64 / 67
Please me
2
しおりを挟む「おじゃましまーす」
幾度となくきた駿介の家に上がると、たった3日間だったとはいえ随分と久しぶりに訪れる気がした
「欲しがりな俺のパートナーがバスの時から我慢できなかったみたいだし?」
冷たいお茶を飲んで一息つくと、駿介は茶化す様にそう言ってきた
「だからぁー!欲しがってなんか!!」
「ほぉ?彰人、Kiss」
「~~っ!!」
突然のCommandに逆らえず、座椅子に座る駿介の側に行き唇を重ねると、体をひょいと持ち上げられもはやお決まりとなった膝の上に収まった
「GoodBoy」
Rewordを受け全身の筋肉を弛緩させると、駿介は見計らったかの様にバスの中とは違う強引なキスをしてきた
「んん……!っ……はぁ……んぅ……」
全身の力を抜いていたせいで、すぐに口内に侵入され好き勝手に舐め回されると、ぞくぞくと背筋に走る快感で彰人の口からは甘い吐息が漏れた
「本当に欲しくなかった?」
「……っ……ずるいよ」
欲しがっていたことを知りながらそう意地悪く問われ、拗ねた様に顔を横に向け視線を外すと、意図せず露わになっていた右耳に濡れた感触が這った
「っ!!」
苦手な部位を舐められ体を震わすと、逃げることができないように捕まえられ、耳朶から耳殻、耳の穴の中まで順番に舐められた
「んや……ぁ……み、み……やだって、ばぁ……」
片耳を抑えられ頭蓋骨の中に反響する水音に耐えきれずどんどん呼吸を速めると、首筋へと唇は移動していき彰人の脆弱な部位をゆっくりと舐め上げた
「あ……っ……はぁ……、やぁ……あぁ……っ!」
強い快感に支配され動けなくなっていると、駿介は彰人の体から唇を離して、彰人の大きな瞳と視線を合わせた
「彰人Look」
言われるがままに駿介の目を見つめると、同じようにじっと目を覗き込まれた
「Good、夏合宿楽しかったか?」
先程までの茶化す様な声音ではなく真剣な声で聞いてくるすぐに駿介に彰人は微笑んだ
「うん、楽しかったよ。怖い思いの数百倍楽しい思い出できた」
駿介をはじめとした周りの人のおかげで過去との決別を果たし、まだ全てとまでは言えずともトラウマも克服できた
それを楽しい思い出と言わず何というべきか、持ちうる語彙を探しても見つからなかった
「ちょっとずつだけど、ちゃんと前向いて生きて行けらと思う。それでも立ち止まったり前見れなくなったりしたら、SubDoropから助けてくれた時みたいに引き上げてくれる?」
心から信頼できるパートナーの焦茶色の瞳を覗き込んでそう聞くと、彼はその瞳を眩しそうに細めた
「何度だって引き上げる。彰人がどんなに迷ったって隣で一緒に行きたいところが分かるまで悩むからさ、だからもう心配すんな」
「ありがとう!大好き、駿介さん!!」
そう言って首に腕を回し抱きつくと、ぎゅうっと抱きしめ返してくれた
「俺も大好きだよ、彰人」
抱き合って過ごす時間は温かくとても安心するものだった
0
お気に入りに追加
219
あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。


ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる