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本編②
10 結果(終)
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目の前が終始チカチカと光り輝くと、射精感とは違う何かが湧き上がる。何度も経験した俺はそれが潮吹きの前兆だと言う事をすぐに理解出来たが、止める術はない。
ぷしゃっと勢い良く吐き出すと、歓喜するお客さん。もう何かを訴える余裕もなく、くたっと力尽きた。
「まだもう少し時間はありますが、詩が疲れちゃったのでおしまいです。一応ミニゲームに負けた5分間は経過しているのでご容赦下さいね」
響くんの声が聞こえ、その内容を理解すると俺は少しの間目を閉じて眠ってしまった。
「いやーめちゃくちゃ満足出来た。また会えて嬉しかったよ」
「僕達もとても楽しかったです。詩も皆さんに会えるのとても楽しみにしてて。…それで、一つお願いがあるんですが、……」
◇ ◆
「はい、ではレベル3+の触れ合いタイムは終了いたします」
そのアナウンスで、俺はふと目を覚ました。
口からは玩具は抜けており、周りには俺を優しく見つめるお客さん達。
「あ、詩ちゃんおはよう。今響くん、玩具綺麗にしに行ってるよ」
「あーー……ごめん、なさい…俺最後…」
「大丈夫大丈夫。俺らめちゃくちゃ楽しめたからさ。どうだった?」
わしゃわしゃとお客さん達に頭を撫でられると、俺は蕩けた表情で素直な言葉を口にした。
「すっごい気持ち良かったぁ……」
「…可愛い…もう可愛いいいい」
側から見たら恋人同士で出るショーではないと言われるだろうが、やっぱり響くんとの思い出の場所なのもあってか、俺はこの場所が凄く好きだった。
それは周りのお客さんがいい人だと言うことが大きいのだろうけど。
流石に寝落ちしたし、投票されないのは分かっていたが、俺は全てのショーに参加してくれた人に向かってあるお願いをした。
「あの……そもそも、俺最後まで起きてられなかったし…いっぱい良くない所もあったから投票するつもりはないかもしれないけど……今日、この後…俺に投票しないで、ほしい。またいつか、出たいと思った時…みんなに会いたい」
そう言葉を告げると、お客さん達は顔を見合わせた。
「あはは、うん。分かったよ」
「……うん、ありがと」
気恥ずかしさも混じり、俺が目を伏せながらお礼を言うと、投票タイムに入るので席に戻って下さいとアナウンスがされ、みんなとはお別れした。
その数分後、光り輝くライトに照らされた優勝者はとても整った顔をしているペアだった。
「優勝出来なかったね」
それを見ながら響くんが冷静なトーンでそう言った。投票しないでくれと言った俺からしたら当然の結果だが、連覇していた響くんからしたら悔しいだろう。だが、また参加資格がある事に安堵した俺は、軽いノリで返事をした。
「うん。じゃあまた出れるね」
「出る気なの?」
「またお互いの気が向いたら出れるといいな」
「そうだね」
結果発表が終わり、解放された俺は身なりを整えて響くんの待っている入り口へ向かった。
「ごめんね、お待たせ」
「うん、お疲れ様。帰ろうか」
「うん」
俺は笑顔でそう返して、響くんの手を握ると、優しく握り返してくれた。
『まさか二人から投票しないでくれって言われるとはなぁ』
『今日も優勝させてあげたかったけど、会えなくなるの辛いしな』
『またいつか、あの二人が気が向いてショーに出る日がくるなら、俺達も来てやろうぜ』
お客さん達のそんな会話があった事を知らない俺達は、手を繋いで会場を後にした。
「はぁーっ、気持ち良かったぁ」
「だろうね。やっぱり俺以外に触られても感じるし、イッてんじゃん」
「感じはしたけど、イクのは我慢出来そうだったよ。イッた決定打は全部響くんが絡んでたもん」
「…へぇ」
「あれ、嬉しいの?まぁそっかぁ~響くんの方が俺の事だーいすきだもんねぇ?毎日可愛くて堪らないんだっけぇ?」
「な…っ、」
恥ずかし気もなくお客さん達に言っていた言葉を伝えてやると、カァッと顔を赤らめた響くん。
(やっぱり恥ずかしさはあったんだ…)
面白いおもちゃを見つけた気分になった俺は、ニヤけた顔で何度かからかってやると、手を離してスタスタ歩き出してしまった。
「あれー何で何も言ってくんないのー?俺の事大好きなんだよねー。可愛くて堪んないんだよねー」
走りながら追いかけると、しつこい!と怒りながら耳を塞いでしまった。
やっと追いついて顔を見た時には相変わらず照れ屋さんな部分を発揮していた。それがあまりに可愛くて、ショーの時には見せない俺だけが知っている表情なんだと思うととても嬉しくて。
「あはは、間違ってるから訂正してあげる。俺の方が響くんの事が好きだよ。毎日可愛くて、愛しくて、…堪らないよ」
「……ん、バカップルじゃないんだからやめてよ…」
漫画なら『ぷしゅう』と効果音がつきそうな程に照れた響くんは、顔を隠しながらも、もう一度手を繋いでくれた。
「…じゃあお互い大好きってことで」
「あはは、そうだね。なーなー、お腹すいたー優勝は出来なかったけど、パーッと豪勢に行こうよ」
「うん、何処がいい?」
「響くんとなら何処でもいいでーすっ」
「俺も詩が居るなら何処でもいい」
明らかにバカップル全開な会話を交わしながら、夜の街を歩いた。
end.
ぷしゃっと勢い良く吐き出すと、歓喜するお客さん。もう何かを訴える余裕もなく、くたっと力尽きた。
「まだもう少し時間はありますが、詩が疲れちゃったのでおしまいです。一応ミニゲームに負けた5分間は経過しているのでご容赦下さいね」
響くんの声が聞こえ、その内容を理解すると俺は少しの間目を閉じて眠ってしまった。
「いやーめちゃくちゃ満足出来た。また会えて嬉しかったよ」
「僕達もとても楽しかったです。詩も皆さんに会えるのとても楽しみにしてて。…それで、一つお願いがあるんですが、……」
◇ ◆
「はい、ではレベル3+の触れ合いタイムは終了いたします」
そのアナウンスで、俺はふと目を覚ました。
口からは玩具は抜けており、周りには俺を優しく見つめるお客さん達。
「あ、詩ちゃんおはよう。今響くん、玩具綺麗にしに行ってるよ」
「あーー……ごめん、なさい…俺最後…」
「大丈夫大丈夫。俺らめちゃくちゃ楽しめたからさ。どうだった?」
わしゃわしゃとお客さん達に頭を撫でられると、俺は蕩けた表情で素直な言葉を口にした。
「すっごい気持ち良かったぁ……」
「…可愛い…もう可愛いいいい」
側から見たら恋人同士で出るショーではないと言われるだろうが、やっぱり響くんとの思い出の場所なのもあってか、俺はこの場所が凄く好きだった。
それは周りのお客さんがいい人だと言うことが大きいのだろうけど。
流石に寝落ちしたし、投票されないのは分かっていたが、俺は全てのショーに参加してくれた人に向かってあるお願いをした。
「あの……そもそも、俺最後まで起きてられなかったし…いっぱい良くない所もあったから投票するつもりはないかもしれないけど……今日、この後…俺に投票しないで、ほしい。またいつか、出たいと思った時…みんなに会いたい」
そう言葉を告げると、お客さん達は顔を見合わせた。
「あはは、うん。分かったよ」
「……うん、ありがと」
気恥ずかしさも混じり、俺が目を伏せながらお礼を言うと、投票タイムに入るので席に戻って下さいとアナウンスがされ、みんなとはお別れした。
その数分後、光り輝くライトに照らされた優勝者はとても整った顔をしているペアだった。
「優勝出来なかったね」
それを見ながら響くんが冷静なトーンでそう言った。投票しないでくれと言った俺からしたら当然の結果だが、連覇していた響くんからしたら悔しいだろう。だが、また参加資格がある事に安堵した俺は、軽いノリで返事をした。
「うん。じゃあまた出れるね」
「出る気なの?」
「またお互いの気が向いたら出れるといいな」
「そうだね」
結果発表が終わり、解放された俺は身なりを整えて響くんの待っている入り口へ向かった。
「ごめんね、お待たせ」
「うん、お疲れ様。帰ろうか」
「うん」
俺は笑顔でそう返して、響くんの手を握ると、優しく握り返してくれた。
『まさか二人から投票しないでくれって言われるとはなぁ』
『今日も優勝させてあげたかったけど、会えなくなるの辛いしな』
『またいつか、あの二人が気が向いてショーに出る日がくるなら、俺達も来てやろうぜ』
お客さん達のそんな会話があった事を知らない俺達は、手を繋いで会場を後にした。
「はぁーっ、気持ち良かったぁ」
「だろうね。やっぱり俺以外に触られても感じるし、イッてんじゃん」
「感じはしたけど、イクのは我慢出来そうだったよ。イッた決定打は全部響くんが絡んでたもん」
「…へぇ」
「あれ、嬉しいの?まぁそっかぁ~響くんの方が俺の事だーいすきだもんねぇ?毎日可愛くて堪らないんだっけぇ?」
「な…っ、」
恥ずかし気もなくお客さん達に言っていた言葉を伝えてやると、カァッと顔を赤らめた響くん。
(やっぱり恥ずかしさはあったんだ…)
面白いおもちゃを見つけた気分になった俺は、ニヤけた顔で何度かからかってやると、手を離してスタスタ歩き出してしまった。
「あれー何で何も言ってくんないのー?俺の事大好きなんだよねー。可愛くて堪んないんだよねー」
走りながら追いかけると、しつこい!と怒りながら耳を塞いでしまった。
やっと追いついて顔を見た時には相変わらず照れ屋さんな部分を発揮していた。それがあまりに可愛くて、ショーの時には見せない俺だけが知っている表情なんだと思うととても嬉しくて。
「あはは、間違ってるから訂正してあげる。俺の方が響くんの事が好きだよ。毎日可愛くて、愛しくて、…堪らないよ」
「……ん、バカップルじゃないんだからやめてよ…」
漫画なら『ぷしゅう』と効果音がつきそうな程に照れた響くんは、顔を隠しながらも、もう一度手を繋いでくれた。
「…じゃあお互い大好きってことで」
「あはは、そうだね。なーなー、お腹すいたー優勝は出来なかったけど、パーッと豪勢に行こうよ」
「うん、何処がいい?」
「響くんとなら何処でもいいでーすっ」
「俺も詩が居るなら何処でもいい」
明らかにバカップル全開な会話を交わしながら、夜の街を歩いた。
end.
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