『Love Stories。』

日向理

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Chapter.5

Episode.6

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「あ!沙織からきた!」

                 「なんだって?」
「サービスエリア入ったけど、またすぐ発車して、
ちょとスピード上げてるってさ」

     「どこのサービスエリアだか聞いてくれる?」

「ちょっと待って」


「…『富士川』だって」
                     「おし!」
   「結構向こうがノロノロ運転してくれたおかげで、
         砂丘着くまでには追いつけそうだわ」

 「やったじゃん!」

「でもよく砂丘ってわかったね、ノン」
        「ってかもうフツーのモードだよな…」

    「杉下さんがものすごく執念深い人だったら、
             健治さんをぶっ壊すのも
           ただぶっ壊すんじゃなくって、
                健治さんの記憶が
     鮮明にまだ残ってる場所で壊すと思うんだ」

               「ここでの思い出が、
     仮の戸籍と一緒に消えてなくなるっていう、
     より確実にぶっ壊すための演出というか…」

 「落合健治の存在を消すって
  落合健治を殺すのと同じだからね」

「そこまでなるなんて、私には信じらんない」

           「とんかつ屋さんも本州大も」

         「チャンスを与えたんだと思うの」
                「存在を消す前に」

          「それでも思い出さなかったから、
           砂丘に一直線って感じなんだな」

「自分の気持ちだけで相手をぶっ壊すなんて」

「絶対許せない」

            「そうだな、健治さんと陽介、
           2人とも助けようぜ、俺たちで」

「うん」




 「あのさ、全然関係ないんだけどさ…」

「なんですか?」

 「前の2人、ヨリ戻せば?」

                     「え!?」
「は!?」
「仁美さん、なに言ってんですか!突然」

 「だって付き合ってた頃より仲良く見えるんだもん
  後ろから見てると」
 
             「希、良かったじゃん!」
             「いい人見つかって^^」

  「希、別れたてのホヤホヤで1人ぼっちなんです」

「バラすなー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

「ぼっち言うなー(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

 「B組は、今付き合ってる人とかは?」
                  「俺っすか!?」

           「付き合ってる人はいなくって」

           「好きな人は…いたんですけど
      全然脈なしだったんで、諦めちゃいました」

 「ほら~!希ちゃん!」

「ほらー!ってなんですか!」


 「B組は強かな女に利用されちゃっただけなんだし、
  それでもずっと悔やんでるんだよ?」
 「ぜーったい希ちゃんの事、
  どっかで諦めきれてないって」

                「なに本人いる前で、
        恋愛相談みたいになってるんすか!?」
 「B組、前見て運転」

 「女優が乗ってんだから、ここで事故ったら
  B組、新聞の一面に載るよ!」
                    「げっ!?」

             「希だって拓也さんの事、
         本当になんとも思ってなかったら、
     思い出してもムカつかないしね、フツーは」
         「だからいけますよ!拓也さん!」

 「ほら~!希ちゃん!」

「だから、ほらー!じゃないですって!」

        「じゃあ2人は相手のこと、嫌い?」

       「嫌い…ではないけどぉ…」×2

 「じゃあ全く興味がない?」

       「興味…なくはないけどぉ…」×2

 「もうそれ「ほぼ」好きと一緒だよ!」
               「さすが「ほぼ」!」

「・・・」


「もーー!」

「じゃあヨリ戻すー!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」
                     「え!?」
 「何?希ちゃんじゃ不満なの?」
        「いや、そういうわけではないけど…」

「…陽介氏や私に対してずっと悔やんでるって聞いて、
フツーに私嬉しかったし」

「杉下理紗のことがあって別れちゃったけど、
後にも先にも、拓也といる時が一番ラクだったし」

             「ラクなのが一番だよ?」
   「私、健治さんと一緒にいるのが一番ラクだし、
                 一番幸せだもん」

 「そうだよぉ~?」
 「私も治氏と一緒にいるのが、
  一番楽で幸せだもん」

「え!?仁美さん、治氏と付き合ってるの!?」

 「うん、世間には公表してないけどねぇ」
               「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」

 「お互い型にはまるのが苦手だから、
  結婚はしてないけどぉ」

 「でも一緒に暮らしてるよ♪」

         「『内縁の妻』って感じですか?」

 「婚姻の意思もお互いゼロだからね」
 「だから『パートナーシップ契約』って感じ? 笑」
            「で、拓也さんの答えは?」

                      「え?」

      「希がヨリ戻すって言ってるんですよ?」
        「ああしてふざけた感じで言うのは、
            単に恥ずかしいからで、希、
           結構本気だと思いますよ^^」

「冷静に分析すんなー!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」

                     「・・・」


                「…じゃあ戻そっか」

       「☆-(ノ゜Д゜)八(゜Д゜ )ノイエーイ」

                      「…照」

「この2人、最強のタッグじゃん…」
「ああ、引き合わせるんじゃなかったぁ~」


             「あ、お茶ってまだある?」
「うん、あるよ」
「緑茶だけどいい?」
                      「うん」
カチッ 


クルクル…

「はい…って」
「ものすごーーーく
 後ろから視線を感じるんだけど…」

           (*´◡`*) ×2

                   「もう諦めろ」
          「この2人には絶対敵わないから」
「うん…」

          ティンコーン♪

         この先道なりです。

                「はい、了解でーす」

「砂丘砂丘砂丘…」



           (*´◡`*) ×2



「あー!チョー恥ずかしい!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」
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