苦手な訓練と任務④ 任務編

まこ@お休み中

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第一章

渚③

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「おはよう、渚くん」

「まじで来たの?」

散々な目に遭ったが、俺はその後由麗くんと二人で夜ご飯を食べて就寝した。そして翌朝、予告通りやってきたのはご機嫌に微笑む桃だった。

「もちろん。──お仕置きと訓練も兼ねてね。七彩さんと由麗さんはもう終わったから、あとは君だけだよ」

「ちぇぇ」

ぶーぶー言いながらも、仲間だと認識した今、別にコイツになら何されても問題ない。──いや、あるけどもそこまで嫌じゃない。

前を歩く桃の後ろ姿を見ていると、ふと千隼が頭を過ぎる。

(あいつ、まだ桃のこと覚えてんのかな)

任務から帰って暫くは桃の話はちょこちょことしていたが、メンタルが完全に戻ってからは一切口にしていない。

そんなことを考えながらついていくと、到着したのは何故か昨日の建物ではない部屋だった。

「ここ何?」

「俺の部屋だよ」

「訓練じゃなくて連れ込みですかー?」

「色々あって今向こうの建物は入れないの」

「──薬の実験でもしてんの?」

「うん。昨日由麗さんと渚くんに勝手に訓練したあいつらをね。栗原さんがやってるよ。精神的に潰してくれんじゃない?」

「あ、栗も居るんだ」

「うん。俺の先輩だよ。まぁ栗原さんのことは置いといて、俺の部屋で訓練するのはそれが理由だよ。おいで」

「ん」

ベッドの上に誘導されると、俺は服を着たまま押し倒された。

「本当はまた縛り付けてマジックハンドでくすぐり責めにするつもりだったけど仕方ない」

グイッと腕を頭上に持って行かれると、ベッドの上部にセットされた手枷に固定された。

ぶつぶつ言いながらも、桃は俺に覆い被さると服の中へ手を入れてきた。

「!…っ」

「千隼くんと同じで、渚くんもくすぐり苦手だったよね」

「ん…」

モゾモゾと入ってきた指は、爆笑させるような激しい動きではなく、擽ったさと快感が混ざるような優しいものだった。

「んん…っ、んぅ」

脇腹をなぞり、サワサワと脇の下を擽られるとピクンと体が揺れた。

「渚くんが静かだと随分可愛いね」

「ひぁぁ……」

耳元で囁かれるとより快感が強まり、きゅっと手を握り締めた。

(そうだ、前こんな感じで優しい訓練された時ちょっとやばかったっけ)

それを思い出して暴れてみても、桃は小さく笑いながら耳へ息を吹きかけた。手は乳首へ移動し、直接腹の奥に響くような快感を生み出してくる。

「やぁぁ……っ、それやぁ…!」

指で乳首を摘まれ、捩るようにクリクリと動かされると、一気にズボンが苦しくなった。

俺の訴えに何も言うことはなく、反応がいい触り方を徹底し、頭が痺れるような快感だけが送られた。

(やっぱこういう甘ったるいの苦手かも…溶けそう…)

バタバタと足を動かしてやめろと訴えても、指は止まらない。片方ずつ刺激を変えてみたり、ふと脇腹をなぞられたりとたまに触れられ方が変わると、それだけで面白い程に腰が跳ねた。

今日は媚薬を使ったわけじゃないのに、目の前が蕩けるような刺激は何だろう。

「へぇ。意外。渚くんって優しく愛撫されたら蕩けちゃうんだ。まだ胸だけなのに」

耳から漸く口を離すと、嬉しそうな表情を浮かべていた。その顔が何となく先輩に似てて、前にされた快感が欲しくて口を開いた。

「ん?何?」

「口……の中、気持ち、良かった…して…」

「キスってこと?──好きな人が出来た時にしてもらいなよ」

「んん…っ、別にお前のキスはいらないっ…口、中が、気持ち良かったの…っ」

「可愛いおねだりするくせに毒舌だね。でも口はだーめ」

結局口は弄ってくれなかったが、桃は下へ下がっていくと、ズボンを脱がしてくれた。先程までの行為で下着の中で俺自身は主張し、軽くシミがついていた。それが恥ずかしくてモゾモゾと腰をくねらせると、昨日同様に大きく足を開かされた。

「ぁ……っ!」

「足閉じたらこのまま放置するけど、いいの?スッキリしたいよね」

「…っしたぃ、」

「じゃあこのままいい子にM字に開いててね?」

「──っ、」

恥ずかしかったが、イキたい気持ちが強くて自らポーズをキープすると、シミが出来た先端部分を爪で擽られた。

「んぅっ…」

気持ち良すぎて足を閉じそうになるが、必死にキープしながら熱の解放を望んだ。

「イキたぃ…イカ、せてっ」

「早いおねだりだね。焦らされるの苦手なの?」

「ん……嫌い…苦手っ、だから…イカせて…」

「へぇ。前は終始やんちゃな子だなって思ってたけど、そんな一面あったんだね」

焦らしが苦手だと伝えた瞬間、明らかに指の動きは弱まり、ゆっくりと自身の形をなぞるだけの刺激になった。

「やっ……ちゃんと触れ…っ、やだ!それやだっ」

「足はバタバタ動かしてもいいけど、閉じたら本当に放置するからね?」

「ひゃぁぁ……」

クルクルと円を描くように濡れた先端を弄られ、更に下着の色が濃くなった。足を震わせながら閉じないように気を付けていると、ついには股間から指は離れ、足の付け根を擽られた。

「ぁっ、あはっ…ンン!はぁっ……ぁっ」

直接触られているわけではないのに、桃の指が動く度に下着の中の俺自身が揺れる。中で擦れるだけで気持ち良くて、必死に直接的な動きに変えようと腰を揺らすと、桃はクスクスと笑った。

「自分で腰振って可愛い」

「い、きったい、イキたい…っ、もも……もも、ちゃんっ」

出会ってすぐの時は「桃ちゃんって呼んでよ」と言ってきたので、強請るようにそう呼んだ。

「──俺の事は呼び捨てで呼んで」

それなのにちゃん付けは嫌みたいで。俺はいつも通りの呼び方で名前を呼んで強請った。

「んっ、んん…桃…お願い、ちゃんと、触って…!イカせてぇ…」

「だーめ。これ一応昨日のお仕置きだし」

「やだぁっ、やぁ……」

それからは、本当に一度もイカせてもらえることはなく、意地悪な愛撫が続いた。

完全に頭は蕩け切って、理性を失って強請ってもちゃんと触ってくれなくて。もどかしくてイケない苦しさが辛くて、ポロポロと泣いた。

「渚くん。俺、千隼くんに会いたい。いいかな」

「…っ、だめ、だめっ……」

「何で?」

「き、ずつけるっ、つもり、なら…っ、ちゃんと、あいつのフォローが、最後まで、出来ないなら…会っちゃ、だめ……っ」

「傷つけるつもりもないし、友好関係の組織だって分かった以上ずっとフォローするよ。だから任務が無事に終わったら、会いに行っていい?」

「ん…っ、ちゃんと、フォローっ、しろよ…っあいつのこと、いじめっ、んな、よっ」

「うん。──渚くん、イこうか」

「…っ、はぁ、イク…っんん、」

桃瀬は柔らかく微笑んだ後、俺を絶頂に導いた。


◇ ◆


「いや~渚くんも相変わらず雑魚だったねぇ」

「っっざけんなよ……」

一度イカせてもらった後、ノンストップで何回も愛撫された俺は、ベッドの上で絶叫しながら意識を飛ばした。

起きた時には体はきれいになっており、桃瀬のベッドに寝かされていた。

「…っち、マジで覚えてろよ……何が訓練だバカ…」

「訓練というより昨日俺を殺そうとした罰かなー?」

「謝ったじゃんか!!」

「命奪おうとしてあんな軽い謝罪で許せるわけないじゃん?」

相変わらずヘラヘラ笑う顔が腹立たしくて思いっきり殴ろうとすると、桃瀬の部屋の扉が開いた。

「あ、栗原さん」
「あ、栗じゃん。久しぶり」

入ってきたのは久しぶりに見た栗だった。俺を見て思いっきり驚いた顔をしたので、知らなかった様子。

「は?渚? 来るのは七彩って人じゃなかった?」

「七彩さんとー由麗さんとー渚くんでーす」

「……マジか。お前Irisだったのかよ」

「俺も驚いちゃいましたぁ。で、あいつらの訓練終わったんですか?」

「──嗚呼。悪いけど渚は部屋へ戻っとけ」

「いやこの鬼畜の所為で歩けねーんだよ」

俺だって一刻も早く部屋に戻りたい。が、しかし激しすぎる行為に立てなくなってしまったのだ。

栗は溜息を吐いて桃を殴った後、俺を部屋まで送ってくれた。

(仲間だし、別に報告してんの聞かせてくれてもいいのに)

お姫様抱っこの状態で部屋まで送ってもらった後、俺は昨日敷いたままだった布団に寝かされた。

「元気そうで良かった。あれから少し心配でな。千隼も元気か」

ちゃんと俺達の名前を覚えてくれていたことが何だか嬉しくて「うん」と答えると、栗は「そうか」と言って桃の部屋へ戻って行った。

昨日俺を襲った奴の拷問をしていたと思われるが、それをきっかけに亀裂が入ったりしないんだろうか。

きっとそうなっても、あの二人や七彩が対応するだろうから、俺は指示を待つしか出来ないけど。

「…帰りたい」

早く帰って、千隼に会いたい。桃が居たことを伝えたい。

あいつがどんな顔をするのか不安だが、少しでも喜ぶなら、その顔が見たい。

枕に顔を埋めて、俺はそんなことを考えていた。

end.
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