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格闘家目指して家出した!
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幼少期から俺はキックボクシングをTVで見てきた。なんだか知らないが、とても心がわき上がるものがある。男と男が互いのプライドをかけて全力で闘う姿は本当にカッコイイ。俺もあんなふうになれたらなと思っていた。俺の将来の夢はプロの格闘家でほぼ決まっていた。もちろん親が簡単に承知するわけがない。だから俺は中学卒業と同時に家を飛び出した。
俺の家は安定志向を一番の価値観としていた。母親が極端な教育ママだった。とにかく俺に勉強だけさせるように教育していた。一方親父は見て見ぬふりである。家庭内では俺に公務員あたりになってもらいたいという願望があった。俺はそんなのが嫌で思い切って飛び出した。貯金をはたいて都内までたどり着いた。
「ここか……」
俺は都内で有名な頂上ジムの前にいた。ここなら俺は強くなれると思った。早速玄関に入った。
「いらっしゃいませ。見学の方でしょうか?」
受付には綺麗なお姉さんがいた。左胸に「菊川」というネームプレートがついている。
「このジムに住み込みできませんか?」
俺の質問の意味を理解するのに受付のお姉さんが数秒ばかし時間を要したようだ。
「……住み込みですか? また珍しい人が来ましたね……分かりました、一度館長とかけあいますね」
そう言って受付のお姉さんが内線の電話で誰かにつないだ。
「館長はあと数分で戻ってくるそうです。その間ジムの練習を見学してみてはどうでしょうか?」
「分かりました」
受付のお姉さんに練習場まで案内される。
どす すぱん どす
重そうな打撃音に徐々に近づいてきている感覚だった。引き戸を開けると熱気とプレッシャーが一気に伝わってきた。
「あちらに見学者向けの椅子がありますのでそこでゆっくりしてください。飲み物も後でお持ちします」
そう言って受付のお姉さんが去って行った。
俺は練習場を眺めた。リングの上で実践さながらのスパーリングをしている二人の格闘家、大きな鏡の前でシャドーボクシングをしている格闘家、大きなダンベルをあげてフィジカルトレーニングをしているもの等様々だった。
もみゅ もみゅ
突然何者かが、自分のお尻をもみほぐさした。
「ひゃうっ!?」
後ろを見ると、178cmぐらいの男がいた。見ただけで強いオーラが伝わってくる。というよりまず、すごく見覚えのある顔だ。ただ、尻を突然野郎に触られたという事実に色々と記憶がぶっ飛んでしまった。
「良い尻だな」
そう言ってその男は去って行った。
「おおっ! お前さんが住み込みたいといった奴か! わしが館長の石居や! えろう若いな! 名前と歳を教えてくれんか?」
間髪入れずに俺の元に人がやってきた。ぱっとみ話好きそうな関西人に見える。
「須藤令良、15歳です」
「はっはっは! 須藤君か! 中学卒業したてやないか! いいぞ! 若い内に格闘家修行しようという精神は素晴らしいわ! お前さんのように中学卒業と共にタイ修行した奴、それにオランダのジムに住み込みながらファイターやっている奴も知っているで!」
「はい、知っています! 確かヒロキ選手とノブヒロ選手ですね!」
「驚いた! 須藤君、格闘技に詳しい方か?」
「ええ、まあちょっと格闘技おたくなところはありますね」
「はっはっは、将来有望そうだわい……と言いたいところだが、まあ住み込みたいという奴は他にもおるからのう。ちょいと須藤君をじっくり見ないと住みこみさせるかどうかは決められんな」
なんてことだ。勢いで家を飛び出してきてここまで良い雰囲気だったのに、この見るとやらでつまづいたら俺はこの先の住処はない状態だ。
「ふむ、わしが見た感じ身長は160cm、成長期だからまだ伸びるかな。あと尻が大きいな。尻が大きいと下半身が安定している選手になる。他、胸筋・背筋がまあまあ発達しているな。ただ、手足の筋肉は貧弱といったところやな」
石居館長が俺の体を触りながら観察して評価を下している。
「とりあえずミット練習してみようか。おーい!! 誰か、この子の攻撃を受けてくれ!!」
石居館長が大きな声で選手達に呼びかけたが、選手達が一瞬石居館長を振り向くとまた自分の練習へと専念した。
「薄情な奴らや。こうなったらわしがお前の攻撃を受けるか……」
「その役目、俺にやらせてもらえませんか?」
そう言ってやって来たのはさっき俺の尻を触った男だった。あんましこいつと関わりたくないなぁ……。
「おぉ! 氷堂やんか! 須藤君も知っておるやろ? 彼はキックボクシング団体Champのスーパーウェルター級つまり70kgの階級の世界王者や! キックボクシング団体は現代に乱立しておるが、Champに関してはまじものの強豪がかなりそろっておる。ここで世界一と言うことはまぎれもない世界一ということや! それに氷堂のおる階級は、キックボクシングの世界では激戦区であり、文字通り化け物じみた外人ファイターも多い! そんな氷堂と練習できるなんて滅多にないチャンスやで!!」
石居館長の話でようやくこの男の顔を思い出した。俺がこのジムを選んだきっかけは世界チャンピオンの氷堂選手がこのジムにいるからだ。
「さて、本来なら体をよく動かしてからこういう実践練習はするもんやが、須藤君は遠くから来たんか? 長距離歩いてきてそれなりに体は温まっているように思えるな」
石居館長の眼力には驚いた。確かに東北から家出当然に飛び出し、そこから電車やバスなどを使いながら長距離歩いてきた。もっともちょっと足が痛くて休みたい気持ちもあるが……。
「つけてやるよ」
氷堂選手は俺の拳にぐるぐるとテーピングをした。たしかこれの名称って聞いたことあるけどなんだっけ?
「こいつはバンテージってやつだ。格闘家がグローブをはめる前に拳を守るためにぐるぐる巻きにするんだ。ちなみにこのバンテージに水を含ませるととんでもない堅さになるから試合では御法度だ。実際にやって問題になった選手もいる」
今、すごい裏話も聞いちゃったな。バンテージの存在は知っていたけど、ただ包帯をぐるぐる巻きにしているイメージしかなかったわ。
「グローブは試合よりも軽めのやつにしておくか」
「氷堂、軽いグローブ使って大丈夫か? 怪我するで?」
石居館長が氷堂選手をからかった。
「逆に試合用のグローブをつけたら素人じゃあ拳を思うように動かせないですよ」
グローブが自分の拳に装着された。軽めのグローブとは言っていたが拳が一気に重くなったみたいだ。まさかジムに来ていきなり初日に氷堂選手相手にグローブをはめるとは夢にも思わなかった。
「ほな、須藤君! 適当にパンチを出してみい」
俺はミットをかまえる氷堂選手に向けて全力で打ち込んだ。
ぱすん ぽすん
自分でパンチをうっていて分かる。非常に軽い、手応えがない。なんだか拳に上手く重さをのっけられない。自分なりに強いパンチをうとうと体の動かし方を工夫したが全く強いパンチにならない。むしろスタミナがなくなりどんどんパンチの威力が弱くなってきた。先程まで明るかった石居館長の顔も一気に変わった。
「やっぱりパンチが弱いなぁ」
石居館長の独り言が俺の心に刺さった。
「次は蹴ってみい」
蹴りで挽回しなければ駄目だと思った。俺は格闘家の蹴りの動きを頭の中で思い浮かべながら渾身の蹴りをいれた。
ぱしぃぃん
いい音が響いた。石居館長と氷堂選手の表情が変わった。
「須藤君、どっかで練習していたのか? 右のローキックに関しては素人にしてはいいもんや」
「実は、格闘技の試合見ながらローキックを真似すること多くて、いつの間にか良い蹴りを出せるようになっていたみたいです」
「よし、続けてみい!」
俺はさっきの調子でローキックを出し続けた。十発以上出した頃で、そろそろ他の指示が来る頃かなと予想した。
「そうか、次はハイキックだしてみい」
そう言われて俺は渾身の力を込めて足をあげっ!?
「ぎゃふぅ!!」
自分の柔軟性の許容限界を越えてハイキックをうとうとした結果、股間が割れそうになった。
「やはりのう、体が硬いなと思ったんや」
石居館長がリングにあがって俺の肩に手を載せた。
「住み込みはあきらめい! まぁ金払ってジムに通うんならいつでも大歓迎やで! がっはっはっは!!」
早くも俺の格闘家の夢は潰えた。金はないし、どこかで野宿するか、もしくは他のジムで何とか拾って貰おうか。しかし、石居館長の評価に俺はテンションやモチベーションがものすごい下がっている。他のジムに行っても駄目そうな気しかしない。このまま家に戻るしかないのか……。
「石居館長、こいつは俺の家で預かる。練習、用具、食費等諸々俺が負担する」
氷堂選手の言葉に俺は驚いた。石居館長もきょとんとした顔をする。
「なんや? 良いことでもあったのか?」
「今のこいつは雑魚だと思う。しかし今後強くなると思った。それだけだ」
「ええやろ、お前が金払うならわしは文句いわへん。好きにせい」
まさかの展開になった。一度あきらめたが、俺は格闘家として修行できるようになったのだ。氷堂選手に関しては少しひっかかる点もあるが、このチャンスを逃したくはない。
石居館長が耳を貸せというジェスチャーをとった。俺はそのジェスチャー通りに耳をそばによせた。
「あいつな、こっち系の人なんや。貞操には十分気をつけいよ」
「……」
どうしよう、ここに来て迷ってしまった。不安もあるが、格闘家になりたいという気持ちも強い。
「いくぞ令良」
氷堂選手は俺の気持ちの整理を待たず、俺の手を引っ張ってジムの外へと連れ出した。しばらく都内を歩き、電車に乗り、しばらく歩いて氷堂選手の住むマンションへと到着した。
俺の家は安定志向を一番の価値観としていた。母親が極端な教育ママだった。とにかく俺に勉強だけさせるように教育していた。一方親父は見て見ぬふりである。家庭内では俺に公務員あたりになってもらいたいという願望があった。俺はそんなのが嫌で思い切って飛び出した。貯金をはたいて都内までたどり着いた。
「ここか……」
俺は都内で有名な頂上ジムの前にいた。ここなら俺は強くなれると思った。早速玄関に入った。
「いらっしゃいませ。見学の方でしょうか?」
受付には綺麗なお姉さんがいた。左胸に「菊川」というネームプレートがついている。
「このジムに住み込みできませんか?」
俺の質問の意味を理解するのに受付のお姉さんが数秒ばかし時間を要したようだ。
「……住み込みですか? また珍しい人が来ましたね……分かりました、一度館長とかけあいますね」
そう言って受付のお姉さんが内線の電話で誰かにつないだ。
「館長はあと数分で戻ってくるそうです。その間ジムの練習を見学してみてはどうでしょうか?」
「分かりました」
受付のお姉さんに練習場まで案内される。
どす すぱん どす
重そうな打撃音に徐々に近づいてきている感覚だった。引き戸を開けると熱気とプレッシャーが一気に伝わってきた。
「あちらに見学者向けの椅子がありますのでそこでゆっくりしてください。飲み物も後でお持ちします」
そう言って受付のお姉さんが去って行った。
俺は練習場を眺めた。リングの上で実践さながらのスパーリングをしている二人の格闘家、大きな鏡の前でシャドーボクシングをしている格闘家、大きなダンベルをあげてフィジカルトレーニングをしているもの等様々だった。
もみゅ もみゅ
突然何者かが、自分のお尻をもみほぐさした。
「ひゃうっ!?」
後ろを見ると、178cmぐらいの男がいた。見ただけで強いオーラが伝わってくる。というよりまず、すごく見覚えのある顔だ。ただ、尻を突然野郎に触られたという事実に色々と記憶がぶっ飛んでしまった。
「良い尻だな」
そう言ってその男は去って行った。
「おおっ! お前さんが住み込みたいといった奴か! わしが館長の石居や! えろう若いな! 名前と歳を教えてくれんか?」
間髪入れずに俺の元に人がやってきた。ぱっとみ話好きそうな関西人に見える。
「須藤令良、15歳です」
「はっはっは! 須藤君か! 中学卒業したてやないか! いいぞ! 若い内に格闘家修行しようという精神は素晴らしいわ! お前さんのように中学卒業と共にタイ修行した奴、それにオランダのジムに住み込みながらファイターやっている奴も知っているで!」
「はい、知っています! 確かヒロキ選手とノブヒロ選手ですね!」
「驚いた! 須藤君、格闘技に詳しい方か?」
「ええ、まあちょっと格闘技おたくなところはありますね」
「はっはっは、将来有望そうだわい……と言いたいところだが、まあ住み込みたいという奴は他にもおるからのう。ちょいと須藤君をじっくり見ないと住みこみさせるかどうかは決められんな」
なんてことだ。勢いで家を飛び出してきてここまで良い雰囲気だったのに、この見るとやらでつまづいたら俺はこの先の住処はない状態だ。
「ふむ、わしが見た感じ身長は160cm、成長期だからまだ伸びるかな。あと尻が大きいな。尻が大きいと下半身が安定している選手になる。他、胸筋・背筋がまあまあ発達しているな。ただ、手足の筋肉は貧弱といったところやな」
石居館長が俺の体を触りながら観察して評価を下している。
「とりあえずミット練習してみようか。おーい!! 誰か、この子の攻撃を受けてくれ!!」
石居館長が大きな声で選手達に呼びかけたが、選手達が一瞬石居館長を振り向くとまた自分の練習へと専念した。
「薄情な奴らや。こうなったらわしがお前の攻撃を受けるか……」
「その役目、俺にやらせてもらえませんか?」
そう言ってやって来たのはさっき俺の尻を触った男だった。あんましこいつと関わりたくないなぁ……。
「おぉ! 氷堂やんか! 須藤君も知っておるやろ? 彼はキックボクシング団体Champのスーパーウェルター級つまり70kgの階級の世界王者や! キックボクシング団体は現代に乱立しておるが、Champに関してはまじものの強豪がかなりそろっておる。ここで世界一と言うことはまぎれもない世界一ということや! それに氷堂のおる階級は、キックボクシングの世界では激戦区であり、文字通り化け物じみた外人ファイターも多い! そんな氷堂と練習できるなんて滅多にないチャンスやで!!」
石居館長の話でようやくこの男の顔を思い出した。俺がこのジムを選んだきっかけは世界チャンピオンの氷堂選手がこのジムにいるからだ。
「さて、本来なら体をよく動かしてからこういう実践練習はするもんやが、須藤君は遠くから来たんか? 長距離歩いてきてそれなりに体は温まっているように思えるな」
石居館長の眼力には驚いた。確かに東北から家出当然に飛び出し、そこから電車やバスなどを使いながら長距離歩いてきた。もっともちょっと足が痛くて休みたい気持ちもあるが……。
「つけてやるよ」
氷堂選手は俺の拳にぐるぐるとテーピングをした。たしかこれの名称って聞いたことあるけどなんだっけ?
「こいつはバンテージってやつだ。格闘家がグローブをはめる前に拳を守るためにぐるぐる巻きにするんだ。ちなみにこのバンテージに水を含ませるととんでもない堅さになるから試合では御法度だ。実際にやって問題になった選手もいる」
今、すごい裏話も聞いちゃったな。バンテージの存在は知っていたけど、ただ包帯をぐるぐる巻きにしているイメージしかなかったわ。
「グローブは試合よりも軽めのやつにしておくか」
「氷堂、軽いグローブ使って大丈夫か? 怪我するで?」
石居館長が氷堂選手をからかった。
「逆に試合用のグローブをつけたら素人じゃあ拳を思うように動かせないですよ」
グローブが自分の拳に装着された。軽めのグローブとは言っていたが拳が一気に重くなったみたいだ。まさかジムに来ていきなり初日に氷堂選手相手にグローブをはめるとは夢にも思わなかった。
「ほな、須藤君! 適当にパンチを出してみい」
俺はミットをかまえる氷堂選手に向けて全力で打ち込んだ。
ぱすん ぽすん
自分でパンチをうっていて分かる。非常に軽い、手応えがない。なんだか拳に上手く重さをのっけられない。自分なりに強いパンチをうとうと体の動かし方を工夫したが全く強いパンチにならない。むしろスタミナがなくなりどんどんパンチの威力が弱くなってきた。先程まで明るかった石居館長の顔も一気に変わった。
「やっぱりパンチが弱いなぁ」
石居館長の独り言が俺の心に刺さった。
「次は蹴ってみい」
蹴りで挽回しなければ駄目だと思った。俺は格闘家の蹴りの動きを頭の中で思い浮かべながら渾身の蹴りをいれた。
ぱしぃぃん
いい音が響いた。石居館長と氷堂選手の表情が変わった。
「須藤君、どっかで練習していたのか? 右のローキックに関しては素人にしてはいいもんや」
「実は、格闘技の試合見ながらローキックを真似すること多くて、いつの間にか良い蹴りを出せるようになっていたみたいです」
「よし、続けてみい!」
俺はさっきの調子でローキックを出し続けた。十発以上出した頃で、そろそろ他の指示が来る頃かなと予想した。
「そうか、次はハイキックだしてみい」
そう言われて俺は渾身の力を込めて足をあげっ!?
「ぎゃふぅ!!」
自分の柔軟性の許容限界を越えてハイキックをうとうとした結果、股間が割れそうになった。
「やはりのう、体が硬いなと思ったんや」
石居館長がリングにあがって俺の肩に手を載せた。
「住み込みはあきらめい! まぁ金払ってジムに通うんならいつでも大歓迎やで! がっはっはっは!!」
早くも俺の格闘家の夢は潰えた。金はないし、どこかで野宿するか、もしくは他のジムで何とか拾って貰おうか。しかし、石居館長の評価に俺はテンションやモチベーションがものすごい下がっている。他のジムに行っても駄目そうな気しかしない。このまま家に戻るしかないのか……。
「石居館長、こいつは俺の家で預かる。練習、用具、食費等諸々俺が負担する」
氷堂選手の言葉に俺は驚いた。石居館長もきょとんとした顔をする。
「なんや? 良いことでもあったのか?」
「今のこいつは雑魚だと思う。しかし今後強くなると思った。それだけだ」
「ええやろ、お前が金払うならわしは文句いわへん。好きにせい」
まさかの展開になった。一度あきらめたが、俺は格闘家として修行できるようになったのだ。氷堂選手に関しては少しひっかかる点もあるが、このチャンスを逃したくはない。
石居館長が耳を貸せというジェスチャーをとった。俺はそのジェスチャー通りに耳をそばによせた。
「あいつな、こっち系の人なんや。貞操には十分気をつけいよ」
「……」
どうしよう、ここに来て迷ってしまった。不安もあるが、格闘家になりたいという気持ちも強い。
「いくぞ令良」
氷堂選手は俺の気持ちの整理を待たず、俺の手を引っ張ってジムの外へと連れ出した。しばらく都内を歩き、電車に乗り、しばらく歩いて氷堂選手の住むマンションへと到着した。
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