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「…死ぬかと、思っ、た…」
眠ってしまった俺は何故か柚木先輩の部屋で寝かされており、仕事を終えた先輩はラフな服装で俺の隣に座っていた。
「あ、由麗。おはよう、俺の部屋でごめんね。何かあった時不安だったからずっと様子見てた」
「………柚木先輩」
「ごめんね辛かったね。でももうこういう訓練が由麗にくることはないから安心してね」
「ぎゅー、して下さい」
「え、なんで?どしたの」
「……無性に甘えたくなりました」
「まだまだ子供だね~」
俺がまだ起き上がれないので力なく手を伸ばすと布団の中へ入ってきてくれてぎゅっと抱き締めてくれた。
「…こわ、かった」
「うん、俺もめっちゃ怖かった。やっぱり大事な仲間にこういうことするのは辛いね」
ポンポンと背中を一定の強さで撫でられると安心してぶわっと涙が出た。
「…先輩今日怖かった。それが一番嫌だった」
「だって手抜いたら由麗の事みんなでいじめるとか言うんだよあいつら。だから頑張った」
「…先輩が出て行った時、七彩が"命令だから柚木は鬼畜なんだよ~"みたいな事言ってくれたから…頑張れたけどあれがなかったら挫けてた。先輩はずっと俺に優しくして…」
「あは、七彩そんなこと言ってたんだねぇ。最後に上司が由麗の様子見にくるとか言い出したから必死でいじめた。ごめんね」
「…ちゃんとそれならそうと言っといて下さい。そしたらもっと頑張れた」
グズグズ泣きながらしがみつくと、よしよしと髪の毛を撫でてくれた。柚木先輩の温かさがとても安心する。
「はいはいこれから何かあれば言う様にします。んじゃ、部屋帰ろうか。一人で寝れ、」
「ません。ここで寝ます俺」
「狭いんだけど」
「俺をいじめた罰です」
「はいはいそれなら仕方ないね。寝よっか、俺も由麗と喋れたら安心して眠くなった。でも俺寝相悪いらしいから帰った方がいいと思うけど」
「…ん。やです。一緒がいい」
「甘えただな~由麗がいいならいいよ。お休み」
「お休みなさい」
本当に眠かったのか、先輩は俺を抱き締めたまま眠ってしまった。俺は幸せな気持ちになりながら眠りについた。
が、しかし。
「……」
バシッと寝返りを打った先輩の手が俺の顔面を直撃し、ゲシッと先輩の足が俺の体を蹴飛ばした。
「…先輩本当に寝相悪い!!俺戻ります!!」
嫌がらせでドスっと先輩を布団の外に蹴飛ばして俺は自室に帰った。
end.
眠ってしまった俺は何故か柚木先輩の部屋で寝かされており、仕事を終えた先輩はラフな服装で俺の隣に座っていた。
「あ、由麗。おはよう、俺の部屋でごめんね。何かあった時不安だったからずっと様子見てた」
「………柚木先輩」
「ごめんね辛かったね。でももうこういう訓練が由麗にくることはないから安心してね」
「ぎゅー、して下さい」
「え、なんで?どしたの」
「……無性に甘えたくなりました」
「まだまだ子供だね~」
俺がまだ起き上がれないので力なく手を伸ばすと布団の中へ入ってきてくれてぎゅっと抱き締めてくれた。
「…こわ、かった」
「うん、俺もめっちゃ怖かった。やっぱり大事な仲間にこういうことするのは辛いね」
ポンポンと背中を一定の強さで撫でられると安心してぶわっと涙が出た。
「…先輩今日怖かった。それが一番嫌だった」
「だって手抜いたら由麗の事みんなでいじめるとか言うんだよあいつら。だから頑張った」
「…先輩が出て行った時、七彩が"命令だから柚木は鬼畜なんだよ~"みたいな事言ってくれたから…頑張れたけどあれがなかったら挫けてた。先輩はずっと俺に優しくして…」
「あは、七彩そんなこと言ってたんだねぇ。最後に上司が由麗の様子見にくるとか言い出したから必死でいじめた。ごめんね」
「…ちゃんとそれならそうと言っといて下さい。そしたらもっと頑張れた」
グズグズ泣きながらしがみつくと、よしよしと髪の毛を撫でてくれた。柚木先輩の温かさがとても安心する。
「はいはいこれから何かあれば言う様にします。んじゃ、部屋帰ろうか。一人で寝れ、」
「ません。ここで寝ます俺」
「狭いんだけど」
「俺をいじめた罰です」
「はいはいそれなら仕方ないね。寝よっか、俺も由麗と喋れたら安心して眠くなった。でも俺寝相悪いらしいから帰った方がいいと思うけど」
「…ん。やです。一緒がいい」
「甘えただな~由麗がいいならいいよ。お休み」
「お休みなさい」
本当に眠かったのか、先輩は俺を抱き締めたまま眠ってしまった。俺は幸せな気持ちになりながら眠りについた。
が、しかし。
「……」
バシッと寝返りを打った先輩の手が俺の顔面を直撃し、ゲシッと先輩の足が俺の体を蹴飛ばした。
「…先輩本当に寝相悪い!!俺戻ります!!」
嫌がらせでドスっと先輩を布団の外に蹴飛ばして俺は自室に帰った。
end.
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