Please me

金木犀

文字の大きさ
上 下
32 / 67
訓練

7

しおりを挟む

「……そんじゃ、始めるか……」

冷たい麦茶を彰人に出してもらい、2人とも一息をついた頃須田は口を開いた

「う、ん……」

緊張気味に彰人が返事をすると、何度もしてもらっているように頭を撫でられた

「だいじょーぶ、講義の後行った通り今日はお互いの意思確認するだけだから」

そう言う須田にこくんと頷くと、須田はルーズリーフを机の上に出した

「そんじゃあ、まずはセーフワードから決めていこっか……これだったら言いやすいなとかある?」

セーフワードを使ったことがない彰人は、何だったら言いやすいのか分からず考え込んでしまった

「いきなり言われても困るわな、まあとりあえずなんか決めておいて、慣れてきた頃により言いやすいやつに変えていく事にするか」

助け舟を出すように須田はそう言ってくれ、結局当面の間のセーフワードは『嫌だ』に決まった

「今後Playをしていく中で、彰人が『嫌だ』って言ったら必ず俺はPlayを止めるから、少しでも負担に感じたらすぐに言うんだぞ?」

「……うん」

上手く使えるか自信がなく、小さい声で返事をすると安心させるように須田はまた頭を撫でてくれて、手元にあったルーズリーフに今話したことを書きこんだ

「じゃあ次はRewordについてな」

Playをしていく中でDomのCommand指示にきちんと従えたSubを誉めるときに使う言葉を決めるため、須田は再びルーズリーフに書き込んだ

「今まで何回かCommand使ってきたけど、その時のRewordはどうだった?」

そう聞かれて、これまでの須田からのCommandを思い返してみる

GoodBoyいいこって言われるの安心する、かな……あと……頭撫でてもらったり、抱きしめられるの……僕は、好き……な気がする」

今までの須田からのRewordは不快に感じることも不足感もなかったためそのまま話すと、嬉しそうに口元を緩めてくれた

「そっかそっか……それ聞いてなんか安心したわ。Subによって、好きなRewordが違うって福部たちが言っててさ、沢井は頭撫でて額にキスするのが好きで、河野はおでこくっつけて抱きしめられると安心するんだと。あ、あいつらから彰人に話していいって言われてるから安心してな?」

パートナー間での決め事は、プライバシーに関係することもあると心配する前に須田は補足してくれた

Rewordについて記入を終えると、そのままうーんと考える素振りを見せた

「あとはー……あ、好きなCommandとか、逆にこれは嫌いってCommandある?」

DomからのCommand全てが怖いと感じていた彰人は、好き嫌いを聞かれて一層頭を悩ませた

「えっと……好きなCommandは、わかんない……嫌いなのは……Strip脱げLick舐めろは特に嫌かな」

翔たちに使われて特に嫌だった二つを挙げると、余程の信頼関係が築けてない限り使うことのない二つを挙げたため須田は驚いた顔をした

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...