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第41話 そして世界は──
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「え、うん」
「ハァ、タツミは今回の主旨を全く理解していない。ヒカリ言ってやって」
なぜかアンナにまで呆れられた。
「えっ、私ですかっ? えぇと、みんなで選ぶのを楽しむ、ですか?」
「はいっ、お姉ちゃん正解っ! そうだよっ! お兄ちゃんだけ一人で選ぶのはダメですっ! 分かったら戻して!」
「……まぁ、いいけど」
値段と無難さだけで選んだ水着のため惜しくもない。茜の機嫌を損ねる前に言われた通り水着を元のラックに戻す。
「んじゃ、頼む?」
内心どんな水着にされるか不安だが、茜と一ノ瀬さんはまぁ、そこまで突拍子もないものは選ばないだろう。言い換えればアンナにのみ不安は集中している。
「んー、お兄ちゃんは雰囲気が少しでも明るくなるようにオレンジ系かなぁ」
暗い兄で悪かったな。
「辰巳君は落ち着いた色合いのちょっと大人っぽい感じがいいと思いますけど」
一ノ瀬さんは流石だな。だが、できれば、できればもう少し安いヤツがいい。
「ブーメラン、ブーメラン」
「アンナ、良かったよ。お前が期待を裏切らないヤツで」
「?」
結局、協議の末、俺の水着はそこそこなお値段の白地に薄く柄が付いてるハーフパンツになった。普段あまり白のパンツとか履かないので少し新鮮だ。
「じゃあ、次は茜たちの番だねっ!!」
「ん。ビーチの男どもを悩殺する」
チミッ子たちが気合を入れていた。だが、世の中は物騒なものでこういう体型だからこそ良いと言う輩がいるのも事実だ。あと、プールだからビーチはない。
「では、辰巳君選び終えたらラインしますね」
「了解。ゆっくりどうぞ。あ、アンナと茜の分は親父から小遣い貰ってるから俺が払うから」
三人はこれからお互いの水着を選び合うわけだが、一ノ瀬さんがいればまぁおかしなことにはならないだろう。改めて俺は一ノ瀬さんのことを信頼しているんだなと認識できた。
「のんのんっ。お兄ちゃんには茜たちの水着を選ぶ仕事が残ってるよ!!」
「タツミ、悩殺できるヤツお願い」
「「え……」」
俺と一ノ瀬さんは顔を見合わせて困惑する。まさかの俺も水着選びに参戦? いや別に茜とアンナに関しては問題ない。だが、一ノ瀬さんの水着となると、微妙じゃないか? そう思い、一瞬思案する。
「あー、とりあえず茜とアンナのは選ぶわ。ついてこい」
名案を思い付いた。俺の水着選びに乗り気なのは茜とアンナだ。つまり作戦はこう。俺が茜とアンナの水着(しかもお値段を考慮して)を選んでいる間に一ノ瀬さんは自分で決めて買ってしまえ、という実にシンプルかつナイスな作戦だ。
俺は一ノ瀬さんに目で合図を出して、コクリと頷いたのを確認してから二人を連れて水着売り場の子供コーナーへと足を向けた。
「お兄ちゃん、茜ビキニがいーいー!!」
「おニイちゃん、私もビキニがいーいー。むしろ紐。紐がいい」
「黙れアホども。よし、コレとコレだ」
「「えー」」
二人にはフリフリのついた一応セパレート型の水着を渡す。上はTシャツのような形で、下はスカートみたいになっているから、肌の露出は少なく、年齢相応に可愛らしくベストチョイスと言えよう。アンナには黒地の柄物、茜には白とピンクのいかにも女の子向けのヤツだ。
「「ぶーぶー」」
二人はもっと大人っぽいのがいいだの、悩殺できないだのやかましい。結局最後は肩だけ出してもいいという妥協案に着地し、水着を購入した。
「ハァ、よし、これだけ時間が掛かれば一ノ瀬さんも決めてるだろう」
「はい、決めました」
「うわっ、ビックリした。でも良かった」
二人の水着を買いにレジに並んでたら一ノ瀬さんが隣に立っていた。
「で、もう買ったの?」
「? いえ?」
「? 決めたって」
「えぇ。ですから、辰巳君に水着を選んでもらう覚悟を……」
「マジかよ……」
俺のアイコンタクトはどうやらきちんと伝わっていなかったようだ。あの時の真剣な表情での頷きは『茜とアンナのを選んだ後は一ノ瀬さんだから覚悟しておけよ?』『はい』のやり取りだったらしい。
「確認だけど、一ノ瀬さんの俺が選んでもいいの?」
「えと……、実は私、学校以外のプールって初めてで、私用の水着も買ったことがなく、ちょっと不安なので……」
そうだったのか。まさか、人生初のプール遊びと水着購入を友人の妹の罰ゲームで体験するとは思わなかっただろうな。
「そういうことなら、まぁ……」
「その、変なことに付き合わせてしまって申し訳ありません」
「いや、こっちのセリフだから。まぁ、俺が手伝うと大体無難なのになっちゃうけどいい?」
「むしろ、無難にしたいので助かります……」
一ノ瀬さんはチラリと茜とアンナの方を見た。なんかやたらセクシーな水着を指さして盛り上がってる。まさか、あんな着水しただけで全部流されていきそうな水着を一ノ瀬さんに着せる気なのか? 一ノ瀬さんを社会的に殺す気か……?
「……よし。任せろ」
「うぅ、ありがとうございます」
俺は一ノ瀬さんの心中を察し、必ずやプールで注目されず無難に過ごせる水着をゲットすることを誓い、二人の元へと合流する。
「ほれ、買ったぞー。失くすなよー」
「わーい、お兄ちゃんありがとう!」
「タツミ、べ、別に買ってほしいなんて、一言も言ってないんだからね」
「じゃあ返品してくるわー」
「嘘。買ってほしかった。タツミありがとう」
「うむ。素直が一番だ。さて、じゃあ次は一ノ瀬さんの水着だな、俺選んでいいか?」
「え。お兄ちゃんちゃんと選べるの? お姉ちゃんのだよ?」
「タツミもオトコノコだもんね。ヒカリに自分好みのエッチなの選びたいよね。いいよ」
「……あぁ、さんきゅ。大丈夫だと思う。じゃあちょっと見てくる」
妹とアンナからは最後まで散々に言われたが、これで水着選びもなんとか──。
「……んー、こんなのはどう?」
「良いと思います……。じゃあ辰巳君一緒に試着室に──」
「え?」
一ノ瀬さんは水着を持ってる俺ごと掴んで、いそいそと試着室へ──。
「着替え方分からないので手伝って下さいませんか?」
「は? え、いやいやいや。普通に考えておか──」
「何もおかしいことなんてないと思いますけど?」
そう言うと、一ノ瀬さんは大胆に服を脱ぎ始めたので、
「ちょ、これは何の悪ふざけ──」
俺はギュッと目をつぶり──。
「──ちゃ……ん、──お兄ちゃんっ!!」
「ハッ!?」
ガバリと起きる。
「お兄ちゃん、もう夕飯の時間だよ? 起きて?」
「…………家? 茜? あれ、一ノ瀬さん……、アンナは?」
「? 誰それ?」
夕焼けが差し込むリビングは間違いなく自宅だ。そこにいるのは俺と茜と親父だけだ。
(あぁ、また世界は──したのか)
「おい、辰巳。具合が悪いのなら無理せず部屋で休め。明日は入学式だろ?」
「あぁ、いや、大丈夫。なんか長い夢を見てたみたいで……」
(あれ? どんな夢だっけ……? それに世界がなんとか、って考えていたような? あれ? さっき誰の名前を呼んだ? 忘れちゃいけない人たちだったような……)
頭の中からスゥーっと、何かが零れ落ちていく。それは初めて体験するような、でも何度も経験してきたことのような。
「茜、今俺誰の名前言った?」
「え? んーと……、あれ誰だっけ?」
◇
「ハァ……。今回は出逢うのも早かったし、順調だと思ったんだけどなぁ。さて、今回の報酬は──っと、神獣解放か。これでまた少し人類の可能性は広がるね。さぁ、何度でも繰り返そう。世界のことは頼んだよ。辰巳君、……ヒカリ」
「ハァ、タツミは今回の主旨を全く理解していない。ヒカリ言ってやって」
なぜかアンナにまで呆れられた。
「えっ、私ですかっ? えぇと、みんなで選ぶのを楽しむ、ですか?」
「はいっ、お姉ちゃん正解っ! そうだよっ! お兄ちゃんだけ一人で選ぶのはダメですっ! 分かったら戻して!」
「……まぁ、いいけど」
値段と無難さだけで選んだ水着のため惜しくもない。茜の機嫌を損ねる前に言われた通り水着を元のラックに戻す。
「んじゃ、頼む?」
内心どんな水着にされるか不安だが、茜と一ノ瀬さんはまぁ、そこまで突拍子もないものは選ばないだろう。言い換えればアンナにのみ不安は集中している。
「んー、お兄ちゃんは雰囲気が少しでも明るくなるようにオレンジ系かなぁ」
暗い兄で悪かったな。
「辰巳君は落ち着いた色合いのちょっと大人っぽい感じがいいと思いますけど」
一ノ瀬さんは流石だな。だが、できれば、できればもう少し安いヤツがいい。
「ブーメラン、ブーメラン」
「アンナ、良かったよ。お前が期待を裏切らないヤツで」
「?」
結局、協議の末、俺の水着はそこそこなお値段の白地に薄く柄が付いてるハーフパンツになった。普段あまり白のパンツとか履かないので少し新鮮だ。
「じゃあ、次は茜たちの番だねっ!!」
「ん。ビーチの男どもを悩殺する」
チミッ子たちが気合を入れていた。だが、世の中は物騒なものでこういう体型だからこそ良いと言う輩がいるのも事実だ。あと、プールだからビーチはない。
「では、辰巳君選び終えたらラインしますね」
「了解。ゆっくりどうぞ。あ、アンナと茜の分は親父から小遣い貰ってるから俺が払うから」
三人はこれからお互いの水着を選び合うわけだが、一ノ瀬さんがいればまぁおかしなことにはならないだろう。改めて俺は一ノ瀬さんのことを信頼しているんだなと認識できた。
「のんのんっ。お兄ちゃんには茜たちの水着を選ぶ仕事が残ってるよ!!」
「タツミ、悩殺できるヤツお願い」
「「え……」」
俺と一ノ瀬さんは顔を見合わせて困惑する。まさかの俺も水着選びに参戦? いや別に茜とアンナに関しては問題ない。だが、一ノ瀬さんの水着となると、微妙じゃないか? そう思い、一瞬思案する。
「あー、とりあえず茜とアンナのは選ぶわ。ついてこい」
名案を思い付いた。俺の水着選びに乗り気なのは茜とアンナだ。つまり作戦はこう。俺が茜とアンナの水着(しかもお値段を考慮して)を選んでいる間に一ノ瀬さんは自分で決めて買ってしまえ、という実にシンプルかつナイスな作戦だ。
俺は一ノ瀬さんに目で合図を出して、コクリと頷いたのを確認してから二人を連れて水着売り場の子供コーナーへと足を向けた。
「お兄ちゃん、茜ビキニがいーいー!!」
「おニイちゃん、私もビキニがいーいー。むしろ紐。紐がいい」
「黙れアホども。よし、コレとコレだ」
「「えー」」
二人にはフリフリのついた一応セパレート型の水着を渡す。上はTシャツのような形で、下はスカートみたいになっているから、肌の露出は少なく、年齢相応に可愛らしくベストチョイスと言えよう。アンナには黒地の柄物、茜には白とピンクのいかにも女の子向けのヤツだ。
「「ぶーぶー」」
二人はもっと大人っぽいのがいいだの、悩殺できないだのやかましい。結局最後は肩だけ出してもいいという妥協案に着地し、水着を購入した。
「ハァ、よし、これだけ時間が掛かれば一ノ瀬さんも決めてるだろう」
「はい、決めました」
「うわっ、ビックリした。でも良かった」
二人の水着を買いにレジに並んでたら一ノ瀬さんが隣に立っていた。
「で、もう買ったの?」
「? いえ?」
「? 決めたって」
「えぇ。ですから、辰巳君に水着を選んでもらう覚悟を……」
「マジかよ……」
俺のアイコンタクトはどうやらきちんと伝わっていなかったようだ。あの時の真剣な表情での頷きは『茜とアンナのを選んだ後は一ノ瀬さんだから覚悟しておけよ?』『はい』のやり取りだったらしい。
「確認だけど、一ノ瀬さんの俺が選んでもいいの?」
「えと……、実は私、学校以外のプールって初めてで、私用の水着も買ったことがなく、ちょっと不安なので……」
そうだったのか。まさか、人生初のプール遊びと水着購入を友人の妹の罰ゲームで体験するとは思わなかっただろうな。
「そういうことなら、まぁ……」
「その、変なことに付き合わせてしまって申し訳ありません」
「いや、こっちのセリフだから。まぁ、俺が手伝うと大体無難なのになっちゃうけどいい?」
「むしろ、無難にしたいので助かります……」
一ノ瀬さんはチラリと茜とアンナの方を見た。なんかやたらセクシーな水着を指さして盛り上がってる。まさか、あんな着水しただけで全部流されていきそうな水着を一ノ瀬さんに着せる気なのか? 一ノ瀬さんを社会的に殺す気か……?
「……よし。任せろ」
「うぅ、ありがとうございます」
俺は一ノ瀬さんの心中を察し、必ずやプールで注目されず無難に過ごせる水着をゲットすることを誓い、二人の元へと合流する。
「ほれ、買ったぞー。失くすなよー」
「わーい、お兄ちゃんありがとう!」
「タツミ、べ、別に買ってほしいなんて、一言も言ってないんだからね」
「じゃあ返品してくるわー」
「嘘。買ってほしかった。タツミありがとう」
「うむ。素直が一番だ。さて、じゃあ次は一ノ瀬さんの水着だな、俺選んでいいか?」
「え。お兄ちゃんちゃんと選べるの? お姉ちゃんのだよ?」
「タツミもオトコノコだもんね。ヒカリに自分好みのエッチなの選びたいよね。いいよ」
「……あぁ、さんきゅ。大丈夫だと思う。じゃあちょっと見てくる」
妹とアンナからは最後まで散々に言われたが、これで水着選びもなんとか──。
「……んー、こんなのはどう?」
「良いと思います……。じゃあ辰巳君一緒に試着室に──」
「え?」
一ノ瀬さんは水着を持ってる俺ごと掴んで、いそいそと試着室へ──。
「着替え方分からないので手伝って下さいませんか?」
「は? え、いやいやいや。普通に考えておか──」
「何もおかしいことなんてないと思いますけど?」
そう言うと、一ノ瀬さんは大胆に服を脱ぎ始めたので、
「ちょ、これは何の悪ふざけ──」
俺はギュッと目をつぶり──。
「──ちゃ……ん、──お兄ちゃんっ!!」
「ハッ!?」
ガバリと起きる。
「お兄ちゃん、もう夕飯の時間だよ? 起きて?」
「…………家? 茜? あれ、一ノ瀬さん……、アンナは?」
「? 誰それ?」
夕焼けが差し込むリビングは間違いなく自宅だ。そこにいるのは俺と茜と親父だけだ。
(あぁ、また世界は──したのか)
「おい、辰巳。具合が悪いのなら無理せず部屋で休め。明日は入学式だろ?」
「あぁ、いや、大丈夫。なんか長い夢を見てたみたいで……」
(あれ? どんな夢だっけ……? それに世界がなんとか、って考えていたような? あれ? さっき誰の名前を呼んだ? 忘れちゃいけない人たちだったような……)
頭の中からスゥーっと、何かが零れ落ちていく。それは初めて体験するような、でも何度も経験してきたことのような。
「茜、今俺誰の名前言った?」
「え? んーと……、あれ誰だっけ?」
◇
「ハァ……。今回は出逢うのも早かったし、順調だと思ったんだけどなぁ。さて、今回の報酬は──っと、神獣解放か。これでまた少し人類の可能性は広がるね。さぁ、何度でも繰り返そう。世界のことは頼んだよ。辰巳君、……ヒカリ」
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