『Love Stories。』

日向理

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Chapter.4

Episode.11

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 「ひと息入れる?」

「ううん、大丈夫」
「杉下理紗が相手だったら、
 その時間もちょっと勿体無い」

   「そんなヤバい女なのか…」

「助っ人2人に連絡ついて、
 こっち向かってもらってる間に、
 あの女のことは話すから」

   「お、おう…」



「あ、もしもし、仁美さんですか?」

「私」


「そうです!お久しぶりです!」
「あの今、っていうかこのあと時間ってありますか?」


「あっそうなんですか…」


「でもちょっと、
 どうしても今日でないとダメな感じで」



「実は…」
「陽介氏の行方が分かったかもしれないんです」


「はい」


「今、高校の同級生何人かと一緒にいて」

「そのうちの1人の相談事を、
 みんなで聞いてたんですけど」


「話の中で陽介氏らしきひとが出てきて」

「まだ確定ではないんですけど…」


「でもその話、杉下理紗も絡んでて」



「はい、『あの』杉下理紗です」


「なのでほぼ、
 陽介氏だと思っていいかもしれないです」


「はい」

「で、仁美さんのチカラをお借りしたいと思って、
 それで電話したんです」


「あ、ホントですか!」

「じゃあその間に拓也に連絡するんで」

「はい」

「なんか急にすみません」

「ありがとうございます」

「はい」

「じゃ後ほど」


 「なんだって?」

「夜に打ち合わせが入ってるみたいなんだけど、
 それを別の日にずらしてもらうよう頼んでみるって」

  「すご…」





「あ、もしもし?」

「あのさ、今さ、霞町の『アルソル』にいるんだけど」

「今から来れる?」


「あのね、陽介氏、見つかったかもしんないの」


「だから陽介氏が見つかったかもしんないの!」

「うん」

「そう」

「うん」

「さっき仁美さんにも連絡して」
「こっちに向かえるよう、今調整してもらってる」

「うん」

「お願いします」

「うん」

「じゃああとで」


  「なに?ちょっと希の苦手な人なの?」

「ん?」

 「『やだー!』って時の顔に
  思いっきりなってたから」

「ああ 苦笑」

「今のは元カレ」

  「え!?別れたてホヤホヤの!?」

「ちがうちがう」
「11年前にちょこっとだけ付き合ってた、
 …最低な男」

 「でも、今日は大丈夫とか聞かなくて平気なの?」

「へーきへーき」
ブブッブブッ…
「小学校の先生やってるから」


「はい、もしもし」


「よかったぁ~!!」

「無理言っちゃってすみません」

「えっと場所はですねぇ」
「霞町の北口を出ると、商店街があるんですが、
 その商店街の中の左手に、薬局があって」
「そこ曲がって直ぐのところの、
『アルソル』って喫茶店にいます」

「そそ、その商店街です」

「はい」

「拓也も来ます」

「はい」

「ホントありがとうございます」

「はい、ではまた後ほど」


「…ふうぅぅ」
「よっしゃー!!」

「助っ人ゲット!」

         「はいよ、これ冷えたやつな」

「あ!マスターありがとう~!」

 「お疲れさま」

   「やっべ、有名人に会える…」

  「何言ってるの、
   翔だって『一応』有名人でしょ?」

   「あ、そだった」

 「くす 笑」


 「本当みんな、ありがとう」

「いやいや」

「森田くんも言ってたけど、
 これはお世話になりっぱなしだった、
 うちらの恩返しなんだから」

「ねぇ?沙織」

  「そうだよ」
  「私と翔の、恋のキューピッドもしてくれたし」

  「やっと来た恩返しのチャンスなんだもん」


 「うん、ありがとう」
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