先輩と苦手な訓練②(完結)

まこ

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③(×千隼)

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「さてと。じゃあさっき失敗しちゃった事を克服して行こうか」

再び台に拘束された俺は、由麗くんの言葉に怯える事はなくなった。

(柚木先輩達が訓練始めるってなった時と気持ちが全然違う)

「じゃあ目隠しするね」

目元に被せられたタオルは、俺の視界を奪い目の前を真っ暗にしたが、引き込まれるような恐怖はない。

(みんな、俺の事嫌いになったりしない。訓練だから失敗しても次に繋げていけばいい)

その言葉を何度も心の中で復唱していると、トロリと身体中にヌルヌルした物がつけられた。

「…っ、ぅぁ……」

たっぷりと塗られたのはおそらくローション。滑りを良くした肌に、由麗くんと柊くんの指が這う。

二の腕から降りてきた指は、優しく腋の窪みを弄る。

「ふ……っ、ッ、ん、んっ」

やっぱりこの刺激は耐えれない。ビクビクと体を反応させながら逃げようと捩ると、どちらかの手が太腿を這った。

「ひゃあっ……あはっ…あッ……はははは」

「今からは苦手な訓練の克服だから、設定とかは関係なくいくね。我慢出来そう?」

「でっ、出来る…擽ったいけどっ、…あはは!頑張れ、るっ……んん!!」

「何処が一番弱い?」

「わっ、わき…!そこっ…ずっと嫌いぃ……っ、」 

「そっかそっか。どうされるのが苦手?」

「さ、触られる…だけでむりっ…んはぁ、あっ……」

指が動く度に跳ねる体。足も勿論擽ったいけど、レベルが違う。優しく窪みに入り込んだ親指が優しく動くと、腰が跳ねた。

「ひゃはははぁぁっ!!だめ…っ、や、やっぱっ、もう我慢が…できなっ、あはははっっ」

「じゃああと10分は頑張ろうね」

「ひゃぁぁぁぁあ!だめ!だめっっ、」

親指で刺激されたり、こちょこちょとした動きになったりと慣れないように動く指。その度にガタガタと拘束台を揺らしながらも、意外にも精神的には安定していた。

(擽ったいけど、全然違う。最悪今日は何喋っても訓練なんだから大丈夫-)

そう思うと、心が安定して真っ暗な世界も怖くない。今「やめるから情報を言って」と言われても全然黙っていられる自信がある。

「あはははっ…ん、っ…」

声も段々と小さくなり、今まで死にそうな程辛かった擽りもほんの少しだけマシに思えた。

「……ルールとは違うけど、お薬飲んでさっきの感度体感する?」

「ん…飲む、……っする、がんばる……」

「いい子だね」

薬が入った状態ならどんな気持ちになるのか確認したくて口を開けると、液体が流し込まれた。

話の流れ的に媚薬だろうが、利尿剤でもきっと今なら大丈夫。漏らしてもきっと二人は俺を嫌いにならないし、そう思うと平気。

薬が喉を通っていって暫くして、ドクンと体が熱くなった。ジリジリと追い詰める薬の効果に、体が震え出す。

「はぁ……っ、あ…」

「…薬の効果早いね。耐えれそう?」

「…つ、らいっ…けど……由麗くんと、柊くんの声がするから……大丈夫っ…、二人の声が、聞こえなくなっても大丈夫なように…がんばるっ、から…今は…声、聞かせて…」

「うん。分かった。千隼、頑張れ」
「千隼ー居るからねー」

触られなくてもすっかりと火照った体は、呼吸して少し動くだけで攻められてる気持ちになる。

「はぁ……っ、熱い、熱い……ッ」

「じゃあ腋、くすぐるね?」

「あ……ぁ、っ、や……」

グッと手に力を込めて、腕を閉じようとすると、刺激が与えられたのは脇腹。

「ひゃっ!?ぁぁぁッッ!!」

「千隼ー、俺は足の裏くすぐるね」

そう言って次は膝を擽られた。言葉と違う箇所への刺激に混乱しながら体をばたつかせると、脇腹にあった手が胸へやってきた。

「ゆ、まっくん…由麗くん、…」

「なーに?」

「……胸、気持ち良かった、けどっ……変な感覚、なったぁ……から、恥ずかしい…」

「人ってね、下を触る以外にもイケる事あるんだよ。でもそれは恥ずかしい事じゃないし、スッキリとさせるための自己防衛でもあるからイケるなら胸でもイッてみて」

「恥ずかしくないの…?ドMじゃない…?」

「あはは、何それ。七彩に言われたの?ドMが恥ずかしいとか思う事自体おかしいよ。人って性質的にSかMで分類されるから、1/2がMだよ多分。まぁ分かんないけどさ。多分羞恥を煽るために言っただけだろうし、七彩の言う事なんて何の意味もないと思った方がいいよ」

トロリとローションが垂らされるときゅっと乳首を摘まれた。

「んん…っ!!」

ビリッと全身を駆け抜けるような刺激が走ると、七彩先輩にされた時みたいな感覚が蘇った。

「ぁ……っ、ぅッ」

任務に出るにあたり、今まで色んな事を浅く教えられてきたが、今日ほどしっくり来たことはない。

(そうか、七彩の言葉は何の意味もないんだ--)

そう思うとまた一つ心が落ち着いた。

「ぁ…っ、んん、……はぁっ…」

「でも、さっきイケるならイッてって伝えたけど、わざとイカせてくれない事が多いから、それにも耐えれるようにしようか」

由麗くんは胸、柊くんには股間を触られていたが、絶頂を迎えそうになるとピタリと刺激が止まった。

「これが寸止め。…スッキリしなくて辛いでしょ。きっと柚木先輩達がまた訓練担当しにきた時にもされるだろうから、自分の中で耐えれる術を編み出してみて」

「はぃ……っ、はい……」

コクコク頷きながら、止められた熱の行き場を必死で考えながら力を込めていると、カリカリと腋を擽られた。

「--ッ、ひぁぁぁ!?」

「イケない時にもたくさん刺激はくるだろうから耐えてね。大丈夫そう?」

「だ、いっ…じょぅぶ…っ、平気…っ、ぁっ、はははァァッ!!」

その後、何度も擽りと寸止めを繰り返された。

柚木先輩達にされた時のような恐怖や心細さを感じる事がなかったからか、体は限界を訴えていたが、どこか心は落ち着いていて。

俺は二人の攻めに耐え抜く事が出来た。

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