで、さぁ行こうかと手を引いた。引かれる先は、アウルがある通りではなく、噴水の方だ。
「将典さん?」
「ん?」
この噴水には近づかないでって言ってたのに。
将典は、噴水の前にあるベンチに、鞄を置いた。
「未知、不安そうだから、けじめつけようかと思って。」
実はこれが本題と、将典は鞄の中から、手のひらくらいの小箱を取り出した。
「未知、この色好きでしょう?」
暗がりで良く見えないが、ミントグリーンに見えるこの色はもしかして・・・。
「将典さん、この色は、グリーンじゃなくてブルーだそうですよ。こまどりの卵色って言うんだそうです。」
「知ってます。・・・まぁ開けて見てよ。」
箱を開くと、中にはシンプルなデザインのブレスレットが入っていた。
「指輪にしようかとも思ったんだけど・・・未知にはこっちの方が似合いそうだったから。サイズどうかな?俺のは少し直してもらった。」
そう言いながら、左手首にキラキラと銀色に光るそれを付けられる。
「よかった。未知は手首細いね。」
ぴったりだ、と将典が笑う。その手首に、同じものが光っている。
「あらためて言うよ。俺と付き合ってください。で、半年たったら、お嫁さんになってください。」
半年後。翡翠堂が、なくなったら・・・。
この噴水にはジンクスがあるそうで。ここで、告白したら、長続きするそうで・・・。
「将典さん、僕でいいの?」
「もちろん。未知がいいに決まってるでしょう。」
頷いていいのかな。
「はい。」って言いたい自分が、確かにここにいる。
「未知?答えは?」
将典が促す。きっと、YES以外は求められていない。今ここで答えないと。
「・・・はい。」
将典が破顔する。
「じらすから、ドキドキした。未知の意地悪。」
「意地悪じゃありいません。半年後を想像してたんです。」
半年後、翡翠堂がなくなっても、きっとこれが繋いでくれる。
嬉しくて、シャツの上からそっと撫でた。
「将典さん、こんな高価なもの・・・。」
「本当は、翡翠の入ったものにしたかったんだけど、時間をかけないと見つからないね。あとは特注。半年後までには用意しておくよ。今度は指輪で。」
そしたら、またここにこよう。
将典はそう言って、左手を取るとアウルの方へと歩き始めた。
「お披露目したいから、付き合ってね。あそこには、お仲間が集まってるから、君に手を出さないように、宣言しないと。」
飲みに行くって、そういうことか!
今更ながら、将典の真意を知って、あきれるやら嬉しいやら。
そう。
嬉しいのだ。
ジンクスが、外れませんように。
歩くたびに、チャリ、と音を立てるブレスレットに、ずっと一緒にいられますようにと願いを込めた。

 二回目のアウル。しかし、軽めに作てもらったお酒で酔ってしまったこともあり、今日はノンアルコールをオーダーするつもりでいた。
ドアベルを鳴らして中に入ると、カウンターの中には初老のマスターではなく、将典よりは少し年上かというくらいのバーテンダーが立っていた。
「こんばんは。あれ?ケンゴさん一人?マスターは?」
カウンターの空いている席に座りながら問いかける。
「こんばんは。樺山さん。・・・風邪でお休みです。ほら、気候がこれだから。」
とバーテンダーは手でアップダウンを作って見せる。
「紹介するね。俺のパートナーで、ミチ。未知、ケンゴさん。こう見えてここのオーナーさんです。」
「こう見えては余分ですよ。」
樺山さんだって、こう見えて社長じゃないですか。とケンゴが笑う。
「パートナー、できたんですね。お祝いしましょうか。何を作りましょう?」
「あ、僕今日はアルコールは・・・。」
「あぁ。じゃぁあれにしましょうか。」
「あれね。」
将典とケンゴが示し合わせて口を開く。やがて、ケンゴはシェーカーに何種類かのジュースを入れると、氷を入れて振り始めた。それをショートグラスに注ぐ。
「どうぞ。」
黄色味のカクテルだ。さわやかな柑橘と甘い匂いがする。
「いただきます。」
一口すると、パイナップルの味がした。
「美味しい。」
将典とケンゴが、うんうんと頷き合っている。
「今日の君にピッタリのカクテルだよ。」
と将典が言う。まるで、答え合わせでもするかのような口調で、ケンゴが、シンデレラです、と言った。かぁっと耳まで赤くなる。将典がクスクスと笑った。
「すごい玉の輿。樺山さんの年収知ってる?キミ、遊んで暮らせるよ。」
ケンゴの言葉にびっくりしてしまう。
「えっ?知りません。そんなになんですか?」
「まぁ。君一人養うくらいたやすいかな。」
それで、玉の輿。シンデレラかと閉口する。
「でも君は働きたいんでしょう?それは、未知が好きなようにしたらいいと思ってる。」
もちろんそれは、好きなようにするつもりだが。
「将典さん、お嫁さんって、専業じゃなくてもいいんですか?」
「未知はまだ若いし・・・子供ができるわけじゃないからね。君の人生だから、君の好きにしたらいいよ。」
将典は重ねて、好きにしたらいいと言った。
ケンゴはニコニコと話を聞いていたが、いつの間にかほかの客の相手をし始めていた。将典の手元にはジントニック。グラスを挟む唇に、妙に見入っていた。
「未知?」
「あっ・・・なんでもないです。」
「・・・キスしたい?」
恥ずかしくなって俯いた。
「お店の中ではダメなんだ。飲み終わったら出ようか。」
ゆっくりと、じらすように将典がグラスを傾ける。それを隣で見ながら、シンデレラを飲み干した。
会計を済ませ、将典がカードで支払いをするのを、ドアのところで待っていた。すると、カウンターにいたお客の一人に、声を掛けられた。
「よかったね。樺山さんは浮いた話聞かない人だったから、きっと大事にしてくれるよ。おめでとう。」
全く知らない人からの祝福だったが、素直にありがとうと言える自分がいた。
ドアを開けると、さっきよりも気温が下がっていた。将典はジャケットを羽織ると、こっちと手を引き、アウルと隣の建物の間に引っ張り込んだ。人目につかない暗がりで、唇を合わせる。口を開けて待っていると、将典がクスリと笑った気配がして、欲しかったものをくれた。温かな舌の感触を楽しんで、ずいぶん長いことそうしていたと思う。息継ぎは覚えたが、酸欠でくらくらした。
「上手になった。」
「教え方が上手いんですよ。」
言うようになったなぁと、将典が笑う。
「さて、そろそろ送らないとね。電車がなくなっちゃう。」
「一人で帰れますよ。」
「送らせて。何かあってからじゃおそいから。」
こういう時、将典はいつになく真剣な声音で話す。いつも必ず、送らせて、危ないからと。
「なにか・・・あったんですか?」
「んー・・・。」
将典は口をつぐんだ。
「聞きたい?」
「話したくないような話なら、聞きませんけど。」
将典が空を見上げる。
「・・・話したく・・・ないなぁ・・・。」
何かあったのかな。でも、無理には聞けないな。
そう思い、翡翠堂までを歩く。将典は、電車の時間ギリギリに帰っていった。

今まで見せたことのない、不思議な表情をしていた。
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