『Love Stories。』

日向理

文字の大きさ
上 下
118 / 132
Chapter.5

Episode.16

しおりを挟む

          ピッ

        ティンコーン!

          あ!

         やべっ、チャージしてなかった





          ピッ


   最近向こう行く頻度が高い…


最早『本州大』生だな 笑


頭良く見られっかな…



ブブブブブブ…


ん?

カチャッ


「知らない番号だ」

誰だろ…

ピッ
「もしもし…」

 『もしもし、岡崎陽介さんの携帯でしょうか?』

「はい、そうですけど…」

 『はじめまして、わたし坂口すみれといいます』

「『さかぐち すみれ』さん…」

 『「画伯」の妻です^^』

「ああ!光一さんの!」

 『陽介さん、お時間ありますか?』

「大丈夫ですよ」

 『実は光一さん、「曲の変更箇所」を
  データで送ろうとしたみたいなんですけど、
  ウチ今ネットが繋がらなくって』

「はい」

 『それで光一さんに、
  プリントアウトしたものを届けるよう、
  お使いを頼まれちゃったんです 苦笑』

「そうなんですね 笑」

 『ケッツァールで待ち合わせて、
  お渡ししても大丈夫ですか?』

「はい、大丈夫です^^」

 『よかったぁ~!』

 『わたし30分くらいで着くと思うので』

「わかりました、30分後にケッツァールですね」

 『ありがとうございます!
  お待たせしちゃうと思いますが、
  なるべく早く着くようにしますので』

「大丈夫です、僕もこれから向かうので
 無理せずいらしてください^^」

 『ありがとうございます!では後ほど』

「はい、のちほど」


「…ふぅ」
「さすが治氏のダチ、まだ手を加えるとは」


…画伯の奥さんかぁ


「…今日はコーヒー飲も!」


飲めっかなぁ…


           ピッ



         俺、本州大生っす ( ̄ー+ ̄)キラリ












カランコロ~ン♪

             「いらっしゃいませ^^」




カチャッ


…案外飲めんな

いや、むしろ美味いとさえ感じる…

俺も大人の階段登れてんだぁ~

       「岡崎、陽介さんですか?」

「あ、はい!」

     「坂口すみれです^^」

「あ、はじめまして」

 「なんか急にごめんなさい」

「いえいえ」

        「いらっしゃいませ^^」

 「あ、わたし今日は直ぐ出ちゃうんで」
 「ここの会計、坂口でツケといてください^^」

        「かしこまりました^^」

「なんかすんません」

 「いえいえ!」
 「お呼び立てしたのはわたしのほうですし」
 「コーヒーくらい奢らせてください^^」

「じゃあ、ゴチになります^^」

 「ちなみに何をお飲みになってたんですか?」

「あ」

「『El Salvador』です!」
                   「くす 笑」
 「陽介さん、スペイン語できるんですか!?」

「いえ、この発音だけ
 お店の人に教えてもらいました 笑」

 「そういうことでしたか 笑」
 「じゃあわたしからもそれっぽく聞こえる
  …ポルトガル語をお教えしましょう 笑」

「笑」

 「『Obrigado』^^」

「オブリガートって音楽用語にありましたよね」
 「音楽用語のほうはイタリア語だそうです^^」

「ほーぅ」
「…『Obrigado』」

「そうです^^」


「ちなみにその『Obrigado』ってのは…」
 「ありがとうっていう意味です^^」

「なるほどぉ」
「ってことは、すみれさんが使うときは
『Obrigada』のほうですね^^」

 「『Obrigada』…」

「スペイン語やポルトガル語って、
 男性名詞と女性名詞があるんで、
 すみれさんの場合、女性名詞の
 『Obrigada』を使ったほうが自然なんです」


「イタリア語に「オブリガート」があるのも、
 スペイン語もポルトガル語もイタリア語も同じ、
 ロマンス語群なんだからだと思います」

 「『ロマンス語』なんてあったんですか!?」

「ラテン語の口語が起源とされてる言語なんですよ」

 「陽介さん、色々知ってらっしゃるんですね」

「大学で言語学も学んでるんで」

 「そうなんですね!」
 「じゃあいろんな言語を喋ったりできるんですか?」

「いえ、日本語以外は全く 笑」

 「そうなんですね 笑」

「あれです、英文法の先生が
 英会話できないのと一緒です 笑」

 「分かりやすい喩えです 笑」

「光一さんの言う通り、面白い方なんですね^^」

「なんで今は『El Salvador』と
『Obrigado』しかちゃんと発音できません 笑」

 「くす 笑」


 「あ!」

 「すっかり話し込んでしまいました 苦笑」

「はは 笑」


 ガサゴソッ

 「これ、光一さんに頼まれてたものです」
 「ウチに可愛らしいクリアファイルしかなくって…
  なんかすみません」

「いえいえ、気にしないでください^^」

 「じゃあわたし行きますね」

「『Obrigado』^^」

 「あ」

 「こちらこそ!」
 「えっと…『Obrigada』です^^」

     「他のコーヒーも試してみてください^^」

「あ、でも」

     「大丈夫です、ここのツケ
      光一さんが払うやつなんで 笑」

「あはは 笑」
「じゃあ遠慮なく^^」

         「では失礼します^^」

「はい、また」




          「ありがとうございました^^」

カランコロ~ン♪




「すいませーん!」

                「はい、ただいま」
          「はい」

「えっと『El Salvador』のほかに、
 オススメをお聞きしたいんですけど」

    「そうですねぇ…苦いのが苦手で
   『El Salvador』がお好みでしたらぁ」

   「『Guatemala』がお勧めですね^^」

「ぐぁて、まらぁ?」

    「日本だと『グアテマラ』とか
   『ガテマラ』って呼ばれてますね^^」

「あ!グアテマラ!」
「マヤのティカルとか
 アンティグアとかある国ですよね」

      「よくご存知ですね!」
 「ウチもアンティグアのものを使ってます」

「僕、失われた文明とか超好きで」
「大学でそっちの勉強もしてるんです」

      「そうなんですねぇ^^」
       「ウチのお店の名前も、
     グアテマラの通貨単位なんですよ♪」

「スペイン語だと全然違うんですね」

    「日本語だと、発音がどうしても
   平坦になりがちですよね、国の名前って」
   「本来だと『マ』にアクセントがきて
   綴りが『G・u・a』なのでそこの発音も
   『グア』と『ガ』の中間になるんです♪」


「なるほどぉ」
「それで『ぐぁてまらぁ』ってなるんですね」


     「ちょっと惜しいです 笑」
    「『Guatemala』ですね^^」

「うわっ、違うのはわかるけど、
もうどこがどう違うのかわかりません 笑」

         「ふふ 笑」
    「では少々お待ちください^^」


「『Obrigado』^^」




…やっぱ希ちゃんってすげーんだなぁ







「…ってか光一さんもすげーな」

バサッ



ふむふむ…

「そうすると、トップノート減らしたほうが
 バランスが取りやすくなる、か」



おお、そこは気付かんかった

        「お待たせしました^^」


「あ、ありがとうございます」


ずずっ

…やばい、グァテマラァめっちゃ好みだ


バサバサッ

「光一さんのは…帰ってからやろう 笑」


今はグァテマラァを堪能する!


ずずっ


「…ふぅ」

「至福の時だぁ~」












          「ありがとうございました^^」


                カランコロ~ン♪



ケッツァール通いの本州大生っす ( ̄ー+ ̄)キラリ


グァテマラァ飲める、大人です( ̄ー+ ̄)キラリ


                カランコロ~ン♪

              「お客様~!」

「お?」
   「よかった、間に合って^^」

「?」
   「お忘れ物です^^」

「あ!すいません…」
   「いえいえ^^」

         「じゃ、お店戻りますね!」

「わざわざ、ありがとうございます!」

                「いえいえ~^^」

                カランコロ~ン♪

「…ってかこの封筒なんだろ」

 俺んでないのは確かだけど…



「あ!」

光一さんのやつの…おまけ?



「あ!」

まさか日頃の感謝を込めて的な?


(ΦωΦ)フフフ…

「幾ら入ってんだろ…」


「・・・」

そりゃあお金なわけないよなぁ~!




(´・ω・`)ショボーン


じゃあ…なんだ?これ


カサコソッ


         18禁画像

「ぬぉ!」


…隠し撮り?

日付まで入ってる…











グレイスのアイデア出してた頃だ

「ん?」



あっ!

これ光一さんじゃん…

カサコソッ


         18禁画像

「ぬぉ!」

…こっちもだ

日付は…先月だ

こっちも光一さんだし…浮気の証拠写真ってやつか…


どくっ!

…ってちょっと待て

どく どく

「…これって…理紗?」

え!?ちょっと意味わからん…

どくっ どくっ

バサッ

         18禁画像


じーっ

「…こっちも、理紗だ…」

どくんっ! どくんっ!

背中の黒子、おんなじだし…

しかもどっちもフツーのマンションだから…

光一さんちで密会!?

どくんっ! どくんっ!

「こういうとき、誰に相談したらいいんだ…」



「え!?」

…ってか他にまだあるんだけど

…光一さん、他の人とも浮気してるのか!?


「・・・」


どくっ どくっ


「…ふぅ」


カサコソッ


         盗撮画像

「え…」

どくん! どくん! どくん!…

…なんで理紗と拓也が並んで歩いてんだよ


「ごくっ…」


バサッ

          盗撮画像

「ラブホ…」







…俺、どこにも帰れねぇじゃん



やべ、頭が追いつかなくなってきた…




う゛っ…なんか吐きそう…



な、なんか意識が…






遠のいて…




なんかもうわからん…








プツッ
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

じれったい夜の残像

ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、 ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。 そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。 再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。 再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、 美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

乗り換え ~結婚したい明子の打算~

G3M
恋愛
 吉田明子は職場の後輩の四谷正敏に自分のアパートへの荷物運びを頼む。アパートの部屋で二人は肉体関係を持つ。その後、残業のたびに明子は正敏を情事に誘うようになる。ある日、明子は正敏に結婚してほしいと頼みむのだが断られてしまう。それから明子がとった解決策 は……。 <登場人物> 四谷正敏・・・・主人公、工場勤務の会社員 吉田明子・・・・正敏の職場の先輩 山本達也・・・・明子の同期 松本・・・・・・正敏と明子の上司、課長 山川・・・・・・正敏と明子の上司

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...