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妊娠野郎編

妊娠させるな(3)

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 思考が一瞬停止し、俺の頭の中で一つの答えが出た。

「お前、もしかして正義なのか?」

「……」

 目の前の虎人間は何も言わない。

「否定してくれよ! なんで否定しねえんだよ! てめえが俺の知っている正義じゃなければ何も特別な事はおもわねえんだよ!」

「オ・レ・ガ・オ・マ・エ・ノ・シ・ッ・テ・イ・ル・マ・サ・ヨ・シ・ト・ハ・カ・ギ・ラ・ナ・イ」

「お前は正義という名前の虎人間かもしれない! でも、お前は元は人間じゃなかったのか! ていうか、お前の触り方とか舌使いとか、正義そっくりなんだよ!」

「コ・コ・サ・イ・キ・ン・ノ・キ・オ・ク・ガ・ナ・イ。メ・イ・カ・ク・ナ・カ・イ・ト・ウ・ガ・デ・キ・ナ・イ」

「記憶がないだと! 記憶の無い虎人間がなんで俺を夜這いしに来たんだよ!」

「……ナ・ゼ・ダ・カ・シ・ラ・ン・ガ、オ・マ・エ・ヲ・ハ・ゲ・シ・ク・イ・ト・シ・ク・オ・モ・ウ」

「この馬鹿野郎が……虎人間になっても、俺への愛は消えねえっていうのかよ……」

 俺の中の感情が高ぶりすぎて、何故だか訳の分からない涙が出てきた。

「ナ・ゼ・ナ・ク・ノ・ダ」

「誰のために泣いていると思っているんだよ! ちくしょう! 誰か、正義を元に戻す方法教えてくれよ」

「オマエノ・カナシミヲ・トリノゾクコトハ・デキナイ。タダ、オマエガ・ナクトコロヲ・ミルノハ・ツラク・カンジル」

 俺の涙につられて、正義までもらい泣きした。

「セメテ・オマエト・オナジ・カナシミ・ヲ・キョウユウ・シタイ」

 今の正義は、俺を激しく愛した頃をすっかり忘れている。それでも正義は俺への愛を無くしていなかった。やつの愛がいかに強靱なものかよく分かった。

「お前がこんな姿になって初めて分かった……俺、お前の事が大好きだったんだ……本当にクソ憎たらしい存在と思っていたのに……一体俺はお前のどこに惚れたのかよく分からねえ……けど……いつもの正義がいなくなってイヤなんだ、とりとめなく悲しいんだ!! 俺は元のお前に戻って貰いたいんだ!!」

 もはや俺の心からの本音といっしょに、鼻水やら涙やら、それにともなうしゃっくりも出ていた。

「オレモ・ジブンノキモチヲ・アリノママニ・イオウ。キヨミ、オマエト・コドモヲ・ツクリタイ。アイシアイタイ」

 俺はそれに無言で頷いた。あれほど妊娠する事に恐怖を感じていたが、今はただ、目の前の正義との愛を形にしたかったのだ。例え正義が変わってしまっても、俺と正義の愛が変わってない事を証明したいのだ。

「優しくしてくれよ。お前のちん〇痛そうだもん」

「イタイノハ・オマエノ・ハイラン・ノタメ・シカシ・ゼンショスル」

ちゅぷりぃ

 正常位の状態から、俺のお尻にとげとげちん〇が挿入されたと思った。しかし、なんかちん〇にしては細長いような気がする。謎の物体が、俺の腸内の奥へ奥へと、どんどん侵入してくる。

「おい、何を挿入したんだ?」

「オレノ・シッポ・ダ」

「いぃ!?」

 確かに言われてみれば、腸内をくすぐられる感覚がある。これはしっぽの毛のふさふさが、俺の腸を刺激しているのだろう。

「あ♡ これ気持ちよい♡」

「シリアナ・ヲ・ホグシテ・オカナイトナ」

にゅるるるるる

 正義のしっぽはどんどん俺の腸内へ侵入してくる。俺の尻穴から、へその奥までくすぐられるような感覚がたまらなく良い。

「やば♡ おかしくなっちゃう♡ はうわぁ!!」

びゅくるん びゅくる びゅぶ

 俺は正義のしっぽでイってしまった。おれのちん〇は勢いよく射精し、自身の体と正義の体を汚した。

「セイエキ・ガ・ケニツイテ・カワクト・トリヅライ」

「悪い、すぐにでも洗うか?」

「イヤ・ムシロ・コウフン・シテキタ」

 正義のとげとげちん〇がびんびんに張り詰めた状態となった。もう我慢できない、挿入したいとちん〇が言っているようだ。

「うん、そろそろ子作りしよう♡」

「ウン」

ちゅるるるるるる

「ひゃあああ♡♡」

びゅぶりぃ びゅぶりぃ

 しっぽが一気に引き抜かれる感覚がたまらなく気持ち良く、またイってしまった。

「ダメダ・ヤサシクデキルジシン・ガ・ナクナッテキタ」

 我ながら非常に淫らな男になっていると思う。これは正義じゃなくても興奮してしまうだろうな。
 俺の尻穴にちん〇があたる感覚を感じ、やがて、尻穴を押し広げられる感覚となった。

ぐぬぷぅ

「うっ!」

 腸内にいつもと違う挿入感があった。いつもの正義のちん〇より、気持ちでかい感じがあり、圧迫感がある、なにより、ちん〇のとげの感触だ。とげが腸内を刺激する感覚を例えるなら、複数の耳かきで耳をかき回されるような感じだ。正義のとげとげちん〇が俺の腸内に快感を与えつつも、ひっかいて痛みを与えている。

「ウゴクゾ」

ごぷぷぷぅ

「ぐぅ!」

 やはり、動くと余計に圧迫感と痛みの感覚が強みを増す。

「ダイジョウブカ?」

「心配すんな、感覚としては軽く痛くて気持ちよいくらいだからよ」

「ソウカ」

 正義は俺を気遣ってか、ゆっくりとピストン運動をした。俺への負担は最小限に抑えられた。

ぬぶりぃ ぬぶりぃ ぬぶりぃ 

 しばらくして、痛みに体が慣れてきた。痛みは炭酸のような、気持ちの良い刺激となり、快感もSEX、いや交尾開始直後よりも増してきた。

「んふ♡ ちょっと気持ちよくなってきた」

「アア、オレモキモチイイ」

 いつのまにか虎人間となった正義の言葉が片言でなくなってきた。徐々に人間に戻りつつあるのかなと思った。

「キスヲシタイ」

「ああ、おもいっきりやってくれよ」

 俺は口を大きく開けて、舌を出した。

「ナントソソラレルクチダ」

 正義は虎が肉を食らう如く、俺の唇にむさぼりついた。

じゅううう

 バキュームのように俺の唇を吸い、俺の唾液を全部飲み干そうとしている。

「イトシイモノノクチビルハ、コンナニモウマイモノナノカ!」

「ああ、遠慮無く吸ってくれよ。お前が激しく口づけしてくれるほど、お前の愛を感じて、すごく安心するんだ」

  そして、虎特有のざらざらの舌が俺の口の中に侵入してくる。正義の舌が、俺の舌の先から根元まで味わおうと、俺の舌がどんな感触かを分かろうと、夢中で舌を絡ませてきた。

「やっぱ、虎だけあってざらざらだな」

「フカイカ?」

「ちょいと不快だが、それ以上にお前の愛が感じられてOKだ」

 今思えば、正義は俺にストレートに愛を伝えてきた。しかし、俺はやつの愛を素直に受け止めなかった。俺が男を愛する事への抵抗感があったからかもしれない。しかし、正義の直球過ぎる愛が俺のそんな気持ちを、徐々に変えていったのかも知れない。もちろんそんなことは全く意識していなかったし、むしろそんな愛はいらないと跳ね返した。でも、今はなぜ俺はそんなことをしてしまったんだと後悔の念でいっぱいだ。 

「ごめんな……」

 俺は、正義への申し訳なさから自然と謝罪の言葉が出た。同時に涙もまた出てきた。

「ナゼ、アヤマル?」

「今のお前が大好きだからだよ! だから過去のお前の愛をはねのけた俺に馬鹿野郎! って言いたいんだよ!」

 そんな俺の言葉を聞いて、正義もまた申し訳なさそうな顔をする。

「オレモオマエ二タイシ、ザイアクカンガアル。リユウハワカランガ、アヤマリタイキモチナノダ」

 俺の中で、正義に対する答えがすぐに浮かんだ。

「じゃあ俺を一生大事にしてくれ♡ それがお前の免罪符だ」

「ワカッタ。ゼンリョクデオマエをイッショウダイジニスル」

 正義はその答えとして、俺を強く抱きしめ、激しく愛を込めたピストンを始めた。正義の激しい息づかいや汗が俺に全力で愛を伝えているように思えた。そして、体に電撃のような快感が走る。なんだか、妊娠しそうな直感が俺の中であった。俺の腸内にある正義のちん〇もより一層膨らみ、とうとうイク寸前であった。

「そろそろイクぞ! 俺の赤ちゃんを産んでくれ――――――っ!」

「ああ♡ 種付け上等だ♡ 俺に可愛い赤ちゃんを産ませてくれ――――――っ!!」

「あぁぁ――――――!!!」

「はぁ――――――っ♡♡」

びゅぶぶぶりり びゅくん びゅく

 俺の腸内に愛のこもった熱い精液が大量に入り込んできた。俺のお尻からあふれ出してしまいそうなぐらいの量だが、一滴も逃がしたくない。だってこの精液全部、正義の愛なのだから……。

「俺、しばらく、このままでいたい……清美に包まれていたいんだ……」

 その話し方で俺は気付いた。

「正義……お前が人間だった頃が分かるか?」

「ああ、虎になっちまったが、人間だった頃も思い出したぜ!」

 正義が帰ってきた。この事実に対し、無性に涙が出てきた。

「何が何だか分からないけど、お前が戻ってきて良かった~~~~~~!!」

 この正義を離したくない、そう思い強く抱きしめた。

「でもな、俺虎のままだぜ。一般社会じゃ生きていけないぞ」

「かまうもんか! 俺だって妊娠する男だし、どっちも変わった人種じゃないか! 社会が認めなくても、俺達が互いに認め合える! それでいいじゃないか!!」

「へへ、言われてみればそうだな! 虎人間と妊娠男子の人類史上初のカップル誕生! そう思えば俺達はむしろ恥じる事はねえ! 誇らしく思えるぜ!」

「いや、それ恥ずかしいだろ……」

「のれよ! 空気読めよ!」

「お前にだけは言われたくない台詞だな……まあ良い、今はお前が戻ってきてとにかく嬉しいんだ!!」

 俺はまた正義を一層強く抱きしめた。正義の虎の毛皮がふかふかとして暖かい。

「そういえば俺……今思うと、こっぱずかしい事言ってたな……」

「ん?」

「虎だった時の記憶がそのまんま残っていてな……我ながら臭い台詞ばかり言ってた……」

 正義が珍しく顔を赤らめて恥ずかしそうにしていた。

「確かに正義にしては臭い台詞ばっかで、しばらく俺が茶化すのに困らねえな」

「なんだと、んにゃろう! お仕置きだ!」

 そう言って、正義が俺の腸内に入っていたちん〇を引き抜こうとした。しかし、引き抜かれるちん〇が俺の腸内でひっかかる感覚があった。

「あれ、これは思い切り引き抜かないと抜けない奴だな、よ~し」

 ここで俺は猫科の動物の交尾に対する大事な事を思い出した。

「ま、まて! 確か猫科の動物の性器はだな!」

「そうりゃあ!」

バリリリリリ

「いぎゃああ――――――っ!!」

 猫科の動物の性器はトゲが生えており、交尾中も痛いが、特に引き抜くときが一番痛いらしい。その痛みは、メス猫が攻撃されたと勘違いし、オス猫がすぐに逃げる程だ。今まさに、正義に渾身の一撃を加えてやりたいところだが、腸内の痛みで悶絶している。

「そういえば、猫科の動物の性器のトゲが排卵を促して、赤ちゃんを産みやすくするんだっけな!」

「そこまで覚えているなら、丁寧に引き抜きやがれ、馬鹿野郎!」

「ついでによ~、虎ってのは絶倫なんだぜ」

 その言葉を聞いて、背筋に悪寒が走った。正義のちん〇はびんびんに勃起している。

「おい……お前まさか……!?」

「だからもう一回子作りしようぜ――――――っ!!」

「う、嘘だろ!? もうそんな元気俺にはねえ!」

「うるせえ、確実に赤ちゃんを産ませるには何発もやるのが一番なんだ!! 一生一緒にいてやるからさ!!」

「嫌だ――――――っ!!」

 この後、何発やられたかの記憶は定かではない。確かなのは、翌朝、俺が酷い痔に悩まされた事だった。ついでに正義も、翌朝になったら虎ではなくなっていたみたいだった。
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