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金木犀

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「おじゃましまーす」

幾度となくきた駿介の家に上がると、たった3日間だったとはいえ随分と久しぶりに訪れる気がした

「欲しがりな俺のパートナーがバスの時から我慢できなかったみたいだし?」

冷たいお茶を飲んで一息つくと、駿介は茶化す様にそう言ってきた

「だからぁー!欲しがってなんか!!」

「ほぉ?彰人、Kiss」

「~~っ!!」

突然のCommandに逆らえず、座椅子に座る駿介の側に行き唇を重ねると、体をひょいと持ち上げられもはやお決まりとなった膝の上に収まった

GoodBoyいい子

Rewordを受け全身の筋肉を弛緩させると、駿介は見計らったかの様にバスの中とは違う強引なキスをしてきた

「んん……!っ……はぁ……んぅ……」

全身の力を抜いていたせいで、すぐに口内に侵入され好き勝手に舐め回されると、ぞくぞくと背筋に走る快感で彰人の口からは甘い吐息が漏れた

「本当に欲しくなかった?」

「……っ……ずるいよ」

欲しがっていたことを知りながらそう意地悪く問われ、拗ねた様に顔を横に向け視線を外すと、意図せず露わになっていた右耳に濡れた感触が這った

「っ!!」

苦手な部位を舐められ体を震わすと、逃げることができないように捕まえられ、耳朶から耳殻、耳の穴の中まで順番に舐められた

「んや……ぁ……み、み……やだって、ばぁ……」

片耳を抑えられ頭蓋骨の中に反響する水音に耐えきれずどんどん呼吸を速めると、首筋へと唇は移動していき彰人の脆弱な部位をゆっくりと舐め上げた

「あ……っ……はぁ……、やぁ……あぁ……っ!」

強い快感に支配され動けなくなっていると、駿介は彰人の体から唇を離して、彰人の大きな瞳と視線を合わせた

「彰人Lookみて

言われるがままに駿介の目を見つめると、同じようにじっと目を覗き込まれた

「Good、夏合宿楽しかったか?」

先程までの茶化す様な声音ではなく真剣な声で聞いてくるすぐに駿介に彰人は微笑んだ

「うん、楽しかったよ。怖い思いの数百倍楽しい思い出できた」

駿介をはじめとした周りの人のおかげで過去との決別を果たし、まだ全てとまでは言えずともトラウマも克服できた

それを楽しい思い出と言わず何というべきか、持ちうる語彙を探しても見つからなかった

「ちょっとずつだけど、ちゃんと前向いて生きて行けらと思う。それでも立ち止まったり前見れなくなったりしたら、SubDoropから助けてくれた時みたいに引き上げてくれる?」

心から信頼できるパートナーの焦茶色の瞳を覗き込んでそう聞くと、彼はその瞳を眩しそうに細めた

「何度だって引き上げる。彰人がどんなに迷ったって隣で一緒に行きたいところが分かるまで悩むからさ、だからもう心配すんな」

「ありがとう!大好き、駿介さん!!」

そう言って首に腕を回し抱きつくと、ぎゅうっと抱きしめ返してくれた

「俺も大好きだよ、彰人」

抱き合って過ごす時間は温かくとても安心するものだった



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