『Love Stories。』

日向理

文字の大きさ
上 下
96 / 132
Chapter.4

Episode.14

しおりを挟む
カラコロ~♪
         「お前さんたち、助っ人が来たぞ」



「あ、2人一緒にきた」


   「希ちゃん、久しぶり」
    「よっ」


「今日はありがとうございます」

       「ううん、大丈夫」

              「カウンター、どうぞ」

      「ありがとうございます」


      「来て早速なんですが」

     「先ず私から紹介しますね」

     「『小鳥遊仁美』さんに」

                「はじめまして」

      「最低男の『武田拓也』」
           「なんだよ、その紹介は」

   「拓也には電話で言ってなかったけど」
   「理紗ちゃんも絡んでるから、この話」

                  「えっ…」

      「時間が勿体無いから、
  2人が誰かって説明はもう済ませてあるの」

             「そ、そうなんだ…」

       「でも安心して」
     「もう11年前のことで、
    拓也を責めたりはしないから」


   「で、この3人が高校の時の同級生」

     「こっちが緊急事態真っ只中の、
      当事者の『片岡暢子』で」

「お忙しい中、ありがとうございます」

         「でこっちが
                  「森田翔くん」

        「え!?仁美さん、
     森田くん知ってるんですか?」

             「うん、知ってるよ^^」
       「私、高校ん時女バスだったんだもん」

  「え!?マヂですか!?」

         「それに治氏もバスケ好きだから」
       「森田くんが日本代表で出た試合とか、
              観に行ったことあるし」

  「やべっ、有名人が俺のこと知ってるなんて…」

 「だから翔も、「一応」有名人なんだって 笑」


  「で、その森田くんの奥さんの『森田沙織』」

 「はじめまして^^」

  「マスター!この2人に私のブレンド出して」

                    「はいよ」




     「でね、2人に簡単に説明…
      できんのかなぁ、私…」


「お二人とは初対面なんですが…私がなるべく簡潔に」

「私が今お付き合いをしている方は、
『落合健治』さんという方で、
 写真をきっかけに知り合ったのですが、
 彼は写真以外にもピアノもやっていて」

「『Mika.』っていう、シンガーソングライターの
 サポートで弾いてるんです」

              「えっ!?Mika.って
      「しっ!今は黙って聞いてる」

「彼、話し始めるようになってから、
 付き合っている今まで、
 自分の昔話を全然しなくって」
「ご両親の話を聞いても、
 いつもはぐらかされて終わっちゃうんです」

「それでMikaさんがテレビ出演をした時も、
 彼女のバックで演奏してたんですが、
 そのテレビ出演後のライブに
 杉下理紗さんがいらして、
 健治さんに会って挨拶もして」

「どうやら昔を知ってる感じだったので健治さん、
 一度杉下さんと2人で食事をしたんです」
「最初は杉下さんのお勧めのお店に
 行く予定だったんですが、彼、並ぶのが苦手で
       「ちょっと待って!」
      「黙って聞いてるんじゃなかったっけ」

        「健治さん、
  そのお勧めの店ってどこだか言ってた?」

「うん、『とんぷう』っていうとんかつ屋さん」

               「『とん風』!?」

       「やっぱりそこか…」
      「ごめん、いいよ続けて」

「で別のお店で探りを入れたら、どうやら以前、
 バイト先が一緒だったってのが判明して」

「健治さん、どの食べ物屋さんに行っても、
 即決で注文するものを決めるひとで、
 殆どメニューを見てないんじゃないかって
 思うくらい早いんですけど」
「杉下さん、その、彼が即決で決めるって事も、
「相変わらず早いんですね」って感じで
 知ってたんです」

       「陽介もめっちゃ決めんの早かった」
           「うん、メッチャ早かったね」

「でも健治さん、その判明したバイト先では、
 男性の社員さん以外とは食べたことがなくって」
「飲みに行ったりとかも全部断ってたんで、
 その社員さん以外、知らない筈なんです」


「で、しばらくして、また杉下さんのほうから今度は、
『大切な話があるから、
 2人きりで話したい』って連絡があって」

「それで来週会うことになってるんです」

          「で」

      「その話を聞いた私は、
    ノン…暢子のあだ名なんですけど、
  ノンが付き合ってる『落合健治』さんが
    陽介氏なんじゃないかって思って」

        「その、杉下理紗の言動からすると…
            よーすけの可能性は大だね」
            「それに来週会うってのが…
     なにするか分からなくって、ちょっと怖い」

      「拓也も、あの女の怖さを
     じゅーぶん分かってるでしょ?」

      「…ヤバい状況だってのは理解できた」

   「それで2人に見てもらいたいものがあって」







       「これなんですけど」


                  「うわっ!?」
                    「!?」

              「本人って言われても、
          すごい似てる人って言われても、
         どっちも納得できちゃう感じだ…」

        「拓也はどう?」

                   「・・・」

         「拓也ぁ!」


                    ぽろっ
                   「・・・」

                  「…ぐすっ」

          「拓也?」

                 「…ようすけ」

          「ん?」

            「この写真、陽介だよ…」


       「…なんでわかんの?」


                  「ぐすっ…」


          「拓也!」


                  「…ぐすっ」

     「これだとちょっと分かりにくいけど…」

           「左の眉毛のちょっと上に、

   傷跡がみたいなのがうっすらとあるでしょ…」

「あ!」

           じーっ


       「ホントだ、あるね…」


       「…高校ん時に、2人で自転車乗って
            遊びに行った時にあいつ…
 足で前輪の方に付いてるライトを点けようとして」
         「…足先が前輪に入っちゃって、
            結構派手に転んだんだよ」

 「そん時に、石かなんかでそこを切ったみたいで」
          「「痛ってぇ…」って言って、
            起き上がった陽介の顔が、
         血だらけになっちゃっててさ…」
      「慌ててあいつのお袋さんに連絡して」

      「幸いにも、その怪我だけで済んで…」
      「…陽介は逆に「顔に傷のある男って、
    修行して強くなったように見えね?」って」
      「しばらく学校でネタにもしてたから」

           「俺、100パー自信ある」

             「陽介だよ、この写真」


                  「ぜったい」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

じれったい夜の残像

ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、 ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。 そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。 再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。 再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、 美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

乗り換え ~結婚したい明子の打算~

G3M
恋愛
 吉田明子は職場の後輩の四谷正敏に自分のアパートへの荷物運びを頼む。アパートの部屋で二人は肉体関係を持つ。その後、残業のたびに明子は正敏を情事に誘うようになる。ある日、明子は正敏に結婚してほしいと頼みむのだが断られてしまう。それから明子がとった解決策 は……。 <登場人物> 四谷正敏・・・・主人公、工場勤務の会社員 吉田明子・・・・正敏の職場の先輩 山本達也・・・・明子の同期 松本・・・・・・正敏と明子の上司、課長 山川・・・・・・正敏と明子の上司

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...