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きょうだいの話。②
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「や、だ、っ…あ…ゃあぁぁ…」
「アキん中、めっちゃ熱い…火傷しそうやわ…」
「っ、あっ…りゅ……たぁ…も、やぁ…」
「はっ…ええよ。思いっきりイき?」
「あ、はっ……んっ!!ゃ、あぁぁ!!」
最奥を抉られると柔らかい体を反らせもうほとんど透明な精を吐き出し意識を手放した体は抱き寄せられた竜太の胸に倒れ込んだ。
脱力した神楽の中からまだ硬度を保ったままの自身を抜くとこぽっと音を立て繋がっていた蕾から濃い白が溢れだし竜太は神楽の冷えた体に罪悪感を覚えた。
意地悪し過ぎてしもうたな…。
怒りに我を忘れていたとはいえ冷水を頭からかけるなど冷静に考えればどうかしていると自分自身を怒鳴り付けたい気分だった。
「ごめんな…」
今度はきちんと温度調節したシャワーで全身を綺麗にすると洗面所に常備してあるバスローブで神楽の体を包むとまだ意識のない神楽が小さく声を上げるが目覚める気配のない額にキスをしてから慈しむようにその体を抱き締めた。
***
全員が出ていって静かになった部屋の中で一弥は疲労感に溜め息を吐いてからベッドメイクを頼む電話をフロントにかけると少しした後に控えめなノック音が聞こえた。すぐにドアを開けると担当者がシーツを持って深く頭を下げてから真っ直ぐに寝室へ向かい手際よく仕事を始めた。
その姿を横目に既に別の作業を始めているミオの姿を探すと無駄に広い部屋の中で見つけた背中が悲壮感を漂わせていた。
「何があったん?」
そう口から出る前に一弥は状況を察した。
ミオが持っている対蘭獅専用の盗聴器やカメラを見つけるための特殊探知機が鳴り止まないのだ。ミオの手にはすでに数個の盗聴器のような物が見える。
「大丈夫か…ミオ?」
「大丈夫じゃないよ!見てよ、これ!!」
「うお!!」
普段大人しく温厚なミオが珍しく声を荒げていることに驚いたが、目の前に差し出された盗聴器の山は遠くからは数個に見えたが蘭獅特製の超小型盗聴器のため思ったよりも数があり一弥は目を丸くした。
「…すごいな、これ…小さ過ぎひん?」
その中の一つを人差し指と親指で摘み、そぉっと山の中から引っ張り出すと自分の人差し指の爪ほどしかない大きさに一弥はさらに驚愕した。
「感心してる場合じゃないよ…これ、まだ鳴り止まないんだよ…?」
そう言いながら特殊探知機をくるっと部屋の四方に向けて回すとどこに向けてもピーピーと甲高い音が響き渡った。
「せやね…気は進まんけどまずは全部撤去せんとな」
考えただけでとてつもない疲労感に襲われるが文句を言ってなくなるものでもないので一弥とミオは重い足取りで再び動き始めた。
寝室からベッドメイクを終え再び深く頭を下げた担当者が部屋を出ていくのが見えた一弥は「お疲れさんです」と声をかけて見送り深い溜め息を吐いた。
「よしっ!」
気合を入れ直しテーブルに用意しておいた特殊探知機を手に取り寝室へ向かった。
オーソドックスにコンセントの中、電灯の中、ベッドの下。全部屋に数多に仕掛けられた盗聴器や小型カメラに二人はすぐに根を上げてそれぞれ集めた機器をテーブルに投げ捨ててから揃ってソファーに沈んだ。
「…冷蔵庫ん中に仕掛けてなにしようとしてんねん…」
それぞれなんの用途にこれだけの物が設置されたのか甚だ謎だが、冷蔵庫のドアを開けた正面に仕掛けられていた発見するための特殊探知機がなければ気付けない程の超小型のカメラは温度の低い冷蔵庫の中でも対応出来るように改良をされている。
「ほんま頭脳の無駄遣いやな…」
呆れる一弥にミオはダルそうに腕を上げて特殊探知機を振るとまたも甲高い音が鳴り響いた。
「もぉ…まだ探知機が鳴り止まないんだけどぉ…」
「人智を越えた変態ってタチ悪いわぁ…」
テーブルの上に集められた盗聴器やら小型カメラやらを一瞥すれば溜め息が止まらない。
ミオは力尽きたというように寝転がりソファーに顔を押し付けたまま動きを止めた。
ミオのこのような行儀の悪い珍しい姿を一弥は微笑ましく思い目を細めた。
「…ずいぶん派手にやってくれよったな…」
つかの間の平和をのんびりと過ごしていると気絶した神楽を抱き抱えた竜太が浴室から姿を現した。
バスローブを着せられ死んだように眠る神楽に一弥はそれだけで神楽の身になにがあったかを察し、心の中だけで「お前もな」と呟いた。
迷惑な兄弟に振り回され酷使されて眠っている神楽を見ると思わず同情してしまう。
「…ボン…そんなびしょ濡れで出てこないでよ」
「しゃあないやろ。アキの体を冷やさん方が優先や」
「うわぁ~信じられない。それでもバスローブくらい羽織ってきてよね。ほら、神楽さんはベッドまで運んでおくから洗面所に戻って身体拭いてきて!」
息を吹き返したミオがタオル一枚巻いただけの髪にも体にも水滴が残る竜太にきびきびと指示を出し一弥はソファーからそれを眺めていると竜太が鋭い眼差しでミオを見下ろしていた。
「アキん中、めっちゃ熱い…火傷しそうやわ…」
「っ、あっ…りゅ……たぁ…も、やぁ…」
「はっ…ええよ。思いっきりイき?」
「あ、はっ……んっ!!ゃ、あぁぁ!!」
最奥を抉られると柔らかい体を反らせもうほとんど透明な精を吐き出し意識を手放した体は抱き寄せられた竜太の胸に倒れ込んだ。
脱力した神楽の中からまだ硬度を保ったままの自身を抜くとこぽっと音を立て繋がっていた蕾から濃い白が溢れだし竜太は神楽の冷えた体に罪悪感を覚えた。
意地悪し過ぎてしもうたな…。
怒りに我を忘れていたとはいえ冷水を頭からかけるなど冷静に考えればどうかしていると自分自身を怒鳴り付けたい気分だった。
「ごめんな…」
今度はきちんと温度調節したシャワーで全身を綺麗にすると洗面所に常備してあるバスローブで神楽の体を包むとまだ意識のない神楽が小さく声を上げるが目覚める気配のない額にキスをしてから慈しむようにその体を抱き締めた。
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全員が出ていって静かになった部屋の中で一弥は疲労感に溜め息を吐いてからベッドメイクを頼む電話をフロントにかけると少しした後に控えめなノック音が聞こえた。すぐにドアを開けると担当者がシーツを持って深く頭を下げてから真っ直ぐに寝室へ向かい手際よく仕事を始めた。
その姿を横目に既に別の作業を始めているミオの姿を探すと無駄に広い部屋の中で見つけた背中が悲壮感を漂わせていた。
「何があったん?」
そう口から出る前に一弥は状況を察した。
ミオが持っている対蘭獅専用の盗聴器やカメラを見つけるための特殊探知機が鳴り止まないのだ。ミオの手にはすでに数個の盗聴器のような物が見える。
「大丈夫か…ミオ?」
「大丈夫じゃないよ!見てよ、これ!!」
「うお!!」
普段大人しく温厚なミオが珍しく声を荒げていることに驚いたが、目の前に差し出された盗聴器の山は遠くからは数個に見えたが蘭獅特製の超小型盗聴器のため思ったよりも数があり一弥は目を丸くした。
「…すごいな、これ…小さ過ぎひん?」
その中の一つを人差し指と親指で摘み、そぉっと山の中から引っ張り出すと自分の人差し指の爪ほどしかない大きさに一弥はさらに驚愕した。
「感心してる場合じゃないよ…これ、まだ鳴り止まないんだよ…?」
そう言いながら特殊探知機をくるっと部屋の四方に向けて回すとどこに向けてもピーピーと甲高い音が響き渡った。
「せやね…気は進まんけどまずは全部撤去せんとな」
考えただけでとてつもない疲労感に襲われるが文句を言ってなくなるものでもないので一弥とミオは重い足取りで再び動き始めた。
寝室からベッドメイクを終え再び深く頭を下げた担当者が部屋を出ていくのが見えた一弥は「お疲れさんです」と声をかけて見送り深い溜め息を吐いた。
「よしっ!」
気合を入れ直しテーブルに用意しておいた特殊探知機を手に取り寝室へ向かった。
オーソドックスにコンセントの中、電灯の中、ベッドの下。全部屋に数多に仕掛けられた盗聴器や小型カメラに二人はすぐに根を上げてそれぞれ集めた機器をテーブルに投げ捨ててから揃ってソファーに沈んだ。
「…冷蔵庫ん中に仕掛けてなにしようとしてんねん…」
それぞれなんの用途にこれだけの物が設置されたのか甚だ謎だが、冷蔵庫のドアを開けた正面に仕掛けられていた発見するための特殊探知機がなければ気付けない程の超小型のカメラは温度の低い冷蔵庫の中でも対応出来るように改良をされている。
「ほんま頭脳の無駄遣いやな…」
呆れる一弥にミオはダルそうに腕を上げて特殊探知機を振るとまたも甲高い音が鳴り響いた。
「もぉ…まだ探知機が鳴り止まないんだけどぉ…」
「人智を越えた変態ってタチ悪いわぁ…」
テーブルの上に集められた盗聴器やら小型カメラやらを一瞥すれば溜め息が止まらない。
ミオは力尽きたというように寝転がりソファーに顔を押し付けたまま動きを止めた。
ミオのこのような行儀の悪い珍しい姿を一弥は微笑ましく思い目を細めた。
「…ずいぶん派手にやってくれよったな…」
つかの間の平和をのんびりと過ごしていると気絶した神楽を抱き抱えた竜太が浴室から姿を現した。
バスローブを着せられ死んだように眠る神楽に一弥はそれだけで神楽の身になにがあったかを察し、心の中だけで「お前もな」と呟いた。
迷惑な兄弟に振り回され酷使されて眠っている神楽を見ると思わず同情してしまう。
「…ボン…そんなびしょ濡れで出てこないでよ」
「しゃあないやろ。アキの体を冷やさん方が優先や」
「うわぁ~信じられない。それでもバスローブくらい羽織ってきてよね。ほら、神楽さんはベッドまで運んでおくから洗面所に戻って身体拭いてきて!」
息を吹き返したミオがタオル一枚巻いただけの髪にも体にも水滴が残る竜太にきびきびと指示を出し一弥はソファーからそれを眺めていると竜太が鋭い眼差しでミオを見下ろしていた。
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