『Love Stories。』

日向理

文字の大きさ
上 下
108 / 132
Chapter.5

Episode.6

しおりを挟む
「あ!沙織からきた!」

                 「なんだって?」
「サービスエリア入ったけど、またすぐ発車して、
ちょとスピード上げてるってさ」

     「どこのサービスエリアだか聞いてくれる?」

「ちょっと待って」


「…『富士川』だって」
                     「おし!」
   「結構向こうがノロノロ運転してくれたおかげで、
         砂丘着くまでには追いつけそうだわ」

 「やったじゃん!」

「でもよく砂丘ってわかったね、ノン」
        「ってかもうフツーのモードだよな…」

    「杉下さんがものすごく執念深い人だったら、
             健治さんをぶっ壊すのも
           ただぶっ壊すんじゃなくって、
                健治さんの記憶が
     鮮明にまだ残ってる場所で壊すと思うんだ」

               「ここでの思い出が、
     仮の戸籍と一緒に消えてなくなるっていう、
     より確実にぶっ壊すための演出というか…」

 「落合健治の存在を消すって
  落合健治を殺すのと同じだからね」

「そこまでなるなんて、私には信じらんない」

           「とんかつ屋さんも本州大も」

         「チャンスを与えたんだと思うの」
                「存在を消す前に」

          「それでも思い出さなかったから、
           砂丘に一直線って感じなんだな」

「自分の気持ちだけで相手をぶっ壊すなんて」

「絶対許せない」

            「そうだな、健治さんと陽介、
           2人とも助けようぜ、俺たちで」

「うん」




 「あのさ、全然関係ないんだけどさ…」

「なんですか?」

 「前の2人、ヨリ戻せば?」

                     「え!?」
「は!?」
「仁美さん、なに言ってんですか!突然」

 「だって付き合ってた頃より仲良く見えるんだもん
  後ろから見てると」
 
             「希、良かったじゃん!」
             「いい人見つかって^^」

  「希、別れたてのホヤホヤで1人ぼっちなんです」

「バラすなー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

「ぼっち言うなー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

 「B組は、今付き合ってる人とかは?」
                  「俺っすか!?」

           「付き合ってる人はいなくって」

           「好きな人は…いたんですけど
      全然脈なしだったんで、諦めちゃいました」

 「ほら~!希ちゃん!」

「ほらー!ってなんですか!」


 「B組は強かな女に利用されちゃっただけなんだし、
  それでもずっと悔やんでるんだよ?」
 「ぜーったい希ちゃんの事、
  どっかで諦めきれてないって」

                「なに本人いる前で、
        恋愛相談みたいになってるんすか!?」
 「B組、前見て運転」

 「女優が乗ってんだから、ここで事故ったら
  B組、新聞の一面に載るよ!」
                    「げっ!?」

             「希だって拓也さんの事、
         本当になんとも思ってなかったら、
     思い出してもムカつかないしね、フツーは」
         「だからいけますよ!拓也さん!」

 「ほら~!希ちゃん!」

「だから、ほらー!じゃないですって!」

        「じゃあ2人は相手のこと、嫌い?」

       「嫌い…ではないけどぉ…」×2

 「じゃあ全く興味がない?」

       「興味…なくはないけどぉ…」×2

 「もうそれ「ほぼ」好きと一緒だよ!」
               「さすが「ほぼ」!」

「・・・」


「もーー!」

「じゃあヨリ戻すー!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」
                     「え!?」
 「何?希ちゃんじゃ不満なの?」
        「いや、そういうわけではないけど…」

「…陽介氏や私に対してずっと悔やんでるって聞いて、
フツーに私嬉しかったし」

「杉下理紗のことがあって別れちゃったけど、
後にも先にも、拓也といる時が一番ラクだったし」

             「ラクなのが一番だよ?」
   「私、健治さんと一緒にいるのが一番ラクだし、
                 一番幸せだもん」

 「そうだよぉ~?」
 「私も治氏と一緒にいるのが、
  一番楽で幸せだもん」

「え!?仁美さん、治氏と付き合ってるの!?」

 「うん、世間には公表してないけどねぇ」
               「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

 「お互い型にはまるのが苦手だから、
  結婚はしてないけどぉ」

 「でも一緒に暮らしてるよ♪」

         「『内縁の妻』って感じですか?」

 「婚姻の意思もお互いゼロだからね」
 「だから『パートナーシップ契約』って感じ? 笑」
            「で、拓也さんの答えは?」

                      「え?」

      「希がヨリ戻すって言ってるんですよ?」
        「ああしてふざけた感じで言うのは、
            単に恥ずかしいからで、希、
           結構本気だと思いますよ^^」

「冷静に分析すんなー!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

                     「・・・」


                「…じゃあ戻そっか」

       「☆-(ノ゜Д゜)八(゜Д゜ )ノイエーイ」

                      「…照」

「この2人、最強のタッグじゃん…」
「ああ、引き合わせるんじゃなかったぁ~」


             「あ、お茶ってまだある?」
「うん、あるよ」
「緑茶だけどいい?」
                      「うん」
カチッ 


クルクル…

「はい…って」
「ものすごーーーく
 後ろから視線を感じるんだけど…」

           (*´◡`*) ×2

                   「もう諦めろ」
          「この2人には絶対敵わないから」
「うん…」

          ティンコーン♪

         この先道なりです。

                「はい、了解でーす」

「砂丘砂丘砂丘…」



           (*´◡`*) ×2



「あー!チョー恥ずかしい!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる

Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。 でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。 彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。

お見合いから始まる冷徹社長からの甘い執愛 〜政略結婚なのに毎日熱烈に追いかけられてます〜

Adria
恋愛
仕事ばかりをしている娘の将来を案じた両親に泣かれて、うっかり頷いてしまった瑞希はお見合いに行かなければならなくなった。 渋々お見合いの席に行くと、そこにいたのは瑞希の勤め先の社長だった!? 合理的で無駄が嫌いという噂がある冷徹社長を前にして、瑞希は「冗談じゃない!」と、その場から逃亡―― だが、ひょんなことから彼に瑞希が自社の社員であることがバレてしまうと、彼は結婚前提の同棲を迫ってくる。 「君の未来をくれないか?」と求愛してくる彼の強引さに翻弄されながらも、瑞希は次第に溺れていき…… 《エブリスタ、ムーン、ベリカフェにも投稿しています》

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

クールな御曹司の溺愛ペットになりました

あさの紅茶
恋愛
旧題:クールな御曹司の溺愛ペット やばい、やばい、やばい。 非常にやばい。 片山千咲(22) 大学を卒業後、未だ就職決まらず。 「もー、夏菜の会社で雇ってよぉ」 親友の夏菜に泣きつくも、呆れられるばかり。 なのに……。 「就職先が決まらないらしいな。だったら俺の手伝いをしないか?」 塚本一成(27) 夏菜のお兄さんからのまさかの打診。 高校生の時、一成さんに告白して玉砕している私。 いや、それはちょっと……と遠慮していたんだけど、親からのプレッシャーに負けて働くことに。 とっくに気持ちの整理はできているはずだったのに、一成さんの大人の魅力にあてられてドキドキが止まらない……。 ********** このお話は他のサイトにも掲載しています

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

処理中です...