『手のひら。』

日向理

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Episode.6

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ゆぅくん、こないだ
映画一緒に行ってくれて
ありがと♡


                  いえいえ^^


今日会えるんだよね?
待ち合わせはどうする?


                 沙紀ちゃんとこ
                   直で行くよ
                 早く会いたいし


ホント!!やた♪
なんか嬉しい^^



             来週時間作れないからさ
              今日はゆっくり過ごそ


うん♡

                 最寄り着いたら
                 また連絡するね

うん、待ってる♡

                      じy

 「ねぇ聞いてる?」
「…あ、なんでしたっけ?^^」
 「だから『専属契約』の話」

 「今まではバイトな感じで
  読者モデルお願いしてたんだけど、
  悠斗くん指名でドラマの話が来たのよ」

「ドラマ…ですか」

 「深夜枠の、脇役なんだけどね」

 「「脚本読んだら、悠斗くんの顔が出てきた」って
   言ってくださったみたいなの」

「へぇ~、なんか嬉しいですね^^」

ブブブブブブ…

 「こういうのって『タイミング』って
  言うじゃない?」


ゆう、今度いつ逢えるの?

 「勿論仕事となると、
  今までより忙しくなるだろうし、
  自由な時間も減っちゃうと思うんだけど」

 「悠斗くんは『読モ』で終わるような
  コじゃない!って私も思ってるし」
「事務所も大きくなれますしね^^」

 「うん」

 「この話、事務所にとってもおっきな
  チャンスだって、私も思ってるんだ」


ブブブブブブ…

「いいですよ^^」
 「ホント!!」

「僕、顔しか取り柄がないですけど、新しい事に
 チャレンジしたいなとも思ってたし^^」

「それに…
 仁美さんがそうしたいって思ってるんなら…」

「やりますよ、僕^^」

ブブッ ブブッ…

 「そう言ってくれると私も嬉しい!」

 「んでね」
 「善は急げじゃないんだけど…
  もう書類は持って来てあるんだ」


ゆぅくん、夕ご飯ウチで食べる?

「仁美さん、
 僕がオッケーするって前提できたんですね^^」

 「んふふ~^^」
 「ホントは50/50だったんだけどね♪」


                    うん^^


やた♪
美味しいシチュー作って待ってるね♡


 「はい、これ 」

 「一度目を通してもらって、
  大丈夫そうだったらサインして
「いいですよ、ここでしちゃいますよ^^」

 「でも一応契約は契約だから」

ブブブブブブ…

「大丈夫です」
「僕、仁美さんのこと信じてますし^^」
 「ふふっ^^」

 「じゃぁ、こことここにサインお願いね♪」



・・

・・・

「… はい^^」
 「ありがとう!」
 「これから忙しくなると思うけど頑張りましょ!」

 「私も全力でバックアップするから!」
「はい、ありがとうございます^^」


 「じゃぁ今日はこれで終わりね」

 「私は美咲さんとこに報告しに行くけど」
 「悠斗くんはこの後なんかあるの?」

「う~ん…」

「寄ろうかなぁって思ってるところはあります^^」

 「もしかして女の子のところ?」
「どうでしょうね^^」

 「忙しくなると、そういうのを嗅ぎつけてくる
  連中も出てくるから 笑」
「気をつけます^^」


 「…あ!いいよ、ここは私が払うから」
「でも…」

 「一応これもお仕事だし、領収証も貰うし♪」
「じゃお言葉に甘えて^^」

 「次のとき具体的な話をしましょ 」
「ありがとうございます^^」
 「こちらこそです^^」

 「また連絡するね♪」

            「はい!失礼します^^」

 「お疲れ様でしたぁ~」









カランコロ~ン♪


「いらっしゃいま‥せ…って、なんだ、兄さんか」
 「来ちゃ駄目だった?^^」


「そんなことないけど…」


「今日は珍しくひとりだね」
 「僕だって1人の時くらいあるよ」


「ふーん」

 「希さんは?」

「今は休憩で『ヴィーガンカフェ』って
 ところ行ってる」
 「そっか」


「兄さん、『ヴィーガンカフェ』って知ってる?」
 「うん、さっきまでいた^^」

「そうなんだ…」


「どんなところ?」

 「う~ん・・健康的なとこ? 笑」

「なんかまなさんっぽくない 笑」
 「愛奈は今日女子会^^」


「一応聞いとく‥誰と行ったの?」
 「歳上のお姉さん^^」

「相変わらずだね」


「…希さんには手ぇ出さないでね」
 「出さないよ」


 「先輩のカノジョだし、可愛い妹が
  こうしてお世話になってるんだから」

「希さん、兄さんのファンなんだからね」




 「少し落ち着いてきたみたいだね」


「…うん」

「ここのお客さん、女性メインだし」

 「そっか、安心した^^」


「…うん ありがと」


 「んじゃ、そろそろ行くね」

 「『美味しいシチュー』作って
  待ってくれてる人がいるから^^」

「あれ?」

「まなさん女子会って言ってなかった?」
 「うん、女子会だよ^^」


「…はぁ」

「聞いた私が悪うございました ‥」
 「ふふ 笑」

 「じゃまたくるね」

「はいはい、ありがとうございました」


カランコロ~ン♪








カランコロ~ン♪


「あ、希さん、お帰りなさい」
 「もしかして悠斗くん来てた?」

「はい、さっきまで」
 「やっぱりあの後ろ姿は
  悠斗くんだったかぁ~・・」

「希さん」

 「ん?」

「そんなに落ち込まないでください」


「…お客さんもいますし」
 「あ」

 「…いらっしゃいませ~♪」
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