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番外編①
02
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「まずは柚木から始めようか」
ニヤニヤと笑う上司を見て、久しぶりに殺意が芽生えた気がする。
「残念ながら今回は服は着たままなんだよなぁ…脱いでくれてもいいけどどうする?」
「脱ぐわけないでしょう」
「その態度いいなぁ。おいで、柚木」
(気持ち悪…さっさと終わってくんねーかな)
そう思いながらも嫌々ついていくと、立った状態でX字拘束出来る場所へ連れて行かれた。
「…」
ずっとこちらを見てくる上司を完全無視しながら、俺の四肢を拘束する七彩。次は七彩の番だからか、俺を攻める立場なのに余裕な表情は一切なく、とても緊張した顔をしていた。
「じゃあ時間は1~2時間。特に設定もなし。ただ今の時代こういう拷問が取り入れられてるから、任務に出る際は気を付けるようにってことで」
上司はそう言うと俺の背後へ回ると、ゆっくり脇腹に手を添えた。
「…っ」
サワサワと動き出した指にビクッと体が跳ねた。
(やばいくすぐったい…)
散々由麗に与えてきたが、自分が無抵抗の状態でされたのは初めて。前もかなり短い時間だったのでなんとかなったが、正直優しく触られるだけでキツい。
「…っ、ぅ……」
七彩がぼんやりと突っ立ってるだけなのでまだマシだが、上司の指は次第に様々な場所へ動き出した。
「…っ……」
腋に指が到着すると、こちょこちょと優しく動かされた。耐えきれずに手首に繋がれた枷がガンッと激しく音を立ててしまい、上司は鼻息を荒くしながら耳元で囁いた。
「はぁ…可愛い。ここ弱い?」
(相変わらずコイツ気持ち悪い……)
「柚木の肌はどんな感じかな」
「…は?」
服の上から擽っていた指が腰の辺りまで下がると、着ていたインナーの中へ侵入した。今日は擽りやすい薄手のものでくる様に言われていたが、直接触るとか聞いてない。
「…!やめて、下さい…っ」
「脱がなくてもいいけど直接触っちゃダメとは言ってないしな」
「は…っ、ぅ……」
スルスルと中へ侵入した指は直接腹部を撫で回し、胸元へとやってきた。
「はぁ……こことかも擽られる可能性もあるし気を付けような?」
「!……っく……ふ……ふっ……~~ッ、んん!」
胸元にきた指は、わざとらしく乳首に触れると、勃たせようとしているのか、執拗に人差し指で捏ねてきた。気持ち良いと感じる事はないが、かなり擽ったくて暴れると、勘違いしたのか上司はそこばかり狙ってきた。
「や、……っめ、」
「乳首弱いのか?…そうか、じゃあいっぱい触ってやらないとな。これとこれどっちが好きだ?」
左手を服の中から出すと、次はインナー越しに乳首へ触れてきた。服の摩擦で直接触られているよりも擽ったくてガチャガチャ暴れると、意味を理解した変態は右手も同じ様にインナーの上へ移動させた。
「そうかそうか。服の上からの方が気持ち良いのか。可愛いなぁ。さっきまで全然だったけどちょっと勃ってきてるんじゃないか?」
「…っ、」
(うっせーなコイツまじでどっか行けよ…)
一々言葉にされると気持ち悪くて鳥肌が立つ。しかし体の反応は逆で、優しく胸を擽られるとどんどんと息が上がり、足も震えてきた。
(やばい…やばい、やばいっ)
必死に堪えていると、上司は何もせず突っ立っている七彩に声をかけた。
「七彩。お前ずっと何してんの?そうだなーお前は太腿擽ってやれ。ちゃんと本気でしないと、次…分かってる?」
「あ……はい…」
困った様に眉を下げながら七彩は俺の前へ来ると、服の上から軽く足を擽り出した。
お互い手加減しようと言っているので辛さはないが、勿論それで黙っている上司ではない。
「七彩、もっとちゃんとしなさい」
「……ごめん、柚木」
「んん…っ、……」
七彩が内股を擽ると、自分の口からは恥ずかしい吐息が漏れた。
「ふ……っ、…七、…やめっ…そこ、だめ!」
サワサワと足の付け根を触られると我慢出来なくて、上司が居る前でそう呟くと、上司の指が胸から足へ降りてきた。
「!?」
「ほぉ、ここダメなのか?」
「あ……ッ!ちょ…、っと待っ……」
グニグニと上司の指で付け根を触られると途端に激しく体が揺れた。逃げる様に腰を動かしても、左右の足の付け根に指を食い込ませるように動かした。因みに七彩は手を叩かれて今はどうしていいか分からずに刺激を止めていた。
「ぅあ…っ、やめ…って、下さい…やめっ……無理、っちょ…無理無理っ!やめっ…」
「へぇ、可愛い……おっと、すまん。柚木がそんなに暴れると手が滑ってしまうね」
「…!!触んな…っ…いで、下さいっ」
足の付け根からわざと足の間に手を置くと、スリスリと撫でてきた。あまりの気持ち悪さにぶわっと鳥肌が立った。
「うんうん、今日はこっちダメだもんねぇ。…あーあ、勃ってくれてたら慰めてやったのに」
(勃つわけねーだろ死んでくれよ)
呼吸を整えながら耐えていると、足には飽きたのか再び上半身に指が戻ってきた。
場所が空いたので七彩も再度俺の足に指を這わせるが、何故かコイツの方が擽ったい。
「ぅ………なな、せっ…」
「な、何…?」
「っ…もっとゆっくりしろって…」
「柚木。そんな事許されると思ってる?七彩も本気でしなさい」
「っ!んぁっ……」
ツンツンと人差し指で脇腹を突かれると激しく声が漏れた。
「…ほぉほぉ」
「…っ!…んん、……んーっ、ん、ん…ッ」
指で突かれるとさっきよりも体がびくついてしまい、上司が動く度に激しく拘束具が鳴った。何とか上司の刺激には耐えていると、七彩の指が優しく膝と膝裏を擽り出した。
「ぁはっ……は…っ、待っ、七彩っ」
「えぇ…俺…?そんなに強くしてないけど…」
「や…ははっ……やめて…ははっ…やっ」
「……柚木、俺でも笑おうか。こことかどうだ?」
「ぐ…っ、ぅぅ………ふ…ッ、ぅ……」
グリグリと腋の窪みに指を立てられると笑いが溢れそうになるが、何とか必死に耐えた。それが気に入らなかったのか、上司は七彩と場所チェンジを要求した。
「柚木は足の方が弱いんだな。そうなんだな」
俺の前にしゃがみ込むと、さっきまで七彩が擽っていた膝を触り出した。
(…?さっきよりマシ?…擽り方の問題?)
七彩と同じ様な擽り方だが、正直足は然程効かない気がする。そう思っていると、無理矢理場所チェンジさせられた七彩が俺の背後回ると、優しく脇腹を撫でてきた。
「あっ!?」
俺の激しい声に七彩は耳元で「えぇ…俺?」と小さく聞いてきた。
「……っ、だめ…なな…せ、…やめ…ッ」
「…ふぅん。お前俺の方が感じちゃうのー?」
「はぁ…?お前なぁ…」
「ま、気を許した相手だとより擽ったいみたいだしねー」
「あっ…やめ、…ばか、離せ…っ」
「そんなに強く擽ってないんだけどー」
確かにさっきの上司に比べたら全然力も入ってないし、手加減してくれてるのは分かるんだけど。
「やはっ……あはっ……やっ…はははっあはっ、やめっ……」
七彩の指は異様に擽ったく感じてしまい、必死に体を捩りながらフルフルと小さく首を振った。
「…可愛いー。多分次仕返しされちゃうだろうけど、楽しくなってきた。お前って何処が一番弱いの?」
ボソッと耳元でそう言われるとゾワリと背筋に刺激が走った。
「お前…っ、ふざけんなよ…っ」
「んな可愛くない態度だとーちょっと本気出しちゃうよー?」
クスッと笑いながら七彩が服の中へ手を入れると、丁寧に肋骨を数える様に指の腹で触れてきた。
「ぅ…っ、ぁっ……ははっ…あ、あっやめ、……ははっ、擽ったい…!やめっそれ、嫌だっ」
「うんうんー擽ってるし笑ってもらわないとねー」
七彩の指が動く度に手首からは激しくぶつかる音が響きながらも、トコトコと歩いてきた指は胸の横へやってきた。
「…~~ッッ!!」
「お、すげー反応。こことか腋ってー擽ったいよねー」
耳元でニヤけた声色で囁きながら胸の横から腋へ指を往復させた。
「あ…っ、ははっ!やっ……ははは!あはっ、ははっ…や、めっ、…っ"、んんっ、あはっ……」
弱い箇所を探る様に動く七彩の指は、本当に訓練に向いるのが分かる。まさか自分がコイツに攻められる日が来るとは思わなかったが、追い詰めるような動きに余裕が完全になくなった。
(やばい、擽ったい!離してっ…)
そう思いながらも、言葉にすると更に攻められそうなので唇を噛んでいると、七彩の指は乳首へ移動した。
「っ、はは、…んんっ」
「乳首も擽ったいよねー」
「ひ…っあはっ…!あはははっ…やめ!…それっ…ぅああっ!!」
人差し指で両方の乳首をこちょこちょと擽られると堪らなく擽ったい。ポロポロと涙が溢れ出る程に余裕をなくした俺は、笑い声を上げながらフルフルと首を振った。
「あは、硬くなってるー可愛いー」
「お前なぁ…っ本当に、あとでっ…あはっ」
「本当怖いけどー仕方ないー。もうきっと俺の指一本で柚木を泣かせる日なんて来ないだろうしー」
「泣いてない…っ、」
「泣いてんじゃんー泣き顔も可愛いー」
乳首から指が離れ、服からも手が出ていくと、俺は大きめの溜息を吐いた。
しかし、すぐに動き出した七彩の指は、スーッと背中をなぞった後、首筋に遊びに来た。
「!?…っひゃ、」
「あは、何その声ー…ふぅん…首ね、了解」
サワサワと10本の指が首へ這うと、今までにない程に体が暴れた。
「ひゃはっ!あはははっ…あは!あはは、やばいっ!やばい、やばいっ、だめ!だめッ、あはっ」
必死に首を窄めたりして刺激から逃れようとするが、七彩は上手く指を移動させながら擽ってきた。
「首擽ったいねーほらほらー頑張ってー」
「あはははは!やめっ…ばか!やめろってぇ…あはっ、あははは!擽ったいっ……」
もう上司の存在なんて分からない程に擽ったくて必死に暴れていると、突然上司が制止の声を上げた。
よっぽど七彩にしか笑わない事に腹を立てたのか、上司は不機嫌な顔で俺の目の前に立ち、顎を持ち上げた。
「……随分可愛い顔になってるけど、そんなに七彩は上手かったみたいだな。少し早いけど交代だ」
「え…?」
まさかの終了に安堵すると、七彩が「えぇっ!?もう!?」と驚きの声を上げた。
カチャカチャと手足の拘束を外されると、次は七彩の番になった。
「じゃあ七彩。次はお前な。こっちだ」
「……」
ダラダラと冷や汗を流しながら青い顔で上司についていく七彩。今度はX字の物ではなく、由麗の時にも使用した台に誘導されていた。
不安そうに台に寝転がる七彩を大の字にさせた上司は、手足首をマジックテープで繋ぎ止めた。
さっきの仕返しも勿論するつもりだが、あまりに早い交代に流石に驚いた。俺と同じ時間で終わればいいが、残りの時間ずっと七彩だったら流石に可哀想だし。
「じゃあ開始」
七彩がぎゅっと目を閉じて体全体に力を込めたのが分かった。一先ず俺は自分の体の熱を取るために水分補給しながら眺めていると、上司は腋に指を置いて優しく擽っていた。
ギシギシと揺れる台の音が部屋に響いた。小さく七彩の吐息も聞こえ、少しだけ変な気持ちにさせた。
「んんっ……ん、っ…」
バタバタバタバタと足を激しく揺らして耐えている姿は意外に可愛くて、水分補給を終えた俺は足元へ向かった。
俺は立った状態だったので足の裏を擽られる事は免れたが、ここもかなり弱い人が多い。七彩が目を閉じて俺の存在に気付いてない隙に優しく足の裏に指を這わすと、ぎゃあっ!?と初めて聞く声が聞こえた。
「あっ!?柚木っ…?」
「うん。俺だよ」
あまりに暴れるのと、足を丸めるので片手で足の親指を掴んで開かせながら土踏まずの辺りを擽ると、激しい声と反応が返ってきた。
「あっ…ははははははは!!擽ったい!!擽ったいっ!!いやだっ!!無理です!無理です無理っ、無理無理無理!!やめて下さいっ!!」
敬語なので上司に向けた言葉なのか、俺なのか分からないので、さっきまで不機嫌だった上司の顔は最初のニヤけた気持ち悪いものへと戻った。
「そうかそうか。七彩は俺の方が擽ったいんだな」
「あっ!ははは…っ、苦しぃ…っ、お腹、苦しっ…やめっ…やめてぇぇっ、あはははは!」
上司が腋から脇腹へ指を移動させて派手にわしゃわしゃと擽ると、激しい笑い声を上げる七彩。真っ赤になって息も絶え絶えになって訴える姿は、由麗を思い出させた。
(やっぱり俺はこっち側が向いてるなぁ。すげーいじめたい)
普段はおちゃらけている奴が泣きながら叫ぶ姿はかなり加虐心が煽られる。
足の裏を爪で優しく引っ掻きながら、指の付け根や間まで擽ってみると、必死に逃げようと暴れる足。それが可愛らしくて、更に力を込めて動きを制限させた。
「やめっ…無理!!無理だってっ……お前ぇっ…、手加減っ、するっ、約束じゃんかぁぁ!」
明らかに俺に向けられた言葉に、上司の顔は再び不機嫌になった。たった少しの時間でコロコロと気分が変わってかなり滑稽だ。
「柚木、場所交代だ」
「…はい」
きっと変わっても大して変わりないと思うけど、と思いながらも俺が上半身へ移動すると、上司はわしゃわしゃと足の裏を擽り出し、ガクンと大きくのけ反って叫び出した。
「お前の方が弱々じゃん。頑張れよ」
「てんめ…っ柚木の、ばかぁっ、…」
ぼそっと七彩にしか聞こえない声で呟くと、七彩も俺と同じ音量で返してきた。声の調整が出来るほどに余裕がある態度に驚きながら、俺がさっき異様に擽ったかった首筋をなぞった。
「ぅ……っ」
俺より反応が薄かったので、ゆっくりと探る様に鎖骨から腋に指を滑らすと、目を見開いてやだやだと訴えてきた。
「柚木…だめ!やばい!お前のっ、指やばい!」
「あ、そーなの?」
「さわっ……あ、あああああ!!」
優しく腋を擽ってみると、かなりでかい声と共にギシッと台が音を立てた。
「んんんんっ……だめ、だめっ…ひ、ははっ…あはぁっ、やめ、やめっ」
今も上司が足を擽っているが、明らかに俺に反応してくれている。別に競ってわけではないが、何だか優越感に浸りながらツボを押す様に擽ると、大口を開けて苦しそうな声を上げてくれた。
ピクピクと体を震わせながら泣く姿は、やっぱり由麗がチラつく。そこでふと思い出した。
「お前はここ、どうなの?」
由麗が一番苦手としていた腹部に手を置くと、ビクンと激しく揺れた後、腹筋が硬くなった。
「あ、ぁぁ…!やだ!そこやだ!…っ」
俺が触れようとすると、かなり腹筋に力を入れたのか、服の上からでも分かる程。
「…」
涙目で訴える姿に不覚にもゾクリとしてしまい、少しだけ服を捲って腹を露出させた。
引き締まっていて細い腹筋と腰回りを優しく撫でてやると、ブンブン激しく首を振って俺の名前を呼んだ。
「柚木っ…やめて!やめて!お願い!さっきはごめんなさい!」
完全に七彩の言葉を無視してくるると臍周りに指を這わせた。
「んんん……っ!ん、…ぁは…っ、…ふ、…ぅぅ」
(あー…擽ったいっていうか感じてそう)
暫く指全体で腹部を撫でていると、苦しそうに痙攣し始めたので止めてやると、トロトロの表情で息を整え始めた。
「はぁ…っ、ぁ……も、やめ…て、下さ…いっ」
呼吸を整えるためにお腹が上下に大きく揺れながら、真っ赤な顔で俺達に懇願した。
「…柚木は少し休憩してなさい」
「あ、はい」
「じゃあ七彩。もう少し俺に反応しようか」
足の裏を擽っていた上司が、人差し指をゆっくり脛から膝へ移動させると、腹部の時と同じく、擽ったいというよりも明らかに感じた様な反応を見せた。
「んん…っ、」
優しく膝を擽られると、ピクピクと小さく揺れて甘い声を出している。
「…七彩のこっちはどうかな。ズボンも大きめのもの履くように言ってたから手が入れれていいな」
隙間から指を入れた上司は、七彩の太腿を直接撫で回しているようで、手が動く度にバタバタと暴れていた。
「ひ…っぅ、……やめ…って、下さい!やめ…」
「…お前も勃ってたら慰めてやろうかと思ったが残念だな」
「…っ勃つわけねーだろーが…触んなよ!気持ち悪いんだけど!」
(あ、こいつ言っちゃった)
俺がチラリと上司の顔を見ると、フルフルと震えて怒っているのが分かった。
「あ…いや、違…すみません、つい……」
七彩も焦ってすぐに謝罪したが、上司が許すはずもなく、上半身に移動すると、無言で脇腹を攻撃し始めた。
「ああああっ!!やだぁぁ!あははっ、ごめんっ、なさい、すみませっ……許しっ、あはっあははは!」
「……」
その後、無言の上司の徹底的な責めが続けられた後、時間でいうと俺よりかなり長い時間が経過した頃に上司はパンと手を叩いて終わりの言葉を放った。
「…今回は終わりだ」
(今回は、って次もあるような言い方怖いんだけど…)
そう思いながらも指示に従い、片付けの準備をしようと七彩の拘束具を全て外していると、後ろから突然変な力がかかった。
「っ!?ん、…」
「さっきは柚木の足擽れてなかったから最後に」
「ぁっ…あ!ちょ、」
咄嗟のことで受け身を取れず、上司に引っ張られるままにうつ伏せに倒された。すると上司は俺の尻に跨り、足首を掴み出した。
「はぁっ!?何す…っんんん、……ん!んぅぅっ……」
気を抜いていたからか、さっきよりも擽ったくて必死に床に顔を埋めて耐えていると、トコトコと復活した七彩が近づいてきた。
「あはー、柚木可愛いー」
「あはっ、あ、来るな…ばか!ばっ…離して、ななっ…んっ、…んん、ぁは…ぁははっ」
七彩が俺の寝転ぶすぐ近くにしゃがみ込み、横から腋の下に手を差し込んできた。腕を下ろしても入り込んだ指は抜けてくれなくて、パニックになっていると、グニグニと動き出した。
「あ…っぅ、……く、……っんん…!~~ッ」
二人からの攻撃になす術はないまま、暫くくすぐり攻撃は続けられた。
→
ニヤニヤと笑う上司を見て、久しぶりに殺意が芽生えた気がする。
「残念ながら今回は服は着たままなんだよなぁ…脱いでくれてもいいけどどうする?」
「脱ぐわけないでしょう」
「その態度いいなぁ。おいで、柚木」
(気持ち悪…さっさと終わってくんねーかな)
そう思いながらも嫌々ついていくと、立った状態でX字拘束出来る場所へ連れて行かれた。
「…」
ずっとこちらを見てくる上司を完全無視しながら、俺の四肢を拘束する七彩。次は七彩の番だからか、俺を攻める立場なのに余裕な表情は一切なく、とても緊張した顔をしていた。
「じゃあ時間は1~2時間。特に設定もなし。ただ今の時代こういう拷問が取り入れられてるから、任務に出る際は気を付けるようにってことで」
上司はそう言うと俺の背後へ回ると、ゆっくり脇腹に手を添えた。
「…っ」
サワサワと動き出した指にビクッと体が跳ねた。
(やばいくすぐったい…)
散々由麗に与えてきたが、自分が無抵抗の状態でされたのは初めて。前もかなり短い時間だったのでなんとかなったが、正直優しく触られるだけでキツい。
「…っ、ぅ……」
七彩がぼんやりと突っ立ってるだけなのでまだマシだが、上司の指は次第に様々な場所へ動き出した。
「…っ……」
腋に指が到着すると、こちょこちょと優しく動かされた。耐えきれずに手首に繋がれた枷がガンッと激しく音を立ててしまい、上司は鼻息を荒くしながら耳元で囁いた。
「はぁ…可愛い。ここ弱い?」
(相変わらずコイツ気持ち悪い……)
「柚木の肌はどんな感じかな」
「…は?」
服の上から擽っていた指が腰の辺りまで下がると、着ていたインナーの中へ侵入した。今日は擽りやすい薄手のものでくる様に言われていたが、直接触るとか聞いてない。
「…!やめて、下さい…っ」
「脱がなくてもいいけど直接触っちゃダメとは言ってないしな」
「は…っ、ぅ……」
スルスルと中へ侵入した指は直接腹部を撫で回し、胸元へとやってきた。
「はぁ……こことかも擽られる可能性もあるし気を付けような?」
「!……っく……ふ……ふっ……~~ッ、んん!」
胸元にきた指は、わざとらしく乳首に触れると、勃たせようとしているのか、執拗に人差し指で捏ねてきた。気持ち良いと感じる事はないが、かなり擽ったくて暴れると、勘違いしたのか上司はそこばかり狙ってきた。
「や、……っめ、」
「乳首弱いのか?…そうか、じゃあいっぱい触ってやらないとな。これとこれどっちが好きだ?」
左手を服の中から出すと、次はインナー越しに乳首へ触れてきた。服の摩擦で直接触られているよりも擽ったくてガチャガチャ暴れると、意味を理解した変態は右手も同じ様にインナーの上へ移動させた。
「そうかそうか。服の上からの方が気持ち良いのか。可愛いなぁ。さっきまで全然だったけどちょっと勃ってきてるんじゃないか?」
「…っ、」
(うっせーなコイツまじでどっか行けよ…)
一々言葉にされると気持ち悪くて鳥肌が立つ。しかし体の反応は逆で、優しく胸を擽られるとどんどんと息が上がり、足も震えてきた。
(やばい…やばい、やばいっ)
必死に堪えていると、上司は何もせず突っ立っている七彩に声をかけた。
「七彩。お前ずっと何してんの?そうだなーお前は太腿擽ってやれ。ちゃんと本気でしないと、次…分かってる?」
「あ……はい…」
困った様に眉を下げながら七彩は俺の前へ来ると、服の上から軽く足を擽り出した。
お互い手加減しようと言っているので辛さはないが、勿論それで黙っている上司ではない。
「七彩、もっとちゃんとしなさい」
「……ごめん、柚木」
「んん…っ、……」
七彩が内股を擽ると、自分の口からは恥ずかしい吐息が漏れた。
「ふ……っ、…七、…やめっ…そこ、だめ!」
サワサワと足の付け根を触られると我慢出来なくて、上司が居る前でそう呟くと、上司の指が胸から足へ降りてきた。
「!?」
「ほぉ、ここダメなのか?」
「あ……ッ!ちょ…、っと待っ……」
グニグニと上司の指で付け根を触られると途端に激しく体が揺れた。逃げる様に腰を動かしても、左右の足の付け根に指を食い込ませるように動かした。因みに七彩は手を叩かれて今はどうしていいか分からずに刺激を止めていた。
「ぅあ…っ、やめ…って、下さい…やめっ……無理、っちょ…無理無理っ!やめっ…」
「へぇ、可愛い……おっと、すまん。柚木がそんなに暴れると手が滑ってしまうね」
「…!!触んな…っ…いで、下さいっ」
足の付け根からわざと足の間に手を置くと、スリスリと撫でてきた。あまりの気持ち悪さにぶわっと鳥肌が立った。
「うんうん、今日はこっちダメだもんねぇ。…あーあ、勃ってくれてたら慰めてやったのに」
(勃つわけねーだろ死んでくれよ)
呼吸を整えながら耐えていると、足には飽きたのか再び上半身に指が戻ってきた。
場所が空いたので七彩も再度俺の足に指を這わせるが、何故かコイツの方が擽ったい。
「ぅ………なな、せっ…」
「な、何…?」
「っ…もっとゆっくりしろって…」
「柚木。そんな事許されると思ってる?七彩も本気でしなさい」
「っ!んぁっ……」
ツンツンと人差し指で脇腹を突かれると激しく声が漏れた。
「…ほぉほぉ」
「…っ!…んん、……んーっ、ん、ん…ッ」
指で突かれるとさっきよりも体がびくついてしまい、上司が動く度に激しく拘束具が鳴った。何とか上司の刺激には耐えていると、七彩の指が優しく膝と膝裏を擽り出した。
「ぁはっ……は…っ、待っ、七彩っ」
「えぇ…俺…?そんなに強くしてないけど…」
「や…ははっ……やめて…ははっ…やっ」
「……柚木、俺でも笑おうか。こことかどうだ?」
「ぐ…っ、ぅぅ………ふ…ッ、ぅ……」
グリグリと腋の窪みに指を立てられると笑いが溢れそうになるが、何とか必死に耐えた。それが気に入らなかったのか、上司は七彩と場所チェンジを要求した。
「柚木は足の方が弱いんだな。そうなんだな」
俺の前にしゃがみ込むと、さっきまで七彩が擽っていた膝を触り出した。
(…?さっきよりマシ?…擽り方の問題?)
七彩と同じ様な擽り方だが、正直足は然程効かない気がする。そう思っていると、無理矢理場所チェンジさせられた七彩が俺の背後回ると、優しく脇腹を撫でてきた。
「あっ!?」
俺の激しい声に七彩は耳元で「えぇ…俺?」と小さく聞いてきた。
「……っ、だめ…なな…せ、…やめ…ッ」
「…ふぅん。お前俺の方が感じちゃうのー?」
「はぁ…?お前なぁ…」
「ま、気を許した相手だとより擽ったいみたいだしねー」
「あっ…やめ、…ばか、離せ…っ」
「そんなに強く擽ってないんだけどー」
確かにさっきの上司に比べたら全然力も入ってないし、手加減してくれてるのは分かるんだけど。
「やはっ……あはっ……やっ…はははっあはっ、やめっ……」
七彩の指は異様に擽ったく感じてしまい、必死に体を捩りながらフルフルと小さく首を振った。
「…可愛いー。多分次仕返しされちゃうだろうけど、楽しくなってきた。お前って何処が一番弱いの?」
ボソッと耳元でそう言われるとゾワリと背筋に刺激が走った。
「お前…っ、ふざけんなよ…っ」
「んな可愛くない態度だとーちょっと本気出しちゃうよー?」
クスッと笑いながら七彩が服の中へ手を入れると、丁寧に肋骨を数える様に指の腹で触れてきた。
「ぅ…っ、ぁっ……ははっ…あ、あっやめ、……ははっ、擽ったい…!やめっそれ、嫌だっ」
「うんうんー擽ってるし笑ってもらわないとねー」
七彩の指が動く度に手首からは激しくぶつかる音が響きながらも、トコトコと歩いてきた指は胸の横へやってきた。
「…~~ッッ!!」
「お、すげー反応。こことか腋ってー擽ったいよねー」
耳元でニヤけた声色で囁きながら胸の横から腋へ指を往復させた。
「あ…っ、ははっ!やっ……ははは!あはっ、ははっ…や、めっ、…っ"、んんっ、あはっ……」
弱い箇所を探る様に動く七彩の指は、本当に訓練に向いるのが分かる。まさか自分がコイツに攻められる日が来るとは思わなかったが、追い詰めるような動きに余裕が完全になくなった。
(やばい、擽ったい!離してっ…)
そう思いながらも、言葉にすると更に攻められそうなので唇を噛んでいると、七彩の指は乳首へ移動した。
「っ、はは、…んんっ」
「乳首も擽ったいよねー」
「ひ…っあはっ…!あはははっ…やめ!…それっ…ぅああっ!!」
人差し指で両方の乳首をこちょこちょと擽られると堪らなく擽ったい。ポロポロと涙が溢れ出る程に余裕をなくした俺は、笑い声を上げながらフルフルと首を振った。
「あは、硬くなってるー可愛いー」
「お前なぁ…っ本当に、あとでっ…あはっ」
「本当怖いけどー仕方ないー。もうきっと俺の指一本で柚木を泣かせる日なんて来ないだろうしー」
「泣いてない…っ、」
「泣いてんじゃんー泣き顔も可愛いー」
乳首から指が離れ、服からも手が出ていくと、俺は大きめの溜息を吐いた。
しかし、すぐに動き出した七彩の指は、スーッと背中をなぞった後、首筋に遊びに来た。
「!?…っひゃ、」
「あは、何その声ー…ふぅん…首ね、了解」
サワサワと10本の指が首へ這うと、今までにない程に体が暴れた。
「ひゃはっ!あはははっ…あは!あはは、やばいっ!やばい、やばいっ、だめ!だめッ、あはっ」
必死に首を窄めたりして刺激から逃れようとするが、七彩は上手く指を移動させながら擽ってきた。
「首擽ったいねーほらほらー頑張ってー」
「あはははは!やめっ…ばか!やめろってぇ…あはっ、あははは!擽ったいっ……」
もう上司の存在なんて分からない程に擽ったくて必死に暴れていると、突然上司が制止の声を上げた。
よっぽど七彩にしか笑わない事に腹を立てたのか、上司は不機嫌な顔で俺の目の前に立ち、顎を持ち上げた。
「……随分可愛い顔になってるけど、そんなに七彩は上手かったみたいだな。少し早いけど交代だ」
「え…?」
まさかの終了に安堵すると、七彩が「えぇっ!?もう!?」と驚きの声を上げた。
カチャカチャと手足の拘束を外されると、次は七彩の番になった。
「じゃあ七彩。次はお前な。こっちだ」
「……」
ダラダラと冷や汗を流しながら青い顔で上司についていく七彩。今度はX字の物ではなく、由麗の時にも使用した台に誘導されていた。
不安そうに台に寝転がる七彩を大の字にさせた上司は、手足首をマジックテープで繋ぎ止めた。
さっきの仕返しも勿論するつもりだが、あまりに早い交代に流石に驚いた。俺と同じ時間で終わればいいが、残りの時間ずっと七彩だったら流石に可哀想だし。
「じゃあ開始」
七彩がぎゅっと目を閉じて体全体に力を込めたのが分かった。一先ず俺は自分の体の熱を取るために水分補給しながら眺めていると、上司は腋に指を置いて優しく擽っていた。
ギシギシと揺れる台の音が部屋に響いた。小さく七彩の吐息も聞こえ、少しだけ変な気持ちにさせた。
「んんっ……ん、っ…」
バタバタバタバタと足を激しく揺らして耐えている姿は意外に可愛くて、水分補給を終えた俺は足元へ向かった。
俺は立った状態だったので足の裏を擽られる事は免れたが、ここもかなり弱い人が多い。七彩が目を閉じて俺の存在に気付いてない隙に優しく足の裏に指を這わすと、ぎゃあっ!?と初めて聞く声が聞こえた。
「あっ!?柚木っ…?」
「うん。俺だよ」
あまりに暴れるのと、足を丸めるので片手で足の親指を掴んで開かせながら土踏まずの辺りを擽ると、激しい声と反応が返ってきた。
「あっ…ははははははは!!擽ったい!!擽ったいっ!!いやだっ!!無理です!無理です無理っ、無理無理無理!!やめて下さいっ!!」
敬語なので上司に向けた言葉なのか、俺なのか分からないので、さっきまで不機嫌だった上司の顔は最初のニヤけた気持ち悪いものへと戻った。
「そうかそうか。七彩は俺の方が擽ったいんだな」
「あっ!ははは…っ、苦しぃ…っ、お腹、苦しっ…やめっ…やめてぇぇっ、あはははは!」
上司が腋から脇腹へ指を移動させて派手にわしゃわしゃと擽ると、激しい笑い声を上げる七彩。真っ赤になって息も絶え絶えになって訴える姿は、由麗を思い出させた。
(やっぱり俺はこっち側が向いてるなぁ。すげーいじめたい)
普段はおちゃらけている奴が泣きながら叫ぶ姿はかなり加虐心が煽られる。
足の裏を爪で優しく引っ掻きながら、指の付け根や間まで擽ってみると、必死に逃げようと暴れる足。それが可愛らしくて、更に力を込めて動きを制限させた。
「やめっ…無理!!無理だってっ……お前ぇっ…、手加減っ、するっ、約束じゃんかぁぁ!」
明らかに俺に向けられた言葉に、上司の顔は再び不機嫌になった。たった少しの時間でコロコロと気分が変わってかなり滑稽だ。
「柚木、場所交代だ」
「…はい」
きっと変わっても大して変わりないと思うけど、と思いながらも俺が上半身へ移動すると、上司はわしゃわしゃと足の裏を擽り出し、ガクンと大きくのけ反って叫び出した。
「お前の方が弱々じゃん。頑張れよ」
「てんめ…っ柚木の、ばかぁっ、…」
ぼそっと七彩にしか聞こえない声で呟くと、七彩も俺と同じ音量で返してきた。声の調整が出来るほどに余裕がある態度に驚きながら、俺がさっき異様に擽ったかった首筋をなぞった。
「ぅ……っ」
俺より反応が薄かったので、ゆっくりと探る様に鎖骨から腋に指を滑らすと、目を見開いてやだやだと訴えてきた。
「柚木…だめ!やばい!お前のっ、指やばい!」
「あ、そーなの?」
「さわっ……あ、あああああ!!」
優しく腋を擽ってみると、かなりでかい声と共にギシッと台が音を立てた。
「んんんんっ……だめ、だめっ…ひ、ははっ…あはぁっ、やめ、やめっ」
今も上司が足を擽っているが、明らかに俺に反応してくれている。別に競ってわけではないが、何だか優越感に浸りながらツボを押す様に擽ると、大口を開けて苦しそうな声を上げてくれた。
ピクピクと体を震わせながら泣く姿は、やっぱり由麗がチラつく。そこでふと思い出した。
「お前はここ、どうなの?」
由麗が一番苦手としていた腹部に手を置くと、ビクンと激しく揺れた後、腹筋が硬くなった。
「あ、ぁぁ…!やだ!そこやだ!…っ」
俺が触れようとすると、かなり腹筋に力を入れたのか、服の上からでも分かる程。
「…」
涙目で訴える姿に不覚にもゾクリとしてしまい、少しだけ服を捲って腹を露出させた。
引き締まっていて細い腹筋と腰回りを優しく撫でてやると、ブンブン激しく首を振って俺の名前を呼んだ。
「柚木っ…やめて!やめて!お願い!さっきはごめんなさい!」
完全に七彩の言葉を無視してくるると臍周りに指を這わせた。
「んんん……っ!ん、…ぁは…っ、…ふ、…ぅぅ」
(あー…擽ったいっていうか感じてそう)
暫く指全体で腹部を撫でていると、苦しそうに痙攣し始めたので止めてやると、トロトロの表情で息を整え始めた。
「はぁ…っ、ぁ……も、やめ…て、下さ…いっ」
呼吸を整えるためにお腹が上下に大きく揺れながら、真っ赤な顔で俺達に懇願した。
「…柚木は少し休憩してなさい」
「あ、はい」
「じゃあ七彩。もう少し俺に反応しようか」
足の裏を擽っていた上司が、人差し指をゆっくり脛から膝へ移動させると、腹部の時と同じく、擽ったいというよりも明らかに感じた様な反応を見せた。
「んん…っ、」
優しく膝を擽られると、ピクピクと小さく揺れて甘い声を出している。
「…七彩のこっちはどうかな。ズボンも大きめのもの履くように言ってたから手が入れれていいな」
隙間から指を入れた上司は、七彩の太腿を直接撫で回しているようで、手が動く度にバタバタと暴れていた。
「ひ…っぅ、……やめ…って、下さい!やめ…」
「…お前も勃ってたら慰めてやろうかと思ったが残念だな」
「…っ勃つわけねーだろーが…触んなよ!気持ち悪いんだけど!」
(あ、こいつ言っちゃった)
俺がチラリと上司の顔を見ると、フルフルと震えて怒っているのが分かった。
「あ…いや、違…すみません、つい……」
七彩も焦ってすぐに謝罪したが、上司が許すはずもなく、上半身に移動すると、無言で脇腹を攻撃し始めた。
「ああああっ!!やだぁぁ!あははっ、ごめんっ、なさい、すみませっ……許しっ、あはっあははは!」
「……」
その後、無言の上司の徹底的な責めが続けられた後、時間でいうと俺よりかなり長い時間が経過した頃に上司はパンと手を叩いて終わりの言葉を放った。
「…今回は終わりだ」
(今回は、って次もあるような言い方怖いんだけど…)
そう思いながらも指示に従い、片付けの準備をしようと七彩の拘束具を全て外していると、後ろから突然変な力がかかった。
「っ!?ん、…」
「さっきは柚木の足擽れてなかったから最後に」
「ぁっ…あ!ちょ、」
咄嗟のことで受け身を取れず、上司に引っ張られるままにうつ伏せに倒された。すると上司は俺の尻に跨り、足首を掴み出した。
「はぁっ!?何す…っんんん、……ん!んぅぅっ……」
気を抜いていたからか、さっきよりも擽ったくて必死に床に顔を埋めて耐えていると、トコトコと復活した七彩が近づいてきた。
「あはー、柚木可愛いー」
「あはっ、あ、来るな…ばか!ばっ…離して、ななっ…んっ、…んん、ぁは…ぁははっ」
七彩が俺の寝転ぶすぐ近くにしゃがみ込み、横から腋の下に手を差し込んできた。腕を下ろしても入り込んだ指は抜けてくれなくて、パニックになっていると、グニグニと動き出した。
「あ…っぅ、……く、……っんん…!~~ッ」
二人からの攻撃になす術はないまま、暫くくすぐり攻撃は続けられた。
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