傷を舐め合うJK日常百合物語

八澤

文字の大きさ
上 下
55 / 79

◆ 轟くインフィニット・メッセージ 02 ◇

しおりを挟む
◆◇◆◇
──体が締まる。
──なんか体を締め付けられると強い恐怖を感じるんですけど。
──下のサクラの心理描写は三回目ほど繰り返しております。
◆◇◆◇


【レイ可愛い……。
 レイの髪が可愛い……。
 レイの瞳が可愛い……。
 レイの鼻が可愛い……。
 レイの唇が可愛い……。
 レイの顔が大好き。
 レイの首が細くて私は自分の鼻を擦り付けるのが好き──。
 レイの首元に浮き出た鎖骨のラインが魅力的。
 膨らんで柔らかくてタプタプフヨフヨででも芯のある弾力を持つレイのおっぱいが大好き。
 レイの細い筋肉を纏う肩が美しい。
 レイの引き締まった二の腕がたくましい。
 レイの細い手首を握りたい。
 レイの綺麗な指先が好き。
 細くて、
 長くて、
 にゅるにゅると蠢いて、すぐ私の手を握る。
 傷を、
 刺してくる。
 痛い、けど気持ち良い……。
 レイの腹筋が少し浮き出るお腹はギャップがある。
 レイの鼠径部のラインは眩しい。
 レイの張りのある健康的な太腿に挟まれたい。
 レイの尖った膝に貫かれたい。
 レイの「H」マークを描く膝裏がなんか擦りたい。
 レイの力を入れると鋭利に膨らむ脹脛が格好良い。
 レイの丸い踝が愛らしい。
 レイの小さな足が可愛い。
 ……あっ、レイの耳について語るのを忘れていたわ。もちろんレイの柔らかい耳も好き。レイの顔を構成するパーツの一つ一つが完璧で、そして寸分の狂いもなく奇跡的にレイの可愛い過ぎる表情を作っている。……もう一度最初から──レイの(略)可愛い!

 レイの声が好き。
   ──ずっと「サクラ!」と私の耳元で名前を呼んで欲しい。レイの声を浴びたい。レイの喉が生み出す音の振動を浴びていたい。あまりにレイの声が好きで大好きな声色で呼んでくれるからもうサクラという名前で良かった、と自分でもよくわからない気分になる。
 レイの匂いが好き。
   ──レイの香りがする香水を販売して欲しい。願いが一つ叶うのであれば、それが欲しいわ。
 レイの体温が好き。
   ──私よりも僅かに低くてひんやりとする感触が好き。ぎゅっと抱きしめると又は抱きしめて貰うとレイの温度が全身に広がって幸せ……。

 レ
 イ
 の
 ぴ
 り
 ぴ
 り
 す
 る
 感
 触
 が好き。──まるで私に触れることで電気がびりっと流れて、私の思考を全て読み取っているのかもしれない。

 だって……。
 全部、
 何もかも、
 レイは

 知ってる──


 ふふふ




 ねぇ


 レイ
 これも……実はまるっと全て聞こえちゃっているのかしら?
 レイ~~~
 いつもお見通しって顔しちゃってさ……。
 レイッ!
 実は起きているんでしょ? 私も実はなんとなくわかってるんだから。
 レイ……

 でも起きないで。
 
 全部知ってても、何も知らないフリして。

 私も
 私もね、なんかまだわからないの。
 色々と……。
   →レイのことが好きとか。
 
 レイ……。
 でもね、この前二人で一緒に行った水族館二日目は最高に楽しかった。
 一秒たりともつまらないと感じなかった。
 手を繋いだ瞬間にそれがわかった。ポワン、と手に熱が灯ったわ。お土産コーナーで購入した限定くまたんを見るたびに思い出す。
 ただ、あの時は、
 あなたに手を繋がれると、私の全てを捧げてるみたいで、怖かった。
 けど、それでレイが満足するなら、レイの望む通りにするわ。
 ふふふ、ホント私は何を考えてるんだか……。レイが察しているかもしれないけど、私の思考なんか読めるはずがないって──。

 ふぅ、
 でも本当にレイは可愛いのか、やっぱり疑問に思っちゃう。私の中でハードルを上げすぎてしまい、実はそこまで……なんて怖いことを考えてしまう。
 だからこうして私は五感でレイを再度認識する必要があるのよ。
 
 レイ可愛い……。
 トクントクンと一定のリズムで刻むレイの心音が好き。
 レイの体内を流れる血液の流れを感じるのが好き。
 レイの髪の一本一本が光に当たると光の輪郭を纏ってキラキラと輝くのが好き。
 レイの心臓が、
 レイの体内の、
 レイの……
 レイの細胞の一つ一つ、レイを構成する成分の一つ一つが筆舌に尽くし難いほど愛らしくて、私はレイ大好き──】

 ダラダラ混濁した意識を私にぶつけてくるから困っちゃうよ。
 やれやれ。
 まぁサクラの心理描写にも慣れたよ。例えるなら秋の夜に鈴虫の音を聴くような感じで、眠れなくなるわけじゃないんだ。それでも今日、私の頭はとてもハッキリとしていた。眠気が混ざりながらもしつこく私を愛でるサクラの感情がガンガンと頭の中で響き渡る。

 サクラは私を離してくれない。
 まだ体が熱くなっている。
 ……コイツは私が目の間にいるってのに、何をしているんだか……。別にね、それに関しては実はどうでもいいよ。私のこと嫌ってるとか、愛しすぎて頭おかしくなって腕に噛み付いたりしない限りは許すよ。けどまぁもうせめて自宅で一人の時にして欲しいかなぁ……と。もうちょっと自重してください。

 さて……。
 サクラはまだまだ私にしがみついてる。
 幸せそうに。
 私の感触を堪能しながら幸福感に浸っている。気づかれない? って不安にならんのかい? そういう恐怖も塗りつぶしちゃうほど私が好きなの?
 複雑な感情を抱きながら……そんな複雑じゃないかな、まぁ色々思いながら、内心溜息をつく。 
 サクラとは異なる疼く感覚を私は覚えていた。
 ドクンドクンって脈に乗って私の中に広がっていく──。
 私もようやくどうしてこんなにも意識が鮮明なのか、その理由がわかってきた。

 ……おしっこ行きたい。

 なんかこれがもしもネットとかに挙げられてる小説とかだったら読書の方々はまたか、コイツまたおしっこネタなのかってメタっぽいこと思うかもしれないが……私もそれ思ってるし。けどね、私だって困る。ってか尿ってキャラじゃないし! ってかもう、サクラさん、はぁはぁしながら私にしがみついてこないで……。

 前みたいに寝ぼけて私にしがみついてくるよりはマシだけど、う~~~ん、この状況も困るんですけどね。そろそろ終わる……かな?

【はぁ……レイ可愛い……。あと30分はこうしてぎゅってしたい。いや、今日は一晩中レイを眺めましょうそうしましょうヒヒヒヒo(〃^▽^〃)o】

 そんなに……。長いよ~。
 明日は休みだけど、だからっていつまでもこうして抱き合ってるわけにはいかないでしょ。
 あぁ……意識しちゃったら余計に尿意を感じてきた。
 どうしよどうしよどうしよう……。

 サクラを押しのけるか……。楽しんでるとこと悪いけどさ。このままだとまた漏らしちゃうもん。ってかアレもサクラが原因なんだから。
 けど、タイミングが重要だ。
 如何に眠っていたけどおしっこ行きたくて起きましたよ~あなたが私の隣で何かしていたなんて一ミリも存じ上げておりません、って感じで──。
 
 よし……。
 行くぞぉ──。

「ん……」

 まず声を上げる。ちょっと大きめで、サクラの耳に届くように。その瞬間サクラの感情が全て消え去る。まるで音の消えたビジュアライザーみたいに反応が消えた。【……起きた?】続いてサクラの肝が冷える感覚が私にブルブルと伝わってくる。まるで……(比喩めんどい)……そう、スマホのバイブみたいな。

「ふぁぁ……」

 私は欠伸をしながらゆっくりと上半身を持ち上げる。「サクラ~起きとる~」とサクラの素肌を掴んで揺らす。【起きちゃった起きちゃった!】ってなんか喚いている。

「寝てる……か」

 サクラは見てる私が不安になるほどドクンドクンって震えてる。おい、寝たふりをもうちょっと頑張ってよぉ……。腋やお腹を弄ったら多分ケラケラ笑いながら起きちゃうと思う。イタズラしよっかな~。いや、余計なことはやめよ。私はスマホを見つけると、そのライトを頼りにトイレに向かった。

    ◆◇◆◇

 戻ると、サクラはさっきの姿勢から全く動いていなかった。
 すーはー、と一定の感覚で呼吸してるけど、隣に入り、そっと体に触れると【レイが戻ってきたわ!】と喜んでる。無意識じゃないね。【レイの匂いでわかる──】と気持ち悪いこと考えてるから。

 そのままサクラに絡みつく。また私のおっぱいで圧迫してやろうか。けど、今度は私がサクラの胸元に顔を埋めることにした。むわっと、サクラの匂いが鼻につく。毎日嗅ぐ匂い、私もサクラの匂いは、好きだよ。けど、こうしてぎゅっと抱きついて、濃厚なサクラ臭に浸かっていると、頭がクラクラする。私よりも小ぶりのおっぱいだけど、こうして顔を埋めるには丁度良いサイズだ。

【レイ~~~~】

 サクラの体が温いお布団みたいに広がって、私を包んでる。
 暖かい……。
 けど、このまま覆い尽くされてサクラの体内に吸収されそうな感じで少し怖いかも。
 自分のアホな妄想で笑いそうになりながら、すりすりとサクラの肌に体を擦り付ける。
 サクラのマネ……。
 サクラも色々柔らかい。ポカポカするのも本当。初めは抱きつく理由の一つだったけど、もう今は違うよね。

 私もサクラと同じくなんか安心するから困る。
 トクっ、トクっ、トクっ……って次第に早くなる心音が心地良い……。
 

◆◇◆◇
ep.轟くインフィニット・メッセージ
02

◆◇◆◇
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話

釧路太郎
キャラ文芸
名門零楼館高校はもともと女子高であったのだが、様々な要因で共学になって数年が経つ。 文武両道を掲げる零楼館高校はスポーツ分野だけではなく進学実績も全国レベルで見ても上位に食い込んでいるのであった。 そんな零楼館高校の歴史において今まで誰一人として選ばれたことのない“特別指名推薦”に選ばれたのが工藤珠希なのである。 工藤珠希は身長こそ平均を超えていたが、運動や学力はいたって平均クラスであり性格の良さはあるものの特筆すべき才能も無いように見られていた。 むしろ、彼女の幼馴染である工藤太郎は様々な部活の助っ人として活躍し、中学生でありながら様々な競技のプロ団体からスカウトが来るほどであった。更に、学力面においても優秀であり国内のみならず海外への進学も不可能ではないと言われるほどであった。 “特別指名推薦”の話が学校に来た時は誰もが相手を間違えているのではないかと疑ったほどであったが、零楼館高校関係者は工藤珠希で間違いないという。 工藤珠希と工藤太郎は血縁関係はなく、複雑な家庭環境であった工藤太郎が幼いころに両親を亡くしたこともあって彼は工藤家の養子として迎えられていた。 兄妹同然に育った二人ではあったが、お互いが相手の事を守ろうとする良き関係であり、恋人ではないがそれ以上に信頼しあっている。二人の関係性は苗字が同じという事もあって夫婦と揶揄されることも多々あったのだ。 工藤太郎は県外にあるスポーツ名門校からの推薦も来ていてほぼ内定していたのだが、工藤珠希が零楼館高校に入学することを決めたことを受けて彼も零楼館高校を受験することとなった。 スポーツ分野でも名をはせている零楼館高校に工藤太郎が入学すること自体は何の違和感もないのだが、本来入学する予定であった高校関係者は落胆の声をあげていたのだ。だが、彼の出自も相まって彼の意志を否定する者は誰もいなかったのである。 二人が入学する零楼館高校には外に出ていない秘密があるのだ。 零楼館高校に通う生徒のみならず、教員職員運営者の多くがサキュバスでありそのサキュバスも一般的に知られているサキュバスと違い女性を対象とした変異種なのである。 かつては“秘密の花園”と呼ばれた零楼館女子高等学校もそういった意味を持っていたのだった。 ちなみに、工藤珠希は工藤太郎の事を好きなのだが、それは誰にも言えない秘密なのである。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」「ノベルバ」「ノベルピア」にも掲載しております。

さくらと遥香(ショートストーリー)

youmery
恋愛
「さくらと遥香」46時間TV編で両想いになり、周りには内緒で付き合い始めたさくちゃんとかっきー。 その後のメインストーリーとはあまり関係してこない、単発で読めるショートストーリー集です。 ※さくちゃん目線です。 ※さくちゃんとかっきーは周りに内緒で付き合っています。メンバーにも事務所にも秘密にしています。 ※メインストーリーの長編「さくらと遥香」を未読でも楽しめますが、46時間TV編だけでも読んでからお読みいただくことをおすすめします。 ※ショートストーリーはpixivでもほぼ同内容で公開中です。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

乙男女じぇねれーしょん

ムラハチ
青春
 見知らぬ街でセーラー服を着るはめになったほぼニートのおじさんが、『乙男女《おつとめ》じぇねれーしょん』というアイドルグループに加入し、神戸を舞台に事件に巻き込まれながらトップアイドルを目指す青春群像劇! 怪しいおじさん達の周りで巻き起こる少女誘拐事件、そして消えた3億円の行方は……。 小説家になろうは現在休止中。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)

チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。 主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。 ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。 しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。 その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。 「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」 これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

将棋部の眼鏡美少女を抱いた

junk
青春
将棋部の青春恋愛ストーリーです

処理中です...