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苦痛
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しおりを挟む「ご、ごめん……僕が山本から離れたから……」
河野は直前まで山本と一緒にいたため、自分のせいだと須田に謝罪をした
「……河野のせいじゃないから……」
上條に言われた通り、彰人を1人にして大丈夫と思って置いて行ったことを須田は後悔していた
「……ここで悩んでてもしょうがない、まずは海の家の方探しに行こう」
福部は険しい顔をしつつも、俯く須田の肩を叩いた
須田もその言葉で何かを振り払うかのように首を振ると、自分が先ほどまでいた海の家が集まる方向へと歩き始めた
「拓、Side……何やろな、嫌な気しかせぇへんから、離れないでな」
上條は須田の後ろをついて行く前に、横に不安そうな顔のまま立つパートナーにそう言って手を繋いだ
「拓哉、宿でみんなのそばに居てもらえないかな……もし山本が知らないDomといたら守り切れないかもしれないから……」
それとは反対に福部は河野を安全な場所にいてほしいと口にする
「……一緒にいたい……もし、山本が危ない目に遭ってたら僕のせいでもあるから……それに、福部と離れる方がよっぽど怖い」
泣きそうな声で縋ると福部は難しい顔をしたままだったが、上條と同じようにCommandを使って離れないように手を繋いだ
「須田さん追いましょうか、今のあの人何するかわからへんし」
上條は福部と目線を合わして頷くと4人は先に行った須田の後を追った
5人で手分けをして海の家を探してみるものの、姿は見つからず再度集まった時の須田の表情は焦りと不安で歪んでいた
「電話かけて見ました?」
沢井が須田に聞くと首を振った
「何回かかけて見たけど全然繋がらねぇ」
「ほんまにどこに行ったんやろ……」
上條も普段の乏しい表情ではなく焦りを浮かべながら呟いた
「海の家見るついでに迷子センターに届けてきたから、アナウンスしてもらってるけど小さい子どもじゃないしすぐに見つからないってことは……」
福部も眉間に皺を寄せて考え込む
「サークルの奴らにも声かけてみませんか、どっかで見かけてるかもしれないし」
上條が苦し紛れにそう口にしたことで全員で再びみんなのところへ戻った
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