短編BL

まこ

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◇2話以上

弱みを握られて③

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「…っや、ぁぁっ…」

先生の賢者タイムが終わって数分。

顔にぶっかけられた精液はすぐに拭き取ってもらえたが、俺の腕は未だにベッドに繋がれたままうつ伏せの状況にさせられた。

「あッ…やめ、……」

ガチャガチャと手枷に繋がれたチェーンを鳴らしても、刺激は止まらない。

「美味しい……」

気持ち悪い声色でそう呟く先生は俺の尻を高く上げさせて執拗に後孔を舐めていた。

「っ、めろ……まじで…っ」

ガッチリと腰を掴まれて動けずに居ると、ぬるりと中へ入ろうとする舌。その刺激が気持ち悪くてビクンと腰が跳ねる。

「はっ……ぁぁ、んッ……」

明るい部屋の中で、さっきみたいに恥ずかしい部分を見られるのが嫌だ。動けずにされるがままなのが嫌だ。

そして、尻を舐められてこんな声が出る自分が一番嫌だ。

「可愛いお尻」

「ひゃあっ……やめ、やだぁっ」

「お尻は高く上げておいてね」

たっぷりと唾液を絡ませた舌が皺を伸ばす様に動くと擽ったくて気持ち良くてブルッと体が身震いしてしまう。

「~~…っ、」

「気持ち良い?」

「…んな、わけ…ない、っだろ……」

「ふぅん?その割にここは勃ってるけど?」

「ひぁ…!」

舌を這わせながら自身を扱かれると高い声が出た。それが恥ずかしくてシーツに顔を埋めるも、尻を舐める舌の音か、先端から出る先走りの音か。それとも両方なのか分からないが、恥ずかしい音も響き渡り、それも堪らなく恥ずかしい。

「ふふ…可愛い。お尻舐められて恥ずかしいね」

「るさい……っ」

「可愛い。そろそろここも疼いてきてない?中の良さも俺が教えてあげるよ」

「疼いてねーよ!!」

「でももう今更逃げれないよ?最後まで…愛してあげるから力抜いて」

「…っ!やめ……!い、って……ぇ、」

ローションを付けてくれたのか、ヌルヌルと滑りの良くなった指が後孔に挿入された。しかし初めて何かを受け入れる俺の尻には、どれだけ滑りを良くしていようが指一本ですら受け付けない。

気持ち悪さと圧迫する感覚に息を飲むと、挿入したまま指はストップした。

「潤くん。息、ゆっくり吐いて。痛いと思いさせたくないから」

「痛い…っいたい!痛いからぁっ…抜いてっ…抜け!お願い……」

「痛いを連呼したらやめてもらえるとでも思った?本当に痛いなら一旦抜くけど、平気そうじゃない?苦しさはあるだろうけど」

「…っ、く、るしぃ……から、抜いて……」

「ゆっくりと解していけば大丈夫だから、深呼吸しようね」

結局指が引き抜かれる事はなかったので、異物感に耐えながら息を吐くと少しずつ落ち着きを取り戻した。

でも、指を受け入れてるのも嫌なので心と体はちぐはぐで。悔しさに歯を食い縛った。

「…ん、少し落ち着いてきた。動かすね」

優しい声色と、ゆっくりとした指の動き。これが好きな人なら嬉しいんだろうが、本気で不快だ。クチュッと変な音を奏でながら動かされると、トン、と一箇所だけ不思議な感覚を覚えた。

(……?今の、何…)

そう思ったと同時にクスッと小さく笑う先生の声。

「そんなにびっくりしなくても。お尻にも気持ち良い所あるんだよ、今触ったココ、とかさ」

「--~ッ!ぅ、…んぅ……」

トン、トンと優しくその箇所をノックされるとゾワワッと背筋に走る刺激。尻が落ちそうになったが、わざとではないからか先生がそれを咎める事はない。

「ここ気持ち良いでしょ。前立腺だよ。俺、潤くんと繋がるために男性の体について凄く勉強したんだ。いきなり触っても感じないけど、たっぷり感度上げて体を蕩けさせたら感じやすくなるんだって」

(何してくれてんだよクソが……)

そう思って悪態を吐こうとしても、前立腺を擦られると声にならなかった。

「はぁ…!ぁ、あ……っ…だめ、そこっ…んんん、」

「凄い指の締め付け。ずっとここ触ってたらどうなるだろうね?潤くんの体は」

楽しそうに笑いながら強制的な快感だけを送られると、気持ち良くてもついていけなくて。拘束されたチェーンを鳴らしながらポロポロと涙を流した。

(気持ち良い、でも認めたくない。終われ、早く終わって、終わってくれ)

必死に願っても、無理矢理認めさせるべく動く快感に頭が痛くなった。

「キュウキュウしてる。早く入れてあげたいな」

「も……お願っ、い…やめて…もぅ、…だめぇ…ッ」

「はいはい。そんなに入れて欲しいんだね、じゃあ少し指増やすからね」

「違う…!もうやめろっつってんだよ…っ、ひぁぁあ!?」

クチュッと音が鳴ると、異物感が強まった。指が増やされても痛みは感じない自分に嫌気が差した。

「簡単に二本も指受け入れてくれたよ」

「だま、れ…っ」

「へぇ、まだ元気だね」

「!!!~~ッ、ん、ンンんんンっ……」

「こうやって挟んで揉んであげると気持ち良いでしょ」

「や"ぁぁぁっっ!!やめろっ、やめ……て"ッ、」

執拗に前立腺だけをゆっくりゆっくり鳴らす行為に体はそろそろ限界で。触られる度に強い寒気の様なものが襲ってきた。

(やばいっ……何?何…?このままずっと触られてたら…なんか、くる…)

次第に強い寒気が襲う感覚が早まると、変な息が漏れ始めた。

「そうだ。怖がらせちゃいけないから伝えておくけど、ここ触ってるだけで人ってイケるから。安心してイッてね?」

「…っえ?」

「んっと、さっきここ触ったらイケたでしょ?それと同じでさ、ここを触るだけでイケるんだよ。今変な感覚しない?」

「す、る…っ、ぞわぞわ、してっ…なんか、何かきそうっ…こわ、いっ…怖い…!」

「一回イッてごらん」

「やぁぁっ…!やめて…ねぇっ、やめ、ッ」

「潤くん、力抜いて。大丈夫だから」

腰を押さえられたままに強い快感が押し寄せると、寒気の感覚がかなり強まった。

「いっ、あっ、あ"………だめ、だめ、……!!」

最後に少し強めに指の腹で刺激されると、自分でも驚く程に腰が跳ねて足がガクガクと震え出した。

オナニーしてイク時の感覚とは違う波は、確実に俺を追い込んだ。

「---~ッ、ン……んんんん……っくぅ……」

ビクビクと激しく体を震わせながら波を飲み込んだ俺は、クタリと力尽きた。

(頭ふわふわする………気持ちいい……)

いつもイッた後に訪れるスッキリ感と気怠い賢者タイムもない。ずっと心地良い感覚が体を支配する。

「蕩けてる所悪いけど、このまま終わる訳ないからね?」


「え…?」

カチャカチャと手枷についたチェーンを外されるも、回らない頭では拘束を解放された事には気付けなかった。

「よし、この位置なら…よく映るかな」

頭上辺りにスマホをセットされても、何をされてるか分からない位に今の俺の頭は蕩けていて。スマホを見つめて不思議に思っていると、ズンッと重たい刺激が尻を襲った。

「っっ"、ーーーーーッ!!」

目を見開いて声にならない悲鳴を上げると、パンパンと肌がぶつかり合う音が聞こえた。

「可愛い…トロトロし過ぎて処女失っちゃうなんて。はぁ、潤くんのナカ、最っ高」

「ひ、あっ、ァあーーーー!!」

「一回ナカでイケたらイキ放題だよ?嬉しいね」

ベッドの軋む音と肌のぶつかる音が激しく部屋に響く中、俺はボロボロと涙を流しながら声を上げた。

「…っ、締め付け、凄い。…気持ち良い?潤くん」

「き…っ、も、ちぃぃ…ッ!気持ちいっ…ぁ、あッ、ぁぁ……はぁっ、せ、せっぇ、せんせぇぇ…っ」

「なーに潤くん」

「きもちっ、い、っイク、…ま、たぁっ……ぁ、……ッ、んんん…」

「いいよ。先生イッちゃう、って言いながらイッて。スマホ見ながら言ってくれたら嬉しいな。あとさ……俺と付き合って?」

「んっ、はぁ…っ!イッちゃ、…せんせぇっ…イッちゃっ…イク、やぁぁっ、ぁ、……~~---ッ!!」

言われた通りスマホを見ながら言葉を放ちながら絶頂すると、先生も俺の中でイッたのか、ドクドクと脈打つ感覚が伝わってきた。

「ね、潤くん…俺と付き合って?」

「…っはぁ……ぁ、や、もぉっ動かな、でぇっ」

「じゃあ俺と付き合ってね?言ってみて」

ユサユサと腰が動くとキツすぎる刺激に耐える事が出来なくて。

「つ、きあうッ、付き合う、からあぁぁッ…やめれっ…ぁ、」

「うん…ありがと、潤くん。ずっと大切にするからね」

その言葉を最後に、強い快感は遠ざかり、俺はグッタリとシーツに体を預けると、あまりの気だるい心地良さに瞼を閉じた。


◇ ◆


『んっ、はぁ…っ!イッちゃ、…せんせぇっ…イッちゃっ…イク、やぁぁっ、ぁ、……~~---ッ!!』

目を覚ますと、俺の激しく喘ぎ声が聞こえてきて背中に変な汗が伝った。

「お前ぇぇぇぇぇ!!!!」

「うわぁぁぁっ!びっくりした!起きたの?」

スマホを眺めてニタニタしていた先生に思いっきりティッシュ箱を投げ付けると、突然の攻撃に驚いたのかポスッとスマホがベッドへ落ちた。

もちろん未だに再生されているのでアンアン喘ぐ自分の声がスマホ越しに聞こえてきてブワッと顔が熱くなった。

「消せやボケぇぇ!!」

「やだよ。こんなカメラ目線で『せんせぇイッちゃぅぅ』は家宝にするしかない」

「っざけんな!ぶっ飛ばすぞ!!」

「あはは、出来るものならどうぞ?まだまだ体動かないでしょ?激しくしすぎてごめんね?」

確かに全身に重しがついているのではと思うほどに動けない。しかし、きちんと服も着て寝転んでいたので綺麗にはしてもらっているようだ。

「それにしても、夢みたいだよ。ずっと大好きだった潤くんと恋人になれて」

「は!?」

「ほら見て。付き合うからってハッキリ言ってるよ」

「再生してんじゃねーよ!こんな無理矢理言わせたの無効だ無効!!」

「じゃあまずは体から俺を求めるようにしていくよ。もうデータはバックアップ取ったからね」

「な……っ、卑怯だぞ…」

「でもそうでもしないと潤くんは手に入らないじゃん?」

「そんなんで無意味な関係築いて満足なのかよ」

「もちろん本当は愛し合った恋人になりたいよ?けどさぁ、そんなの無理なの分かってるから。心より先に体を手に入れたい。だから次は…いつ会う事にしようか?」

チラチラと恥ずかしい画像を表示しながら笑う先生は、悪魔にしか見えなかった。

「…じゃあ、来週もまた宜しくね?」

ちゅっと頬にキスされたので思いっきり顔面に平手打ちをした。

「わぁ、いい音したね。痛いなぁ。まぁそれくらい今日お尻に負担かけちゃったし許してあげるよ」

(…いつか絶対にこいつの本性バラして、社会的抹殺してやる)

心にそう誓いながらも、先生のS気を含む顔を見ると体は少しだけ熱くなった。それを認めたくなくて、もう一発平手打ちを食らわせた。

end.
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