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Chapter.3
Episode.12
しおりを挟むガチャッ! キィ~
「灯里さん灯里さん灯里さん!!」
バタン!
「あ、愛菜ちゃんおはよー」
「暢子さんが暢子さんが暢子さんが!」
「何ぃ、どしたの?」
「あ、取りあえずお帰りぃ」
「どうだった?『京都・奈良』は」
「はい、これお土産です!!」
「ありがと」
「それよりも暢子さんが!!」
ガサッ
「ち、ちょうちん…」
ガサッ
「しかも京都と奈良1個ずつ…」
「片方だけじゃアレだと思って…
ってそうじゃなくって!」
「暢子さんの後ろ姿が、
お店にズラーッて並んでたんです!」
「へ?」
「CD屋さん行ったら、
Mikaさんのアルバムが並んでたんですよ!」
「え!?うっそ!」
「なんかMikaさん、元々京都のひとみたいで、
『いま注目の!』って感じで
お店がチカラ入れて宣伝してて」
「ん?」
「「この人知り合いなんです!」って
言いたくてしょーがなかったけど
グッとそこはガマンして
「ちょい待ち」
「はい?」
「愛菜ちゃんは『京都と奈良』で、
何してきたのかなぁ?」
「んー…ラーメンと豆餅と、
葛切りとぉかき氷食べてぇ」
「他にやることなかったんでお買い物してました^^」
「ほぼ『グルメツアー』やん!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」
「でも灯里さんの言いつけ通り、
『都会じゃない空気』も吸ってきましたよ?」
「どこ行ってきたの?」
「…どっかの…山?」
「場所は忘れちゃいました 笑」
「あ!あと鹿におせんべいあげてきました!」
「…はぁ」
「で!で!」
「そのお店だけが「頑張って盛り上げましょー!」
って感じでもなくって」
「ホントに最近注目されだしてるみたいで、
帰りの新幹線でもネットで色々見たんですけどぉ」
「なんと!」
「次出すアルバムが全国で出るみたいなんです!」
「んーじゃあ…今行ってるのは、
そのアルバムの為なのかもね」
「なんか知り合いが有名人になるって、
超ワクワクしません?^^」
「まぁ…メインじゃないし、後ろ姿だけだけど 笑」
「んで旅の成果はあったの?」
「んー、『鹿の角が生えた一休さん』とか?」
「んーそれは色々パクってるね」
「やっぱりそうかー 笑」
「って、それひとつだけ!?」
「あとそのちょうちんです♪」
「…はぁ」
「後々にそれが糧になることを信じてるよ…」
「あ!あともうひとつありました!」
「お!なになに?」
ガサゴソッ
「灯里さん、甘いものとか食べますぅ?」
「・・・」
「はい、これ!」
「生八ツ橋…」「生八ツ橋!!」
「って灯里さん、よく分りましたね!」
「すごーい!」
「うん、愛菜ちゃんも色々凄いと思う…」
「そうですかねぇ 照」
「…はぁ(。-_-。)」
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