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Chapter.4
Episode.19
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「『ぶっ壊す』ってなんだよ」
「本人の記憶が戻ろうが戻るまいが、
その人の元々の戸籍が判明したその時点で、
仮の戸籍は使えなくなるの」
「たとえ健治さんがまだ『落合健治』でも、
『岡崎陽介』にならなきゃいけないの」
「・・・」
「やーっと見つけたよーすけに裏切られて、
よーすけが幸せそうに過ごしてたら」
「彼女なら…今の幸せを
「全部壊してやる」って思うかもね」
「でもよーすけは、彼女の本性を知って
行方不明になったようなものでしょ?」
「目の前で今の自分を壊されたら、
また記憶喪失になっちゃうんじゃない?」
「杉下理紗はその『完全にリセットされた』陽介氏と、
自分の理想の生活を送るつもりなんじゃないかと、
私は睨んでます」
「ちょー外面美人が優しく、
記憶を無くした陽介氏の側で支える…
自分大好きな杉下理紗にとっては、
最高のエンディングだと思う」
「でも希、「りささんには自分のプランを
実行してもらおうと思ってる」って」
「そう言ったよね」
「目的が果たされたその瞬間、
ノンに陽介氏を救ってもらう」
「え!?私が!?」
「だから『ぶっつけ本番の大仕事』って
言ったでしょ?」
「でもどうやって?」
「その準備は、拓也にしてもらう」
「俺!?」
「拓也、昔からの親友だから、
陽介氏のお母さんとも顔見知りだよね」
「ああ、顔見知りってか…仲良いよ」
「一子さんって名前で呼んでるし」
「今も時々あって、ご飯一緒に食べたりしてる」
「すごい、超仲いい」
「陽介さんの携帯の番号って、
まだ生きてたりする?」
「いつ本人から連絡がくるか分からないからって」
「一子さん、機種変とかもしてるよ」
「やったぁ!」
「?」
「拓也には陽介氏のお母さんに会って、
その携帯を借りてきて欲しいんだ」
「でも「見つかりました!」みたいに言っちゃうと、
そっち方面から杉下理紗にバレる可能性もあるから」
「おぉ、結構難易度高いけど…」
「でも陽介のためだもんな」
「借りてくるよ」
「わかった!」
「その携帯を使って、彼女に連絡するんだね!」
「目的を果たした瞬間、
目の前にいるよーすけから着信があって…」
「それに出ると相手は、今の健治さんの恋人」
「そこでノンには直接対決をしてもらおうと思ってる」
「直接対決って…相手は杉下理紗
「わかった、やるよ」
「え…」
「ノンって超肝が据わってんの」
「それに空手も習ってたから超強いし」
「空手はそん時出しちゃったら、
逆に捕まっちゃうって」
「あ、そっか 笑」
「でも目的を果たす瞬間なんてどうやって知るの?」
「復讐を果たすんだから、
人のいない場所を絶対選ぶと思うの」
「でもラブホとか屋内は、
陽介氏が警戒するから無理だろうし」
「海とか山とか港とか…人気のない
場所の駐車場かなんかで、車内で話すと思うんだ」
「いきなり自分のウチ連れてくのも無理だしね」
「だから来週の当日、あっちで食器洗ってる夫婦2人に
尾行してもらおうと思ってる」
「尾行!?」
「ここにいる4人は、
もう杉下理紗に面が割れちゃってるけど」
「あの2人はまだ赤の他人だから」
「それに夫婦だから、
たまたま同じ時間帯にドライブしてても、
不思議には思われないでしょ」
「それと拓也」
「ん?」
「その…」
「なんだよ」
「画伯の奥さんに撮られた写真って…まだある?」
「…取ってある」
「もしなんかあった時の証拠になると思って」
「よし」
「それがまさに今だから」
「私は本州大の楽団の知り合いから、
メールの画像をゲットしてくるよ」
「多分杉下理紗は、不倫がバレた事には
気づいてるけど、画像が楽団全員に送られたこと
なんて知らないと思うし」
「ましてや拓也と2人の写真なんて、
存在すら知らないだろうから、
結構な武器になると思うんだ」
「希ちゃん、よくそこまで思いついたね」
「自分でも驚いてます 笑」
「『ボンッ!』って全部いっぺんに出てきた感じで」
「治氏も双葉氏も陽介氏も、
こういう感覚だったんだろうなぁって」
「晴れて変態の仲間入りってことね 笑」
「はは 笑」
「12年かかりました^^」
「本人の記憶が戻ろうが戻るまいが、
その人の元々の戸籍が判明したその時点で、
仮の戸籍は使えなくなるの」
「たとえ健治さんがまだ『落合健治』でも、
『岡崎陽介』にならなきゃいけないの」
「・・・」
「やーっと見つけたよーすけに裏切られて、
よーすけが幸せそうに過ごしてたら」
「彼女なら…今の幸せを
「全部壊してやる」って思うかもね」
「でもよーすけは、彼女の本性を知って
行方不明になったようなものでしょ?」
「目の前で今の自分を壊されたら、
また記憶喪失になっちゃうんじゃない?」
「杉下理紗はその『完全にリセットされた』陽介氏と、
自分の理想の生活を送るつもりなんじゃないかと、
私は睨んでます」
「ちょー外面美人が優しく、
記憶を無くした陽介氏の側で支える…
自分大好きな杉下理紗にとっては、
最高のエンディングだと思う」
「でも希、「りささんには自分のプランを
実行してもらおうと思ってる」って」
「そう言ったよね」
「目的が果たされたその瞬間、
ノンに陽介氏を救ってもらう」
「え!?私が!?」
「だから『ぶっつけ本番の大仕事』って
言ったでしょ?」
「でもどうやって?」
「その準備は、拓也にしてもらう」
「俺!?」
「拓也、昔からの親友だから、
陽介氏のお母さんとも顔見知りだよね」
「ああ、顔見知りってか…仲良いよ」
「一子さんって名前で呼んでるし」
「今も時々あって、ご飯一緒に食べたりしてる」
「すごい、超仲いい」
「陽介さんの携帯の番号って、
まだ生きてたりする?」
「いつ本人から連絡がくるか分からないからって」
「一子さん、機種変とかもしてるよ」
「やったぁ!」
「?」
「拓也には陽介氏のお母さんに会って、
その携帯を借りてきて欲しいんだ」
「でも「見つかりました!」みたいに言っちゃうと、
そっち方面から杉下理紗にバレる可能性もあるから」
「おぉ、結構難易度高いけど…」
「でも陽介のためだもんな」
「借りてくるよ」
「わかった!」
「その携帯を使って、彼女に連絡するんだね!」
「目的を果たした瞬間、
目の前にいるよーすけから着信があって…」
「それに出ると相手は、今の健治さんの恋人」
「そこでノンには直接対決をしてもらおうと思ってる」
「直接対決って…相手は杉下理紗
「わかった、やるよ」
「え…」
「ノンって超肝が据わってんの」
「それに空手も習ってたから超強いし」
「空手はそん時出しちゃったら、
逆に捕まっちゃうって」
「あ、そっか 笑」
「でも目的を果たす瞬間なんてどうやって知るの?」
「復讐を果たすんだから、
人のいない場所を絶対選ぶと思うの」
「でもラブホとか屋内は、
陽介氏が警戒するから無理だろうし」
「海とか山とか港とか…人気のない
場所の駐車場かなんかで、車内で話すと思うんだ」
「いきなり自分のウチ連れてくのも無理だしね」
「だから来週の当日、あっちで食器洗ってる夫婦2人に
尾行してもらおうと思ってる」
「尾行!?」
「ここにいる4人は、
もう杉下理紗に面が割れちゃってるけど」
「あの2人はまだ赤の他人だから」
「それに夫婦だから、
たまたま同じ時間帯にドライブしてても、
不思議には思われないでしょ」
「それと拓也」
「ん?」
「その…」
「なんだよ」
「画伯の奥さんに撮られた写真って…まだある?」
「…取ってある」
「もしなんかあった時の証拠になると思って」
「よし」
「それがまさに今だから」
「私は本州大の楽団の知り合いから、
メールの画像をゲットしてくるよ」
「多分杉下理紗は、不倫がバレた事には
気づいてるけど、画像が楽団全員に送られたこと
なんて知らないと思うし」
「ましてや拓也と2人の写真なんて、
存在すら知らないだろうから、
結構な武器になると思うんだ」
「希ちゃん、よくそこまで思いついたね」
「自分でも驚いてます 笑」
「『ボンッ!』って全部いっぺんに出てきた感じで」
「治氏も双葉氏も陽介氏も、
こういう感覚だったんだろうなぁって」
「晴れて変態の仲間入りってことね 笑」
「はは 笑」
「12年かかりました^^」
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