123 / 132
Chapter.5
Episode.21
しおりを挟む「もう陽介さんに戻ったので、
『落合健治』の戸籍は無効なんですよ?」
「例え陽介さんの記憶が戻らなくても、
『岡崎陽介』に戻らなきゃ駄目なんです」
「そうなりますね、法律上では」
「私、『落合健治』さんが入院していた
病院に行ったんです、健治さんの戸籍に、
本籍地として住所が記載されていたので」
「そしたら入院当時をよく知る方と私、
お友達になりまして」
「その当時、陽介さん、
なんて呼ばれていたか知ってます?」
「いいえ」
「『パク様』って呼ばれてて、韓流スター並みに
モテモテだったみたいです^^」
「それがなにか」
「それで今度『パク様』と一緒に、
その方を訪ねるつもりでいます」
「インターネットにも警察のデータベースにも、
どこにもない情報」
「・・・」
「それともう既にMikaさんには、健治さんは
陽介さんだって事は伝えてあります」
「さすがMikaさん、芸術的に優れた人って、
思考もとても柔軟なんですね^^」
「健治さんが陽介さんになる…それだけでも
10曲以上は曲が書ける!って…
ワクワクした表情で言ってました」
「「陽介さんが回復するまで活動はしない!」
なんてことも言ってましたし 笑」
「・・・」
「陽介さんがアルバイトをしてる、
お弁当屋さんにもお伝えしてあります」
「「名前が落合健治だろうが岡崎陽介だろうが
関係ない」って…お店のかた、
雇う気満々でした 笑」
「・・・」
「今住んでいるアパートの大家さんのところにも
行きましたが同じく、
今後も使ってもらって構わない
とおっしゃっていただきました」
「まぁ別に犯罪者でもないですし、
家賃収入は変わらず入りますからね」
「・・・」
「免許証のほうも、運転技能や道交法が
全部身についている状態であれば、
「岡崎陽介」として免許証を交付するのも
さほど時間はかからないだろう、との事でした」
「・・・」
「貴女は計画を見事実行し、
『落合健治』という存在を殺しました」
「けれどそれは『法律上の』落合健治を、
シュレッダーのように抹消しただけで、
関わった人達の中ではピンピンしています」
「今皆さん、落合健治さんを
『岡崎陽介さん』として
受け入れる準備をしてくださっていて」
「おそらく陽介さん自身、
すぐに戻ることは難しいとは思いますが」
「それでも皆さん、待っててくださってます」
じーっ
「…ということは、
貴方『岡崎一子』にまで会ったの?」
「いいえ、私はまだお会いしてません」
「一子さんは私を信頼してるんです」
「陽介さんが戻ってきたら、
貴方のところなんかじゃなく、
私のところに連絡がくるはずです」
「陽介さんを一番愛してるのは、
貴方じゃなくって私なんだから」
「この携帯は、武田拓也さんが
一子さんからお借りしたものです」
「一子さん、陽介さんからの連絡が
いつきてもいいように、機種変はしてました」
「拓也さん、一子さんを動揺させるようなことは、
まだ言う必要がないと判断をしたのですが」
「が?」
「「11年前陽介を失った時に、最悪のケースに
なった場合の、覚悟も既に出来ているから、
陽介が見つかったという話だとしても動揺は
しないし、直ぐに周りに言うこともしない」
って拓也さんに言ったんです」
「それにこうも言ったんです…今のこの状況で
私が言っても信じられないと思いますが」
「…なんて言ったの?一子さんは」
「「あの女から陽介を救ってくれ」と」
「は!?なにそれ…」
「あの女って誰?」
「…理紗さん、貴女のことです」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜
Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。
渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!?
合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡――
だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。
「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき……
《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》
クールな御曹司の溺愛ペットになりました
あさの紅茶
恋愛
旧題:クールな御曹司の溺愛ペット
やばい、やばい、やばい。
非常にやばい。
片山千咲(22)
大学を卒業後、未だ就職決まらず。
「もー、夏菜の会社で雇ってよぉ」
親友の夏菜に泣きつくも、呆れられるばかり。
なのに……。
「就職先が決まらないらしいな。だったら俺の手伝いをしないか?」
塚本一成(27)
夏菜のお兄さんからのまさかの打診。
高校生の時、一成さんに告白して玉砕している私。
いや、それはちょっと……と遠慮していたんだけど、親からのプレッシャーに負けて働くことに。
とっくに気持ちの整理はできているはずだったのに、一成さんの大人の魅力にあてられてドキドキが止まらない……。
**********
このお話は他のサイトにも掲載しています
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
『チョコレートの隠し味。』
日向理
恋愛
*スマートフォン向けに最適化を行いました(2022/6/11)
2022年2月11日〜2022年2月15日、短期連載。12時更新。
ト書きの全く存在しない、全く新しい読み物。
『文字を楽しむ』という意味でジャンルは『文楽(ぶんがく)』と命名しております。
小説とは異なり、読み手の想像力によって様々に質感が変化をします。
左脳・理論派の方には不向きな読みものですが、
右脳・感覚派の方はその、自由に構築できる楽しさを理解できるかもしれません。
『全く新しい読み物』なので抵抗感があるかもしれません。
お話も、一度読んで100%解るような作りに敢えてしておりません。
何度も反芻してゆくうちに、文楽(ぶんがく)ならではの醍醐味と、
自分の中で繰り広げられる物語にワクワクする事でしょう。
スマホでの閲覧は専用アプリにて、文字サイズを小に調整してください。
(擬似センタリングを多用するため)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる