~僕の歌は魔法になるんだ~落ちこぼれ学生は合唱を通して一生の恋人を見つけ、ついでで英雄にもなっていきます

あさきりゆうた

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いい声しているな、一緒にやらないか?

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 この世界には大国なる場所がいくつか存在する。その一つがコーラシアと言う国だ。コーラシア最大の特徴はブレイブという名の学校があることである。この学校は一言で言えば、後のコーラシアの戦力となる勇者達を育てる場所だ。学校では様々な授業やクエストを受けられるようになっており、剣士・魔術士・盗賊・僧侶等あらゆる職種を目指すものにとって、うってつけの教育機関なのである。現にこの学校の出身者でコーラシアの国家幹部になっている者も多い。しかし、この学校に入学した者全員が無事に卒業できるというわけではない。才能ある者のみを鍛える事、これが校風になっており、才能なき者は学校を去るという暗黙の了解がある。現に、授業で必要以上の単位が取れずに泣く泣く退学してしまった生徒も数多い。
 さて、そんな落ちこぼれ生徒の一人にクレッシェ・ソプラという綺麗な水色の髪の毛が特徴的な男子生徒がいた。歳は12歳だが、その年齢よりも幼く見える。童顔で、身長も150cmほど、声変わりしておらず女の子のような声。誰もが彼を見て子供だと馬鹿にしているのだ。
 彼は田舎の村から勇者を目指しこの学校へと入学したのだが、彼自身身体能力も知性も並以下で授業の試験には受からず、クエストもろくにクリアできない。彼もまた他の落ちこぼれ生徒同様、必要な単位数が稼げず、退学の危機に面していた。
 彼は今現在、もう授業のない放課後の教室でほうきを持って掃除をしている。

「ふぅ、もうそろそろ終わりかな」

 クレッシェ・ソプラが今やっているのは超初級のクエスト「学校の掃除」である。誰でもできるクエストで、受けるには恥ずかしいものと校内では認識されている。しかし、クレッシェ・ソプラにとってはこんなクエストでも非常にありがたいのだ。少ないながらも授業の単位は稼げて、少額の報酬も得られる。仕送りなしで生活をしているクレッシェ・ソプラにとってはこの少額の報酬ですらとても欲しい状態なのだ。現在下宿している住まいの家賃、自分の食費、授業やクエストで使う教材・資材・道具等々、必要なお金がたくさんいるのだ。

「おい、ソプラ」

 彼の名前を呼んだのは校内の男子生徒達だ。ソプラがにとっては全く知らない生徒達である。

「あの、どうかしましたか? 僕はクエストの学校の掃除があるので早めに用件を済ませていただきたいんですが?」

「いい話を持ってきたんだよ。一緒にクエストに行こうぜ。クエストをクリアすればお前にも単位と報酬が出る。悪くない話だろ?」

「いいです……僕は皆の足手まといになりますから……」

 校内で募集しているクエストに関しては、生徒複数人で受けることも可能である。クレッシェ・ソプラは、入学当初こそは他の学生からクエストの誘いを受けたものの、彼自身が弱く、仲間の足をひっぱるため、誰も彼を誘わなくなったのだ。

「遠慮するなよ。困っているお前が放っておけないんだよ」

 男子生徒達は、何か良からぬ企みをしている笑みを浮かべている。

「でも、僕は何もお礼ができないので……」

「礼? それは前払いで貰うさ!」

 男子学生達はクレッシェ・ソプラの体を取り押さえ、力尽くで床に寝かせた。

「な、なにをするんですか!?」

「決まっているだろ、レ・イ・ポ。ここにいる奴皆でお前を犯すんだよ」

「やべぇ、まじでやべぇよ!」

 男子生徒の一人がナイフでクレッシェ・ソプラの衣服を切り裂いていく。彼の裸体が露わになっていく。

「待って下さい! 僕は男ですよ!」

「こんな可愛い顔してれば男でも関係ねえよ! 穴はついているから大丈夫だ!」

「おぉ、女の子みたいな肌してやがるぜ! 乳首もピンク色で可愛い!」

「いやぁ! 見ないでぇ!!」

 クレッシェ・ソプラは犯されまいと、手足をじたばたさせて暴れた。

ぱしぃん

 男子生徒の一人がクレッシェ・ソプラの左頬を平手で叩いた。クレッシェ・ソプラの頬が赤く腫れ上がった。

「大人しくしろ! 次は拳でいくぞ!」

「むしろ俺鼻血出てもいけるわ」

「まじかよ! お前やべーリョナラーじゃん!」

 クレッシェ・ソプラはこれから起きるであろうおぞましいことに恐怖を感じた。それでも助けを求めようとあがく。

「誰か助けて! 誰か!」

「うるせえんだよ! それにこんな遅い時間じゃあもう誰も来ねえよ!!」

 やがてクレッシェ・ソプラのズボンや下着も脱がされ、下部も露わになる。

「へぇ、小さいけど一応ついているんだな」

ぴぃん

 男子生徒の一人がでこぴんでクレッシェ・ソプラの性器をはじいた。

「きゃん!」

 クレッシェ・ソプラの甘い声に男子生徒達の欲望が一気に爆発した。彼らはすぐに自身の固くなった性器を露わにする。

「いやぁ……」

 その時が寸前に迫っていると分かり、クレッシェ・ソプラは絶望した。

「おい、誰も来ないとかぬかしていたようだが、来てやったぞ」

 唐突に発された低音の声に場の空気が変わった。一人の男子生徒が教室に入ってきたのだ。

「そいつを速やかに離せ。そうすればお前らに対して何もしない」

 その男子生徒の名前はノクターン・ベース。180cm近くはある長身、クールな低音ボイス、その容姿は一匹狼の雰囲気を漂わせるクールさがある。男子生徒達が彼の顔を見て焦りの表情を見せる。
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