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訓練
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しおりを挟むサークル室に到着すると、珍しく鍵が掛かっていた
「あー、そうか」
鍵が閉まっていることを確認すると何か納得したように須田は呟いた
「鍵、開けますか?」
入会した当初にもらった鍵を取り出そうとすると、須田は首を振って部屋から離れるように歩き出した
行動の理由が分からずその後を追いかけると、須田はそのままサークル棟を離れて購買の方へと向かって歩き出した
「あの、なんで入らなかったんですか?」
「あー、そうよなごめんごめん。前も話したけど俺らって本来の目的があるじゃん?」
ダイナミクス性を持つ学生が安心して過ごせる支援をするサークル、という当初の目的のことを言っているのだと理解して頷くと、須田は言葉を続けた
「彰人、検査結果でレベル知ったと思うんだけど、実は彰人と同じ位のレベルのがもう2人いんのよウチには」
「……沢井さんと河野さん……?」
特に理由はないが思いついた2人の名前をいうと、須田はこくんと頷いた
「ほんで、特に河野の方はまあ優しすぎるからってのもあって、DomってよりまわりのSubに影響受けて不安定になりやすいのね」
その言葉で、自分がSubDropした時に不安そうにしていた姿を思い出す
「河野と福部は昔からの仲だからお互いがどうしたら安心できるのか知ってるからいいんだけど、まあ初めて見るやつはびっくりするからさ。急に不安定になったりした時はサークル室閉め切って中でCareするから立ち入り禁止状態になる訳よ」
どうして鍵が閉まっていてそれを無理に須田が開けなかったのか知った彰人は納得してそのまま大人しく須田の後をついて購買に向かった
適当に自分達の昼食とおそらく福部たちに渡すであろう飲み物を買うと、構内をぶらぶらと散歩して時間を潰した後サークル室へと戻った
再び扉の前に行くと鍵は開いていて中に入ると福部の膝の上で横になって眠っている河野の姿があった
「ごめんね、さっき」
2人の姿を見るなり福部がそう謝ると須田は気にするなと首を振って見せた
「甘えん坊な俺のパートナーはたくさん甘やかしてあげないと落ち着かなくてね」
意味あり気に笑う福部の表情に彰人が首を傾げると須田は苦笑いした
「いーから、そういうのは」
須田はそういうと、すやすやと寝ている河野を起こさないように買ってきた飲み物を福部に渡し昼食を取り始めた
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