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俺はお前を食べたくない!
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俺は考えた。どっちみち寝たらエルに襲われる。ならば逆転を発想させて俺が逆にエルを襲えば良い。あいつをボロボロにすれば問題ない……と思いついたはよいが、俺は戦闘面での強さはどうなんだ? それを確かめるためにモンスターが生息する平野までやってきた。
「そういやあ俺は自給自足のスキルのおかげで斧は結構扱えていたな」
試しに自分のスキルと手に入れた鉱石と木材で斧を作った。
ぶぉぉん
わりと重量感はあるが軽々と振り回せている。いわゆるアックス系の武器が俺の一番得意な武器かもしれない。
「ぐるるる!」
気がつけば周りにオオカミのモンスターが数匹いた。ホワイトウルフと呼ばれる白いオオカミのようだ。こいつらは九分九厘俺を襲ってくるだろう。そうなれば俺が斧をどれくらい使いこなせるか見るのに良いチャンスだ。
早速オオカミの一匹が口を大きく開けて俺に向かった。
「おらぁ!」
俺の斧はオオカミを一刀両断した。それを見て他のオオカミたちは尻尾を巻いて逃げてしまった。
「なんだ。一匹倒しただけじゃどうも強さがいまひとつ実感できんな」
俺はもう一つの武器、弓を取り出した。山でモンスターを狩る際に弓も重宝していた。俺は逃げていくホワイトウルフの一匹にめがけ弓矢を飛ばした。
「きゃいいん!」
ホワイトオオカミは痛そうな鳴き声を響かせ、一撃で倒れてしまった。これで俺が弓矢でもそこそこ強いことが分かった。
「ぐるるるる!!」
えっ、俺の後ろにいつの間にか巨大なホワイトウルフがいる。もしかしてあれって子供でこいつが親で、俺がやっちゃったからめちゃくちゃ怒っている感じじゃ。
がぶしぃ
ぎゃあああ!! 痛い!! 痛い!! 噛まれている!! つうか食われる!! 駄目だ、激痛に意識が飛んじまう……油断した……これで俺の異世界生活も終わりか……。
「あり?」
いつの間にか知らない場所にいるぞ。ここはどこだ? 周りの状況を見ると、俺が今いる場所はベッドだ。そして余計な物が置かれていない白をベースにした清楚な部屋の一室にいる。つまりここは病院の可能性が高い。もしかして俺って誰かに助けられたのか? ならば助けた人に礼を言わないとな。
「いてっ!」
体に包帯が巻かれている。ホワイトウルフに噛まれたところはまだ痛みが残っているな。この状態でエルに襲われたらまず抵抗できんな。
「大丈夫ですか? 私が見つけた時は怪我が酷かったので治療はしましたが」
看護婦さんの格好をした人が入ってきた。
「えぇ、なんとか。もしかしてあなたが俺を助けてくれましたか?」
「はい、そうですよタツヤさん」
「……」
俺を初対面でタツヤさんなんて呼ぶ奴は一人しか居ない。看護婦だと思ってあまりその看護婦を見ていなかったが、体格は男そのものだ。恐る恐る看護婦の顔を覗いてみた。
「やっぱりお前か……」
「私はあなたを助けたんですよ。あのホワイトウルフは強かったので、私以外の方ですと倒す事はできず、タツヤさんは死んでいた可能性は高いですよ」
「えっ、実はお前ってかなり強いのか?」
「そうですね、特別サービスで言っちゃうと条件付きで無限大の強さを持てます」
「無限大だと!? ほぼチートじゃねえか!」
危なかった。条件付きとは言うが、もしも俺がこいつに闘いを挑んでいたら俺があっさり倒された可能性が高い。
「あのですね、助けたんですよ私。まさかお礼なしなんて言わないですよね?」
「……お前に助けられたのは非常に不服だが、助けられたことには礼を言うよ」
「礼を言うだけですか?」
俺を凍らせそうなぐらい冷めた目つきで見てきた。やばい、怖い。この状況で襲われるような事があったら非常にまずい。奴を怒らせないことを最優先しなくては。
「すまない。俺はこの通り満足に体を動かせない。だから礼をしようにも何もできないんだ。せめてこの体でもできるお礼があれば良いんだが……」
その言葉を聞いてエルはにっこりと笑った。男にしては可愛らしい顔だ。ずっとこの顔でいてくれないものかなと思うわ。
「でしたら私の作ったごはんを頂いて下さい」
そういえば朝一にモンスター退治で平野に行ってから何も食ってなかったな。お腹は空いているし、ここは素直に甘えよう。だが、用心はしよう。
「えぇとな。失礼なことを聞くが俺が食べれるものだよな? 一応俺は好き嫌いはそんなにないし、グルメってわけでもないから味付けが少し悪くても食えるけど、食べ物じゃないとだめだぞ。あと変な薬を入れているとかもなしだからな」
「何言っているんですか! 私はタツヤさんが美味しく食べられるように愛情をこめて普通の料理をつくっています! 変な心配はしないで下さいな!」
「悪かったよ」
エルは既に作ったごはんを持ってきてくれた。見た目は完全に和食だ。異世界には俺がいた世界の食材なんてあるわけがないが、見た目はご飯、お吸い物、とろろ、黒い海草のかき揚げと計四品。とても健康的な食事だ。
「旨そうだ! いっただきま~~す!」
びしぃ
「いてててて!!」
俺の体に激痛が走った。やっぱホワイトオークに襲われた傷が癒えない。ベッドから上体を起こすのがやっとだ。腕を動かそうにも激痛が走り、動かしづらい。
「大丈夫ですか? なんなら私があなたのお口に料理を運びますよ」
「あぁすまない。手間かけさせるな」
「いえいえ、気にせずに」
ぱくり もぐもぐ
えっ、なんでこいつ俺の代わりにお米を食べているの?
「はい、あ~~ん」
かみ砕かれたお米を店ながらエルが俺に向かって大きく口を開けた。
「まさか……口移しで食べさせるってことか?」
「しょうれふよ(そうですよ)」
「……くそ! だったら空腹に耐えてやるわい!」
がしっ
俺の顎がつかまれ強制的に口を開かれた。徐々にエルの口が近づいてくる。
「ひぃぃぃ!!」
「駄目ですよ。食べるもの食べないと回復できないです」
はむっ
互いの唇がくっつき、俺の口内にぐちゃぐちゃに咀嚼されたお米が送り込まれた。
「吐き出したら、吐き出したお米の粒分全力の攻撃を加えますからね」
俺が吐き出そうとしたことなんてお見通しってわけか。クソったれが! 飲み込んでやらぁ! くそっ、するっとお米が喉奥まで送り込まれちまったぜ。
「まだまだありますからね」
そうか。俺は茶碗いっぱい分のお米がなくなるまでぐちゃぐちゃになった奴を口移しされるのか……。心を無にするんだ……なるべく味わうという意識を捨てるんだ……水のようにぐちゃぐちゃに咀嚼されたお米を飲み込むんだ……。
「どうですか私の唾液入りおかゆは? 私はとても良いです。私の口内の味が染みこんだお米をあなたが食べていると思うと股間がぞくぞくとします」
股間がぞくぞくって、こいつ襲わねえだろうな……。
「あっ、お米がなくなりましたね。ちょっと待って下さい」
俺の腕にエルが魔法をかけた。
「痛み止めの魔法です。腕が動かせるので自分で食べれますよ」
助かった! また咀嚼された飯を食うかと思っちまったぜ。そうだな、まずは吸い物で口内に残ったご飯を全部洗い流すか。おぉ、塩加減が絶妙だぜこいつは。一気に全部飲み干しちまった。
「美味しく頂いたみたいですね。嬉しいです」
「旨いなこのお吸い物。一体どんな食材を使ったんだ?」
「私の涙を入れました」
「ぶぉっふぉっ!?
やばい、吐こう。これは吐きたい。体調が悪いから吐いたと言えば通じる、通るはずだ。
「ちなみに吐いたらゲロごと食わせます。もったいないですからね」
こ、こいつならやりかねない。まぁ良い。涙を飲む程度ならまだ我慢できる許容範囲だ。次はどちらを食べようか……。
「あっ、そのかき揚げにとろろをかけると美味しいですよ」
オススメされたので俺は黒い海草のかき揚げに白身の入ったとろろをかけて食べた。でもこの二つもなんだか油断が出来ない。俺はおそるそる小さく一口を食べた。
「あれ、旨いっ!?」
「私が不味く作るとお思いですか?」
「いやいやすまない」
ふむ、かき揚げがぱりぱりと香ばしさがあって旨い。これにとろろが意外と合う。このとろろはイカを細かくきざんだのにとろみをつけた感じだな。独特の生臭さはあるが、意外と癖になる味わいだ。すぐにこれもたいらげてしまった。
「美味しくたいらげましたね。私の精液入りのとろろと私の陰毛のかき揚げ」
「ぐわっふぁっ!? 食べ物ですらねえぞおい!!」
まじかよ。俺はこいつの精液とそして陰毛まで食べたというのかよっ!?
「美味しく作るの大変だったんですよ。精液の臭みが気にならないように香りづけのスパイスも使い、イカのモンスターの白身も使って大変美味にしあげ、私の陰毛もぱりぱりになるように低温の油でじっくりと長時間揚げたんです。できれば私の黄金水や黄金も頂いて欲しかったですがまだまだ美味しく作る技術がないもので……」
「頼む、そこまで手を出すなよ、いいな?」
「でも母乳はどうでしょう? 今はできませんがいずれは出せるようにしますので」
「飲まねえ!」
「ふふふ、元気になったようですね」
あっ、いつの間にか体が動かせるようになっている。ホワイトウルフに噛まれた傷の痛みもほとんどない。
「私が愛を込めて作りましたから傷の治りも早くなるんです」
「そういうものなのか?」
「そういうものなんです。では、またあなたを愛しに来ますのでごきげんよう」
そう言ってまたエルは消えたのである。エルが消えると同時に医者らしき男も入ってきた。
「大丈夫か! なにやら魔力でこの部屋だけ封印されていたみたいで!」
「精神的には大丈夫ではないですね。体の方は大丈夫になっていますが……」
すぐに俺は病院を退院した。
次なるエル対策を考えておかねば。
「そういやあ俺は自給自足のスキルのおかげで斧は結構扱えていたな」
試しに自分のスキルと手に入れた鉱石と木材で斧を作った。
ぶぉぉん
わりと重量感はあるが軽々と振り回せている。いわゆるアックス系の武器が俺の一番得意な武器かもしれない。
「ぐるるる!」
気がつけば周りにオオカミのモンスターが数匹いた。ホワイトウルフと呼ばれる白いオオカミのようだ。こいつらは九分九厘俺を襲ってくるだろう。そうなれば俺が斧をどれくらい使いこなせるか見るのに良いチャンスだ。
早速オオカミの一匹が口を大きく開けて俺に向かった。
「おらぁ!」
俺の斧はオオカミを一刀両断した。それを見て他のオオカミたちは尻尾を巻いて逃げてしまった。
「なんだ。一匹倒しただけじゃどうも強さがいまひとつ実感できんな」
俺はもう一つの武器、弓を取り出した。山でモンスターを狩る際に弓も重宝していた。俺は逃げていくホワイトウルフの一匹にめがけ弓矢を飛ばした。
「きゃいいん!」
ホワイトオオカミは痛そうな鳴き声を響かせ、一撃で倒れてしまった。これで俺が弓矢でもそこそこ強いことが分かった。
「ぐるるるる!!」
えっ、俺の後ろにいつの間にか巨大なホワイトウルフがいる。もしかしてあれって子供でこいつが親で、俺がやっちゃったからめちゃくちゃ怒っている感じじゃ。
がぶしぃ
ぎゃあああ!! 痛い!! 痛い!! 噛まれている!! つうか食われる!! 駄目だ、激痛に意識が飛んじまう……油断した……これで俺の異世界生活も終わりか……。
「あり?」
いつの間にか知らない場所にいるぞ。ここはどこだ? 周りの状況を見ると、俺が今いる場所はベッドだ。そして余計な物が置かれていない白をベースにした清楚な部屋の一室にいる。つまりここは病院の可能性が高い。もしかして俺って誰かに助けられたのか? ならば助けた人に礼を言わないとな。
「いてっ!」
体に包帯が巻かれている。ホワイトウルフに噛まれたところはまだ痛みが残っているな。この状態でエルに襲われたらまず抵抗できんな。
「大丈夫ですか? 私が見つけた時は怪我が酷かったので治療はしましたが」
看護婦さんの格好をした人が入ってきた。
「えぇ、なんとか。もしかしてあなたが俺を助けてくれましたか?」
「はい、そうですよタツヤさん」
「……」
俺を初対面でタツヤさんなんて呼ぶ奴は一人しか居ない。看護婦だと思ってあまりその看護婦を見ていなかったが、体格は男そのものだ。恐る恐る看護婦の顔を覗いてみた。
「やっぱりお前か……」
「私はあなたを助けたんですよ。あのホワイトウルフは強かったので、私以外の方ですと倒す事はできず、タツヤさんは死んでいた可能性は高いですよ」
「えっ、実はお前ってかなり強いのか?」
「そうですね、特別サービスで言っちゃうと条件付きで無限大の強さを持てます」
「無限大だと!? ほぼチートじゃねえか!」
危なかった。条件付きとは言うが、もしも俺がこいつに闘いを挑んでいたら俺があっさり倒された可能性が高い。
「あのですね、助けたんですよ私。まさかお礼なしなんて言わないですよね?」
「……お前に助けられたのは非常に不服だが、助けられたことには礼を言うよ」
「礼を言うだけですか?」
俺を凍らせそうなぐらい冷めた目つきで見てきた。やばい、怖い。この状況で襲われるような事があったら非常にまずい。奴を怒らせないことを最優先しなくては。
「すまない。俺はこの通り満足に体を動かせない。だから礼をしようにも何もできないんだ。せめてこの体でもできるお礼があれば良いんだが……」
その言葉を聞いてエルはにっこりと笑った。男にしては可愛らしい顔だ。ずっとこの顔でいてくれないものかなと思うわ。
「でしたら私の作ったごはんを頂いて下さい」
そういえば朝一にモンスター退治で平野に行ってから何も食ってなかったな。お腹は空いているし、ここは素直に甘えよう。だが、用心はしよう。
「えぇとな。失礼なことを聞くが俺が食べれるものだよな? 一応俺は好き嫌いはそんなにないし、グルメってわけでもないから味付けが少し悪くても食えるけど、食べ物じゃないとだめだぞ。あと変な薬を入れているとかもなしだからな」
「何言っているんですか! 私はタツヤさんが美味しく食べられるように愛情をこめて普通の料理をつくっています! 変な心配はしないで下さいな!」
「悪かったよ」
エルは既に作ったごはんを持ってきてくれた。見た目は完全に和食だ。異世界には俺がいた世界の食材なんてあるわけがないが、見た目はご飯、お吸い物、とろろ、黒い海草のかき揚げと計四品。とても健康的な食事だ。
「旨そうだ! いっただきま~~す!」
びしぃ
「いてててて!!」
俺の体に激痛が走った。やっぱホワイトオークに襲われた傷が癒えない。ベッドから上体を起こすのがやっとだ。腕を動かそうにも激痛が走り、動かしづらい。
「大丈夫ですか? なんなら私があなたのお口に料理を運びますよ」
「あぁすまない。手間かけさせるな」
「いえいえ、気にせずに」
ぱくり もぐもぐ
えっ、なんでこいつ俺の代わりにお米を食べているの?
「はい、あ~~ん」
かみ砕かれたお米を店ながらエルが俺に向かって大きく口を開けた。
「まさか……口移しで食べさせるってことか?」
「しょうれふよ(そうですよ)」
「……くそ! だったら空腹に耐えてやるわい!」
がしっ
俺の顎がつかまれ強制的に口を開かれた。徐々にエルの口が近づいてくる。
「ひぃぃぃ!!」
「駄目ですよ。食べるもの食べないと回復できないです」
はむっ
互いの唇がくっつき、俺の口内にぐちゃぐちゃに咀嚼されたお米が送り込まれた。
「吐き出したら、吐き出したお米の粒分全力の攻撃を加えますからね」
俺が吐き出そうとしたことなんてお見通しってわけか。クソったれが! 飲み込んでやらぁ! くそっ、するっとお米が喉奥まで送り込まれちまったぜ。
「まだまだありますからね」
そうか。俺は茶碗いっぱい分のお米がなくなるまでぐちゃぐちゃになった奴を口移しされるのか……。心を無にするんだ……なるべく味わうという意識を捨てるんだ……水のようにぐちゃぐちゃに咀嚼されたお米を飲み込むんだ……。
「どうですか私の唾液入りおかゆは? 私はとても良いです。私の口内の味が染みこんだお米をあなたが食べていると思うと股間がぞくぞくとします」
股間がぞくぞくって、こいつ襲わねえだろうな……。
「あっ、お米がなくなりましたね。ちょっと待って下さい」
俺の腕にエルが魔法をかけた。
「痛み止めの魔法です。腕が動かせるので自分で食べれますよ」
助かった! また咀嚼された飯を食うかと思っちまったぜ。そうだな、まずは吸い物で口内に残ったご飯を全部洗い流すか。おぉ、塩加減が絶妙だぜこいつは。一気に全部飲み干しちまった。
「美味しく頂いたみたいですね。嬉しいです」
「旨いなこのお吸い物。一体どんな食材を使ったんだ?」
「私の涙を入れました」
「ぶぉっふぉっ!?
やばい、吐こう。これは吐きたい。体調が悪いから吐いたと言えば通じる、通るはずだ。
「ちなみに吐いたらゲロごと食わせます。もったいないですからね」
こ、こいつならやりかねない。まぁ良い。涙を飲む程度ならまだ我慢できる許容範囲だ。次はどちらを食べようか……。
「あっ、そのかき揚げにとろろをかけると美味しいですよ」
オススメされたので俺は黒い海草のかき揚げに白身の入ったとろろをかけて食べた。でもこの二つもなんだか油断が出来ない。俺はおそるそる小さく一口を食べた。
「あれ、旨いっ!?」
「私が不味く作るとお思いですか?」
「いやいやすまない」
ふむ、かき揚げがぱりぱりと香ばしさがあって旨い。これにとろろが意外と合う。このとろろはイカを細かくきざんだのにとろみをつけた感じだな。独特の生臭さはあるが、意外と癖になる味わいだ。すぐにこれもたいらげてしまった。
「美味しくたいらげましたね。私の精液入りのとろろと私の陰毛のかき揚げ」
「ぐわっふぁっ!? 食べ物ですらねえぞおい!!」
まじかよ。俺はこいつの精液とそして陰毛まで食べたというのかよっ!?
「美味しく作るの大変だったんですよ。精液の臭みが気にならないように香りづけのスパイスも使い、イカのモンスターの白身も使って大変美味にしあげ、私の陰毛もぱりぱりになるように低温の油でじっくりと長時間揚げたんです。できれば私の黄金水や黄金も頂いて欲しかったですがまだまだ美味しく作る技術がないもので……」
「頼む、そこまで手を出すなよ、いいな?」
「でも母乳はどうでしょう? 今はできませんがいずれは出せるようにしますので」
「飲まねえ!」
「ふふふ、元気になったようですね」
あっ、いつの間にか体が動かせるようになっている。ホワイトウルフに噛まれた傷の痛みもほとんどない。
「私が愛を込めて作りましたから傷の治りも早くなるんです」
「そういうものなのか?」
「そういうものなんです。では、またあなたを愛しに来ますのでごきげんよう」
そう言ってまたエルは消えたのである。エルが消えると同時に医者らしき男も入ってきた。
「大丈夫か! なにやら魔力でこの部屋だけ封印されていたみたいで!」
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