Please me

金木犀

文字の大きさ
上 下
20 / 67
日常

2

しおりを挟む

「もともと、このサークル俺が作った時に、Subって馬鹿にされずに好きなことしてえなって思ってだからさ」

須田の説明を聞いていると、沢井はお菓子をつまみながらそう言った

「えっ、沢井さんが作ったんですか?」

サークル長であると紹介は受けていたものの、作った本人だとは知らなかったため驚きの声をあげると、次のお菓子を選びながら沢井は頷いた

「まあ、俺もそれなりにSubだからって周りにいらねぇこと言われてきたしな」

お目当てのお菓子を見つけると、包みを開けて口に放り込みながらそう言った

「食い過ぎやし、食べながら話さへんでください」

横に座ってスマホをいじっていた上條に横目に注意されると、沢井は舌を少しだけ出してみせた

「上條は高校の時の後輩で知ってたし、福部さん、須田さんは一個上でちょっと有名なDomだったからさ、声かけて一緒に立ち上げをしてもらったわけよ」

サークルができた経緯まで教えてもらえるとは思っておらず、初めて聞く話に彰人は興味を惹かれた

「河野さんは……?」

「僕?僕はね、福部の幼馴染なの。小中高大ってずっと一緒だから、学部は違うけど自然と、って感じかな」

名前が上がってなかった河野に聞くと、本を読んでいた河野は視線を上げてそう話してくれた

「それに、ほら……僕は福部のパートナーだからできれば一緒にいたいしね」

そう言ってシャツの首元から覗くColorを見せてくれながら、緩く微笑んでくれた

「まあ、どっちかっていうと俺が拓哉を側においておきたいから無理やり入会させたんだけどね」

河野の横に座っていた福部は少し苦笑いしながらそう言って、なんとなくこの話題は終了した

サークルの話や自分の第二次性について初めて聞く話が多く、彰人は整理するために少しだけ黙り込んでいた

「……と、……きと!彰人!」

「……っ!はい!」

考え込んでいたため、須田に呼ばれていることに気が付かずおそらく何度目かの声で気がついたため、勢いよく返事をした

「ちょ、そんな驚かなくていいから!ゲームなんかするって聞いただけだし」

「あ、ごめんなさい……えっと……」

「待った」

「え……?」

須田の声に気が付いてなかったことに反射的に謝る彰人に対して、須田は手のひらを目の前に出して彰人の言葉を遮った

「彰人?俺はお前の仮だけどパートナーな訳よ。だからそんな顔色窺うみたいにビクビクしなくて良いのよ」

「あ……」

「彰人、Comeおいで

「……んぅ……」

机の目の前に座っていた須田の横に行くと、大きな手で頭を撫でてくれた

GoodBoyいいこ

Rewordの効果はすぐに現れ、緊張していた全身の筋肉が緩むのを感じた

しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

年越しチン玉蕎麦!!

ミクリ21
BL
チン玉……もちろん、ナニのことです。

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

処理中です...