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苦痛
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須田のCareによって、完全ではないが彰人の意識が戻されたのを見て上條はその場で固まり続けている翔達に視線を戻した
「ほんで、こいつらどうします?」
山本の体を抱きしめたままの須田に上條がそう声を掛けると、須田は首を振った
「警察に連れて行かせる……こんなんただの性犯罪だろ」
彰人の意識が戻ったことで冷静さを取り戻したのか、須田は冷たい声でそう言った
「そう、だね……それがいいと思う。さっき宿のご主人が警察呼んでくれたって言ってたし、もうすぐ到着するんじゃないかな」
福部も須田のDefenceによってSubDropしかけた河野と沢井をCareするため部屋を出ていたが、廊下に待たせた状態で室内に戻ってくるや否やそう口にした
「……っ!おい!彰人!!俺ら合意の上だよな?!」
上條のCommandとはいえ、そこそこのレベルだったのか動けなくなっている同級生とは違って、口を開いた翔が焦ったようにそう叫んだ
「合意の上でしたっていえよ!!彰人!」
「それを決めるのはお前じゃねぇよ」
須田が翔のその叫びをぴしゃりと跳ね除けると、抱きしめたままの彰人の方に向き直った
「彰人、どうする……このままこいつらに囚われたままでいいのか?」
「お前のパートナーは俺だろ彰人!」
須田の言葉に被せるように翔が再び叫ぶと、上條がまたCommandで黙らせた
「どうする……?」
背中を摩りながら問いかけると、耳元に小さな声が届く
「……て」
「ん?もう一回」
「た……て、たす、けて……!僕、須田さんが……いい、あいつらは……パートナーなんかじゃない!」
弱く首に捕まっていた彰人が、須田への信頼とCareで、SubDrop状態から自ら抜け出して須田と視線を合わせてそう叫んだ
「Good、よく頑張ったな……おかえり」
涙で濡れた大きな瞳に光が戻った彰人を、もう一度抱き締めると、須田と上條の2人でその場にいた翔達が逃げられないようにCommandで身動きを再び封じた
そうこうしているうちに、パトカーの音が近づき程なくして警察官が部屋へと雪崩れ込んできた
警察官が来ると、あっという間にその場は収束し須田や彰人をはじめ追いかけてきた上條、福部、沢井、河野も事情聴取のため署に同行することになった
「ほんで、こいつらどうします?」
山本の体を抱きしめたままの須田に上條がそう声を掛けると、須田は首を振った
「警察に連れて行かせる……こんなんただの性犯罪だろ」
彰人の意識が戻ったことで冷静さを取り戻したのか、須田は冷たい声でそう言った
「そう、だね……それがいいと思う。さっき宿のご主人が警察呼んでくれたって言ってたし、もうすぐ到着するんじゃないかな」
福部も須田のDefenceによってSubDropしかけた河野と沢井をCareするため部屋を出ていたが、廊下に待たせた状態で室内に戻ってくるや否やそう口にした
「……っ!おい!彰人!!俺ら合意の上だよな?!」
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「合意の上でしたっていえよ!!彰人!」
「それを決めるのはお前じゃねぇよ」
須田が翔のその叫びをぴしゃりと跳ね除けると、抱きしめたままの彰人の方に向き直った
「彰人、どうする……このままこいつらに囚われたままでいいのか?」
「お前のパートナーは俺だろ彰人!」
須田の言葉に被せるように翔が再び叫ぶと、上條がまたCommandで黙らせた
「どうする……?」
背中を摩りながら問いかけると、耳元に小さな声が届く
「……て」
「ん?もう一回」
「た……て、たす、けて……!僕、須田さんが……いい、あいつらは……パートナーなんかじゃない!」
弱く首に捕まっていた彰人が、須田への信頼とCareで、SubDrop状態から自ら抜け出して須田と視線を合わせてそう叫んだ
「Good、よく頑張ったな……おかえり」
涙で濡れた大きな瞳に光が戻った彰人を、もう一度抱き締めると、須田と上條の2人でその場にいた翔達が逃げられないようにCommandで身動きを再び封じた
そうこうしているうちに、パトカーの音が近づき程なくして警察官が部屋へと雪崩れ込んできた
警察官が来ると、あっという間にその場は収束し須田や彰人をはじめ追いかけてきた上條、福部、沢井、河野も事情聴取のため署に同行することになった
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