【完結】撮影

まこ@お休み中

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焦らし/くすぐり/拘束/羞恥/玩具/連続絶頂/前立腺責/強気受

攻→ひじり
受→真白/視点

◇ ◆

前回マオさんと共演して以来、一気に知名度が上がった俺は、出演依頼が続出した。そんな中、マオさんと同じくらいのポジションに位置する聖さんと共演することになった。

「初めまして、聖です。今日は宜しくお願いします」

「宜しくお願いします、真白です」

サラサラとしたマッシュヘアの黒髪に童顔で小柄。可愛い系で括ると俺と被っているが、立派なドS攻め。今までイケメンの部類としか共演していなかった俺にとって、同じ背丈くらいの人は初めてで親近感が湧いた。

「この前マオくんと共演してた作品、見させてもらいました。とても素敵でした」

「あ、ありがとうございます。俺も聖さんの作品見させてもらいました。どれもその…なかなかのドSっぷりで…」

「そうですか?Mの子イジメるの可愛くて好きなので」

可愛い笑顔とは裏腹に、本当に中々の鬼畜攻めが多い人だったので、今回の撮影は正直気が重かった。マオさんレベルの攻めだと確実に俺はまた呑まれてしまう。

「撮影楽しみにしてますね」

「はい、宜しくお願いします」

気が重い理由はそれだけではなく、今日撮影する作品が【ひたすらイキまくり☆】というふざけたタイトルだからだ。仕事を受けたからには全力で頑張りたいし、人気者に乗っかってやるという気持ちに切り替えた。

時間になると、いざ撮影がスタート。今回は拘束や縛りはない予定だが、今までの作品を見ていると言葉で上手く従わせて動きを封じるタイプの人だった。

「真白くん、肌綺麗だね」

「…あんまり見ないで」

ベッドシーンからスタートした撮影。俺は聖さんの綺麗な肌に見惚れながらも、恥じらう演技をした。この人絶対受けに回っても成功するんだろうなぁ、なんて考えていると、優しく首へキスをされた。

首筋をカプリと甘噛みされると俺の体は小さく反応した。まだ軽めなのでいつも通り可愛く感じる演技を見せた。

「ん…気持ち良い」

「良かった。たくさん気持ち良くしてあげる」

聖さんの舌は首筋から鎖骨へ降り、軽く甘噛みや突くような刺激を繰り返す。小さな舌は細かい所まで届いてむず痒い。優しい攻めに少しずつ感度は上がっていった。

「真白くん、お肌綺麗だね。反応も可愛い」

「…っ、ふぅ」

鎖骨から胸元へ移動すると、乳首には触れないように周りを優しく舐めながら、指は優しく脇腹から腰の辺りを撫で回す。流石に声が少し漏れた。今まで大きな手で刺激される事が多かったので、丁寧な細い指の動きには慣れない。

「…んんっ」

まだ乳首には触れてくれないので焦ったくなり、足を擦り合わせた。それに気付くと、聖さんは俺の太腿を撫で回す。

「…感じてくれてる?」

上目遣いで質問され、マオさんとはまた違う種類でズキュンとした。

「気持ち良い…ですっ」

「ふふ、可愛い」

「っん…はぁ、」

もっと直接的な刺激を求めて足を開けると、自分から開いて可愛い子だね、と微笑んで内股を撫でられた。その間唇はやっと乳首へ移動し、舌先を尖らせて軽く舐めると、時折音を立てて軽く吸われた。

「はぁ…っぁ、」 

胸だけでこんなに気持ち良いのはあまりないので、既にトロトロになっていると、クニッと足の付け根に親指を入れ込まれた。

「ひぁっっ」

反射的に足を閉じようとしたが、既に入り込んだ親指は抜けず、クニクニと付け根を刺激した。

「ぁうっ…」 

ビクッと体は跳ね、乳首を舐められたまま指を動かされた。

「真白くん、ここ苦手なんでしょ?」

コソッと俺にしか聞こえないように耳元で訊ねられたので、俺はコクリと頷いた。

前回マオさんに見つけられた弱点を責められると、体がビクビクしていつもの反応が出来ない。

「足、開いて?閉じたらお仕置きするから」

「…っ」

聖さんの瞳にゾクリとしながら、素直に足を開く。次にする刺激を考えると足がフルフルと震えてしまう。

「いい子だね、そのまま開いててね。腕は俺の背中に回して」

俺に覆い被さると、そう指示をされたので素直に従った。聖さんの片足が俺の足の間に入る。

「どんなに気持ち良くてもそのままで居てね」

俺を見下ろす瞳は逆らってはいけないと思わせるような不思議な威力があった。

「んんっ!!」

腕を回して上げている状態の脇に指を差し込むと優しくくすぐられる。ビクッと腕を下げそうになるが、聖さんの背中に力をかけてしまったがなんとか持ち堪えた。

「可愛い表情だね」

サワサワと脇から脇腹に指を滑らすとウットリとした表情で俺を見下ろしている。その瞳に目が離せない。

「ぁ…ぁ…っ」

「俺の背中にたくさん力かけてもいいけど、下げちゃダメだよ?」

「ぁ…はぃっ、」

サワサワした動きは止まらず、くすぐったくて気持ち良い感覚にフルフルと体が震えた。背中に回した手が離れそうになるが、なんとか持ち堪える。

「いい子だね、ちゃんと大人しくしてて」

聖さんの膝が、勃ち上がった俺の自身を優しく刺激するように動くと、反射的に足を閉じてしまい、間にある聖さんの足を挟んでしまった。

「閉じちゃダメって言ったでしょ?どうするの?」

「…ぁ、ごめんなさいっ」

すぐに足を大きく開くと、少し冷たい瞳になっていて俺はゾクリと震えた。

「ごめんなさい…っ気持ち良くて、咄嗟に…」

慌ててもう一度謝罪をするとクスッと微笑んでキスをされた。この人の攻め方は何故か怖い。

「そんなに感じちゃって、真白くんは可愛いね」

「ん…っ聖さんも、可愛い…です」

俺がうっとりとした表情でそう言った瞬間、現場の雰囲気が豹変した。聖さんも先程とはまた別の恐ろしく冷たい顔をしており、一気にサァッと青ざめた。

──え、何? 俺、何かした?

俺が焦っていると、スタッフさんに止められて俺だけで別室へ連れて行かれた。

「真白くん、台本ちゃんと読んだ?」

「え…?」

バシッと目立ちやすいところに聖さんのNGが書かれていて、可愛いという言葉はダメらしい。

(知らねーよそんなNG…)

しかし台本をざっくりとしか見ない俺が悪かった。周りはかなりの空気になってしまい、久しぶりに焦ってしまう。あわあわしていると、聖さん側からプレイ内容の変更の要請がなされた。

ガッチガチに拘束していじめさせろ。

と。

「え……」

「…真白くん、ここは…乗っておいた方が」

まじでか。

「お、お待たせしました…」

青ざめた顔で戻ると、さっきとは別人のような冷たい表情の聖さん。

「申し訳ありませんでした!!」

とりあえず土下座で謝罪すると、グイッと足で肩を踏まれた。普通は頭とかを高いヒールで女王様が踏むイメージだが。

「いいよ、別に。台本ちゃんと読んでないなら、俺も従う必要ないよね」

うわぁ、めちゃくちゃ怖い声。どうしようどうしよう。

「いいから、早く縛ってもらって。無様な姿晒してくれる?」

可愛いの一言でここまで豹変するとは。マネージャーに散々聖さんのNGがあるからと台本を見せられていた意味が分かった。適当に流していた俺の責任なので、素直に従うことにした。

俺はベッドの上に寝かされて、肌が傷つきにくい素材のベルトを両方の太腿に装着し、M字に開かされると、閉じれないように足に繋がったベルトを自分の首に回された。腕は万歳にして一纏めにされてベッドの枠に繋がれた。どちらもクッションみたいなのが付いているので暴れても痕になりにくい。

「…うん、いーんじゃない?俺はマオくんと違って紳士だからね、優しくいじめてあげるよ」

「…」

「何か言いたげだね」

「マオさんの方がマシです」

「…は?」

本当に恥ずかしい格好にさせられて少し苛立ってしまった俺は、聖を挑発した。

「へぇ、俺素直なドMが好きだったけど、君みたいなクソ生意気な子も案外楽しめそうだね。さっきまで俺に焦らされて感じてたくせに」

「うるさい、演技してただけだ」

「真白くんさぁ、自分の立場分かってる?俺は先輩で、事前に伝えてたNG叩きつけられて怒ってんの。何挑発してきてんの?」

「俺謝りましたよね、土下座までして。つーか可愛い奴を可愛いって言って何が悪い。別に暴言吐いたわけでもあるまいし。俺は褒めたつもりだったんですけど」 

「褒め言葉って人それぞれ捉え方が違うよね?俺は嫌だからNGにしてんの、それも分からないの?」

「可愛いのがコンプレックスってことかよ」 

「…真白くん、君本当にさぁ」

俺たちがヒートアップしてくると、スタッフさん達に止められた。当たり前だが10、0で俺が悪い。それは分かってるけど。

俺だって拘束なしって聞いてるのに些細な失敗でここまでされる意味が分からない。まぁ些細じゃないからこうなったんだろうけど。

「あーマオくんがこんな子オススメしてきた意味が分かんない。すっごい腹立つんだけど」

「俺だってアンタが人気じゃなかったら仕事受けたりしなかったよ!」

「マオくんの人気に少し乗っかれたからって調子乗るのも大概にしなよ」

「アンタだって、」

「いい加減にしろ。時間も押してるんだから早く撮影入るぞ!!」

「「…申し訳ありません」」

流石に最悪の雰囲気に現場の人からお叱りを受けて喧嘩は終幕し、撮影に入る事になった。 

さっきまで撮影したのは完全にお蔵入りとなり、お仕置きするシチュエーションに変更された。

「…真白くん、悪い事したらこうなるのは分かってるよね?ちゃんと謝るまで絶対止めないからね」

何か悪い事をした俺は、中々謝らない少し生意気な設定に変更され、本気で泣かせにくるのが聖さんの設定になった。

「…誰が謝るかよ」

これは俺からの挑戦状。聖さんもそれを理解したようでニヤリと口角を上げてそれを受け取った。

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