27 / 30
27
しおりを挟む
一月十一日土曜日。人気の占い師は、何故か早々に予約が取れた。人気なんですよね?と尋ねると、来るのがわかっていたみたいだよ、と返された。何とも怖い話だ。
占い師のお宅は、都下の山の中にあった。小さいながらも、凝った造りの家で、それがまたいい雰囲気を醸し出していた。
「こんにちは。」
孝利はまだ松葉づえをついていた。玄関先で困っていると、そのまま上がってもいいとのこと。お手伝いの人が、杖の先をぞうきんで拭ってくれた。
ゆっくり、廊下を進む孝利について、廊下を歩いてゆく。奥の間に、占い師はいた。出迎えてくれ、孝利のために、畳の通り道にカーペットを敷き、椅子を用意していてくれた。
「すみません。ありがとうございます。失礼します。」
と、孝利が座る。その横に、ちょこんと正座した。
占い師は、年の頃なら五十代くらいだろうか。一見、見た目は普通のおばさんだった。冬用の、綿の入った作務衣を着て、その上に半纏を着ている。田舎のおばあちゃんと言った風情だった。
「こんにちは。お久しぶりですね。北倉さん。」
「ご無沙汰して申し訳ありません。」
「忙しくしているのは、見えていますから大丈夫ですよ。」
占い師は、小早川聡美です。と名乗った。
「あなたが環さんね。北倉さんと、うまくやっていけるか心配なんでしょう。」
あらかじめ、名前と生年月日は伝えてあった。
「はい。」
「私のところに来るほどには、不安なんですね。」
「・・・はい。」
ためらったが、頷いた。うそは、見通せる雰囲気だったからだ。小早川は、少し離れた文机に座ると、ぱらりと帳面を繰った。
「名前も生まれ月も、いいですよ。相性は悪くないです。いい方ですね。・・・魂の色も、相性はいいです。うまくやっていけますよ。」
「魂の・・・色?」
「オーラと呼ぶ人もいますが・・・。」
「そんなの、見えるんですか?」
小早川は、頷いて、孝利の方を向き直ると、北倉さんは、前は強い赤でしたけど、今はオレンジに近いですね。柔らかくなりました。と告げた。
「環さんは、緑色。ふたり、補い合って生きていけます。」
「・・・男同士でも?」
「心配いりません。あなたに近しい人はみんなあなたの味方になってくれますよ。ご両親も、理解を示されたでしょう?」
「・・・はい。」
伝えていないことを言い当てられて、ドキリとする。
「それからあなたのお友達・・・かしら?同じマンションに住んでいる・・・。」
佐川のことか?
「いい相談役になってくれますよ。」
隣を見上げると、孝利は嫌そうな顔をしていた。それに苦笑する。
「初夏に一度区切りがありますが、また一緒になれます。区切りはけじめです。避けては通れないでしょう。けれど、それが過ぎれば、離れることはありません。」
初夏・・・半年の期限のころか。やっぱり一度はきちんと両親に報告すべきだよな。二人で。
そのあとは、仕事のことなどを聞いて、予約の時間は過ぎた。
帰り道、二時間はかかる道のりを、孝利は苦でもなく運転していた。
「すごいだろう?怪我してることは伝えてなかったのに、椅子が用意してあった。さすがにびっくりしたよ。」
「え?そうなんですか?」
それを聞いて、ぞわっと鳥肌が立った。
「姓名判断もやってるけど、本職は神様に仕える巫女さんらしいよ。だから、お手伝いの人も女性なんだ。」
「じゃぁ、結婚も出産もしてないんですね。」
「だと思う。忙しくしてるけど、孤独なんじゃないかなぁ。」
そうなのか。そんな人に、こんな悩みを聞いてもらったのか。
なんだかちょっと切ない気持ちになって、窓の外を見た。
田んぼや畑が多い。しばらく走るっていると、見慣れた風景に戻ってきた。
「足、まだ痛みますか?」
「少しね。薬はもうちょっと必要かな。来週からまた夜仕事に行くから。」
「雪予報ですけど、大丈夫ですか?」
「大きなデパートの、照明の直しだから、大丈夫だと思う。」
道も広いし、駐車場は地下だしね、と笑う。
「それより、安心できたの?」
「・・・けじめって、やっぱり親に挨拶とかですかね?」
「うーん。うちの両親許してくれるのかな。でも、それを過ぎたら、大丈夫ってことは、きっと認めてもらえるってことだよね。」
久しぶりに会いに行く覚悟を決めないとなぁ、と孝利は唸った。
「どれ位会ってないんですか?」
「五年。一度、個展で余ったランプシェードを母にプレゼントしに行ったんだ。その頃はまだ、兄が家に入ってなくて・・・。だから、こんなことしてないで、農作業を手伝えって・・・あんまり喜んでくれなかったな。」
なんだか、また切ない話だ。孝利の作る作品は、どれも美しいのに・・・。価値がわからないのか、それ以上の何かがあるのか。わからなかったけれど・・・。孝利は、それからずっと、一人でやってきたのだろう。
僕に会うまで。
仕事関係をサポートしてくれる人や、ギャラリーの葛井の存在はあっても、淋しかったに違いない。
一緒にいてあげたい。
本当は、占い師なんかに会わなくても、決まっていたことだったのかもしれない。
あぁ。早く抱かれたいな・・・。
自分の体を支えるのでさえ不自由な孝利には言えなかった。
抱いてほしい。抱きしめてほしい。
「考え事?」
「へっ?」
赤信号で止まった孝利が問うてくる。
「あ、いえ・・・。」
思わず言葉を濁してしまうが・・・。
「わかるよ。考えちゃうよね。いろいろ・・・。」
あの人に会うとね。と、孝利は言うがそうではない。
「違いますよ。その・・・抱いてほしいなぁって思っただけです。」
「入れてほしいの?」
ちょっと難しいな、と孝利が困った顔をする。
「そうじゃなくて、ぎゅってしてほしいっていうか。」
「・・・かわいいこと言うね。それならできるよ。ベッドでだけど。横になってたら、簡単。」
「あ、そっか。一緒に寝たらいいんですね?」
「そうそう。トイレの時とか助かるし。」
「・・・色気ないですねー。」
ごめんね。でも切実。と孝利が車を出す。家までもうすぐだ。
「で?実際どうだった?自信ついた?」
「自信っていうか・・・。やっぱりとりあえず半年なんだなぁって思いました。半年の記念日に、二人で会いに行きましょうね。ご両親に。」
「ゴールデンウィークじゃダメなの?田植えの時期と重なると怒られそう。」
「え?田植えって、ゴールデンウィークの前じゃなかったです?」
「うちの方遅いの。」
そうなんだ。
「じゃぁ、準備で忙しい時期にお邪魔したら、怒られそうですね。」
「それもそうだね。わざわざ怒られに行くの嫌だな。
・・・ゴールデンウィークはどこか別のところに行こう。」
そうこうしているうちに、車は地下の駐車場に入った。
運転席の方に回り、孝利が降りるのを助ける。松葉づえにはなれたもので、痛みも引いてきているのだろうが、自分が歩くのと同じくらいのペースで歩けた。
「来週病院に行って、靴を履いて歩いていいか聞いてくるよ。」
「腫れは引きましたもんね。」
「あとは、どっちかと言うと整骨とかのお世話になった方がいい気がする。上手なところ知ってるんだ。」
「へぇ・・・。意外ですね。こういう怪我、良くするんですか?」
「いや。肩こりで。アトリエに籠ると、ガチガチになっちゃうから。」
なるほど。
「バレンタインは、何か欲しいものありますか?」
「欲しいものというか・・・あげたいものはあるよ。」
なんだろう?
「小早川先生のお墨付きももらったし、指輪をね。」
「指輪・・・ですか。」
それはまた・・・。そういうものが好きなタイプだとは知らなかった。
エレベーターで上に向かいながら、目を丸くしていると、孝利がクスクス笑った。
「欲しくない?」
俺のものになった印。と耳元に囁かれる。
「本当は、君を抱いたときに、渡したかったんだけど・・・君、自信なさげだったから。もう大丈夫でしょう?つけてくれるよね?」
「えっ?もう、用意してあるんですか?」
「ううん。一緒に買いに行こう?」
それは恥ずかしい。
耳を赤くしていると、かわいいね、とつつかれた。ちゅ、と頬にキスされる。丁度、エレベーターが家のある階についた。
指輪・・・指輪かぁ・・・。
普段アクセサリーはつけないから、なんだかなくしそう。
考えていると、ドア開けて、と催促された。
「ただいまー。」
リビングのドアのガラス越しに、アンが待っているのが見える。
「アン、ただいま。」
アーンとアンが答える。頭をなでてやると、どうやらおやつの催促で。」
チュールを取り出して、一本舐めさせてやる。
孝利は、ぴょんぴょんと片足でソファーまで来ると、どっかりと座った。
「アンいいなぁ。俺もおやつ欲しい。」
「ケーキがいいですか?」
買ってきますよ、と言うと、今日はバナナタルトの気分、と返された。財布とスマホをコートのポケットに入れて、出かける支度をする。
「あ、ちょっと待って。」
「はい。なんでしょう?」
「ちょっと考えたんだけど、俺が入れるのじゃなくて、君が乗るんだったらできそうじゃない?セックス。」
なんてこと言いだすんだこの人は。
「その話、今じゃないとだめですか?」
「駄目じゃないけど、抱いてほしいんでしょ?」
「そうですけど・・・。」
難易度の高い要求をしてくる。できるかな。いやいや・・・。
「ねぇタマ。試してみよう?」
抱き合いたい。と訴えられて、陥落した。
「わかりました。・・・じゃぁ夜に・・・。準備するので。」
「うん。楽しみだな。」
きっと、足が不自由でストレスもたまっているに違いない。
ご主人様の言うことには、黙って従おう。
そう思いつつ、ケーキを買いに、玄関を開けた。
その夜、トイレを済ませて、久しぶりにゆっくりとお風呂につかり、孝利のベッドにいつものタオルを敷いた。孝利は、ベッドボードに置いたクッションにだらりともたれかかり、機嫌よさそうに鼻歌を歌っていた。
「自分でならせる?」
「えっ?・・・してくれないんですか?」
「いいけど、俺はこの体勢から動けないから、お尻こっちに向けて、伏せてみてくれる?」
あんまりな要求に、しかし自分でするよりはマシ、と言い聞かせて、従う。
「うん。いいね。ピンク色。」
「っ。」
そういうこと、言わないでほしい。恥ずかしくて、タオルに顔をうずめていると、ローションの開く音がした。トローとそこを濡らされて、ゆっくり、少しずつ指が潜ってくる。
「ん、んぅ・・・。」
「痛い?」
痛みではなく、異物感の方が強い。開かれていく感触も。
ゾクゾクする・・・。
「だいぶ間が空いちゃったからね。痛いかな・・・。」
言いながら、孝利は指を深く差し込んだ。
「あぁぁ・・・っ。」
背中がしなる。快感をやり過ごそうとかぶりを振っていると、孝利が笑った気配がした。
「んや・・・。なに?」
「ふふ。色っぽいなって。かわいいよ。」
背中のラインがきれいだね、と息を吹きかけられる。
「ふぁ・・・。」
「中のいいとこ・・・この辺だったかな。」
くち・・・くちゅと音を立ててかき混ぜられる。
「は!あ・・・あぁっ!」
「・・・ここ?」
コクコク頷いて、そこだと訴える。
「きもちい・・・そこ好き・・・。」
「タマはほんとに気持ちいいことは大好きだね。」
「やだー・・・名前で呼んで。」
こんな時くらい、と泣いて見せると、ごめん健斗・・・と優しく呼んでくれた。
「あっ・・・あ・・・イキそう。」
「待って、本番したいんでしょ?」
孝利が、そっと指を抜いた。少し待ってから、二本の指で、入口を広げ始めた。ぐちゅ、と濡れた音がする。きつい感じがするだけで、気持ちよくはない。やはり、前立腺を弄ってもらわないと、イケそうになかった。
イキたいけど・・・まだ。孝利さんの・・・入れたい。
「まだ?」
「もう少し慣らそう?久しぶりだし、まだ二回目なんだし・・・乗るの初めてだし?きっと痛いよ。」
痛いよと、脅されて、怖くなるが・・・。
深く繋がって抱き合いたい。
「孝利さん・・・痛くてもいい・・・。」
「んー・・・。泣かしたくないな。」
言いながら、薬指をねじ込んでくる。
「っあ!・・・あ・・・あ・・・。」
「ほら・・・痛いんじゃない。」
目じりにたまった涙を拭うのを、見とがめられる。
「だって・・・。」
早く繋がりたい。
「健斗。・・・好きだよ。」
「んん・・・。」
くちゅくちゅと後口を弄られて、だんだん腰が下がってくる。
股間を覗くと、ペニスが透明な糸を引いて揺れていた。
「も、平気だから。お願い。」
孝利は、しかたないなとため息すると、指を抜いて、自身のペニスに片手で器用にゴムを付けた。そこに、滴るほどのローションを纏わせる。
「おいで。向かい合わせ?」
「うん。」
孝利の肩に手を置いて、ゆっくりと腰を落とす。秘部にそれが触れた。熱い。
「ゆっくりね・・・。」
頷いて、ゆっくりと腰を落とした。ちゅぷん、と先端を咥えるのに成功する。が、思っていたよりもはるかに痛かった。
「た・・・。いたいぃ・・・。」
「ほら、支えててあげるから、馴染むまで頑張りな。」
震える腿を、孝利がさすってくれる。かなりの時間をかけて、ようやく痛みが薄れてきた。
「・・・大丈夫そう。入れたい。」
「うん。おいで。」
健斗、好きだよ、と頬を撫でてくれる。
「僕も・・・。」
ゆっくりと、全部を飲み込み、孝利のまたぐらに尻を乗せる。
「苦しくない?」
「苦しい。狭くて熱い。」
動かなくていいからね、と釘を刺される。
「でも、それじゃイケないでしょ?」
「それが目的で抱き合ってるんじゃない。健斗はイケたらイキな。」
「気持ちいいとこより、ちょっと深すぎる。」
「うん。しばらく抱き合っていよう。満足したら、前弄ってあげるから。ちゃんとしたセックスは、足が治るまでお預けだな。」
それに、しかたなく頷いて、孝利の首に絡みつく。
「キスしたい。」
「いいよ。」
ちゅ、と唇に触れ、舌を伸ばされる。受け入れて、孝利の舌を楽しんだ。温かくて、ざらついた肉の感触。絡め合わせると、独特の快感を生む。
きもちいい・・・。
中の孝利の感触が、不満を訴えている。固く、トクトクと脈打つのを感じていると、動いてあげたくなる。そうしたら、きっともっと気持ちよくなれるのに。
「動いちゃだめ?」
「もう痛くないの?」
それに、頷いて、秘部に触れる。
「熱い・・・。」
「うん。・・・とろけそう。動くの、できるの?」
「わかんない。やってみないと・・・。」
ぬるる、と腰を上げてみる。すると、いいところをかすめた。
「あっ・・・。」
「健斗?」
「ん。気持ちよくて・・・。」
すりすりと、気持ちいいところを擦ってしまう。
「そこいいの?」
「うん・・・。」
押されるたびに、じわぁっと快感が広がる。こうなるともう、動かないなんて無理だ。
「イキたい・・・。」
「しょうがないなぁ。」
言いながら、ローションのふたを開けて、固くなっているペニスにそっととろみを掛けた。少しひんやりするその刺激に、達してしまいそうになる。
「っ。」
波をやり過ごし・・・しかし、孝利の手で弄ってほしい。
「こすって・・・。」
お願いすると、孝利は屹立に手を添えて、上下にしごいてくれた。自分が腰を振るのに合わせて、敏感な裏側や、鈴口を弄ってくれる。気持ちよくて、腿がふるえてきた。
「っ・・・きつい。」
孝利が苦鳴を上げる。
「ごめんなさ・・・とまんない。」
孝利の肩に手を置いて、ぬぷぬぷと腰を上下する。前立腺に、太いところが当たるたび、背をそらして仰のいた。
「も、だめ・・・。でそう。」
「いいよ。イキな。」
かわいい健斗・・・。と鎖骨を吸われる。
「あっ・・・あぁぁんっ!」
びゅく、と数度孝利の手に吐き出した。孝利は、根元からしごき上げるようにして、中にたまった精液を絞り出す。その手を無造作に、ベッドに敷いたタオルで拭った。
「騎乗位上手じゃない。」
言われて、カーッと耳が熱くなる。
ぬるん、と孝利の上から降りた。ゴムの中身はまだ空っぽだ。するするとゴムを外し、先端に口づけた。
「健斗?」
「んむ?」
イかせてあげたい。こんなに固くなって、上を向いてるのに、イキたくないわけない。
ぱくりと咥えて、先端をなめねぶった。八重歯を当てないように気を付けながら、筋を舐める。先を吸うと、孝利が小さく呻いた。
「出ちゃうよ・・・。」
その言葉が嬉しくて、こくこくとうなずき、熱を込めて孝利を愛撫する。手で、根元からしごきながら、先端をペロペロ舐めた。やがて、孝利のペニスが一際大きくなる。
「で、る、よ・・・。」
頷いて、鈴口に舌を這わせ、何度も吸い上げた。
「けんと・・・っ!」
孝利が、名前を呼ぶと同時に、とぷとぷと口に中に、青臭い粘液が飛び込んでくる。残さずに吸い上げて、飲み込んだ。
「君は・・・。出していいのに。」
「・・・したかったから。」
「濃かったろう。」
「僕としてない間、孝利さんもしてなかったってことですよね?」
言うと、照れ臭そうに笑った。
「さすがにシャワー浴びたい。というか、お風呂入りたい。」
さっきも、孝利だけはシャワーで済ませていたから。
「足、大丈夫ですか?」
温めて、痛みがぶり返さないとも限らない。
「少しなら大丈夫だよきっと。」
ね、お願い、と言われて、余程入りたいのだと思う。
支度してきます。と、ふらつく足で、風呂場に向かった。
洗面所の大きな鏡に、情事の跡が映る。
あ、鎖骨、あとついてる・・・。
冬で、ハイネックを着ることが多いから、見えたりはしないだろうが・・・。
恥ずかしいことしてくれるなぁ。
風呂をぬるめに追い炊きして、バスローブを用意する。
バスローブも、着慣れたなぁ。
そんなことを思いながら、孝利を迎えに行った。
占い師のお宅は、都下の山の中にあった。小さいながらも、凝った造りの家で、それがまたいい雰囲気を醸し出していた。
「こんにちは。」
孝利はまだ松葉づえをついていた。玄関先で困っていると、そのまま上がってもいいとのこと。お手伝いの人が、杖の先をぞうきんで拭ってくれた。
ゆっくり、廊下を進む孝利について、廊下を歩いてゆく。奥の間に、占い師はいた。出迎えてくれ、孝利のために、畳の通り道にカーペットを敷き、椅子を用意していてくれた。
「すみません。ありがとうございます。失礼します。」
と、孝利が座る。その横に、ちょこんと正座した。
占い師は、年の頃なら五十代くらいだろうか。一見、見た目は普通のおばさんだった。冬用の、綿の入った作務衣を着て、その上に半纏を着ている。田舎のおばあちゃんと言った風情だった。
「こんにちは。お久しぶりですね。北倉さん。」
「ご無沙汰して申し訳ありません。」
「忙しくしているのは、見えていますから大丈夫ですよ。」
占い師は、小早川聡美です。と名乗った。
「あなたが環さんね。北倉さんと、うまくやっていけるか心配なんでしょう。」
あらかじめ、名前と生年月日は伝えてあった。
「はい。」
「私のところに来るほどには、不安なんですね。」
「・・・はい。」
ためらったが、頷いた。うそは、見通せる雰囲気だったからだ。小早川は、少し離れた文机に座ると、ぱらりと帳面を繰った。
「名前も生まれ月も、いいですよ。相性は悪くないです。いい方ですね。・・・魂の色も、相性はいいです。うまくやっていけますよ。」
「魂の・・・色?」
「オーラと呼ぶ人もいますが・・・。」
「そんなの、見えるんですか?」
小早川は、頷いて、孝利の方を向き直ると、北倉さんは、前は強い赤でしたけど、今はオレンジに近いですね。柔らかくなりました。と告げた。
「環さんは、緑色。ふたり、補い合って生きていけます。」
「・・・男同士でも?」
「心配いりません。あなたに近しい人はみんなあなたの味方になってくれますよ。ご両親も、理解を示されたでしょう?」
「・・・はい。」
伝えていないことを言い当てられて、ドキリとする。
「それからあなたのお友達・・・かしら?同じマンションに住んでいる・・・。」
佐川のことか?
「いい相談役になってくれますよ。」
隣を見上げると、孝利は嫌そうな顔をしていた。それに苦笑する。
「初夏に一度区切りがありますが、また一緒になれます。区切りはけじめです。避けては通れないでしょう。けれど、それが過ぎれば、離れることはありません。」
初夏・・・半年の期限のころか。やっぱり一度はきちんと両親に報告すべきだよな。二人で。
そのあとは、仕事のことなどを聞いて、予約の時間は過ぎた。
帰り道、二時間はかかる道のりを、孝利は苦でもなく運転していた。
「すごいだろう?怪我してることは伝えてなかったのに、椅子が用意してあった。さすがにびっくりしたよ。」
「え?そうなんですか?」
それを聞いて、ぞわっと鳥肌が立った。
「姓名判断もやってるけど、本職は神様に仕える巫女さんらしいよ。だから、お手伝いの人も女性なんだ。」
「じゃぁ、結婚も出産もしてないんですね。」
「だと思う。忙しくしてるけど、孤独なんじゃないかなぁ。」
そうなのか。そんな人に、こんな悩みを聞いてもらったのか。
なんだかちょっと切ない気持ちになって、窓の外を見た。
田んぼや畑が多い。しばらく走るっていると、見慣れた風景に戻ってきた。
「足、まだ痛みますか?」
「少しね。薬はもうちょっと必要かな。来週からまた夜仕事に行くから。」
「雪予報ですけど、大丈夫ですか?」
「大きなデパートの、照明の直しだから、大丈夫だと思う。」
道も広いし、駐車場は地下だしね、と笑う。
「それより、安心できたの?」
「・・・けじめって、やっぱり親に挨拶とかですかね?」
「うーん。うちの両親許してくれるのかな。でも、それを過ぎたら、大丈夫ってことは、きっと認めてもらえるってことだよね。」
久しぶりに会いに行く覚悟を決めないとなぁ、と孝利は唸った。
「どれ位会ってないんですか?」
「五年。一度、個展で余ったランプシェードを母にプレゼントしに行ったんだ。その頃はまだ、兄が家に入ってなくて・・・。だから、こんなことしてないで、農作業を手伝えって・・・あんまり喜んでくれなかったな。」
なんだか、また切ない話だ。孝利の作る作品は、どれも美しいのに・・・。価値がわからないのか、それ以上の何かがあるのか。わからなかったけれど・・・。孝利は、それからずっと、一人でやってきたのだろう。
僕に会うまで。
仕事関係をサポートしてくれる人や、ギャラリーの葛井の存在はあっても、淋しかったに違いない。
一緒にいてあげたい。
本当は、占い師なんかに会わなくても、決まっていたことだったのかもしれない。
あぁ。早く抱かれたいな・・・。
自分の体を支えるのでさえ不自由な孝利には言えなかった。
抱いてほしい。抱きしめてほしい。
「考え事?」
「へっ?」
赤信号で止まった孝利が問うてくる。
「あ、いえ・・・。」
思わず言葉を濁してしまうが・・・。
「わかるよ。考えちゃうよね。いろいろ・・・。」
あの人に会うとね。と、孝利は言うがそうではない。
「違いますよ。その・・・抱いてほしいなぁって思っただけです。」
「入れてほしいの?」
ちょっと難しいな、と孝利が困った顔をする。
「そうじゃなくて、ぎゅってしてほしいっていうか。」
「・・・かわいいこと言うね。それならできるよ。ベッドでだけど。横になってたら、簡単。」
「あ、そっか。一緒に寝たらいいんですね?」
「そうそう。トイレの時とか助かるし。」
「・・・色気ないですねー。」
ごめんね。でも切実。と孝利が車を出す。家までもうすぐだ。
「で?実際どうだった?自信ついた?」
「自信っていうか・・・。やっぱりとりあえず半年なんだなぁって思いました。半年の記念日に、二人で会いに行きましょうね。ご両親に。」
「ゴールデンウィークじゃダメなの?田植えの時期と重なると怒られそう。」
「え?田植えって、ゴールデンウィークの前じゃなかったです?」
「うちの方遅いの。」
そうなんだ。
「じゃぁ、準備で忙しい時期にお邪魔したら、怒られそうですね。」
「それもそうだね。わざわざ怒られに行くの嫌だな。
・・・ゴールデンウィークはどこか別のところに行こう。」
そうこうしているうちに、車は地下の駐車場に入った。
運転席の方に回り、孝利が降りるのを助ける。松葉づえにはなれたもので、痛みも引いてきているのだろうが、自分が歩くのと同じくらいのペースで歩けた。
「来週病院に行って、靴を履いて歩いていいか聞いてくるよ。」
「腫れは引きましたもんね。」
「あとは、どっちかと言うと整骨とかのお世話になった方がいい気がする。上手なところ知ってるんだ。」
「へぇ・・・。意外ですね。こういう怪我、良くするんですか?」
「いや。肩こりで。アトリエに籠ると、ガチガチになっちゃうから。」
なるほど。
「バレンタインは、何か欲しいものありますか?」
「欲しいものというか・・・あげたいものはあるよ。」
なんだろう?
「小早川先生のお墨付きももらったし、指輪をね。」
「指輪・・・ですか。」
それはまた・・・。そういうものが好きなタイプだとは知らなかった。
エレベーターで上に向かいながら、目を丸くしていると、孝利がクスクス笑った。
「欲しくない?」
俺のものになった印。と耳元に囁かれる。
「本当は、君を抱いたときに、渡したかったんだけど・・・君、自信なさげだったから。もう大丈夫でしょう?つけてくれるよね?」
「えっ?もう、用意してあるんですか?」
「ううん。一緒に買いに行こう?」
それは恥ずかしい。
耳を赤くしていると、かわいいね、とつつかれた。ちゅ、と頬にキスされる。丁度、エレベーターが家のある階についた。
指輪・・・指輪かぁ・・・。
普段アクセサリーはつけないから、なんだかなくしそう。
考えていると、ドア開けて、と催促された。
「ただいまー。」
リビングのドアのガラス越しに、アンが待っているのが見える。
「アン、ただいま。」
アーンとアンが答える。頭をなでてやると、どうやらおやつの催促で。」
チュールを取り出して、一本舐めさせてやる。
孝利は、ぴょんぴょんと片足でソファーまで来ると、どっかりと座った。
「アンいいなぁ。俺もおやつ欲しい。」
「ケーキがいいですか?」
買ってきますよ、と言うと、今日はバナナタルトの気分、と返された。財布とスマホをコートのポケットに入れて、出かける支度をする。
「あ、ちょっと待って。」
「はい。なんでしょう?」
「ちょっと考えたんだけど、俺が入れるのじゃなくて、君が乗るんだったらできそうじゃない?セックス。」
なんてこと言いだすんだこの人は。
「その話、今じゃないとだめですか?」
「駄目じゃないけど、抱いてほしいんでしょ?」
「そうですけど・・・。」
難易度の高い要求をしてくる。できるかな。いやいや・・・。
「ねぇタマ。試してみよう?」
抱き合いたい。と訴えられて、陥落した。
「わかりました。・・・じゃぁ夜に・・・。準備するので。」
「うん。楽しみだな。」
きっと、足が不自由でストレスもたまっているに違いない。
ご主人様の言うことには、黙って従おう。
そう思いつつ、ケーキを買いに、玄関を開けた。
その夜、トイレを済ませて、久しぶりにゆっくりとお風呂につかり、孝利のベッドにいつものタオルを敷いた。孝利は、ベッドボードに置いたクッションにだらりともたれかかり、機嫌よさそうに鼻歌を歌っていた。
「自分でならせる?」
「えっ?・・・してくれないんですか?」
「いいけど、俺はこの体勢から動けないから、お尻こっちに向けて、伏せてみてくれる?」
あんまりな要求に、しかし自分でするよりはマシ、と言い聞かせて、従う。
「うん。いいね。ピンク色。」
「っ。」
そういうこと、言わないでほしい。恥ずかしくて、タオルに顔をうずめていると、ローションの開く音がした。トローとそこを濡らされて、ゆっくり、少しずつ指が潜ってくる。
「ん、んぅ・・・。」
「痛い?」
痛みではなく、異物感の方が強い。開かれていく感触も。
ゾクゾクする・・・。
「だいぶ間が空いちゃったからね。痛いかな・・・。」
言いながら、孝利は指を深く差し込んだ。
「あぁぁ・・・っ。」
背中がしなる。快感をやり過ごそうとかぶりを振っていると、孝利が笑った気配がした。
「んや・・・。なに?」
「ふふ。色っぽいなって。かわいいよ。」
背中のラインがきれいだね、と息を吹きかけられる。
「ふぁ・・・。」
「中のいいとこ・・・この辺だったかな。」
くち・・・くちゅと音を立ててかき混ぜられる。
「は!あ・・・あぁっ!」
「・・・ここ?」
コクコク頷いて、そこだと訴える。
「きもちい・・・そこ好き・・・。」
「タマはほんとに気持ちいいことは大好きだね。」
「やだー・・・名前で呼んで。」
こんな時くらい、と泣いて見せると、ごめん健斗・・・と優しく呼んでくれた。
「あっ・・・あ・・・イキそう。」
「待って、本番したいんでしょ?」
孝利が、そっと指を抜いた。少し待ってから、二本の指で、入口を広げ始めた。ぐちゅ、と濡れた音がする。きつい感じがするだけで、気持ちよくはない。やはり、前立腺を弄ってもらわないと、イケそうになかった。
イキたいけど・・・まだ。孝利さんの・・・入れたい。
「まだ?」
「もう少し慣らそう?久しぶりだし、まだ二回目なんだし・・・乗るの初めてだし?きっと痛いよ。」
痛いよと、脅されて、怖くなるが・・・。
深く繋がって抱き合いたい。
「孝利さん・・・痛くてもいい・・・。」
「んー・・・。泣かしたくないな。」
言いながら、薬指をねじ込んでくる。
「っあ!・・・あ・・・あ・・・。」
「ほら・・・痛いんじゃない。」
目じりにたまった涙を拭うのを、見とがめられる。
「だって・・・。」
早く繋がりたい。
「健斗。・・・好きだよ。」
「んん・・・。」
くちゅくちゅと後口を弄られて、だんだん腰が下がってくる。
股間を覗くと、ペニスが透明な糸を引いて揺れていた。
「も、平気だから。お願い。」
孝利は、しかたないなとため息すると、指を抜いて、自身のペニスに片手で器用にゴムを付けた。そこに、滴るほどのローションを纏わせる。
「おいで。向かい合わせ?」
「うん。」
孝利の肩に手を置いて、ゆっくりと腰を落とす。秘部にそれが触れた。熱い。
「ゆっくりね・・・。」
頷いて、ゆっくりと腰を落とした。ちゅぷん、と先端を咥えるのに成功する。が、思っていたよりもはるかに痛かった。
「た・・・。いたいぃ・・・。」
「ほら、支えててあげるから、馴染むまで頑張りな。」
震える腿を、孝利がさすってくれる。かなりの時間をかけて、ようやく痛みが薄れてきた。
「・・・大丈夫そう。入れたい。」
「うん。おいで。」
健斗、好きだよ、と頬を撫でてくれる。
「僕も・・・。」
ゆっくりと、全部を飲み込み、孝利のまたぐらに尻を乗せる。
「苦しくない?」
「苦しい。狭くて熱い。」
動かなくていいからね、と釘を刺される。
「でも、それじゃイケないでしょ?」
「それが目的で抱き合ってるんじゃない。健斗はイケたらイキな。」
「気持ちいいとこより、ちょっと深すぎる。」
「うん。しばらく抱き合っていよう。満足したら、前弄ってあげるから。ちゃんとしたセックスは、足が治るまでお預けだな。」
それに、しかたなく頷いて、孝利の首に絡みつく。
「キスしたい。」
「いいよ。」
ちゅ、と唇に触れ、舌を伸ばされる。受け入れて、孝利の舌を楽しんだ。温かくて、ざらついた肉の感触。絡め合わせると、独特の快感を生む。
きもちいい・・・。
中の孝利の感触が、不満を訴えている。固く、トクトクと脈打つのを感じていると、動いてあげたくなる。そうしたら、きっともっと気持ちよくなれるのに。
「動いちゃだめ?」
「もう痛くないの?」
それに、頷いて、秘部に触れる。
「熱い・・・。」
「うん。・・・とろけそう。動くの、できるの?」
「わかんない。やってみないと・・・。」
ぬるる、と腰を上げてみる。すると、いいところをかすめた。
「あっ・・・。」
「健斗?」
「ん。気持ちよくて・・・。」
すりすりと、気持ちいいところを擦ってしまう。
「そこいいの?」
「うん・・・。」
押されるたびに、じわぁっと快感が広がる。こうなるともう、動かないなんて無理だ。
「イキたい・・・。」
「しょうがないなぁ。」
言いながら、ローションのふたを開けて、固くなっているペニスにそっととろみを掛けた。少しひんやりするその刺激に、達してしまいそうになる。
「っ。」
波をやり過ごし・・・しかし、孝利の手で弄ってほしい。
「こすって・・・。」
お願いすると、孝利は屹立に手を添えて、上下にしごいてくれた。自分が腰を振るのに合わせて、敏感な裏側や、鈴口を弄ってくれる。気持ちよくて、腿がふるえてきた。
「っ・・・きつい。」
孝利が苦鳴を上げる。
「ごめんなさ・・・とまんない。」
孝利の肩に手を置いて、ぬぷぬぷと腰を上下する。前立腺に、太いところが当たるたび、背をそらして仰のいた。
「も、だめ・・・。でそう。」
「いいよ。イキな。」
かわいい健斗・・・。と鎖骨を吸われる。
「あっ・・・あぁぁんっ!」
びゅく、と数度孝利の手に吐き出した。孝利は、根元からしごき上げるようにして、中にたまった精液を絞り出す。その手を無造作に、ベッドに敷いたタオルで拭った。
「騎乗位上手じゃない。」
言われて、カーッと耳が熱くなる。
ぬるん、と孝利の上から降りた。ゴムの中身はまだ空っぽだ。するするとゴムを外し、先端に口づけた。
「健斗?」
「んむ?」
イかせてあげたい。こんなに固くなって、上を向いてるのに、イキたくないわけない。
ぱくりと咥えて、先端をなめねぶった。八重歯を当てないように気を付けながら、筋を舐める。先を吸うと、孝利が小さく呻いた。
「出ちゃうよ・・・。」
その言葉が嬉しくて、こくこくとうなずき、熱を込めて孝利を愛撫する。手で、根元からしごきながら、先端をペロペロ舐めた。やがて、孝利のペニスが一際大きくなる。
「で、る、よ・・・。」
頷いて、鈴口に舌を這わせ、何度も吸い上げた。
「けんと・・・っ!」
孝利が、名前を呼ぶと同時に、とぷとぷと口に中に、青臭い粘液が飛び込んでくる。残さずに吸い上げて、飲み込んだ。
「君は・・・。出していいのに。」
「・・・したかったから。」
「濃かったろう。」
「僕としてない間、孝利さんもしてなかったってことですよね?」
言うと、照れ臭そうに笑った。
「さすがにシャワー浴びたい。というか、お風呂入りたい。」
さっきも、孝利だけはシャワーで済ませていたから。
「足、大丈夫ですか?」
温めて、痛みがぶり返さないとも限らない。
「少しなら大丈夫だよきっと。」
ね、お願い、と言われて、余程入りたいのだと思う。
支度してきます。と、ふらつく足で、風呂場に向かった。
洗面所の大きな鏡に、情事の跡が映る。
あ、鎖骨、あとついてる・・・。
冬で、ハイネックを着ることが多いから、見えたりはしないだろうが・・・。
恥ずかしいことしてくれるなぁ。
風呂をぬるめに追い炊きして、バスローブを用意する。
バスローブも、着慣れたなぁ。
そんなことを思いながら、孝利を迎えに行った。
1
お気に入りに追加
172
あなたにおすすめの小説
【完結】俺はずっと、おまえのお嫁さんになりたかったんだ。
ペガサスサクラ
BL
※あらすじ、後半の内容にやや二章のネタバレを含みます。
幼なじみの悠也に、恋心を抱くことに罪悪感を持ち続ける楓。
逃げるように東京の大学に行き、田舎故郷に二度と帰るつもりもなかったが、大学三年の夏休みに母親からの電話をきっかけに帰省することになる。
見慣れた駅のホームには、悠也が待っていた。あの頃と変わらない無邪気な笑顔のままー。
何年もずっと連絡をとらずにいた自分を笑って許す悠也に、楓は戸惑いながらも、そばにいたい、という気持ちを抑えられず一緒に過ごすようになる。もう少し今だけ、この夏が終わったら今度こそ悠也のもとを去るのだと言い聞かせながら。
しかしある夜、悠也が、「ずっと親友だ」と自分に無邪気に伝えてくることに耐えきれなくなった楓は…。
お互いを大切に思いながらも、「すき」の色が違うこととうまく向き合えない、不器用な少年二人の物語。
主人公楓目線の、片思いBL。
プラトニックラブ。
いいね、感想大変励みになっています!読んでくださって本当にありがとうございます。
2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。
最終章投稿後、第四章 3.5話を追記しています。
(この回は箸休めのようなものなので、読まなくても次の章に差し支えはないです。)
番外編は、2人の高校時代のお話。
【完結】イケメン騎士が僕に救いを求めてきたので呪いをかけてあげました
及川奈津生
BL
気づいたら十四世紀のフランスに居た。百年戦争の真っ只中、どうやら僕は密偵と疑われているらしい。そんなわけない!と誤解をとこうと思ったら、僕を尋問する騎士が現代にいるはずの恋人にそっくりだった。全3話。
※pome村さんがXで投稿された「#イラストを投げたら文字書きさんが引用rtでssを勝手に添えてくれる」向けに書いたものです。元イラストを表紙に設定しています。投稿元はこちら→https://x.com/pomemura_/status/1792159557269303476?t=pgeU3dApwW0DEeHzsGiHRg&s=19
恋した貴方はαなロミオ
須藤慎弥
BL
Ω性の凛太が恋したのは、ロミオに扮したα性の結城先輩でした。
Ω性に引け目を感じている凛太。
凛太を運命の番だと信じているα性の結城。
すれ違う二人を引き寄せたヒート。
ほんわか現代BLオメガバース♡
※二人それぞれの視点が交互に展開します
※R 18要素はほとんどありませんが、表現と受け取り方に個人差があるものと判断しレーティングマークを付けさせていただきますm(*_ _)m
※fujossy様にて行われました「コスプレ」をテーマにした短編コンテスト出品作です
貧乏大学生がエリート商社マンに叶わぬ恋をしていたら、玉砕どころか溺愛された話
タタミ
BL
貧乏苦学生の巡は、同じシェアハウスに住むエリート商社マンの千明に片想いをしている。
叶わぬ恋だと思っていたが、千明にデートに誘われたことで、関係性が一変して……?
エリート商社マンに溺愛される初心な大学生の物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/bl.png?id=5317a656ee4aa7159975)
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる