『Love Stories。』

日向理

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Chapter.5

Episode.3

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「あ!沙織からだ!」

 「なんだって?」

「げっ!?」
                   「どした?」
「拓也、急いで高速乗って!」
                   「高速!?」
「横浜方面向かって走ってるって」

 「高速って…」
 「どこ行く気なんだろ」

「仁美さんの読み通り、本州大行ったんだって」

 「じゃあ、それでもダメだったって事か…」

「ねぇ、ノン」
「どっか心当たりはある?」

     「もしかしたらジャケットの場所かも…」

「そっか!」

「写真、健治さんが撮ってる事、
 ファンにバレちゃったって言ってたもんね」

 「私もMikaのアルバム聴いてるけど…
  横浜方面だとするとぉ海岸とか?」

「でも鎌倉とか湘南とかだと、車内でも目立つよね」

                     「あ」
                「分かったかも」

「どこどこどこ!?」
                    「砂丘」

                   「砂丘!?」
「砂丘!?」
             「鳥取まで行くのか!?」

         「いいえ、静岡にもあるんです」

 「あ!あの砂漠みたいなジャケット、
  …あれ静岡なんだ!!」

  「案外、死角になるようなところもあったから」

「じゃあ車中じゃなく、
 砂丘で実行する可能性もあるね!」

「だって!」
「拓也、静岡静岡!」
         「もう高速の入り口目指してる!」


               「静岡行くなら…」
「え?」

          「美味しい緑茶、買おうかな」

 「なんで当事者がここまで落ち着いてられんの!?」

 「肝据わり過ぎでしょ!?」

「いや、ノンってテンパリ過ぎちゃうと、
 不思議ちゃんになっちゃうの!」

            「Σ(`Д´ )マヂデスカ!?」
   「じゃあ静岡もテンパって言ってるんじゃね?」

               「いや、拓也さん」
               「それは違います」

                    「は!?」

         「静岡は『しずおか』じゃなく
          『しぞーか』って言うんです」

 「ヤバい!ちょっとおもろい 笑」

「仁美さん、面白がっちゃダメです!」
「そうするとさらに不思議度が上がっちゃうんで!」

      「『ふしぎど』って苗字の人…いそう」

「いそう 爆笑」
    「ヤバい!これ、仁美さんの好きな感じだ!」

「とにかく拓也は運転に集中!」
「2人はもう放置!」
                  「オッケー!」


        ティンコーン♪

       この先道なりです。
                   「うっせ!」
「うっさい!」
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