【完結】マイペースな幼馴染

まこ

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※ヒロが催眠術にかかって凄く素直になってます。少し遊んだ設定なので苦手な方はご注意下さい※

催眠術/くすぐり/射精管理/羞恥/挿入有/甘

◇ ◆

「千紘先輩って、素直だから催眠術とかすぐかかっちゃいそうですよね」

昼休み、休憩室で流れているテレビを見ながら後輩がそう言った。ふとテレビに視線を向けると、催眠術について放送されていた。

「体の力が抜けてリラックス出来て、ストレスの解消にもいいらしいですよ」

「へぇ。まぁ俺は興味ないけど」

自分で作ったお弁当を食べながらまったりと後輩と休憩時間を過ごしていると、ズボンのポケットに入れたスマホがブーッと振動した。

「彼女ですか?嬉しそうですね」

「は?違うから。彼女居ねーし」

「じゃあ好きな人ですか?スマホ見た瞬間顔ニヤけてましたよ」

「…違うって」

フィッと後輩から顔を背けて再度スマホ画面に目をやった。連絡してきたのは陽太で、今日会えないかと言う内容。相変わらず俺に対しては超簡潔だが、この前言ってた"直接会う方が大切"という言葉を聞いてから会える事に喜びを感じるようになった。

オッケーと可愛いスタンプだけ送りスマホを片付けた。

「随分ご機嫌になっちゃって。可愛いっすね」

「うるせーよ普通だし。…今日定時に帰るから」

もぐもぐと食べる事に集中して言うと、後輩はニヤニヤした顔で早く終わらせまーすと返事をした。


◇ ◆


「お待たせ!陽太ー」

後輩の頑張りもあり無事に定時に帰れた俺は、陽太とラブホのロビーで待ち合わせをした。

「ん。部屋どこでも良い?」

「うん」

お互いスーツ姿で会うのは新鮮で少しだけ緊張しながら部屋へ入った。

「珍しいな陽太から誘ってくれんの」

「ん、この前拗ねてたから。俺からメッセージきたら嬉しいかと思って」

「べ…別に。そんな事ねーしバーカ」

「嬉しい?」

「ま、まぁ。溜まってたし、丁度良かった」

ニヤニヤした視線を向けられると無性に悔しくなり顔を背けてスーツをハンガーへ掛けた。

「シャワー浴びてく…っん?」

「ん、その前に充電させて」

「…っ」

ぎゅっと抱き締められると今までと同じ対応なんて出来なくて。ぎゅっと俺も背中へ手を回して抱き付いた。

「…ヒロ」

「ん?」

「今日試したい事がある」

「何」

「昼間テレビ見てたら催眠術やっててさ。俺にもさせてほしいんだけど」

「…あー俺も休憩室で流れてたわ。いいけど初心者が出来んの?」

「うん。今日職場の奴に試したらいけた」

「まじかよすげーな」

「リラックス出来てすごい良かったって言われた。だからヒロの事も癒したい」

抱き締めた体を一旦離すと、陽太は俺をベッドへ連れて行った。スーツは皺にしたくないので脱いでいるので今はワイシャツと下着姿なので何となく恥ずかしい。

特にそんな事気にするはずもない陽太は、じっとを俺を見つめた。

「何も考えずに俺の事だけ見てて」

「…お、おう」

とは言え真っ直ぐ見つめられるとやけに恥ずかしくなり目線を逸らすと、ヒロ、と名前を呼ばれた。

「…今からヒロの事気持ち良くしていくから」

「ん…」

「俺の事信じて力抜いて」

「うん」

その後同じようなセリフを何度か繰り返した陽太は、俺に暗示をかけていった。正直かかるとは思っていなかったが、じっと熱い眼差しを向けられると体が熱くなってきて羞恥でそれどころではない。

「ヒロ、してほしい事言ってみて」

陽太が俺をじっと見ながらそう言うと、俺の耳の横でパチンと小さく指を鳴らした。その瞬間、何故か頭がぼぉっとした。

「キス、してほしい。ぎゅーして」

自分でもスラスラと出た言葉に驚いたが、勢いは止まらずに自ら陽太に擦り寄った。

「…可愛い」

頬を赤らめた陽太は俺の希望通り抱き締めてキスをしてくれた。

「ヒロ、他に何してほしい?」

「…エッチしたい。気持ち良くしてほしい」

「いいよ。脱いで」

「…脱がせて」

自分でもこんな素直な言葉が出るのは恥ずかしいが、何故か意地を張らずに居ることが出来た。クスッと笑いながら優しく脱がせてもらい、俺は押し倒された。

「ヒロ、弱い所教えて?」

「…やだよ」

「ヒロ、もう一回聞くね。弱い所、教えて?」

パチンと耳元で指を鳴らされ優しく微笑まれると頭がまたふわっとした感覚に陥った。

「…耳、脇っ、胸、とか…っ」

「どうやって責められると一番感じる?」

「優しく…舐め、られたり…耳元で…名前、呼ばれたり…っだめ、かも」

「…へぇ、可愛い。弱点教えちゃうんだ。俺に」

ニヤニヤ笑う顔を見て、ハッと意識が戻ると思いっきり蹴りを入れた。

「いって…足は普通に痛いからやめろや」

「てめっ…さっき何した!!」

「催眠術。…可愛くかかってたよ?」

「…っ!!」

「おら、良い子にしろよ」

グッと両手首を頭の横で押さえつけられ、体に覆い被さると抵抗しても無駄なのは分かっているが、意味もなくジタバタと暴れた。

「可愛い」

「ん…っ!」

耳元で囁かれると我慢出来なくて抵抗する力を強めた。

「…ヒロいい子にして。さっきみたいに」

「やだよ!!揶揄う気だろ!」

「違うよ。可愛いからもっと素直なヒロが見たい」

「んぅ…」

耳へ舌を這わされると一気に体の力が抜けた。抵抗する気力もなくなった頃、陽太の手は空いているもう一つの耳へ近付いてきた。

やばい、また指鳴らされる!と思った時には遅くて、パチンと指が鳴るとさっきと同じ感覚に陥った。

「──ヒロの好きな人教えて」

「…は? てめっ、…やめ…ッ!」

「ヒーロ。教えて?好きな人いる?」

パチン、とゆっくりと耳の横で鳴らされると頭が真っ白になっていき、変な言葉を口走りそうになる。

「ぅぁ…っぁ、やぁ…やめて、やめっ…」

「ヒロ、教えて?」

「~~っやだ、やだ!」

頭が変になりそうでぎゅっと目を閉じると、もう一度パチンと指が鳴った。

「よ、…ぅた…っが、好き…俺、陽太が好きっ」

「もっと言って」

「好き…っ陽太ぁ、好き…好き…大好き…」

フワフワとした感覚の中、押さえられていない手を陽太の背中へ回すと、ぎゅっと抱きついた。

「んじゃこれからは俺だけ見てろよ。もう俺以外に触れさせんな」

やっぱりこの前の事気にしてんのかよと少し可愛く思うと、じっと目が合った。

「何笑ってんの。余裕だな」

「…この前の事、やっぱ嫌だったのかよ」

「…別に」

「へぇ?」

「んだよ。今の状況分かってる?」

そう言うとまた耳元でパチンと指を鳴らされた。

「あ…もう…それ、やだっ」

「万歳して」

「…ん、んん…っ」

パッと手を離されると、ぼんやりとした頭の中で俺は両手を頭上へ上げた。

「もう腕動かせないから」

「……」

どういう原理か俺には理解出来ないが、じっと目を見つめられて何度か言葉を繰り返されると本当に体が動かなくなった。

「…可愛い顔。トロトロ。ほら、閉じないとここ触っちゃうよ?」

「やぁ…やだ…!やだっ…」

自分で催眠術をかけてきたくせに意地悪にそう言うと、ゆっくりと広げられた脇を擽られた。

「んん…ッ」

「ほら、閉じれないだろ。可愛い、自分で万歳していい子だな」 

「ゃぁ…っ」

その後もゆっくりと脇をくすぐられ、ゾクゾクとする感覚にぎゅっと目を閉じた。声を堪えているからか、陽太の指はツンと窪みを突いた。

「ひぁっ…!?ぁっ、ぁ、だめっ」

「これ好きでしょ?」

「好きじゃない…っ」

俺がフルフルと首を横へ振ると、パチンとまた耳元で音が鳴り、その音だけでビクッと跳ねた。

「…ヒロ、こうやって優しく触られるの好きだよね?」

クルクルとくすぐられるとゾクゾクする。体を震わせながらコクコクと頷くと、クスッと笑う声が聞こえた。

「次は胸に行こうか。ここ感じる?」

下へ移動した指は乳首を掠めると、俺は未だに真っ白でフワフワした頭のまま、コクリと頷いた。

「じゃあおねだりしてみて」

「…触って、陽太ぁ…」

「何処を?」

「…っ」

「また指鳴らすよ?」

「…乳首」

「どうやってされるのが一番気持ち良い?教えて」

「ん…甘噛みされたい…っ爪で、いじってぇ…」

「いいよ」

完全に自分じゃない自分が恥ずかしいおねだりをすると、要望通りに動いてくれる陽太の指。

「んん…っ、気持ちい…っ」

「良かった」

「…っん、キスして…」

催眠術か何だか知らないが、とにかく素直に甘えられると言う状況は俺にとってもメリットで。

「うん」

ゆっくりと絡めてくれる舌は熱くて、それだけでとろけてしまいそう。実際に催眠術にかかっているのか分からないが頭がフワフワして目の前にモヤがかかったみたいなオーラが見える気がした。

「…好き…っ、好き、陽太。好き、大好き」

「…ん、どーも」

「…」

この前嫉妬してくれた日から、陽太も俺が好きなんじゃないかと思ったが、相変わらずコイツの心は分からない。俺がこんなに気持ちを伝えても返ってこない。

でも。

「…これからもずっと俺の事、抱いて」

「いいよ」

その返事だけで今日は満足だ。

「ヒロ、足開いて」

「…っ」

「ほら、早く」

少しだけいつもの様子に戻った陽太は、ニヤニヤした表情で俺に指示をした。羞恥で少し動けずにいると、パチンと俺の耳元で指を鳴らした。

「…っ」

頭の中では催眠術なんて存在しないと思っているのに、何故か逆らう事が出来なくて。恐る恐る足を開いた。

「…エロ。俺のが欲しい?期待してるみたいだけど」

「…うるせーよ…とっとと入れろや」

「へぇ。さっきまで好き好き言っといて」

「~~ッッ、うるさい!!」

「そのまま足閉じんなよ」

ニヤニヤした表情は変えないまま、陽太はローションを指へ付けてゆっくりと俺の蕾へ挿入した。

「んぅ…」

進んでくる指はやけに熱く感じた。震える足を優しく撫でながら指は奥へ到達した。

「…っ」 

いつもの弱い箇所を触られると体が勝手に期待してキュッと力が入る。

「何?指締め付けてきてるけど」

「んん…ぁ、っ」

意地悪な指は止まったまま動いてくれなくて。焦ったくて腰が動いてしまう。

「どうしてほしい?」

「いつもの…気持ち良い所、いっぱい…触って…」

「指で?それとも俺ので?」

「…最初は指…で。慣れてきたら…陽太のでいっぱい突いて…?」

「……りょーかい」

余裕ない表情の陽太の顔と声はもしかして俺しか知らないんじゃないかと思うと、何だか少し優越感。しかし次の瞬間、指は的確に前立腺を突いてきたのでそれどころではなくなり、ビクンと背がのけ反った。

「ひあぁっ…!あっ、あっ…」

トントンと指が動く度に同じリズムで漏れる声。増えていく指に、少しの異物感があるが痛みは殆ど感じる事はなくなった体。

暫く指での刺激が続いた後、指が体内から出ていくと陽太のモノが俺の蕾へ当てがわれた。

「ヒロ、入れる」

「ん…きて、きてっ」

グッと力強く入ってくるそれは相変わらず大きくて流石に少し苦しい。

「んん…っ」

それも全部理解してくれている陽太は挿入しながら自身も触ってくれた。

「んぁ…っんん、ひゃっ……」

先走りが出始めた俺の先端をコショコショと指でくすぐられるとビクッと体が跳ねた。

「ぅぁ…っ、ぁっ!待っ、…それっやっ」

「すげー締め付け。お前優しく触られるの弱いよな」

「ぃぁァッ!!やっ、ば、待っ、イク…!」

「……一つ試してみたい事あってさ」

「…んだよっ」

全て挿入を終えた陽太が前屈して俺の耳元へやってくると、パチンと指が鳴らされた。 

「ひぁっ…それやだってば…!」

「…ヒロ、俺がいいよって言うまでイケないから」

「…!?な、に…っ」

フワッとした感覚に陥った瞬間、グンッと腰を動かされた。

「----ッッ!!うぁァッ!!」

安定したテクニックはすぐに俺の前立腺を捉えて突いてくる。

「こっちも触ったげる」

先程と同じように指が先端をくすぐり、時折裏筋にも触れるとガクンと腰が跳ねた。

「ぁっ…あ!イクっ…いく、イクッ!!」

絶頂感が高まり、体が痙攣し始めると、じっと俺の様子を見る陽太。先程の言葉が俺の頭に過った瞬間、俺の体は強張り出した。

「ぁ…っ?え?ぁっ…!?」

陽太の瞳に見つめられるとイク事が出来なくなった。

「…へぇ。人の体ってすげーな」

「てめぇぇ…っ何、なんでっ…やめっ…イカして!!」

「もう少し堪能してからな」

「ドSヤローがぁぁぁ…っっ!!」

しっかりも前も触ってもらっているのに何故か高まっていくだけの絶頂感に混乱しながらも、刺激は止まってくれないので初めての苦しさを味わう事になった。

暫く意地悪な催眠術に苦しめられていると、陽太がパチンともう一度指を鳴らした。

「ヒロ、頑張ったね。いっぱいイッていいよ。腕ももう動かしていいよ。でも…俺の事好きって言ってからイク事」

「ふぁ…っぁ…よ、たぁっ」

「いいよ、もうイケるよ」

「~~ッッ」

グリッと前立腺を突かれ、ゆっくりと自身を扱かれると、思いっきり体がのけ反った。

「陽太…っ好き、好き…!俺だけ…っにして、俺っ…好き、お前が…!!他の人としないで…っお願いっ」

「…え?」

ぎゅっと首にしがみついて自分の心の内を叫ぶと、俺は今まで我慢していた分も思いっきり欲を吐き出した。俺が達すると陽太もすぐ後に俺の中で果てた。ゴム越しに注がれる陽太のモノを感じながら、俺は力尽きてバタリとベッドへ崩れ落ちた。


◇ ◆


「催眠術って効くのな。会社の人にもしたけど不思議がってた」

「お前そういうのになれんじゃねーの?…目見てたら引き込まれたし」

「へぇ。まぁ別にヒロだけで遊べたらいいし他の奴には使わないけど」

「いやもう俺でも遊ぶな。何か頭が変になりそうだった」

「次はもっと恥ずかしい事させるから」

「てめ…安定のドSだな」

「…お前以外にはしないから、安心して?」

顔を覗き込むように言われると、イク直前に自分が口走った言葉を思い出して、一気に顔が熱くなった。

「ちが…っ別に、あれだから!!空気に飲まれただけだからな!!」

近くにあった枕を思いっきり投げつけると、多少痛みがあったはずなのにずっと笑ってる陽太が居て。

好きだと伝えた俺に対して、『付き合おう』とか逆に『気持ちには応えられない』という事も伝えてくれないコイツは相変わらず分からない。

「…帰ろ。飯食いに行こ」

「うん、行こ」

モヤモヤした気持ちは残ったままだが、一緒に居てもいい状況に安堵しながら、ホテルを後にした。

end.
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