翡翠堂の店主

結城 鈴

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 月曜日。天候にも恵まれて、昨日植えたプランターを店先に出す。ラベンダーの寄せ植えの鉢は、店のカウンターの横に置いた。軒先には、将典がピカピカに磨いた翡翠堂の看板が、太陽を反射していた。
何か、良いことが起きそうな予感がする。そしてその予感は当たった。
午後になって、学生が下校を始めるころ、入りやすくなったのか、女子高生が二人で入ってきた。しばらくの間、店の中でうろうろと物色し、やがて一冊手に取り読み始める。そして、時間が来たのか、そのまま帰るかと思ったその女の子が、本を手にしたままカウンターへとやってきたのだ。
「あの、これください。」
一瞬固まってしまったが、裏表紙をめくり、値段を確認する。
「二百五十円になります。」
告げると、女の子は鞄の中から財布を取り出し、五百円玉をトレイに置いた。
「これ、お釣りです。あと、これ、良かったら使ってください。」
昨夜、眠れずに作ったものだった。ピンクのリボンが付いた、しおり。シンプルなものだったが、女の子はそれを買った本に挟んで、ありがとう、と言うと帰っていった。
「っはー!緊張したぁっ!」
カウンターに背を向けて、ため息する。
やった。よかった。将典に報告できる。
そう考えて、本が売れたことそのものよりも、将典が喜ぶ顔を早く見たいと思ってしまった自分に気付いた。
喜んでくれるよ、ね?
丁度その時、鳩が五回鳴いた。将典が来るのは二時間後。それがなんとも待ち遠しかった。
 花の評判も良く、常連の、犬の散歩のおじさんに褒められた。おじさんも、以前はそうしていたのか、裏に回ると、庭の水道に犬のリードをかけてきて、店の中に入った。一通り見て回り、やはり一冊手に取る。薄い文庫本だった。そして、そのままカウンターにやってくる。
「いいかい?」
「あ、はい。百五十円です。」
裏表紙をめくると、祖母の字でそう記してあった。値を付けたのは祖母らしい。
「あの、しおりを、よかったら。」
水色のリボンのしおりを手渡す。リボンは、祖母が昔手芸に使っていたのであろう物を、納戸の裁縫箱からいただいたものだった。やはり、ありがとう、と去っていく。
「あぁそうだ。犬に水をもらっても?」
おじさんは、振り返ってそう言うと、庭の方へ招いた。常連の豆芝は、主人の帰りを大人しく待っていたようだった。どうぞ、と台所の隅にあった、古いホーローのボウルを洗ってやり、水を差し出す。喉が渇いていたのか、犬は美味しそうに水を飲んだ。
「また、たまに来ていいかな?」
「もちろんです。」
おじさんはにっこり笑うと、犬と文庫本を連れて帰っていった。

 七時。鳩が鳴いても、将典はなかなかやってこなかった。仕方なしに、じょうろに水を汲み、頑張ってくれた花たちに水をやって回る。それが済んでも来ないので、仕方なしにシャッターを閉めた。本日閉店、とプレートをかける。
どうしよう?待っていようか、買い物に行ってしまおうか・・・。
迷っているうちに、鳩が七時半を知らせた。
「仕事で遅くなる時もあるよね。」
そこまで来て、ようやく、仏壇に線香を上げ忘れていたことに気が付いた。将典より先に、こっちに報告だ。浮かれていた自分を恥じた。手を洗い、仏壇に向かう。今日は二冊も売れました、と報告して、リンを鳴らした時、勝手口で物音がした。コンコンとノックの音だ。勝手口のドアに、のぞき穴はない。恐る恐るドアを開けると、夕闇の中、将典が立っていた。
「将典さん・・・。」
「やぁ。こんばんは。遅くなっちゃって。・・・お店、どうだった?」
尋ねられて、思わず顔がほころんだ。
「来ました!お客さん!二冊、売れたんです。」
嬉しくて、将典に報告する。すると、将典は大きな手を頭の上にやり、ぽんぽんと叩いた。
「よし!今夜は祝杯をあげよう。」
「えっ?」
近過ぎるスキンシップと、提案のどちらに驚きの声を上げたのか。
「行きつけのバーがあるんだ。少しならいいよね?ご飯食べてから、飲みに行こう。」
「えっ?でもあの・・・。」
売り上げは合計四百円だ。外食の時点で足りない。困った顔をしたのだろう。将典は苦笑すると、もちろん御馳走するよ、と囁いた。

 いつもの洋食屋で、オムライスを注文し、将典はカツサンドを食べていた。カツサンドのボリュームはなかなかだ。食べ終わったら、行きつけだというバーに連れて行かれるらしい。もう、三回もここでご馳走になっている。そのうえ今日は、この後もある。長く将典といられる平日に、ドキドキしていた。
「あの、帰りの時間とか、大丈夫なんですか?」
「家に帰っても、一人だし・・・今日はいいよ。お祝いだもの。」
電車があるうちに帰るけどね、と付け足して、カツサンドの最後の一口を口に入れた。
「オムライス気に入ったみたいだね。やっぱり、卵、好きなんじゃないの。」
「・・・そうかもしれません。」
 一人、なのか。自分と一緒だ。そういえば、将典のことは、肩書以外、性癖くらいしか知らないことに気が付いた。
会計を済ませ、洋食屋からほど近い裏通りへと導かれた。
暗いそこに、小さな明かり。知らなければ見落としてしまうだろうその店は、アウルと小さな看板が出ていた。
「驚かないでね。男だけの店なんだけど、マスターの腕は確かなんだ。美味しいお酒を出してくれるよ。」
男だけ??・・・つまりそういうお店?
カラン、とドアベルが鳴る。押し込まれるようにして、店内に入った。バーに入るのも初めてなのに、もしかしなくてもいわゆるゲイバーというやつだ。急に緊張してきた。
「将典さん、あの・・・。僕が入っても大丈夫なんですか?」
自分はゲイではない、と思う。
「心配ないよ。女性客をお断りしているってだけの、普通のバーだから。」
そのまま、カウンター席へと向かった。数席あるテーブルが、全部埋まっていたからだ。スツールに尻を落ち着け、将典をうかがっていると、マスターに久しぶりです、と挨拶していた。マスターは、ペコリと会釈で返すと、今日はいいジンが入ってますよ、と言った。
「嬉しいな。じゃぁ、ジントニック。未知は?」
「えと、じゃあジンライム。」
注文すると、将典が、ジン、飲めるの?と聞いてきた。それに少しなら、と答えた。するとマスターが、じゃぁ、軽めに作りましょうかと問いかけてくる。お願いしますと答えて、辺りをそっと見まわした。
「本当に、女の人いないんですね。」
「うん。でも、居心地よくて、つい来たくなる。高校が男子校だったからかなぁ。」
「あぁ、そういうお客様、多いですよ。」
初老のマスターはそう言いながら、グラスを二つカウンターに置いた。将典はそれを手にして、ちょいと上げると、売り上げに乾杯、と静かに言った。それに答えて、乾杯、と小さく言って口にする。恥ずかしいし、嬉しいし、鼻に抜けるライムの香りが気持ちいい。
「美味しい。」
「ほんとだ。美味しいね。」
将典が相槌を打つ。それに、思わずにっこりと笑いかけていた。
「どう?このお店、気に入りそう?」
「・・・一人では来られないですけど。」
そう答えると、将典は嬉しそうに、また一緒にこようね、と言った。まるで、自分から誘ってしまった形に、うろたえる。
「あ・・・。」
かーっと顔が赤くなる。飲み始めだ。お酒のせいではない。
「未知、可愛い。」
可愛いと言われ、より鼓動が早くなる。
どうしてしまったのだろう?自分は男で、可愛いは誉め言葉じゃないと思うのに。将典に言われると、なんだか嬉しい。
「ねぇ、どう?男同士って、案外普通でしょう?」
「・・・友達なら・・・。」
そう答える。将典の男同士、には性的な意味も含まれている。つまり、恋人、としてだ。自分はまだ、そういう目では見られない・・・と思う。
でも、ドキドキする・・・。
このドキドキが、もし恋だったら・・・。友達の域を超えてしまうのだろうか?
もし・・・恋だったなら。
そんなことを考えて、いつもよりピッチが早かったかもしれない。久しぶりのお酒だったこともあるが、薄めに作ってもらったジンライムで、思いのほか酔ってしまった。とろんと、眠くなってくる。
「あれ?未知、眠くなっちゃった?もしかして、酔っちゃったの?」
将典が気遣ってくれる。すかさず、マスターがお冷をくれた。
冷たい水で、なんとか正気を保っていた。
「危ないから、家まで送るよ。」
それにコクリと頷いて、少しだけ甘える。隣の将典の肩に頭を預けてみた。
「未知・・・勘違いしそうになる。」
「うん。」
初めからそのつもりの将典の声が、少し上ずっている。それがなんともおかしくて、ぱっと頭を戻した。
「ちょっと、甘えてみました。」
「うん。・・・駄目だよ。そのつもり、ないんでしょう?あわよくばキスでも、なんて狙ってるのに。」
キス?
まだ、誰ともしたことがない。慌てて、将典の顔を見、唇を見た。アルコールで、いつもよりもほんのり赤い。
「だ、駄目です。」
「わかってる。それに、このお店は、そういうの禁止だから。」
「え?」
「いろいろルールがあるの。」
マスターが、グラスを磨きながら頷いた。
「出ようか。」
将典がカードで支払いを済ませるのを、ぼんやりと見ていた。
外に出ると、夜風は冷たく、火照った体と気持ちを冷ました。
歩いているうちに酔いは醒めるだろう。
「送るよ。」
「・・・たぶん、大丈夫です。」
「危ないから送らせて。お願い。」
お願い、とまで言われ、でも時間が気になった。バーに長居はしなかったが、電車の時間どうだろう?
「将典さん、電車は?」
「いいから。・・・行こう?」
押し切られて、家路についた。そっと、手を差し伸べられて、思わず握り返す。手をつないで、夜道を歩く。転々と街灯があり、真っ暗ではないが、将典がいなかったら心もとなかったろう。駅前を通り過ぎ、ゆっくりと歩いていく。このペースが、丁度いいのかもしれない。
もし、もしも自分と将典の間にある何かに向かっているとしても・・・。
ゆっくりでいい。この先は、少し怖いから。
 無言で歩いてきた将典と翡翠堂の前で別れる。ちゃんとお水飲んでから寝てねと念を押され、笑って応えた。
その後の記憶が、実はあまりない。けれど、朝起きると、きちんと着替えて、布団で寝ていた。
チャンスだったと思うのに、将典は何もしないで帰っていったと、思い返していた。

 ちらほら来るようになった客の相手をしつつ、書架を整理する。何とか一つ空にするのに、二週間かかった。この書架を移動すれば、テーブルが置ける。将典のプランに、また一歩近づいた金曜日、鳩が七回鳴くのを待っていた。将典は最近忙しいらしく、シャッターを閉めた後、勝手口に現れることが増えていた。それでも、一日一回は顔を見せてくれるのが嬉しくて、そのまま二人でスーパーに行き、家で作ったご飯を一緒に食べることもあった。そんな日は、将典がすごくうれしそうなので、つたないながらも品数を増やして頑張ってしまう。そんなことができてしまうのは、将典が「食費」、とスーパーの支払いを半分出してくれるからなのだが。
今日もまた、そのパターンになるのかな。それとも金曜だから、外食かな。
少しずつ、売り上げは上がってきている。ちゃんとお礼をしたいのだが、投資をした分取り戻さないと、と聞いてくれない。将典は本当に、どこまでも自分に甘かった。
ぽっぽ、と鳩が七回鳴く。今日もまた、店を開けているうちには、来そうにない。シャッターを閉めに表に回ると、遠くから、将典が歩いてくるのが見えた。しばらく見守ってしまう。やがて、将典はニコニコしながら店の前までやってきた。
「やぁ。今日も間に合わなかったなぁ。」
「でも、残業なかったんですね。」
遅いときは八時を過ぎることもあった。
「待たせてる間に、ドキドキしてもらおうと思って、言わなかったけど。いい加減不便だから、アドレス交換しない?」
最初に交換した名刺には、携帯の電話番号しか書かれていなかった。そう言われてみればそうかと、取って返してカウンターの引き出しを開ける。スマホを取り出して、将典の元に向かった。
「よかった。これで、残業の日も何が食べたいのか聞いて、支度できるようになりますね。」
「未知・・・お嫁さんになる?」
将典のリアクションに、自分がそれっぽいことを言ってしまったと知り、俯いた。赤面してしまって、顔があげられない。
「将典さんの馬鹿。」
思わず、暴言まで出てしまう。将典は、あははと笑うと、今日の夕ご飯どうしようか、と問うてきた。
「どこかで食べて、飲みに行く?」
金曜だし、と提案してくる。
「それだと、あんまりゆっくりできないですよね。」
「まぁ・・・。お酒買ってきて、未知の家で飲んじゃう?」
「あぁ、それ、いいですね。僕、酔うとすぐ眠くなっちゃうから。」
ご飯は炊いてあるし、スーパーでおかずだけ買ってこよう。
つまみと・・・。
「じゃぁ、お店閉めてきますね。花に水やりは済ませたので、すぐ出られますよ。」
将典が遅いのを見越して、夕方水やりは済ませておいたのだ。
「もう少し寒くなって、霜が降りるくらいになったら、プランターもお店に入れてあげてね。」
「わかりました。」
シャッターを閉めて、出かける準備をする。将典も後ろからついてきて、手にしていた重そうな鞄を中に入れた。
「お待たせしました。」
財布とスマホをリュックに入れて、スーパーまでを歩き出す。
「ねぇ未知、ほんとにお嫁さんになる気はないの?」
「恋人期間をとばして、ですか?」
「あーいいよね。恋人期間。で、どうなの?」
将典は機嫌がいい。
「もう、飲む前から絡まないでくださいよ。」
苦笑すると、将典は未知に酔ってる。と真顔で呟いた。
「将典さん!」
つい、大声を出してしまった。恥ずかしい。
総菜の豊富なスーパーまでの道すがら、言葉でじゃれ合いながら歩くのが、恥ずかしくも楽しい。歳の差は、少し離れたお兄さんくらいなのに、将典の言動がそれを許さない。恋人や、性的なことを意識させる発言を織り交ぜてくるからだ。
今日もまた、お酒が入る前から、今日こそはキスしたいな、と言ってくる。もういい加減聞き慣れて、キスくらいならいいかと思い始めていた。
初めてじゃなければ・・・。
性的な触れ合いは、なにもかも初めてだ。だんだん、その相手が将典になるかもしれない、と思わずにはいられなかった。

これ・・・恋なのかな・・・。

 将典といると楽しい。甘えさせてくれる存在が、こんなにも心地よいものだとは思わなかった。
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