【完結】あなたと恋がしたい

まこ

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番外編②

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コスプレ/羞恥/筆/焦らし/擽り/拘束/玩具/連続絶頂/本番有

◇ ◆

「次は何倍にもして返すからな」

そう言われてどれくらいが経っただろうか。結構楽しみにしているのだが、奏多くんは普通のプレイしかしてくれない。

前に激しいのは好きじゃないとは言ったが、恋人で心の通じ合った今なら、どんな感じなのかと内心気になっていた。

(また俺から仕掛けてお仕置きに誘導する?それとも素直に『激しくして』と言うべき?)

そんな事を考えている内に更に時間は過ぎていき、我慢出来なくなった俺は仕掛けてみることにした。

ドサリと押し倒してみると、この前の出来事を思い出したのか慌てて体勢を逆転させようとする奏多くん。

(慌ててる姿、可愛い…)

押し倒している今の状況なら俺の方が少し優位なので手首を掴んで押さえつけて攻めるモードに持っていくと。

「うぎゃああ!」

容赦なく蹴られた。しかも股間を。

「痛いぃぃ!何すんの!!」

「俺のセリフだよバカ。何?俺なんか嫌なことした?何で襲おうとすんだよ」

「別に嫌がらせで襲おうとしたわけじゃないよぉ…痛いなぁ…」

「ちょっと足当てただけだろ。そもそもお前が悪いし。つーか嫌がらせじゃないなら何?言いたいこと言ってみろよ」

「…この前、俺が奏多くんにフェラしてアンアン言わせたじゃん。三回くらい無様にイッた日」

「分かった。喧嘩売ってんだな。いいよ、買ってやるよ」

「売ってないよ!あの日言ってくれたじゃん。次は何倍にもして返すって。──いつ、返してくれるの?」

きゅっと奏多くんの服を摘んで見つめると、俺の予想外の言葉に驚いたのか目をまんまるにしている。

「へぇ、お仕置きされたいってこと?激しいのそんなに好きじゃないんだろ?俺に飽きられないために求めてただけって言ってたじゃん」

「あの時はね。でも今は奏多くんにめちゃくちゃ愛されてるの分かるし…久しぶりに激しいプレイしてみたいと思ったの。──だめ?」

俺がおねだりすると、奏多くんは少し考え込んだ後、口角を上げた。

「いいよ。じゃあたっぷりお仕置きしてやるよ。言っとくけどお前が望んだんだから、途中でやめてとか無しな?」

「もちろん!!」

久しぶりのドS全開の顔を見て、胸が熱くなった。


◇ ◆


お仕置きの場所に選んだのは初めてのラブホテル。ホテルの中へ入るなり、お互い初心者全開で少しモタモタしたが、ネットで調べていた目的の部屋に入室する事が出来た。

エレベーターは何ともチカチカするような照明。今まで興味すらなかったが、大好きな恋人と一緒だからか楽しみで仕方ない。

「ここだって」

カードキーと同じ番号が示された部屋に着くと、恐る恐る扉を開いた。

今回選んだのはSMルーム。

──などではなく、至ってノーマルな部屋。調べているとお風呂が豪華で泡風呂も楽しめると書いてあったのでここにした。

お仕置きを目的に選んだのでなく、ただ単に二人で行きたい部屋を選んだ感じ。

「ねぇ奏多くん!玩具売ってる!コスプレもあるし!ご飯も頼めるよ!」

「ご飯は食べてきたし、玩具も前にお前が大量に買い込んだやつ持ってきただろ」

「コスプレはないよ?俺ご奉仕するためにメイドになろうか?あ、でもご奉仕したらまた前みたいにすぐにイッてへとへとになっちゃ、ああああ!」

「二度とあの時の事喋んな」

「はいはい分かりましたよーだ。コスプレなんてしませんん」

「コスプレはしてほしい」

「え?」

「面白そう。お前が言い出したんだから今日はメイドんなれよ。粗相する度にお仕置きするから」

「は、はいっ。えーっと…フロントに電話する感じなんだぁ。ねぇ奏多くんはどれがいい?メイド以外にもいっぱいあるよ」

『好きにしろ』と言われると思ったが、奏多くんは意外にも興味を示してくれて、コスプレ一覧をじっくりと眺めている。

「メイドがいい。この首に鈴のついたリボンがあるやつ。この位の値段ならレンタルじゃなくて購入にしよ」

「え、買っても使い道なくない?」

「家でも着ればいいじゃん。ちゃんと洗ってくれてるとはいえ、他の人が着たやつを着てほしくない。だから買おう」

「…うん、分かった。じゃあ購入にするね」

購入したいと言ってくれた理由が何だか嬉しくてぎゅっと抱き付くと、ポンポンと頭を撫でてくれた。前までは殆ど何も言ってくれなかったけど、最近でははっきりと気持ちを伝えてくれる。

「電話してくる」

「ありがと」

フロントに繋がる電話を取り、希望のコスプレ番号を伝えると『すぐにお持ちします』とのこと。奏多くんが物珍しそうに部屋をうろちょろとしているのを見つめていると、ピンポンと呼び鈴が鳴った。

「こちらから受け取り下さい」

扉を開けなくても外と繋がる小さな窓があり、そこから新品のメイド服が手渡された。食事などもそこから受け渡しするみたいで、スタッフの人と顔を合わせなくていいので恥ずかしさは緩和されるようだ。

「奏多くん先に着てみる?」

「そんな選択肢ねーよ。とっとと着てこい」

「はぁい」

受け取った服は、世間一般なメイドのイメージが強い白黒が基調になっているのだが、ホテルに置いてあるものだからか胸元はスッケスケのレースで乳首は丸見えでスカートはとても短い。レースの黒いニーハイも何だかいやらしく見えた。写真だけじゃよく分からないものだ。

とりあえず着てみたが、──全く似合ってない。下着は見えてるし胸は膨らみがないから胸元はダボダボ。これは萎えるだけだしやめとこう、と思い脱ごうとすると、後ろからパシャッと撮影音が聞こえた。

「!?」

「お前、とりあえず下着脱げ」

「な、萎えるだけでしょ?何してるの!?似合ってないし俺にはダメだよ。これで嫌われたくもないし…」

「下着だけ脱げって言ってんだよ。いいから早くしろよ」

「…で、でもスカート短いから見えちゃう…」

「──早く脱げ」

「…は、はい」

下着を脱ぐと、屈んだら何とか見えない丈だが動いたらすぐに見えてしまいそうになり、スカートを押さえた。

「ベッドに寝転んで」

着替えに使っていた脱衣所からベッドへ移動する間、下がスースーして気になって仕方ない。

(あ…やば。なんか思ったより恥ずかしい…かも)

「ベッドに寝て」

「…うん」

言われた通りに寝転び、やっぱりスカートが気になるので整えて見えないようにすると、ニヤッと笑った顔が見えた。

「手、万歳して」

「……は、はい」

「そんでこれ持って」

手を上げると、コスプレに付属していたリボンの首輪を持つように指示された。可愛らしく鈴のついた首輪は、少し手が揺れるだけで小さく音を奏でた。

「じゃあ今から始めるけど、手はそのままにしてろ。鈴の音が鳴ったら後でたっぷりお仕置きな?」

「えぇ…ちょっと動いただけで鈴鳴っちゃうんだけど…」

「それなら全く動かないようにするしかねーよな」

「……ばかぁ」

「千明がこういうのしてほしいって言ったんじゃん」

俺の太腿辺りに腰掛けた奏多くんはじっくりと上からスカートまで眺めながらニヤニヤと笑い始めた。

「…変態みたいな顔だね」

「『コスプレあるよ!ご奉仕するよ!』ってキラキラした目で言ってたお前に言われたくねーよ。それにしてもスケスケだから乳首丸見えじゃん」

「…っみ、見ないでよ…こんなに透け透けだと思わなかったんだもん…」

「でも可愛いよ」

「え……な、何言ってんの…っ」

「可愛いって言ったの。レースの生地だし、直接触るより気持ちいかな?」

「ひゃ…っ、」

乳首に手を伸ばした奏多くんは、優しくレースの上から胸へ触れた。その瞬間小さく体が揺れて手の平の鈴がチリンと一回鳴った。

「ぁ…っ!ははっ、そ、その触り方…っ!だめ、」

「擽ったい?」

カリカリと両方の乳首を引っ掻かれるとピクンと体が跳ね、自然に鈴の音が響く。

「音鳴りすぎ。耐えろよ」

「だ、てっ…ひはっ、ぁはは!乳首擽ったぃぃ!」

「じゃあこっちは?」

「ひゃぁぁ!」

乳首から指が移動すると、がら空きになった脇を擽られた。

「脇空いてるから擽りやすい。下げたら縛り付けて擽るから耐えろよ」

「ひゃははは!なんでっ、こんな変な攻め方しないでっ、…ひはっ、ぁははは、見ないでよ…恥ずかしい!恥ずかしい!!」

普段見られる事のない部分を見られる事に羞恥を覚えて腕を震わせるとずっと鈴の音が聞こえてくる。

「もっとちゃんと万歳して。恥ずかしいとこ見せて?」

「やだ…やっ、あははぁ!」

「この窪みとかエロい。ちょっと触るとビクビクするし」

両側から脇の窪みを突かれると肘が半分近く下がってしまったが、それを許さない奏多くんはグイッと腕を上げさせた。

「次下げたら縛るからな。せっかくお前が持って来た拘束具もあるわけだし」

「やだ…!こんな攻め方するなら拘束プレイしない!!」

「じゃあ下げなきゃいい話だろ。あと鈴チリチリチリチリ10回くらい鳴ってたよな。その数字、覚えとくから」

「何する気…っ、もぉ変な事はやめよ…っちゃんと触ってよ!恥ずかしい!!」

「無理。お仕置きだからこれ。望む事してもらえると思うなよ」

「ひゃぁぁ……」

優しく脇を擽られると、少しの快感が混ざり甘い声が出た。プルプルと腕を震わせながら耐えていても鈴の音は小さく鳴り響く。

「鈴は鳴ってるけど腕ちゃんと我慢出来て偉いじゃん」

指が乳首に戻ってくると、優しくレースの上からクルクルと撫でられた。

「やぁぁあ…っ!」

そこから執拗に乳首だけを撫でられる事になった。ぷっくりと膨らんだそれを摘んだり、レース越しに優しく引っ掻いたり、周りを人差し指でなぞったり。

擽ったいとしか思えなかった刺激も、少しずつ快感を生み出すようになっていった。

生み出してくれたのはいいが、その後感じたのは焦ったさ。胸ばかり触られるとどうしても下半身が反応してしまう。

スカートが少しずつ膨らんでいき、丈が短いのもありちらっと姿を見せる俺の自身。恥ずかしくて隠したいけど手を下げたら怒られるので気付かないフリをして耐え続けた。

「すっげー勃ってる。乳首も感じるようになってきた?」

「き、っもちい!気持ちぃっ、けど、焦ったい…!下、触って…っ!頭が変な感じする…っ」

「うわ本当だ。下もすげー反応してんじゃん。スカート短いから見えてるし恥ずかしいな」

「うるさい!…これならスカート捲ってよ!中途半端で恥ずかしい!!」

「はいはい。自分から望んどいて注文多いな」

グイッと足を左右に開かせられると、思いっきり晒された恥ずかしい箇所。閉じれない様に足の間に腰掛けた奏多くんはゆっくりと太腿を撫で回した。

「ぁ……!」

チリンと小さく音が鳴っても、奏多くんの手は止まらずにいやらしい手つきで太腿を撫で回した。

「スカートびしゃびしゃ。こっち触ってないのに何でこんな濡らしてんの?漏らしたのかよ」

「煩いなぁ…漏らしてないから…っ」

「なぁ、今日さ。いっぱい意地悪しようと思ってこういうの持って来たんだけど使っていい?」

「…何?」
「筆」
「筆?」
「うん。お前激しいの好きだって言ってたから、敢えて焦らしプレイでもしようかと思って。色々調べてたら出てきた」

前もハードプレイも調べてくれていたし、勉強以外も熱心なんだな。

「うん…いいけど、もう胸で大分焦らされたから…その、あんまりやめて……」

「じゃあ始めるわ。因みにもう20回は鈴鳴ってたから20分はひたすら焦らすから。本当はもっと鳴ってただろうし」

「20分!?無理だって!」

「あ、また鳴った。21分な。これ以上時間増やしたくなかったら大人しくしてろよ」

「……っ」

新しく購入したであろう新品の筆を取り出すと、スカートから思いっきりはみ出している自身にゆっくりと這わせてきた。

「…ん」

本当に小さな刺激にピクリと体が揺れた。鈴を鳴らさない様に我慢は出来そうだが21分も持つだろうか。

今すぐにでも触ってほしいと訴えている自身の裏側を撫で上げる筆。繊細な毛先は今まで感じたことのない刺激を与えてくる。

「…ンン、…はぁ…っ」

「何その声。俺の指以外でも感じてんの?」

「感じるようにしてるくせにぃ…っ」

「でも腕ちゃんと万歳してて偉いじゃん。筆もう一本あるからさ、こっちも可愛がってあげようか」

「こっち来ないでぇぇ…!ていうか別に、おんなじ筆でもいいよ…っ」

「一応衛生面的にな」

「変なとこ拘るよね……」

よいしょ、と足の間から離れた奏多くんは新しい筆を開けて上半身へやってきた。

「顔、横向けて」

「……何するの?」

不安が強いが言われた通りに顔を横へ向けると、筆がふわりと耳を撫で始めた。

「ふぁ…ちょ、ちょ、っと!ぁッ」

耳の穴へ毛先が当たるとゾワッと体が跳ね、チリンと鈴が鳴った。その音を聞いてぐっと体に力を入れると、サワサワと耳の中を遊ぶ毛先。

「ひ……!あ!奏多くんっ、それ、だめッ」

「ちゃんとポーズ保て」

「ひ…ぅ、んッ、ぞわぞわするぅ……!やだ!やぁぁ…」

「鈴すげー鳴ってるよ。その分、あとが辛いから耐えといた方がいいと思うけど」

「じゃあ優しくしてよ…っ、意地悪、」

「激しくしてって言ったのは誰だよ」

「思った激しさと違うぅ…!!」

必死に腕を上げたまま耳への刺激を許可しているとスルリと筆が首筋に降りてきた。

「ぁ……っ」

「後で首にちゃんとリボンつけてやるから」

「ん、ん…っ」

首筋から鎖骨、そしてレースの生地の上から乳首を撫で上げる筆。薄いからかしっかりと服の上からでも乳首への刺激は強く、ピクンと腰が跳ねた。

「ぁ、あッ」

ツンと勃った乳首を続く様に毛先が触れ、声が大きめに漏れると同時に鈴が鳴った。

(気持ち良いけどやっぱり焦ったい…っ)

モゾモゾと腰を動かして強請る様に甘い声を出しても筆の優しさは変わらず、ぎゅっと鈴のついたリボンを握り締めた。

「──可愛い。ちゃんと腕上げてたご褒美」

「え?…ちょっ、ぁぁぁ……!」

レースの上から乳首を咥えられると、音を立てて吸い上げられた。

「ぁ、ぁー…っ、あ、んん」

カリッと歯を立てられると痺れるような快感が襲い、足を擦り合わせながら鈴を鳴らし続けた。

「鈴すげー鳴ってるけど、このあと大丈夫?」

「この、あと…っ何、すんのぉ…ねぇ、もういい…もう、焦らさないで…っだめ、俺こういうの苦手、かも…っおかしくなる…」

「俺も本当はこんなに長く焦らしたくねーけど、あと15分位残ってるからな」

「もぉぉ……やだぁ、──っひぁ!?」

乳首に気を取られていると、筆は脇にやってきた。クルルと窪みを撫でながら、スッと横腹を通って腰に滑る。

擽ったい箇所のはずなのに気持ち良さの方が強くて腕が下がり始めると、クスッと笑う声が聞こえた。

「腕下がってきてるけど、縛られたいの?」

「縛られたく、なぃぃ…やだぁっ」

結局今も自分の意思で下げることが出来ないので縛られているのと変わりないが、縛った途端にめちゃくちゃしてきそうなので腕をピンと上へ伸ばした。

「いい子」

筆を置くと、両手が脇に添えられ、ゆっくりと擽られた。

「ぅぁぁぁ!ちょっとなにッ、──ぁはっ、あ!ぁぁ…こ、これはっ、我慢出来ない!やめてっ、やだぁぁ」

こしょこしょと脇の窪みを動く指にゾクゾクと腰を揺らしながら腕を必死にキープしていると、乳首にも刺激が走る。

「うぅ…!奏多くん…っ、ねぇ、腕…むりっ、無理ぃ……!おねがっ…やめ、やぁ、っ」

「まだ時間あるよ?」

「意地悪ばかぁぁ…っ、ぁ、はぁぁ…!」

サワサワと優しい手つきは擽ったいのと気持ち良い感覚が半々で、頭が混乱するような刺激を生み出す。

脇からゆっくりと下へ移動して胸の横や横腹を擽られると思いっきり鈴が音を鳴らした。

鈴を鳴らしてもパタパタと足を動かして逃げようとしてみても、腕だけは必死に頭上にキープした。

優しい甘い攻めが続いた後、小さくスマホから音が鳴ると漸く刺激が止んだ。

「21分よく我慢したじゃん。次は鈴が鳴った分、こっちいじめるから」

「はぁ……何、…もぅ…っ」

最初使用していた筆を手に持つと、足の間に戻ってきた奏多くんの体。力無く閉じようとしても今より閉じる事は出来ずにめちゃくちゃ濡れたくった自身を奏多くんの前で晒した。

「擽ったら30回くらい鳴ってたよな。だから次は30分ここだけいじめてやるよ。もちろん手はそのままな」

「しつこい…!もうやめてぇぇ……」

「無理」

30分にセットしたスマホをタップすると、筆は自身の付け根を撫で始めた。先程の擽りやたっぷりとした焦らしによって出来上がった体はもうそれだけで辛い。

「やだぁあ!もういい加減にしてよ…っ、」

鈴のついたリボンをぽいっとベッドに投げ、上体を起こして制止しようと手を掴むとニヤッと笑って奏多くんの顔。

「いい子にできねーならお仕置きな」

「やだぁ!もう…一回イカせて!お願い!体おかしくかるから!」

「んなの許すわけねーだろ?」

ボスンと簡単にベッドへ押し倒されると、持参していた拘束具で手首を拘束されて下ろせない様にベッドに括り付けられた。

「リボンは可愛いから首にちゃんと巻いとくわ」

俺が捨てた鈴のついたリボンを首に結ぶと、奏多くんは再び足元へ戻っていった。バタバタと足を動かして暴れても簡単に押さえつけられ、筆は敏感な自身を撫で回す。

「やだぁ…!お願い、イカせて…っ、もうだめ!!だめ!俺むり!奏多くんっ!お願い…っ」

「ダメだって。とりあえず30分は耐えろよ」

「長いぃ…!!──ひァァ!?あ、ッ!あ、無理、ダメ、そこだめ!!」

ふわりと筆が遊び出したのは先走りを溢れさせる先端。そこを撫でられる度に激しい快感が襲った。

「お、すげー反応。先っぽも喜んでるよ」

「ぃあああああ!やめろ!やめ…っ!あああああ!」

ただ筆で撫でられているだけなのに、今の体には耐えがたい。毛先が鈴口をいじる様に動くと目の前が明るくなった。

「~~っっ、ぅ、そ…やめ、ぁ!ぁ…っ」

筆特有の感触が先端を襲うと、腰が跳ねて体は絶頂に備え始めた。

(まじか…!こんな優しい筆の動きでイクとか…あり得ない)

そう思っても体は熱の解放を求めているのでぎゅっと体を強張らせると、筆は離れていった。

「え……?」

「ん?もしかしてイキそうだった?悪い悪い」

「…っ!」

明らかな意地悪の表情に歯を食い縛った。散々イキたいと訴えてきたのできっと何回言っても30分はイカせる気はないだろう。

「あれ、おねだりしねーの?」

「イカせる気なんてないくせに…ばぁか!」

「余裕なくなるとそんなに可愛くなるんだな」

「奏多くんも余裕なくなるとめちゃくちゃかわい…っ、あ!ごめんなさいっ、言いませんやめれっ」

俺の言葉に怒った奏多くんは筆を動かし始めた。もちろんイケない程度の刺激しか与えてこないのでもう頭はパンクしそう。

優しくて意地悪な筆は自身のみを刺激し続け、終わりを告げるスマホが音を鳴らすまでずっとずっと焦らされた。

「よし、30分経ったよ」

「……もぉぉ…本当、ひどすぎ……」

結局一度も熱を発散出来ていない俺の体はとてつもなく敏感になっており、少し触られるだけで反応してしまう程になっていた。

「んじゃ、筆でいじめてる間に鈴が鳴った分、イカせてやるよ」

「──は?」

筆でたっぷり焦らされている間、俺の首についた鈴はめちゃくちゃ鳴っていた。

「まぁめちゃくちゃ鳴ってたし、10回くらいで許してやるよ。今まで焦らして悪かったよ。──今から盛大にイカせてやるから」

ニコッと黒さしかない笑みを向けられると、今まで最上級に熱っていた体は少しだけ落ち着きを取り戻した。

「ぎゃああ!」

敏感になった自身に装着されたのは、俺が前に購入して奏多くんの家に置いていた電動のオナホ。

ズボッと容赦なく自身に被せると、スイッチを入れた。

「ぁあ、ぁぁぁ…っ、あ、ぁッ、」

先端に吸い付きながら、自身全体を揉む動きをされると我慢なんて出来ずに簡単に一回目の絶頂。

「このまま好きな時にイッていいよ。俺はこっちの準備しとくから」

ローションを手に取って、準備を始めたのは俺の後孔。いつもエッチしているのですぐに指一本を受け入れると、最初から容赦なく前立腺を攻撃された。

「ぁぁぁぁあ!」

「今準備してるだけなんだけど」

(思いっきり俺の弱いとこ狙ったくせに…!)

「ひ、あ"…ああああああ!!やぁぁあ!!」

グリグリと刺激されると、文句をいう暇もない。イッたばかりの自身への刺激も激しくなったのでカチカチと歯を食い縛りながら耐えてみても、すぐに喘ぎ声に変わった。

「ぁぁあ"ぁぁああっ、待っ、て"、ぇぇぇ、とめてっ…とめてぇぇ!!」

「激しいのがご所望だろ?」

「ひゃぁぁぁぁぁ…!イクっ、イク…!!出るからぁぁぁあ…ッッ、」

ビクンと大きく体が跳ね、二回目の絶頂を迎えると、指が二本に増えて摘むように前立腺を刺激された。

「ぁ、ッ、あっ、だ、…めっ、とめ、れ…っぇぇ、むり、むっ、ぁあああああ!!」

「──俺だってかなり限界なんだよ。それでもお前がお仕置きしてほしいって言ってたから我慢してんの。だから、ちゃんと最後までお仕置きさせて」

「もぉぉぉっ、したっ、お仕置きっ、満足っ、しましたぁぁあ、やめてっ、くらさっ、いぃぃ!!む"り、っだ、からぁぁぁぁ、っぁぁぁあ!!」

ビクンと三度目の絶頂もしても止まらない刺激に号泣して叫び続けた。

(人って連続で何回イケんの!?いつ止まんの?もう無理無理無理無理…っ、俺のオレが、機能しなくなる!!)

大口を開けて叫び続ける俺を楽しそうに見つめながら、ナカに挿入された指はもう三本になっていた。

「じゃあ、あと7回は俺のでイカせてやるよ」

「う……っ、そ、でしょ…むり、やめ…っ」

指が抜けると、俺の大好きなモノが挿入された。しかしどれだけ大好きでも、今は要らない。チカチカと目の前が光り輝くと、挿入されただけで四度目の絶頂。

「すっげー締め付けだな。イッたの?」

「ごめっ、なさ、…も、やめっ、ゆる…っ、じで、…くら…っさい、ッ抜いて"ぇぇぇ、とって、ぇぇぇ」

「えー?まだ折り返しだから。頑張れよ。来る前に言ったじゃん。途中で"やめて"は無しだって」

ガンガンと奥まで突いてくる奏多くんのモノ。最初はあまりだったが、今はもう立派な性感帯になった。

「~~----ッッ、ぅぅぅ、」

あまりの快感に涙が大量に溢れると、腕が解放されて背中に回すように誘導された。

力無くも手を伸ばすとじんわりと汗をかいてあたたかい奏多くんの体。

「ごめんいじめすぎた。泣かないで」

「ぁ…ぁ、っ、きす、して…キスした…いっ、」

「…うん」

泣きながら強請ると、しっかりと体を支えながらキスをしてくれた。

(……気持ちいぃ)

他の愛撫も堪らないくらいに気持ち良かったけど、キスが一番気持ち良い。舌を絡めた深いキスをしながら何度も絶頂すると、奏多くんもそろそろ限界なのが伝わってきた。

「…っ、イク」

唇を離して俺を抱き締めようとしたので、最後の力を振り絞って手を伸ばして体を離した。

「…っ?な、に…」

「…っ、奏多くんのイク時の顔、見せてよ……」

今までエッチをした時は見ていなかったけど、前にフェラしていじめた日──。イク時の顔があまりにも可愛くて、もう一度見たいと願っていた。

「……っ、見んな…」

「イッて…っ、奏多くん、」

俺も全く余裕なんてないけど、それ以上に蕩けた顔が見たかった。頬を染めて少しだけ恥ずかしさで涙目になってる顔は、きっと俺しか知らない。

「んっ、…んん……っ」

少し我慢していたみたいだが、俺が締め付けると限界が超えたのか、きゅっと目を閉じてビクビクと痙攣し始めた。下がった眉に、頬には一筋の汗が伝い、それがとても可愛かった。


◇ ◆


「俺、多分10回イッてないよ?いいの?」

「お前が号泣するからだろうが」

「えへへ、そんな優しい奏多くんが大好きだよ。──焦らしプレイも中々興奮したかも。次お金が貯まったらまたホテル来ようよ」

「焦らしなら別にホテル来なくても問題ねーだろ」

疲れ果てた体をシャワーで流した後、ジャグジーのついた大きなお風呂を泡まみれにしてのんびりと会話をした。

泡を使って奏多くんの頭に猫の耳を作ってみても、疲れたのか壊すこともなくされるがまま。

二つ泡の耳が完成すると、まだトロンとした顔にはとても似合っていて可愛い。

「あはは、奏多くん可愛い。ねこちゃんの耳作ったよ」

「楽しそうで何よりだわ…」

「ね…家でもプレイは出来るけど、また奏多くんとホテルには来たい。というより、こうやって泡風呂とか普段しないこと楽しみたい」

「──ん。いいよ。けど次はホテルじゃなくて旅行したいかも。温泉浸かりながら綺麗な景色とか見たい」

「え、いいの!?いきたい!何処がいい?」

「美味しいものも食べたいしなーまた探そうよ、このホテルみたいに。二人が行きたいとこ」

泡の猫耳を頭に乗せた奏多くんが幸せそうに微笑むと、俺も堪らなく幸せな気持ちになって抱きついた。

「うん!ずっとこれからも二人で行きたい所、いっぱい探そう」

「うん。楽しみにしてる」

end.
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