続 野良猫と藪医者

結城 鈴

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 土曜日。夏休み前の課題提出の最終日だった。いつものように電車で学校へと向かう。課題は仕上げてあった。今日は、友成と一緒にはならなかった。食堂も、今日から休み。夏休みの打ち合わせもしたかったし、後で連絡を取ろう、そう思いながら、講師の部屋へと向かった。途中、泣きながら歩いてくる学生とすれ違った。見覚えのある顔だ。同じ講師の授業を取っている。
課題、受け取ってもらえなかったのかな・・・?
どうしよう。先生機嫌が悪いのかも。
恐る恐る、ドアをノックした。どうぞ、と中から低いトーンの声が聞こえる。
「失礼します。早乙女です。課題出しにきました。」
講師の諏訪は、こちらに背を向け、窓の外を見ながら、なにか飲んでいた。室内に、かすかなコーヒーの香り。
「先生?」
再度声をかける。諏訪は振り返ると、無表情に飲んでいたカップを置いた。四十代初めごろだろうか。一臣よりは年上そうな、しかし若い見た目。髪は後ろに撫でつけてある。半袖のワイシャツは、薄いグレーだった。
「早乙女君。君、乗ってくる電車、自宅から遠くないかい?」
え?
ドキッとした。保険証もそうだが、何もかも、書類は自宅の住所を書いていたからだ。一臣の家から近いあの駅から電車に乗るのは、確かに不自然なことだった。
でも、どうして先生がそんなこと知っているんだろう・・・?
「君が乗る車両ね、私が乗る車両の隣なんだよ。混んでない時は、ガラス越しに君の姿が見える。君、綺麗な顔をしているからね。印象に残るんだよ。君の方は気付いてなかったみたいだけどね。」
どうしよう・・・。どう言い訳しよう?
「と、時々、友達の家に泊めてもらってて・・・。」
「時々?学校のある日はいつも、だよね。」
即座に切り返された。
どうしよう。年の離れた一臣と、同居しているなんて、どう考えても不自然なこと。説明できない。
「すみません・・・。」
「家出、とかしてるの?」
うちの学生はけっこう乱れてる子いるから、そんなに珍しくないけどね。と諏訪は付け足した。
「君には似合わないね。・・・言えない?」
「・・・家から、アクセスが悪いから・・・友達の家に間借りしてます。」
諏訪は、ふうん?とあいまいに頷いた。
「友達・・・ねぇ。男?女?」
なんでそんなこと聞くんだろう。背中を嫌な汗が伝った。
「それ、男でしょう?」
諏訪は、聞いておいて、断定してきた。目を伏せたのを肯定と受け取ったらしかった。
「早乙女君、男、OKなんだ?」
「え・・・。」
小さく声が漏れる。ゲイなのが、バレた?それにしても、諏訪は不躾だ。
「君の課題、すごくきれいだよね。君のセンス、嫌いじゃない。気が合いそうだなって、いつも思ってた。」
そして諏訪は、耳を疑うようなことを言った。
「ねぇ?男、大丈夫なら、内緒で付き合わない?悪いようにはしないから。」
諏訪は、ゆっくりと、頭の上からつま先までを見、視線を合わせてきた。慌ててそらす。
「そんなの・・・無理です。」
断ったら、課題どうなるんだろう。成績が付かなかったら、単位が取れなかったら、親に報告しなければならない。学校にいられなくなるかもしれない。永遠の夏休みになってしまうかも・・・。
「無理なの?・・・あぁそう。仕方ないなぁ。
あ、じゃぁさ君、夏休みもここに来る?学校祭、講師も展示出さないといけないの、知ってるかな?モデルになってくれない?裸で。」
「は、裸・・・ですか?」
「うん。君のこと、気に入ってるんだよ。酷く中性的だよね。まるで天使みたいだ。私の中では輝いて見える。どう?
あ、バイト代は出すよ。悪いようにはしないから。」
諏訪は、また悪いようにはしないとうそぶいた。
「ちょっと・・・考えさせてもらってもいいですか?」
「ちょっと?何分くらい?それ、今日が締め切りだよ?」
それ、と課題を指される。
「っ・・・。」
もとより、コンプレックスのあるこの体を、他人に、一臣に以外に見せるなんて・・・考えられない。でも・・・。
そっと、裏返しのイラストボードを諏訪に手渡した。諏訪は、そのまま受け取った。それがすべてを物語っていた。
この夏休み、諏訪の気が済むまで、ヌードモデルをすることになったのだった。
まさか、股間は描かないよね?
それが、甘い考えだったことは、夏休み嫌というほど思い知ることになる。

 帰りの電車、友成と一緒になった。友成の課題はやはり間に合ったらしく、今回はすんなり諏訪に受け取ってもらえたと、嬉し気に話していた。そんな友成に、言えなかった。付き合ってくれと言われたうえ、それを断るとヌードモデルになれと言われたことなんて。言えるはずもなかった。友成との約束はどうしよう。一緒にデッサンの課題をすることになっていたはずだ。時間は、諏訪の都合に合わせることになっていた。携帯のアドレスを交換した。
そうだ。ヌードモデルだということを伏せればいいんじゃないか?諏訪の手伝いをすることになったと言って・・・。
でも、学校祭でその作品が飾られれば、何をしたのかは明白だ。一臣にだって隠しておけない。
俯いていたその顔を、友成が下から覗き込んだ。
「すばる?」
「あ・・・うん。なんでもない。・・・あのさ、夏休みの課題のことなんだけど・・・。」
「あぁ。モチーフ決めた?」
友成が、あそこ空いたよ、と電車の座席を指し示す。連れだってそこに座りながら、まだ、と答えた。
「オレも。なぁ、今日、先生妙に機嫌よくなかった?」
ドキッとした。
「どうかな?友成何時頃出しに行ったの?」
「午後一。塗ったはいいけど乾かなくてさ。」
A3のイラストボードにアクリルだ。この季節、湿度が高いせいか、乾きが悪かった。
「すばるは?」
「お昼前かな。泣いてた人いた。」
見かけたことを話すと、友成はうえーっと露骨に嫌そうな顔をした。
「諏訪のやつ、気分屋なんだよな。機嫌悪いと容赦ないからなー。ってことはお昼御飯がおいしかったとかかな?機嫌よかったから。」
それは多分、自分がモデルの話を了承したからだ、なんてことは口が裂けても言えない。
「課題はあるけど、一応これで夏休みだなー。」
「うん。そうだね・・・。」
どうしよう・・・どうしよう・・・。
頭の中はどうしようで埋め尽くされていた。
危うく乗り換えの駅を降りそびれて、友成にも不審がられてしまう。
「オレここで帰るけど・・・なんかあるんだったら連絡して来いよな?」
友成は、敏感だ。何か察しているのだろう。
「うん。・・・ありがとう。」
作り笑いを作って見送る。自分が乗る電車が、ホームに滑り込んでくる。この路線に、諏訪も乗り合わせるのだ。思わずあたりを確認してしまう。それらしい人影はない。ホッと胸を撫でおろしつつ、けれど朝は別だ。向こうも、それを話してきたということは、今度は同じ車両に乗り合わせてくるかもしれない。困った・・・。
一臣にどこまで話そう・・・。こんな話、聞きたくないよね。
どう考えても、下心がありそうな雰囲気だった。芸術家にその手の人が多いのは知っているけれど・・・。
天使みたいだ・・・。
諏訪の言葉かリフレインする。ゾクリとした。
いつもなら、一臣の夜勤のバイトは隔週なのだが、今日は三連休の初日で、病院のスタッフが足りないとかで、仕事になった。下手なことを言って、差し支えたら困る。月曜まで、持ち越しだな。そう心の中で決めて、ため息をついた。

日曜の午後。遅い昼食を取ってから、一臣と共に美容室に来ていた。今日はこの後、眼鏡屋にもいく予定だ。疲れて頭痛になりはしないかと不安だったが、一臣が月曜はゆっくりどこかに行こうと言い出したので、このスケジュールになった。
「今日はどのようにしましょうか?」
男性の美容師だ。何度か来たことのある美容室で、希望の時間に予約が空いていてほっとした。口数が少ないこの担当が、実は相性が良いので、好きだった。もちろん、一臣にそんな話はしないが。
一臣にしない話と言えば・・・、諏訪の話、ヌードモデルの話も、やはりまだできていなかった。一臣が了承するとは到底思えないからだ。自分だってやりたくないのだ。けれど・・・。
あれから、学校のホームページで、去年の学校祭の諏訪の展示を見た。正直、惹かれなかったと言えば嘘になる。諏訪の絵は、自分の好み・・・目指すところと合致していた。
その絵のモデルに自分が?
興味を引くには十分だった。どんな自分を描いてくれるのだろう。諏訪の絵は、どこか本質を見抜いたようなキレイさがある。自分のことを、女のように描くのか、男のように描くのか、それとも言っていたように中性的に描くのか。天使が果たして、中性的かどうかは知らないが、性別はなさそうだと思う。そう。性別なんてなければこんなにもいろいろなことを悩まずに済むのだ。
シャリ、と髪を切られながら、あらわになるその顔を鏡越しに見ながら思う。姉によく似たその顔は、確かに中性的と言えた。でも、薄いながらも髭は生えるし、喉仏だって控えめながらもちゃんとある。どう見ても、男なのだ。気付かれないように、そっと吐息する。
小一時間かけて、髪は全体に短くなり、前髪も眉のあたりで整えてもらった。視界が開けて、辺りが見やすくなったと思う。
「いかがですか?前髪もっと切りますか?」
「えっと・・・。」
思わず、後で見守る一臣を振り返る。
「とりあえずいいんじゃないかな?似合ってるよ。」
一臣の満足そうな表情を見て、美容師に、このままで、と告げる。すると、じゃぁ、ちょっと整髪料つけときますね、と柔らかな猫っ毛に動きをつけてもらった。見慣れないヘアスタイルに、少しドキドキする。
「うん。いいね。」
一臣が後ろから鏡越しに微笑む。少年っぽさの強調された自分の姿に、これでも諏訪の気は変わらないだろうかと、頭の隅で思った。

眼鏡屋は、何か問題が起きた時に一人で行けるようにと、学校に行く沿線の駅の近くに行くことになった。紛失や破損の恐れを否めなかったからだ。降りたことのない駅だったが、眼鏡屋には三台分ほどの駐車スペースもあり、アクセスは良かった。
「いらっしゃいませ。」
こちらも、男性の店員が出迎えてくれる。ホッと胸を撫でおろし、眼鏡初めてなんですけど、と告げた。
「処方箋をお持ちですか?」
「あ、はい。」
眼科で渡された封筒を手渡す。店員は、封を開け中を見ると、にっこりと微笑んだ。
「レンズにこだわりがなければ、即日お渡しできますよ。」
「こだわり?」
「傷防止加工や、ブルーライトカットのレンズは取り寄せになります。」
そういうことかと頷いて、一臣を振り返る。
「傷加工、してもらった方がいいよ。あと、グラフィックで使うならブルーライトカットも。目に優しいよ。」
と、アドバイスをくれる。
「そうですね。用途に合わせて・・・。どこでお使いですか?」
「あ、主に学校で。」
「でしたら、レンズは取り寄せた方がよさそうです。家の中だけで、スマホも見ないなら、こちらですぐご用意できるレンズでも十分かとは思いますが。」
そういうものなのか。
頷いて、辺りを見回す。展示の棚がいくつもあり、所狭しと眼鏡が並んでいる。この中から、自分に会う一本を選ぶのか。少しげんなりしていると、店員は、こちらへ。と左手側の棚を指した。
「お客様お顔小さいですからね、このあたりの男性用の眼鏡・・・か、あるいは男女兼用のこちらの眼鏡なんかがお似合いだと思いますよ。」
「兼用?」
「どちらでも似合うようにデザインされています。チタンの細身のフレームなら、初心者の方でも、違和感なくお使いいただけると思いますよ。」
なるほど、軽いしフレームも気にならなそうだ。
「すばる、見てないでかけてみてごらん。」
「あ、うん。」
店員が素早く動いて、似合いそうなものを、と三点チョイスしてくれた。
レンズが丸く、ツルの細い、フレームのないものを選んでみる。
「そちらはお手入れに少々気を使いますが、掛心地は一番ナチュラルだと思います。」
言われて、掛けてみる。鏡に映った姿を見て、こんなものかと思う。
「お似合いですね。こちらもどうぞ試してみてください。」
言われるまま、店員が選んだ眼鏡を、いくつか試着してみる。
だんだん、わけが分からなくなってくるし、頭痛もし始めた。
「うーん?」
唸っていると、一臣がやってきて、これなんかどう?と別の眼鏡を手渡してきた。
「あれ?思ったより、眼鏡が主張しちゃうね。最初のが一番良かったかも。」
店員が、すかさず最初の眼鏡を手渡してくれる。かけてみて、やはりこれがしっくりきそうだと思った。
「一臣さんごめんなさい。ちょっと頭痛くなってきちゃった。」
「あ、薬飲んでおく?」
「うん。」
一臣は、店の隅にあったウォーターサーバーまで行くと、カップに水を持って来てくれた。薬を飲んでいると、店員が商品を戻し終えて戻ってきた。
「すみません。疲れさせてしまいましたか?」
「いえ・・・。頭痛もちで。」
「この視力差だと、疲れて頭痛が出やすいですよね。眼鏡は早くて三日で仕上がりますから、出来上がりましたらこちらから連絡を差し上げますね。」
と、店の名刺を手渡された。
「じゃぁ、お会計を。」
一臣が申し出る。
「会員登録していただけると、メンテナンス費用は無料になりますのでお勧めしております。」
「あ、じゃぁお願いします。」
こちらのカードに、必要事項を書き込んでくださいね、と別の女性の店員がカウンターに案内した。書き込んでいる間に、どうやら一臣が支払いを済ませてしまったらしかった。クレジットカードをしまうのが見えた。あとで、返せばいいかと、カードを仕上げる。すると、女性の店員が、会員様の特典ですので、と眼鏡ケースと眼鏡拭きを選ぶよう言ってきた。
「じゃぁ、このブルーのやつで、眼鏡拭きは水色で。」
疲れていたし、あれこれ選ぶのも面倒で、一番好きな色を適当に選んだ。
「では、ご連絡差し上げますので。この電話番号になりますね。」
と名刺を指し示される。
「ご来店お待ちしております。」
店員二人に見送られ、駐車場を後にする頃には、頭痛はだいぶ酷くなっていた。
「ロキソニン効かない?」
イミグラン持ってる?と一臣が近くのコンビニに停車する。
「うん。持ち歩いてるよ。」
「水、買ってこようね。」
無理させちゃったなぁ、ごめん。と言い置いて、一臣は店内へと消えていった。イミグランは、偏頭痛の特効薬だ。飲めば三十分以内には遅くとも回復する。手放せなかったが、一臣はキツイ薬だからと必要最低限しか持たせてくれなかった。
一臣が戻ってくる。手には一臣がお気に入りのフランス産の水。受け取って薬を流し込む。それだけで、ほっとして、心なしか頭痛が和らぐ気がした。多分に精神的な問題があると思うこの頭痛。眼鏡で果たして改善するのかは謎だった。三日後からの生活が少し待ち遠しかった。
諏訪はどう思うだろう?髪型を変え、眼鏡をかけて登校した自分を見て、どんな反応をするだろう。今の自分は、明らかに一臣好みの姿だった。諏訪が好んだ中性的な早乙女からは少し離れた気がする。これで諦めてくれたらいいのだが。
考え事をしていると、一臣が車を出しながら首を傾げた。
「今日は口数少ないね。・・・後は帰るだけだから、少し休むといいよ。」
「・・・うん。ありがとう。」
諏訪のことを考えていたとは言えず、大人しく目を閉じて寝たふりをした。

 月曜は海の日の振り替え休日。一臣も休みだというので、朝がのんびりだ。それでも、なるべくリズムを崩したくないと言う彼は、八時半には起きて、九時までにはシャワーを浴び、食卓についていた。
今日は、ベーコンエッグと、トーストと、カップスープ。おまけのミニトマト。お昼ご飯をどこかに食べに行くというので、軽めに作った。一臣が、トーストにバターを塗りながら、どこ行きたい?と問うてくる。
本当は、家でのんびり過ごしたいんだけどな。
「一臣さんに任せるよ。」
「うーん・・・ガッツリ焼肉?」
それはちょっと・・・。
思ったことは顔に出たらしかった。
「なんてね。あんまり食欲ないんでしょう。でも食べないとばてるよ?」
もう、梅雨も明けたんだし。とテレビを見やりながら言う。午後の天気について語られていた。暑くなりそうだ。なら、なおさら、エアコンの効いた寝室あたりで、いちゃいちゃしていたい。すると一臣は、ニヤニヤしながら、フォークに刺したミニトマトをペロ、と舐めた。
「食い気より、色気?」
ぴく、とトーストをかじる手が止まる。
「昼間から?退廃的だなぁ。」
「たっ・・・。」
退廃的かなぁ。でも、ゆっくりできるなら、そっちの方がいい。一臣には性欲を隠しておけなかった。
「金曜日にしたばかりじゃない。」
「それは・・・そうだけど。一臣さんがしたくないならいいよ。」
つーんとそっぽを向いて見せる。
姉のことや、赤ちゃんのこと、茜さんや充さんのこと、いろいろ考えてぐるぐるして、消えたと思っていた性欲は、金曜日のアレですっかり元に戻っていた。したい盛りなのだ。わだかまりがなくなればしたいと思うのは当然だった。
「俺もしたいけど。君の体に負担なの、わかってるでしょう?」
どこも痛くない?と真剣な顔で、首をかしげる。
「痛くないよ。一臣さん優しいし、体ももう…慣れてるし。」
「そっか。じゃぁ、夜に軽めにしようかな?」
お昼は焼肉食べたい。ステーキでも、ハンバーグでも、とにかく肉が食べたいの、と一臣は譲らない。
「あ、じゃぁファミレスのでもいい?僕はボンゴレ食べたい。」
「専門店の方がおいしいです。うーんイタリアンで、ちゃんとしたステーキ出してくれる店かぁ。あるにはあるけど・・・。」
予約どうかな?休日だし。とまた首をかしげる。
「一臣さん、どこに連れていきたかったの?」
「君と初めてしたホテルかな。あそこなら、ステーキもボンゴレも美味しい。」
言われて、思い出す。あれから一度も行ったことはなかったが・・・。あの時の食事の味は、まるで思い出せなかった。
緊張してたもんなぁ。
どちらかと言うと、痛い思いをしたことを思い出し、プルっと身震いする。体を裂かれる感触は、さすがに忘れられない。
「十時になったら、ランチの予約取れるかどうか電話してみるよ。ダメだったら、ファミレスでもいいか・・・。」
一臣は妥協したようだった。それでも、まだ首をかしげて唸っていたが。
「ごめんね?」
謝ると、昨日は君の用事だったんだから、今日は俺に合わせてほしかったな、と子供じみたことを言い出した。
「ごめんてば。あ、眼鏡出来上がる日、ついでだから学校行って、友成と宿題進めてもいい?デッサン十枚とポスター描かないといけなくて。」
「いいよ。宿題なら駄目なんて言わないよ?」
宿題だけならそうだろう。諏訪とは、都合の合う日をメールでやり取りすることになっていた。まだ音沙汰ない。
そうだ。一臣はあんまりする方じゃないけど。痕、つけられたらまずいな。でも、なんて言おう?ダメって言ったら、話さなければいけなくなる。というか、そもそも内緒になんてできるのだろうか?
困ったなぁ・・・。
「すばる、もう食べないの?」
一臣が不審そうに手元を見ている。
「あ、食べる。スープ冷めちゃったね。」
冷めたスープを半分ほど飲んで、そっとため息をついた。月曜日には、話そうと思っていたことだ。しかし一臣は意外と嫉妬深いところもある。それはそうだろう。一臣にとっての、大切な人、はもう自分しかいないのだから。独占欲も強くなろうというものだ。嬉しいけど。少しだけ重い。その重さが嬉しくないわけではなかったが。早くこの秘密を暴いてほしい。いつもならすぐに、「何か隠しているでしょう?」と詰め寄ってくるのに・・・。
どうして?
勘のいい一臣のことだ。なにか察していると思うのに。今、一臣を求めるのは、性欲だけではない。諏訪に対する不安から、繋ぎ止めておいてほしいという気持ちが大きい。もちろん、言い寄られたからと言って、諏訪になびく気は毛頭ないが。
「すばる?そんなに、食事、気が乗らない?」
一臣は、またも手が止まってしまった自分を心配そうに見つめてくる。小首をかしげて聞いてくるそのしぐさが好きだった。
「そんなことないんだけど・・・。あのね、講師の先生に、ちょっと頼まれごとしちゃって。宿題に差し支えそうだなぁって思ってて。」
嘘はついていない。
「頼まれごと?」
一年生の君に?と不思議そうな顔をする。
「うん。学校祭の、展示作品のモデルになってって。」
嘘はついていない。
「・・・嫌なの?」
すばるを描いた絵かぁ、見てみたいなぁと一臣は無邪気だ。
「・・・ヌードモデルなんだよ・・・ね。」
「えっ?」
さすがの一臣も、目をしばたかせて動きを止めた。
「えっと・・・裸なの?それ、どこまで描くの?」
「まだ打合せしてないけど、下着までは脱がないんじゃないかな・・・。」
かなって、と一臣が固まる。
「それでぼんやりしてたの。あぁじゃぁ、しばらくキスマークはつけられないね。」
思っていたことを言われてドキリとする。
「それもあるけど、それだけじゃなくて!僕が、裸見られるの、嫌じゃないの?」
「嫌だけど。嫌だけど、君は男の子だし、多少他人に見られる事にも慣れた方がいいんじゃないかな。描いてくれるって言うなら、客観的に君がどんな姿なのか、君自身が見ることできるでしょう?そうしたら、少しは自信につながるんじゃないかなって、俺は思うよ。」
プールとかどうしてたのさ?と一臣が問う。
「プールは、だって成績に響くから入ってたよ。みんな裸だし。っていうか、水着は履くし!」
「まぁね。」
嫌だ、って言ってくれた。それも嬉しかったが。自信につながる?そんなことあるんだろうか。
一臣は、男の子だし、って言った。女の子じゃないんだから、とは言わなかった。
それが嬉しかった。
「じゃぁ、やってもいいの?モデル。ヌードだよ?」
念を押す。
「何事も経験だよ。」
諏訪に下心があるかもしれない。とは言いだせる雰囲気ではなかった。
一臣が背中を押すなら、仕方がないかと思い始めていた。

 ホテルのランチは予約が取れたようで、一臣の車に乗せられていた。ランチには少しずれた遅めの時間。
一臣にモデルの話を打ち明けたことで、胸の内は少し軽くなっていた。気持ちは早くも、ボンゴレだ。
「あ、そうだすばる。部屋、とれたからね。」
「へっ?」
思わず変な声が出てしまった。
「したかったんでしょう?あの部屋じゃないけど、ホテル。」
一臣は、あの一件以来足を踏み入れていないあのホテルに、部屋を取ったのか。胸がドキドキし始める。
「本当は、サプライズで誕生日に連れていこうかと思ってたんだよ。君にとって、いい思い出か悪い思い出かわからないけれど、記念日だからね。」
誕生日に、大事なイベントを合わせない方がいいと言っていたのは誰だったか。当の一臣だ。初めて二人が会った記念日と言えば聞こえはいいが、身売りした日だ。あの日のいろいろを思い出して、頭の中が騒がしくなってくる。初めて経験することがたくさんあったからだ。例えば浣腸とか・・・。
もう、それも、指で中をいじられることも、体の中に、一臣が入ってくることも慣れたけれど。でも、あのホテルでまたするのは感慨深いというか・・・気恥ずかしいというか。
信号で止まった時、ふと一臣がこちらに身を寄せた。ぴくっと体がすくむ。
「なっなに・・・?」
「・・・すばる、たっちゃってる。」
「えっ?」
慌てて股間を隠す。手の下に、とくとくと脈打つ感覚。しっとりと熱く、存在を主張している。
うそ。なんでこんな・・・?
「そんなに期待させちゃったか。・・・今日は優しくしてあげようね。痛いことしないでさ。」
う・・・。
一臣も、スイッチが入ったようだった。
くすくす笑うと、その前にランチだから、それ、落ち着かせてね、と耳元に囁いた。
 股間の熱が落ちつく頃、車はホテルの地下にある駐車場へと滑り込んでいった。

 このホテルのレストランは、高級感はあったが、特にドレスコードはなく、この日はデザートビュッフェがあるとかで、華やかな雰囲気の女性客でにぎわっていた。お客の大半は甘いもの目当てだろう。ステーキとボンゴレを食べに来た自分たちは、やや肩身が狭かった。通された席も、デザートから離れた窓際の静かな席だった。店側の配慮らしい。あの日と同じく、テーブルには一輪挿しのバラがあった。今日はオレンジがかったピンク色だったが。
よく覚えているな・・・。
「あの日はもう二つ隣の席だったね。」
一臣も懐かしそうに言った。
「君、無理して食べてたよね。まぁ、緊張してたよね。」
クスクスと笑う。
「お腹いっぱいですることじゃないよ。今日だって、ボンゴレ楽しみにしてきたのに・・・。」
一臣は、あははごめんねと悪びれもしない。
「俺だって、まだ枯れてないからね。パートナーが欲しいって言ってるのに、応えないわけにいかないでしょう?」
だからって・・・夜で良かったのに。
「昼間から、退廃的なことするの、嫌いじゃないからね。」
一臣は、運ばれてきたペリエのグラスを、ちょい、と上げて乾杯しよう?と誘ってくる。自分はと言えば、相変わらずオレンジジュースだ。誘われるまま、グラスを上げた。
「一年間無事にやってこれたことに乾杯。・・・誕生日は、またどこか違うところで祝杯をあげよう。そうしたら君、19歳かぁ。もう一年待ったら、一緒にお酒が飲めるね。」
一臣は、嬉しそうだ。それまで、一緒にいられるのだろうか。実家には、きっと姉夫婦が赤ちゃんを連れて同居している。
自分の存在はおそらく、邪魔、だ。でも、専門学校にいられるのは二年だけ。今更ながら、美大に落ちたのが悔やまれた。
学校に行っている間の間借り、なら四年制の大学の方が断然有利だ。卒業したら・・・どうなるんだろう。就職先、も今から探しておかないといけない。絵で食べていけるとは思っていない。けれどほかに特技と呼べるものもない。父の言った通り、未来は決して明るくなかった。
「ねー一臣さん。僕、就職失敗したら、どうなるのかな?」
「うちの主夫になってくれたらいいんじゃない?」
一臣はあっさりとそんなことを言った。
「君を実家に帰す気は毛頭ないからね。いいんじゃない?俺が養ってあげる。君は在宅でイラストの仕事とかしながら、今まで通り家事とかしてくれたら、俺は嬉しいな。」
それってなんだか、男としてはどうなんだろう。もし、自分が女の子だったら・・・今のは・・・。
「・・・プロポーズのつもり・・・だったけど。気に障った?」
やっぱり。
「一臣さん、僕は男なんだけど・・・。」
「パートナー申請できる時代ですよ?」
つまり、正式にゲイのカップルになろうと言われているのだ。
ゲイだということ、自覚したばかりで、悩ましいことばかりなのに。
「君はまだ若いからね。どうしても、俺じゃ嫌になったら別れてあげるけど、離す気はないよ。」
真逆のことを平然と述べる一臣に、開いた口が塞がらない。
そんなやり取りをしているうちに、ウエイターが料理を運んできた。注文のボンゴレビアンコと、一臣のステーキと、食べ放題のパン、ランチのセットのミニサラダ。一臣は、サラダには目もくれず、ナイフとフォークを手に取り、肉を切り始めた。とりあえずは、話は終わったようだった。もくもくと、切った先から厚めのサーロインを口に運んでゆく。その食べっぷりがまさに「枯れてない」を表していて。思わず、コクリと喉が鳴る。食べるさまがあまりにも官能的だったからだ。慌てて、アサリの貝殻をよけて、パスタに集中する。
一臣さん、よっぽどお腹が空いてた?それとも、この後のこと考えてる?
お代わりしそうな勢いの一臣に気おされつつ、何とかパスタをたいらげた。楽しみにしていたはずなのに、味がわからなかった。

 宣言通り、一臣の指使いは優しかった。ヌルヌルと後口を行き来する指は時折感じるところをかすめながら、中をかき混ぜてゆく。それだけで十分気持ちがいいのに、ペニスにもローションがたらされ、ギリギリの快楽を与えられていた。
食後、少し休んでからとホテルの一室に連れてこられ、しばらくは普通にテレビを見たりしていたのだが、お腹が落ち着いたのか、一臣はポケットからピンク色のピンポン玉・・・でないことはもうわかりきっているのだが、それを取り出し、浣腸を施すと五分ね、と言い置いた。慣れたとはいえ、五分は長い。とても我慢できずに、三分ほどでトイレに駆け込んだ。それが済むと、用意された風呂に二人でつかり、体を洗いあう。潔癖症だという彼は、口で愛するすべての部分を、綺麗に洗い清めた。足の指先まで。手指も、含まれて舐められると気持ちよかったが、足の方がより敏感だった。
「あっ・・・。」
指が不意に増やされて、声が上がる。防音は心配のないこの部屋は、逆に声が反響して鼓膜に響いた。鼻から抜ける荒い吐息も、興奮材料の一つでしかない。
「そろそろ大丈夫かな?」
問いかけに、コク、と頷く。一臣は、ポケットからゴムを取り出すと、慣れた手つきで付け、先端を当てがった。
「柔らかいね。・・・痛かったら言ってね?今日は酷くするつもりないから。」
一臣は優しく微笑むと、先を潜り込ませた。痛くはないが、開かれる感覚にゾクゾクする。入ってくる感覚だけで、達してしまった。
「おっとっと。」
溢れた精液を、一臣が手のひらに掬い上げ、傍らのタオルで拭った。男同士、ホテルに迷惑をかけないための配慮だった。
「あっ、あ・・・動かないで、まだ・・・」
中が収縮している。気持ちいいそこに、一臣はしかしゆっくりとその身を収めた。
ちょうど、前立腺のあたりに一番太いところを当てて、小さく体を揺する。
「あっあっ・・・だめ、だめ・・・また出ちゃう。」
「いいよ。何回イケるか試してみようか。」
一臣がクスクス笑う。意地悪な笑い方だ。けれど、体は駆け巡る快感で、わけが分からなくなる一歩手前まで追い詰められていた。一臣の律動が徐々に大胆になってゆく。奥の突き当りまで深々と差し込み、また感じるところを擦り上げては奥へと戻る。時々、抜け出てしまうほど浅いところまで行き戻り、奥まで一突きにするのだ。
「ああああっ!あぁっ・・・。」
気持ちがよくてどうにかなりそう。無意識に、一臣の動きを封じようと、足をからませて引き寄せる。すると、奥の深いところを、一臣が突き上げた。
「あ、やぁっつ!」
ぴしゃぁっと一臣の腹に白濁が飛ぶ。
「二回目・・・。」
はぁはぁと息を乱しつつ、一臣が笑いを含んだ声でカウントした。
「もう一回いけるかなぁ?」
今度は俺に少し付き合ってね、と、一臣が腰を使いだす。ぱちゅぱちゅと濡れた音が部屋に響く。
「あ、やぁ早い、だめ、だめ・・・。」
その時だった。射精感とは別の、何かがせりあがってくる感覚に、身を震わせた。
「あっ、一臣さんなんか変!なんかでちゃいそう!漏れちゃいそう!」
尿意とも射精感ともつかぬその感覚に悲鳴を上げる。この感覚は初めてだった。怖くて、一臣にしがみつく。
「出ちゃいそう?」
一臣が、そっとタオルを手に取った。それを合図にしたかのように、激しく抜き差しされる。前立腺をコリコリと突き上げられて、ついにペニスの先端から、何かがあふれた。
「あ、やだぁぁぁ!」
「っ!」
一臣が息をつめながら、溢れた何かをタオルで受け止める。
「すばるキツイ。」
言われるが、体が言うことを聞かず、中の一臣をヒクヒクと締め上げた。
「イケないだろ・・・。」
一臣が腹をさすって宥めてくれる。少し緩んだその隙に、一臣が腰を揺らし始めた。少し揺らして、小さく呻く。一臣が中に吐き出すのを感じ、ほっと全身から力が抜けた。
「一臣さん・・・なにか・・・。」
「あぁ潮?」
「しお?」
おしっこじゃないの?
下から見上げると、一臣は満足そうに笑っていた。
「すばる、また一つ新しい快楽を知っちゃったね。気持ちよすぎると出ちゃうんだよ。心配いらないよ。」
それは・・・それは相当に気持ちよかったけれど・・・。
ドライの次は潮??
僕の体どうなっちゃうんだろう・・・。
口をへの字にしていると、一臣が可愛かったよ、と髪を梳いてきた。一臣は髪に触るのが好きだった。
「さて、休んだら、シャワー浴びて帰ろう?」
タオルもすすいでおかなくちゃね、と始末したゴムをトイレに捨てに行き、どうやら洗面台でタオルをすすいでいるようだった。
あれだけ動いて、体力が余ってる。それもそうか、一臣は一度しか達していない。三度もイかされた自分には、若さを差し引いても体力はなくなっていた。ぐったりと、ふわふわのベッドに体を預ける。寝ちゃいそうだけど、チェックアウトまでそんなに時間はない。
「すばる、シャワー浴びられる?」
「うん。」
よろ、とベッドを降りる。溢れたローションが腿を伝った。
生まれたての小鹿のよう、とまではいかないまでも、腿がフルフルと震える。正直もう少し休みたい。けれど、一臣は湯船に新しいお湯を張り直している。何とかバスルームにたどり着くと、へた、と座り込んでしまった。
「・・・大丈夫?少しやりすぎちゃったかな・・・。」
一臣の手を借りて、バスルームの椅子に座らされた。
洗ってあげるから、とシャワーで頭から流される。
それが済むと、立って壁に手をつくように言われ、ローションでヌルつく秘部とペニスを丹念に洗われた。敏感になっているそこが、少しの刺激も快感へとつなげてしまう。
「あんまりいじらないで・・・またたっちゃいそう。」
「すばる元気だなぁ。」
「もう、むり。ほんとに無理だから。」
一臣は分かってます、と洗い終えた体を、バスタブに沈めた。
そうしておいて、シャワーで体を洗い始める。それが済むと、ざぶ、とバスタブに入ってきた。狭くはないが、なんとなく密着して、事後を楽しむ。
「痛くないの久しぶりだった。」
感想を述べると、一臣は照れくさそうに笑った。
「いつもこうだといい?」
コクと、頷くが、それでは一臣の性欲が満足できないことを知っている。
「好きにされたい。いつも・・・。」
一臣に任せっきりで、いわゆるマグロだ。たまには頑張ってと、上に乗らされることもあったが、うまく腰を使えずにいた。
「すばるがまた新しい扉を開いちゃったからなぁ。もっともっと気持ちよくしてやりたい。」
一臣は、笑みを崩さずにそう言うと、お湯で顔を拭い、そろそろ出ようか、と呟いた。
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