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学園生活編
ガチホモと絡み合うな(1)
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とある日のこと、俺は朝の通学の電車で寝てしまい、見知らぬ駅へと着いてしまった。
「わ~、やっちまったな~!」
八天駅という全く分からない名前の駅である。おまけに時刻表を見ると、異様に戻りの電車が少ない。ていうか、今日出る電車がもうない。
「どうなってんだよこりゃあ」
幸い、余分にお金を持っていたので、電車賃代の精算は普通にすませることはできた。しばらく無駄遣いはできないが……。
駅の中を歩いている人を見ると、男しかいない。しかも、皆、ある方向性で特徴的だ。
例えば、俺の目に入ってきた男は、胸板が厚く、毛深く、顔もひげをはやし、ダンディである。格闘家で例えると、ドン・○ライだ。
これと似たようなタイプが駅中にごろごろといる。
「なんかすげえところだなここ」
なにげなく駅中のベンチに目を移すと、とんでもない光景が目に入った。ドン・○ライに似た男同士がディープキスをしていたのだ。
「ぐえっ! 公共場でガチホモ行為しているじゃねえか!? いや、俺も人の事いえんか」
「よう兄ちゃん!」
声のした方を振り向くと、自分よりもがたいの良いおっさんが現れた。
「お前もしかしてゲイか?」
このおっさん、初対面の俺にとんでもない質問をぶつけてきやがった。正直にはいと答えると、おっかない目に会いそうだと思った。
「い、いえ、ノーマルです」
「……そうか、俺の眼力も落ちたかな。お前さんも男との恋愛経験がありそうに見えたからよ」
いいえと答えて正解だったようだ。逆にはいと答えたらどうなっていたんだろうか? 間違いなくホモセックスに突入だっただろう。
俺は頻繁に正義に犯されてはいるが、何とか許せる感じはある。でもさ、この手の男と絡み合うのは、生理的に受け付けねえ――――――っ!!
「ところで、お前、なんか面が綺麗すぎるな」
自分の顔を綺麗だなんて思った事はないが、この駅中にいる濃い顔の男達に比べれば、俺は比較的綺麗な顔と言えなくもない。
「もしや、お前、BLの世界の住人じゃねえか?」
「はっ?」
このおっさんは一体何を言っているんだ?
「たまにあるんだよ。何がきっかけか分からんが、このガチゲイ世界にBLの住人が紛れ込んでくる事があるんだ。でも気をつけろよ、女は襲われる事はないが、男なら例え子供でも襲う奴らが多い。ましてやあんちゃんみたいな良い年頃したやつが紛れ込んでいるとなれば、すぐに狙われる」
言われてみて気付いた。俺を興味津々に見る男達が多い。下手したら駅中にいる男達に犯される可能性もなきにしもあらずだ。
「まっ、帰りたいと思えばそのうち帰れるから安心しなよ。もっとも、お前の貞操守り切れるかどうか心配だがな」
そう言って、おっさんは去って行った。
さて、これから先どうするか。
ぐぅ~
そういえば、今日は寝坊したから朝食を食っていなかったんだった。
「腹が減っては戦は出来ぬ。よし、立ち食いそばでも食うか」
「たぬきそば大盛りっと」
俺は駅内の立ち食いそば屋の券売機ボタンを押し、カウンターへと持って行った。三分もたたないうちに、そばができあがり、俺のもとに置かれた。俺はそばを勢い良くすすり、スピーディーに完食した。
「ごっそさんです!」
「兄ちゃん! 綺麗な顔してるな、ゲイかい?」
この世界の住人は俺をいちいちゲイと確認するもんなのか? というかこのタイミングで気付いたが、店主がはだかエプロンじゃねえか!! いかにもそば屋の主人と言った見た目の、白髪で年季の入った顔をしたおっさんの裸エプロンなんて誰得だよ!
「はやめし、はやぐそもゲイのうちってな! なぁんちゃって!!」
「つまんね~」
「そんなこといわねえでよ兄ちゃん。そうだ、払ったそば代返してやるよ」
そば代はそんなに高くないが、今後のために出費はなるべく抑えておきたい。この申し出にのろうかと思った。しかし、初めて出会った人に食事代タダでいいよと言われても、なんか申し訳ない気持ちになる。
「えっ、いや、悪いからいいですよ」
「なぁに、サービスしてくれればいいんだよ。兄ちゃんのケツさわらせてくれたらいいぜ~」
俺は危険だと思い、すぐに立ち食いそば屋を出た。俺を止める声が聞こえたがそれを無視した。
俺は考えた。これは普通に行動していたら間違いなくガチホモに犯されてしまう。どこか危険性がなく、時間をつぶせる場所はないのか。
「あっそうだ」
俺は案を思いつき、その場所へと向かった。
「我ながら穴場を見つけたもんだぜ」
俺は今ネカフェの個室にいた。男に襲われる可能性があるなら、人と孤立する空間にいれば良い。そう思い、俺はネカフェを避難場所として選んだ。この考えは正解だった。個室ゆえに、だれからも俺を見られる事はない。ネットや漫画、飲み物もあるので、暇つぶしは十分出来る。それにこのネカフェは安価な割に、完全な個室なのだ。カードキーでドアを開閉できるし、良いベッドもあるし、これはホテルなみである。
「あっそうだ」
俺は学校を無断欠席しているんだった。俺の休みについてごまかした説明ができそうなのは正義あたりだな。俺は正義へ電話をした。
「おっ、清美じゃん! もう授業始まりそうだぜ!」
「実はさ、電車で寝過ごしたら変な駅についちまって、帰れねえんだ。適当な理由先生に説明してくれないか」
「ああ分かったぜ。とこんで、なんで帰れねえんだ? 戻りの電車がないわけでもなかろうに」
「いや、なぜかないんだよな。おかしな駅でさ」
「お前、もしかして八天駅ってところで降りたか?」
「うん、そうだけどさ。それがどうした?」
「……やばいぞ、そこはホモの世界と呼ばれる恐ろしい場所だぞ。一度入ったらすぐには出られない、ホモに襲われないように逃げるのはかなり難しい、究極の世界だ!」
「やっぱ、やばいところか……一応その説明は受けたけど、今はネカフェで落ち着いているから大丈夫だぞ」
「いいや、俺の直感がそこも危ないと言っているな」
がちゃり
俺の個室が突然開いた。そこにはジェロム・レ・バン○みたいななんかがたいの良さそうな男がいた。
「電話切るぞ!」
俺は正義の電話をすぐさま切り、目の前の男と向かい合った。
「兄ちゃん、俺とSEXしないか?」
「悪いが、俺はノーマルだ」
「くんかくんか、におう、お前もゲイのニオイがする」
えっ、ゲイのニオイなんてあんのか? ていうか、この部屋カードキーでロックかかっているはずなのに開いたってことは、かなりやばいやつだぞ。
「おい! それ以上やっとお店の人や警察呼ぶぞ!」
「ちちち、地獄の沙汰も金次第ってな。呼んでも無駄さ。この店ではこういうことは日常茶飯事なのさ。観念して俺に犯られな」
俺はこのネカフェをかなり安全なところだと思ったが、むしろ逆であった。安全そうに見えたのはむしろこの危険さのカモフラージュ。もう迷う事はない、逃げよう。
がしっ
俺は素早く男の左横を走り抜けようと思ったが、男がそれを許さない。男は俺の左腕をしっかりととらえた。力ずくで逃げようとするが、逃げられない。
「俺って結構鍛えているから力あるんだぜ」
ひょい
俺は米俵をかつぐかのように持たれた。
「だああ!! おろせ!!」
「じゃあおろしてやるよ」
ぼふん
俺がおろされたのはベッドの上だった。
「BL世界の住人をいただくのは久々だな」
俺の上に男がいる。いつでも正常位でファックできる体勢だ。男の顔が俺の顔に近づいてきた。
「さて、唇の味はどんなものかな」
ごちぃん
俺は危険を察し、男に強烈なヘッドバッドをかました。
「うぐおお!!」
俺の頭も痛いが、あの男の方が更に痛いであろう。ヘッドバッドは喧嘩の十八番である。男がスキを見せたのをみはからい、すぐに個室を出て、会計をすまし、お店を出た。
「さて、これからどうしようもんか……」
まるでバトルロイヤルのような、いつ何時襲われるか分からない世界である。そして、俺はまた行く宛てのない旅に出る。
とりあえず、俺はカル○ィに入った。別に俺はコーヒーが好きなわけではない。ただ、この店は全国共通で店員は女性しかいない特徴がある。野郎一人でもいる空間にいたら大変な事になると思い、だったら女性しかいない空間に逃げようと思った。幸いな事に、女性店員が多いおかげか、客も女性だけのようだ。ずっと店内にいるわけにはいかないが、ここである程度時間を潰そう。明日、俺の街に戻れる電車の時間まで安全な場所ですごしたい。
「コーヒーの試飲いかがですか~?」
そういえば、今の俺は空腹に近い状態だ。何でも良いから腹を膨らませたい気分だ。
「ミルクと砂糖たくさん入れてくれますか、俺腹減ってるもんで」
「あはは、いいですよ」
店員さんは愛想良い笑顔で対応し、コーヒーに砂糖とミルクを多めに入れてくれた。
「あざーす! あちち」
コーヒーは熱いが食欲が勝り、熱くても俺はより多く飲もうとする。三分もしないうちにコーヒーを全部飲んだ。店員さんがサービスでコーヒーの入っていた紙コップをゴミ箱に捨ててくれた。
「どうもです」
「ゆっくり店内をごらんになってください」
言われなくても、俺はここでじっくりと滞在するつもりだ。さて、店内をある程度見てきたので、退屈になってきた。退屈のせいか、あくびが出てくる、眠気も発生してきた。まずい、どっかで寝たい気持ちだ。俺の感覚がぼんやりとしたものになってきた。いつしか意識朦朧となったが、誰かに運ばれる感覚がした。
意識が覚める感覚があった。どこかの部屋の一室の中におり、機械とか人の姿が見える。
「おっ、目覚めたか兄ちゃん」
目の前に、毛深く、顔が濃く、体格の良い男がいた。しかも裸である。そして、俺も裸である。唐突の展開に俺はとまどう。
「ちょ! どうなってんじゃこりゃあ!」
「なにって、これからAV撮影さ!」
「なに! つうか俺はカル○ィにいたはずなのに!」
「へへへ、あそこは俺達の息がかかった店でな。モデルに使えそうな男に対して睡眠薬を飲ませるようにしているのさ」
「そういえば、コーヒー飲んでから眠気が襲ってきたな。って呑気にしている場合じゃねえ! 俺は帰る!」
がしっ
予想通り、男は俺を帰らせまいと、強い力で俺の身体をつかんだ。
「もうAVのタイトルまで決まっているんだぜ! 名付けて、『美少年種付けレイプ! 中出し100連発』だ!」
俺をもとにしたAVのタイトルを聞いて、背筋からぞわっとした。
「だ、誰か助けてくれええええ!!!!」
「わ~、やっちまったな~!」
八天駅という全く分からない名前の駅である。おまけに時刻表を見ると、異様に戻りの電車が少ない。ていうか、今日出る電車がもうない。
「どうなってんだよこりゃあ」
幸い、余分にお金を持っていたので、電車賃代の精算は普通にすませることはできた。しばらく無駄遣いはできないが……。
駅の中を歩いている人を見ると、男しかいない。しかも、皆、ある方向性で特徴的だ。
例えば、俺の目に入ってきた男は、胸板が厚く、毛深く、顔もひげをはやし、ダンディである。格闘家で例えると、ドン・○ライだ。
これと似たようなタイプが駅中にごろごろといる。
「なんかすげえところだなここ」
なにげなく駅中のベンチに目を移すと、とんでもない光景が目に入った。ドン・○ライに似た男同士がディープキスをしていたのだ。
「ぐえっ! 公共場でガチホモ行為しているじゃねえか!? いや、俺も人の事いえんか」
「よう兄ちゃん!」
声のした方を振り向くと、自分よりもがたいの良いおっさんが現れた。
「お前もしかしてゲイか?」
このおっさん、初対面の俺にとんでもない質問をぶつけてきやがった。正直にはいと答えると、おっかない目に会いそうだと思った。
「い、いえ、ノーマルです」
「……そうか、俺の眼力も落ちたかな。お前さんも男との恋愛経験がありそうに見えたからよ」
いいえと答えて正解だったようだ。逆にはいと答えたらどうなっていたんだろうか? 間違いなくホモセックスに突入だっただろう。
俺は頻繁に正義に犯されてはいるが、何とか許せる感じはある。でもさ、この手の男と絡み合うのは、生理的に受け付けねえ――――――っ!!
「ところで、お前、なんか面が綺麗すぎるな」
自分の顔を綺麗だなんて思った事はないが、この駅中にいる濃い顔の男達に比べれば、俺は比較的綺麗な顔と言えなくもない。
「もしや、お前、BLの世界の住人じゃねえか?」
「はっ?」
このおっさんは一体何を言っているんだ?
「たまにあるんだよ。何がきっかけか分からんが、このガチゲイ世界にBLの住人が紛れ込んでくる事があるんだ。でも気をつけろよ、女は襲われる事はないが、男なら例え子供でも襲う奴らが多い。ましてやあんちゃんみたいな良い年頃したやつが紛れ込んでいるとなれば、すぐに狙われる」
言われてみて気付いた。俺を興味津々に見る男達が多い。下手したら駅中にいる男達に犯される可能性もなきにしもあらずだ。
「まっ、帰りたいと思えばそのうち帰れるから安心しなよ。もっとも、お前の貞操守り切れるかどうか心配だがな」
そう言って、おっさんは去って行った。
さて、これから先どうするか。
ぐぅ~
そういえば、今日は寝坊したから朝食を食っていなかったんだった。
「腹が減っては戦は出来ぬ。よし、立ち食いそばでも食うか」
「たぬきそば大盛りっと」
俺は駅内の立ち食いそば屋の券売機ボタンを押し、カウンターへと持って行った。三分もたたないうちに、そばができあがり、俺のもとに置かれた。俺はそばを勢い良くすすり、スピーディーに完食した。
「ごっそさんです!」
「兄ちゃん! 綺麗な顔してるな、ゲイかい?」
この世界の住人は俺をいちいちゲイと確認するもんなのか? というかこのタイミングで気付いたが、店主がはだかエプロンじゃねえか!! いかにもそば屋の主人と言った見た目の、白髪で年季の入った顔をしたおっさんの裸エプロンなんて誰得だよ!
「はやめし、はやぐそもゲイのうちってな! なぁんちゃって!!」
「つまんね~」
「そんなこといわねえでよ兄ちゃん。そうだ、払ったそば代返してやるよ」
そば代はそんなに高くないが、今後のために出費はなるべく抑えておきたい。この申し出にのろうかと思った。しかし、初めて出会った人に食事代タダでいいよと言われても、なんか申し訳ない気持ちになる。
「えっ、いや、悪いからいいですよ」
「なぁに、サービスしてくれればいいんだよ。兄ちゃんのケツさわらせてくれたらいいぜ~」
俺は危険だと思い、すぐに立ち食いそば屋を出た。俺を止める声が聞こえたがそれを無視した。
俺は考えた。これは普通に行動していたら間違いなくガチホモに犯されてしまう。どこか危険性がなく、時間をつぶせる場所はないのか。
「あっそうだ」
俺は案を思いつき、その場所へと向かった。
「我ながら穴場を見つけたもんだぜ」
俺は今ネカフェの個室にいた。男に襲われる可能性があるなら、人と孤立する空間にいれば良い。そう思い、俺はネカフェを避難場所として選んだ。この考えは正解だった。個室ゆえに、だれからも俺を見られる事はない。ネットや漫画、飲み物もあるので、暇つぶしは十分出来る。それにこのネカフェは安価な割に、完全な個室なのだ。カードキーでドアを開閉できるし、良いベッドもあるし、これはホテルなみである。
「あっそうだ」
俺は学校を無断欠席しているんだった。俺の休みについてごまかした説明ができそうなのは正義あたりだな。俺は正義へ電話をした。
「おっ、清美じゃん! もう授業始まりそうだぜ!」
「実はさ、電車で寝過ごしたら変な駅についちまって、帰れねえんだ。適当な理由先生に説明してくれないか」
「ああ分かったぜ。とこんで、なんで帰れねえんだ? 戻りの電車がないわけでもなかろうに」
「いや、なぜかないんだよな。おかしな駅でさ」
「お前、もしかして八天駅ってところで降りたか?」
「うん、そうだけどさ。それがどうした?」
「……やばいぞ、そこはホモの世界と呼ばれる恐ろしい場所だぞ。一度入ったらすぐには出られない、ホモに襲われないように逃げるのはかなり難しい、究極の世界だ!」
「やっぱ、やばいところか……一応その説明は受けたけど、今はネカフェで落ち着いているから大丈夫だぞ」
「いいや、俺の直感がそこも危ないと言っているな」
がちゃり
俺の個室が突然開いた。そこにはジェロム・レ・バン○みたいななんかがたいの良さそうな男がいた。
「電話切るぞ!」
俺は正義の電話をすぐさま切り、目の前の男と向かい合った。
「兄ちゃん、俺とSEXしないか?」
「悪いが、俺はノーマルだ」
「くんかくんか、におう、お前もゲイのニオイがする」
えっ、ゲイのニオイなんてあんのか? ていうか、この部屋カードキーでロックかかっているはずなのに開いたってことは、かなりやばいやつだぞ。
「おい! それ以上やっとお店の人や警察呼ぶぞ!」
「ちちち、地獄の沙汰も金次第ってな。呼んでも無駄さ。この店ではこういうことは日常茶飯事なのさ。観念して俺に犯られな」
俺はこのネカフェをかなり安全なところだと思ったが、むしろ逆であった。安全そうに見えたのはむしろこの危険さのカモフラージュ。もう迷う事はない、逃げよう。
がしっ
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「俺って結構鍛えているから力あるんだぜ」
ひょい
俺は米俵をかつぐかのように持たれた。
「だああ!! おろせ!!」
「じゃあおろしてやるよ」
ぼふん
俺がおろされたのはベッドの上だった。
「BL世界の住人をいただくのは久々だな」
俺の上に男がいる。いつでも正常位でファックできる体勢だ。男の顔が俺の顔に近づいてきた。
「さて、唇の味はどんなものかな」
ごちぃん
俺は危険を察し、男に強烈なヘッドバッドをかました。
「うぐおお!!」
俺の頭も痛いが、あの男の方が更に痛いであろう。ヘッドバッドは喧嘩の十八番である。男がスキを見せたのをみはからい、すぐに個室を出て、会計をすまし、お店を出た。
「さて、これからどうしようもんか……」
まるでバトルロイヤルのような、いつ何時襲われるか分からない世界である。そして、俺はまた行く宛てのない旅に出る。
とりあえず、俺はカル○ィに入った。別に俺はコーヒーが好きなわけではない。ただ、この店は全国共通で店員は女性しかいない特徴がある。野郎一人でもいる空間にいたら大変な事になると思い、だったら女性しかいない空間に逃げようと思った。幸いな事に、女性店員が多いおかげか、客も女性だけのようだ。ずっと店内にいるわけにはいかないが、ここである程度時間を潰そう。明日、俺の街に戻れる電車の時間まで安全な場所ですごしたい。
「コーヒーの試飲いかがですか~?」
そういえば、今の俺は空腹に近い状態だ。何でも良いから腹を膨らませたい気分だ。
「ミルクと砂糖たくさん入れてくれますか、俺腹減ってるもんで」
「あはは、いいですよ」
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「あざーす! あちち」
コーヒーは熱いが食欲が勝り、熱くても俺はより多く飲もうとする。三分もしないうちにコーヒーを全部飲んだ。店員さんがサービスでコーヒーの入っていた紙コップをゴミ箱に捨ててくれた。
「どうもです」
「ゆっくり店内をごらんになってください」
言われなくても、俺はここでじっくりと滞在するつもりだ。さて、店内をある程度見てきたので、退屈になってきた。退屈のせいか、あくびが出てくる、眠気も発生してきた。まずい、どっかで寝たい気持ちだ。俺の感覚がぼんやりとしたものになってきた。いつしか意識朦朧となったが、誰かに運ばれる感覚がした。
意識が覚める感覚があった。どこかの部屋の一室の中におり、機械とか人の姿が見える。
「おっ、目覚めたか兄ちゃん」
目の前に、毛深く、顔が濃く、体格の良い男がいた。しかも裸である。そして、俺も裸である。唐突の展開に俺はとまどう。
「ちょ! どうなってんじゃこりゃあ!」
「なにって、これからAV撮影さ!」
「なに! つうか俺はカル○ィにいたはずなのに!」
「へへへ、あそこは俺達の息がかかった店でな。モデルに使えそうな男に対して睡眠薬を飲ませるようにしているのさ」
「そういえば、コーヒー飲んでから眠気が襲ってきたな。って呑気にしている場合じゃねえ! 俺は帰る!」
がしっ
予想通り、男は俺を帰らせまいと、強い力で俺の身体をつかんだ。
「もうAVのタイトルまで決まっているんだぜ! 名付けて、『美少年種付けレイプ! 中出し100連発』だ!」
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