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Chapter.3
Episode.19
しおりを挟む「…あのぉ健治さん?」
「…ん?」
「私達、初めて手を繋いでるんだけど…」
「…何かあった?」
「何かあったんだけど…
何があったか分からなくって」
「急に不安な気持ちになって…
気付いたら握ってた」
「…ごめん」
ぎゅっ
「大丈夫」
「せっかくだからしばらく繋いでいよ」
「…うん、ありがとう」
「さっきの人…知り合い?」
「…うん、多分」
「そっか」
「健治さんはまだご飯食べてないの?」
「え!?」
「さっき私にもう食べた?って聞いたから」
「ああ」
「うん、Mikaちゃんと歌作ってたから、
食べる時間なかった」
「じゃあMIkaさん、食べずに歌ったの!?」
「そうだよ」
「前に暢子さん言ってたでしょ、
「消化が1番体力使う」って」
「だから歌う前に食べちゃうと、
歌うほうのパワーが出ないからって」
「Mikaちゃんは、本番前はいつも食べないんだ」
「なるほどぉ」
「歌の人って結構大変だね」
「じゃあご飯屋さん行こう!」
「この辺だと…美味しいイタリアン知ってるけど」
「健治さん、イタリアンでも平気?」
「う、うん」
「…無理に不安な気持ちを
抑え込まなくても大丈夫だよ」
ぎゅっ
「ここにちゃんといるから」
「『大切な人』って…
嘘でも本当でも嬉しかったから」
「…今日は奢ってあげる! 笑」
「う、うん」
「ありがとう」
ぎゅっ
「・・・」
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