傷を舐め合うJK日常百合物語

八澤

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癒し、レイのおっぱいの柔らかさ 02

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 ──い、いつもみたいにクンクン……。

「言ってる意味がわからないんだけど」動揺が声に出ないよう精一杯力を込めて言う。
「えぇ、だって泊まる時は夜中にくっついてくるじゃん。ってか声が震えてるゾ」
「震えてない。それに……くっつくのは偶然でしょ。一緒のベッドに寝てるんだし」
「……ふふ、あっそ。じゃあサクラがそう答えるのなら、そういうことにしておきましょう、かな!」

 レイは勝ち誇った笑みを浮かべた。
 ドキ……ドキ……と私の心臓が嫌な心音を響かせる。じわりと背中に汗が滲むのがわかる。確かにレイと一緒に寝る時は、その……レイが眠っていることを確認して抱きついてしまうことが(多々)ある。レイは柔らかいし可愛くて思わず抱きしめたい欲求に駆られるの。その本能的な何かに私は抗うことができない。そして匂いも……。
 クンクンなんかしてないわ。
 ただ近くで呼吸するだけ。
 レイの空気が私の中に入り込むような感覚が……なんか心地よくて。

「サクラ……」
「な、何?」
「ま~た変なこと考えてるよね? わかるんだから」
「そうね……はい、そうかも。で、もう十分堪能したから……レイの胸はとっても柔らかいわ、とても……あっ!」むにゃ──

 うぎゃぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁああああああああああああああ!

「なになに、なるほど! もっとレイのおっぱいに顔を埋めたいわ! って顔に書いてる」
「全然、そんなことないから……んん!」ぐにゃ──

 ひぃぃいいいぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!

「黙ってもわかるよぉ~。内心叫んでるでしょ」
「は、はぁ!?」
「ほら、こうして……ぐりぐり」
「ふ……むっ……うっ」

 ぐぎゃぁぁぁぁあああああああああああああぁぁぁぁああああ!!!

 まるで衝撃みたいな絶叫が頭の中で響き渡る。
 なんて心地よさなの……。
 重みを伴いながら、むにゅぅっと潰れる不思議な圧力に私はタジタジだった。我慢しようとしても、レイの胸の温かみや弾力に包まれると何か箍が外れるようなショックが止まらない。

 私の反応がいちいち面白いらしく、レイは目を光らせて私を観察しながら何度も何度も胸を押し付けてくる。
 その度に衝撃のような絶叫が私の中で響き渡る。
 圧迫を繰り返され、何度も衝撃が響き渡り、次第に私は抵抗することなくレイの胸を受け入れていた。顔に触れるたびにトロトロした甘ったるい幸福感に包まれる。はぁぁぁ……レイのおっぱい最高。

 ぐにゅぅぅぅ
 ぐにゅぅぅぅ
 ぐにゅぅぅぅ~~~~~!!!!

「あれ、何か反応しなくなっちゃった? ほれほれ~」
「慣れた……慣れました……」
「ホントかなぁ? じゃあ今度はさ、思いっきりはぎゅ~ってしていい?」

 思いっきり?
 ってことは、今までは手加減して圧迫してきたの?
 頭部を囲まれるように抱きかかえられ、僅かに胸が頬に触れる。
 トクン……トクン……と微かに触れる振動が感じられる。
 ゴクリ、と唾を飲み込んだ。
 逃げられないじゃない。
 むしろ、私は自ら顔を差し出すようにレイの胸に──。

「レイ……ダメ……」
「ふふふふ……行くよ、サクラ。覚悟はいい?」
「まだ……まだだから」

 すぅぅ……とレイは大きく息を吸った。
 レイの胸が更に一回り大きくなるように膨らむ──。
 あっ……あっ……あっ──。
 ぎゅっと顔を締められる。
 柔らかくて温かいレイの胸で頭部が圧縮される。ふんわりと形が崩れる感覚と、強いレイの匂いに包まれた。
 はぁ……あ……あ……どうしよう気持ちいい気持ちいいきもちいい……。
 ドキン、ドキン……と私の芯に響くようなレイの心音を感じると深呼吸を繰り返してしまう。レイも私の呼吸に合わせて胸を膨らませる。レイの肺に空気が入り込み、胸が広がって更に顔が包まれる。スゥー……はぁぁ……とレイの呼吸に合わせて私も深呼吸を繰り返した。レイの匂いが私の中に入り込む。クンクンしていい……って言われたし、ってそんなのバカにされてるだけなのに、それを言い訳に私は匂いを嗅いでいる。いい匂い。大好きな香り、感触、温度……。あ、あ、あ……。ダメよ、辞めましょう、これ絶対におかしいから! と思うのに辞められない。頭部を掴まれ、更に胸の中に頭部が捕縛される。ってか抵抗しなかった。できない……。もっともっと味わいたい……と願いが私の中に染み出てくる。

 レイの嘲笑う声が響く。
 うぅぅぅ……。
 でも、今はそれも気持ちいいわ……。
 頭の中から全身がとろとろに溶かされていく感覚……。蛇に丸呑みにされる獲物ってこんな感じなのかしら、と思いが過る。
 同い年の……友達の女の子の……私も女性なのに、胸に抱かれて……安心というか、このまま……ずっと……。

「あっ」視界が開けて、思わず声を上げてしまう。レイは胸を持ち上げ、私の顔を観察するように覗き込んでいる。
「あらら、名残惜しいって感じの声出しちゃって。もっとぎゅってされたい?」
「う……」「う?」
「……もう、いい。ありがと。疲れも取れたわ、ホント……」

 胸が離れると急速に意識が回復していくのがわかる。今、私が置かれている現状を客観的に理解し、色々な意味でいけない気がする。理性が早口にそっけない言葉を投げかけて終わらせようとする。でも、レイの言う通り、レイの胸が名残欲しいのは……その通り。もっと、もっと……たくさん……レイにぎゅってされたいってわなわなと全身が震えそうになる。貪欲なレイを求める欲望が胸に圧迫されたことで轟々と蠢いているみたいじゃない。

「そっか……。ふーん、まぁそこまで言うのならもう終了でいい?」
「えぇ」

 レイは立ち上がってベッドから降りると思いきや、そのまま私の隣にごろんと横になった。うねうねと芋虫のように私の顔の前に……胸が来るような位置まで距離を詰める。
 レイの胸は、重力に引かれ、僅かに形が崩れている。

「……何?」
「私もやっぱり疲れたから横になる~」

 視線をレイの顔に向けると、レイは含みを持つ笑みを浮かべる。さらりとした髪がレイの顔を覆うように降り掛かっているけど、その瞳だけはギラギラと輝き、私を見つめている。微笑んでいるけど、まるで睨んでいるかのように──。

「私もサクラの胸に挟んで貰って癒やされようと思ったけど、サクラあまり大きく無いからな」
「……そうよ、自分でやりなさい」
「いや無理でしょ」
「レイなら自分で持ち上げて顔に当てられるわよ」
「そこまで大きくありません!」

 多分首を真下に折り曲げる感じで向けたらできそうじゃない……と考えてるとそっとレイに手を握られた。指が絡まる。

「ん?」
「どうする? 今日このまま泊まる?」
「……そう、ね」
「まぁ、明日休みだもんね~」

 さっきレイに癒やされたけど、体力が回復したわけじゃないので、自宅へ帰るのは億劫だった。……顔にレイの胸を押し当てられ過ぎて、今はいつも以上にレイのことばかり考えてしまう。可愛い顔が一回りも二回りも可愛く感じる。こうして手を握られるだけで手が発火しそうだった。離れることを体が拒否している。レイがこうして……私の目の前に胸を差し出すような格好で挑発しても、それを受け入れてしまうのも余韻が残っているから。私の思いを汲み取るようにスリスリと指を擦られる。常に私の一歩、二歩先を進むように行動するレイに、時々こうして触られていると私の思考を読まれているのでは? と考えてしまう。まぁありえないけどね。もしも全部知られていたら私は──。

「お風呂は後でいいから、ちょっと寝るね。少し経ったら起こして」
「……どうぞ」
「おやすみ」

 そう言ってレイは狸寝入りを始めた。
 すぅすぅ……むにゃむにゃと……とあきらかに私を小馬鹿にする姿を晒す。私は……レイのスカートを捲った。先程私がやられたように……。

「……ん、ん!? うわっ! 人のスカートめくらないでよ! 変態! エロ! スケベオヤジ……いやオヤジじゃないからスケベJK!」

 レイは目をひん剥くようにしながら怒り始めた。

「あんたもさっきやったじゃない」
「あれは友達が女子高校生になっても未だに動物プリントパンツだったらどうしよ……と悩んだ末に及んだの。サクラのレイのパンツ見てやるじゃない~って不埒な考えとは全然違う」
「同じよ。ってか……普通なのね。もっとエロい奴履いてるかと思ったのに」
「ショック? 筆舌にし難い衝撃受けちゃった?」
「はいはいその通り」
「ってかエロいのって何?」プリプリとお尻をくねらせながら聴いてくる。
「ん、なんか殆どお尻丸出しな感じの」「紐パン?」「それとか、もっと紐だけの奴」「流石にまだ女子高生ですし……。あとあの紐が解けたら……と考えると怖くて手が出せない」
「確かに」
「でも……サクラ買ったら教えてね!」
「……買わないし、あんたに伝えたら絶対解かれるから言わない!」
「えぇ、酷い! でも私の考えてることそのまま読まれるとは、やっぱりサクラってエスパーなの?」
「そんな能力無いわ。ってか……あの、寝るんじゃないの?」

 私が問うと「だってサクラ、誘いに乗ってこないんだもん」と口を尖らせる。

「誘い?」
「そ、私が眠った途端にしめしめ……とまたおっぱいに顔を埋めてくる……と」
「しないわよ!」
「ホント? ほらほら……いいんだよ、さっきみたいに嬉しそうに私の胸に顔をくっつけて。……ねぇ、そんなに気持ちよかったの?」
「やらかいだけ」あの感情は上手く言葉で表現できない。もし文章で表す場合は100万文字あっても足らない気がする。
「私がぎゅって抱きしめるたびに私の指をぎゅぅぅぅ! って握ってきて、こうして」

 指をぎゅぅっと握りしめる。
 確かに、無意識の内に握っていたのかもしれない。
 レイはそんな私を見て鼻で笑った。羞恥心が湧くけど、同時にレイの胸の柔らかさを思い出してドキッ! と心臓が期待で跳ね上がる。何考えてるのよ! と自分を諌めようとするけど止まらない……。

「ほらほら……いいよ、サクラ……」
「どうしてそんなに埋めたがるの」
「ふふっ、だってぎゅってするとビクビク震えて面白いんだもん。あ、すっごく堪能してるんだな、って私まで楽しくなっちゃう」

 握っていないもう片方の腕が伸び、私の頭部を撫ですりすりと擦れながら耳、頬、顎を擽ってくる。私はその愛撫のような手付きに耐えながらレイを睨むと、レイは「ん?」と小首をかしげるようにニヤッと笑みを浮かべた。……可愛い。もう一年近くレイと一緒に過ごしてもレイの可愛さに毎回驚く。可愛さは暴力、と最近知った。レイの可愛さでドカン! と頭を殴られると、理性が薄れる。抑えられない……。レイはそれを見据えて私を挑発する。一通り撫でられると、私の中の箍が一つ、二つ……と外されたような感覚を覚えた。

「ねぇ……まだ疲れてるんでしょ?」

 レイは殆ど聴こえないくらいの声量で囁いた。乾燥した空気を僅かに震わす感じなのに、私の耳にべっとりと張り付くように残った。私は頷きもせず、肯定も否定もしないで黙ってると、レイは更に私との距離を詰める。
 私の鼻の先に、レイの胸がある。あの……脳がとろりと溶かされるような快楽が私の中でブクブクと込み上げてくる。また、また……あの心地よさ、幸福な一時を味わいたい──。
 レイがさっきみたいに私の頭部をぎゅっと押さえ込み、胸に押し込んできたら私は……それにまた抗えずに柔らかさを堪能できるのに、何故か今は手を握るだけ。
 最後の一線を、今度は自分で乗り越えてね、と唆すように……。

「別に女の子が女の子の胸触るのって……ね、嫌がられるならともかく私は大丈夫……。クラスの子でも大きい子は揉まれたりしてるし──」
「何が言いたいのよ」
「サクラが自分から顔押し付けてくるの見てみたいなー」
「もう、毎度変なことさせないで」
「だってなんか不公平じゃん。いつも寝てる時に触られて、……何か胸に感触が……あ! サクラだ! って気づくんだよ」
「いつもって……だから、偶然よ」
「それにしては数が多すぎる」
「……触れるのが、不快だったら……二度と」「ホント、もう辞めてもらいたい」

 冷気のような声だった。
 刹那、キーンと耳鳴りのような恐怖が私の中に広がる。そりゃ……まぁ、そうね、そうに決まって。私だって突然体触れられたらイヤ。胸とか関係無く、体のどこでも……イヤに、決まってる。「なんちゃって……」

 私の指を握る力が僅かに弱まり、でも次の瞬間、傷跡を刺されるようにレイの指が掴む。痛みは感じない。けど、私の神経を直に擦られるようで、地響きのような快感と緊張が私に押し寄せる。

「ウソウソ気にしてません。ふふ……や、そんな驚かんでもよくない? 私が驚くよ」
「ごめん──」
「って思うのなら、さぁ……触っちゃいなさい!」「いや、全く話繋がってないし!」「触ったら許してあげることにしよう。うんそうだね、これも言い訳にしちゃえば?」

 ──言い訳。
 その言葉はいつも私がレイにすり寄る時に浮かべる言葉。どうして知ってるの? ともうここまで来ると焦りよりも諦めた感じになる。

 いや、どうして自分からレイの胸に顔をツッコむのよ! 普通考えなくてもおかしいってわかるでしょ。だって同性で友達で親友の女の子──まだ、私が男性とかで、胸が大好き! という性癖? とかだったらわかる。けど私は女性で、そうなの親友なのよ。乗り越えちゃいけない気がする。さっきまではレイがふざけるような感じだったけど、今は……試されてる?
 私が、何をするのか。
 私が、レイに何を抱いているのか──。
 それを……探ろうとしている? ……もう全部レイには悟られている気がするのに、私はこの期に及んでまだ……躊躇している。
 何を、躊躇しているの?
 自分でもわからない。言語化できないモヤモヤした感覚。ただその何かをレイはゆっくりと手繰り寄せるように私の傷跡をなぞっている。グサッ! と爪を差し込まれ、グリグリと穿る。その瞬間、どぷっと血液が零れるように、私は……。

「ふふ……ふふっ……あっはははは……。やーん、なるほどねぇ、そんな感じで来るんだ。あ、駄目逃さない。捕まえた。なんか……あれだね、私今チョウチンアンコウになった気分。ほら頭の上で光る餌? をゆらゆら動かして、獲物が罠にかかるのを待つ感じ──。サクラもこうして……ふふ、動かなくなっちゃった……。そうそう……好きなだけ呼吸していいから。疲れてるんだもんね! そうだよねぇ、仕方ないよね~こんな密着してるんだからさ、私の匂い嗅ぎまくり。大丈夫大丈夫、軽蔑したり拒絶もしないから。だってサクラ可愛いし──私も、サクラのこと大好きだから」


//終
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