短編BL

まこ

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◆短編(1話)

本音

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※興奮して鼻血が出るシーンがあるのでご注意下さい※

電話/耳責/言葉責/擽り/拘束/微裏

攻→咲夜さくや/視点
受→優希ゆうき

◇ ◆

いつもヘラヘラ笑う恋人。俺の事が大好きなのは行動見てたら分かるし、きちんと伝えてくれる。

でもいつも余裕ある感じで、少しだけ不満。せめてエッチしてる時くらいは余裕なく求めてくれてもいいのに。

なんて贅沢な悩みを抱えている時に、俺は悶々とした気持ちを発散するためにバイトを始める事になった。

内容はテレフォンセックスで指示をするモノ。流石に電話越しとは言え恋人には伝えにくかったので内緒で始めたのだが、意外にも楽しかった。

それが相手にも伝わったのか、高評価してもらえる事が多く、複数に指名されるまでになった。そんな時、よく聞き慣れた声と電話することになった。

『初めましてユウです。今日はよろしくお願いします』

その声は明らかに俺の恋人、優希だった。

「初めまして、僕はサクです。よろしくね」

同じ様に声でバレてしまわないか心配だったが、まさか俺がこんな事してると思ってはいないのか、指摘される事はなかった。

「どんなのがお好みですか?」

『言葉で責められるのが好きです。俺、恋人が居るんですけど恥ずかしくてそんな事言えなくて。だから今日はめちゃくちゃに攻めて欲しいです』

へぇ、コイツそうだったんだ。何となく秘密を知ってニヤけてしまう。

「いいよ。…いっぱいいじめてあげる」

『なんか、サクさんの声…やばい』

「そう言って貰えると嬉しいな。…ね、今どんな格好してるの?」

『今…ズボンだけ脱いでる』

「イヤホンとかある?…両手使う様なことしたいんだけど」

『ん…もうイヤホンに、してる』

既に荒い息になっている優希の声はやけにエロかった。俺もガッツリ勃ってしまう程に。

「今、下はどうなってる?」 

『ちょっと、勃ってる…』

「下着越しに触ってみようか」

『ん…っんん…はぁ、ぁっ…』

こんな声初めて聞いたぞオイ。

若干嫉妬しながらも俺はオナニーの指示をしていき、優希は賢くそれに従ってくれた。

「ねぇ、ユウくんは何処が一番感じちゃうの?」

『ん…耳、舐められたりしたら、やばい。俺の恋人声も格好良くて、たまに耳元で話されたりするとすぐイッちゃいそうになるくらい。でも絶対それがバレないようにしてました』

今後の参考のためにも確認してみると、俺を知らない人だと思っている優希は素直に教えてくれた。

あまりの可愛さに俺が限界になりつつも、オナニーの指示をしていき、優希は荒い呼吸になりながら絶頂寸前までになっていた。

『は…っぁ、あっ、イきそ…』

「まだイッちゃダメ。僕がイッていいよって言うまではね」 

『いじ、わる…しないでぇ…』

「だーめ。もっと余裕ない声出せよ」

『ふ…っぁ、ぁ』

「恋人に触ってもらってると思って」

『あ!だめ…っ、待っ、』

その声を最後に荒い吐息が聞こえ、しばらく優希の声は聞こえなくなった。

これは出したなと理解して落ち着くまで待っていると、おそるおそる声が聞こえてきた。

『ごめん、なさい…イッちゃいました』

「いいよ、気持ち良かった?」

『うん。最後、恋人に触ってもらってると思ったら…一瞬でした』

今すぐにでも抱き締めに行きたい程可愛い。

「恋人さんとはそんなにしてないの?」

『そんなにですね。油断したら俺、情けない姿見せそうなんで作業みたいな感じで体を重ねてました。…こんな自分見せたら嫌われんじゃないか、とか』

そこから優希の話を聞いていると、本当はもっと激しい事したいだとか、縛られたいだとか、言葉責めしてほしいだとか、とにかくその他にも要望が凄かった。

それを聞いて引くどころか次は縛り付けて永遠にいじめてやりたいと思う程に興奮した。

「恋人さんも、きっとユウくんの事大好きだろうから、あんまり溜め込み過ぎないでね」

『あは、実はあなたの声恋人にすごく似てるんですよね。だからなんか説得力あります。じゃ、今日はありがとうございました。また』

そう言って電話が切られると、俺は我慢出来なくて一人で慰める事にした。


◇ ◆


それから一週間後、俺は初めてラブホテルに行こうと優希を誘ってみた。相変わらず余裕をかまして"えぇ~咲夜くんのえっち~"なんて言ってくる。

何処か期待した様な、緊張した様な表情の優希を連れ、拘束出来るホテルへ入室した。

「優希」

「ん?」

「今日縛ってみたい」

「ほぇ。いいよー、咲夜くんってそういう趣味あったの?」

「うん」

「…俺も、試してみたいと思ってたから嬉しいー」

頬を染めて期待した眼差しを送ってくる表情は可愛くて、俺は服を脱がせて大の字に拘束した。

「わー動けなーい。これで俺好きにされちゃうね」

なんていつも通り余裕っぽく言ってくるが、俺はお前の性癖を知ってんだ。泣かせてやる。

俺は優希に覆い被さると、片方の耳を指で押さえ、もう片方の耳へ唇を寄せた。その瞬間ビクッと跳ねたのが分かる。

耳はたまにしか攻めた事がなかったので最初からこんなに反応するのは予想外だった。

「…ッ」

「今日はいっぱい恥ずかしい事してやるよ」

「な…?え…?」

初めて聞く焦った声に気分を良くして、耳へ息を吹き掛けるとビクッともう一度分かりやすい反応を示す。

「あ…っ、あわわっ、咲夜くんっ、ちょ、」

「なーに?」

「んぅ…ちょ、待って…どうしたのっ」

「んーたまにはいいかなと思って」

「ひゃぁ…っ」

耳の穴へ舌先を捩じ込むと初めて聞く可愛い声が漏れた。

「何その声。耳で感じてるの?」

わざと音が響くように舐めてやるとブルっと身震いして首を振り出したので軽く押さえつけてゆっくりと耳を堪能した。

「あっ、ぁ…待って、咲夜く、っ」

「…エロ。何その声、もっと出してよ」 

「あわっ、わわ、待って、ちょ、待って待って…なんか、それ…っやば、んっ」

恥ずかしさをかき消す様な言葉を使う所も、全てを知った今可愛くて仕方ない。

「…勃ってるよ?」 

縛った辺りから既に勃っていたのは気付いていたが、敢えて今グリッと足で刺激して指摘してやった。

「あ…ちが、」

「違くないよね?…何で感じたの?耳?…それとも俺の声?」 

「あ…っちが、違、…やめっ」

「だからさしっかり反応してんだから違くないよね。…ちゃんと認めるまで意地悪するよ?」

「え…?ぁっ、何…っま、待って、」

悪戯心で広げられている腋に軽く触れると面白い位の反応が返ってきた。

「こちょこちょ」

「ひぁっ、なぁっ…な、なにっやめっ」

こんなに焦ってるコイツは初めてで、悪戯心が芽生えた俺はサワサワと優しいタッチで擽ってやった。すると明らかに感じた声を出してくれた。

「ぁ…、待っ…んん…咲夜くん、だめ…」

「優希のそんな余裕ない声初めて。…そんなに興奮した?」

「んな…わけないっ、バカっ…」

「耳まで真っ赤。恥ずかしい?…ずっと我慢してたのに声出ちゃってるね」

「う、るさ…っやめ、離して…!」

「絶対離さない。お前が理性無くすまでやる」

「はぁ…?な、何急に…キャラ変?」

「…そうかもね。嫌?」

「…や、やだっ。無理!俺は普通がいいの!」

「へぇ、テレフォンセックスしといて?」

「は……?え、嘘っ」

「とりあえずまずは謝らせて。あんなバイトしてごめんって。その次に、言い訳させて。俺はいつも余裕ある優希に少しだけ不安だった。俺が下手だからなのか、とか。だから練習も兼ねてバイトした。電話なら浮気にならないと思って」

「え…じゃあこの前電話したのって」

「俺だよ」

耳から口を離して優希を見ると、今にも爆発しそうな程に顔を染めていた。

「あ、ぁっ…わ、忘れて!!!忘れてっ忘れて、うわぁぁぁぁ」

「……何その反応。俺が触ってると思ったらすぐイッてくれたよね。嬉しかった」

「言わないで!!」

「もっと縛られたいし、いじめられたいんだよね。俺の声も好きだし、言葉責めがご所望だよね」

「あ…や、やだ、ごめんなさい…やだ、やだっ」

「?…ごめん、嫌だった?」

「き、嫌いにならないで…!!」

「え?」

真っ赤になってボロボロ泣き始めてそう訴えてきたので、一旦拘束を全て解いて抱き締めた。

「なるわけないよ、ごめんすぐにいじめ過ぎたね」

俺が声をかけても鼻を啜る事が聞こえるだけで、何も言葉を発しない優希に焦りつつ、ぎゅうっとしがみついてくる体を優しく抱き締めた。

「ごめんな、変なバイトして…」

「そ、れはいい…っ俺も、電話かけてるし…その、俺…電話で言った事は本心だけど、嫌われるのが怖くて。咲夜くんの事めちゃくちゃ好きだから。だから、」

「俺さ、さっきも言ったけどいつも余裕ある優希見てると自分は下手なのかなとか色々考えてたんだ。…だから電話でされたい事とか話してもらえた時すごく嬉しかった。実際さっきの余裕ない優希見た時めっっちゃくちゃ可愛くて、いじめ過ぎた。俺こそ嫌いにならないで」

「ならないぃぃ…さっきめっちゃ興奮したぁぁ…嬉しかったぁぁ…」

「…か、わい…」

抱き締める腕に力を込めると、更に優希も力を込めてくる。

「…ちゃんといじめていい?」

「うん、いっぱいいじめて…」

その可愛い声に興奮した俺はもう一度拘束して、今まで見た事のない色気のある表情を向ける恋人を見下ろしてニヤリと笑った。

「もうこれで何されても動けないよ。…優希、耳が弱いんだよね」

優希の体に覆い被さり、ちゅっと耳へ口付けると甘い声が聞こえてきた。

「ん…っ、咲夜くん…っ」

「どうしたの」

「やばい…!イッちゃう!」

「え?何で?」

「だめだ!恥ずかしい…!やっぱダメ!」

俺が素で驚いた声で聞き返してしまうと、我に返ったのか、ブワッと顔が赤くなったのが見えた。今までの余裕気な表情は何処にもない。

「恥ずかしい?耳で少し話されただけでイッちゃうの?」

「ンンン…っ!!待ってぇぇ…!咲夜くんっ」

「言葉で責めてほしかったんでしょ?」

ブンブンと首を振る頭を優しく押さえつけてゆっくりと耳へ舌を差し込むとビクッと激しく体が跳ねた。面白いくらいの反応に楽しくなる。

「ほら…気持ち良いね。でも動けないからこのまま俺にイカされちゃうのかなー?」

「ふ…っぁッ!!!あっ…やばい!待って!咲夜くんっ耳ぃ…離して…あぅ…」

「んー待たないよ」

舌先で擽るように耳の中を刺激するとビクビクその度に跳ねるので体で押さえつけながら逃げれないようにゆっくりと責め立てた。

流石にこれではイカないだろうが、イッたならイッたで面白いので暫く続けてやることにした。

「~~……ッ、ぅぅぅ……んはぁ…」

我慢しようとしてもしきれていない声があまりに色っぽい。もう首を振らなくなったので押さえていた手を移動させると、ゆっくりと脇腹に手を添えてみた。

「!あっ…やだ!やっ、咲夜く…」

「嫌なの?やめちゃう?」

「……やめない」

「可愛い。やめないの?嫌なんでしょ?」

「やめないっ!!!」

恥ずかしそうにしながらも声を荒げて睨みつけてきたので、俺はあまりの可愛さに口角が上がった。

「はいはい、じゃあ続けるね。折角だし、されてみたい事全部教えて」

「ん…今みたいにこうやっていじめてもらえるだけで幸せ。俺初めてだから、実際どうされたいとか正直よく分かんなくて。ただ…咲夜くんに全部恥ずかしい所も曝け出して、それでいてお互いが興奮出来るような…そんなエッチがしたかったの…」

「………あーー可愛すぎる…やばい」

「わぁっ!さっ、咲夜くん!鼻血!!」

「え?」

タラリと俺の鼻から垂れてきたモノを見て心配そうに優希が声を荒げると、俺は直様ティッシュを取り鼻を押さえた。

「咲夜くん大丈夫?」

「平気…ごめん…」

続行するのが難しくなり、優希の拘束を解いてやるとよしよしと頭を撫でられた。恥ずかしい。

「ふふ、咲夜くんこそさ、いつも余裕たっぷりで俺、心配だったんだよ。だから、鼻血出してもらえるくらい興奮してもらえてすっごく幸せ。…でもこの埋め合わせは、今度たっぷりしてね?」

クスッと妖艶に微笑む優希を見て、俺はゴクリと喉を鳴らした。

end.
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