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Chapter.3
Episode.4
しおりを挟むザザァ~
1人で海眺めるのって随分久しぶりかも
さすがに日が暮れるまではいられない、か
「再起動遅すぎぃ~とか言われそう 笑」
ざぁ~
「…ふぅ」
「あの…すみません」
「あ」
「はい」
ざざぁ~
「後ろ姿に惹かれて思わず
写真を撮ってしまったんですが」
「あ、私のですか?」
「はい」
「なかなかよい感じに撮れたので…
インスタとかにあげても大丈夫でしょうか」
「顔さえ写ってなければ全然」
ザザァ~
「ありがとうございます^^」
「ちなみにこんな感じなんですけど…」
「うわっ、凄い…」
「プロの方が撮ると全然違うんですね」
「プロっていうわけではなくって…
撮りたいものを撮ってるって
感じなんですけどね」
ザァ~
「そうなんですね」
「…なんか私じゃないみたい」
「インスタってやってますか?」
「はい、アカウントだけですけど 苦笑」
「僕のアカウントはこれで」
ざざぁ~
「落合、健治さん…」
「はい」
「他の写真も凄いですね…」
じーっ
「この写真って、海外かどこかですか?」
「いえ、それは…千葉です」
ザザァ~
「千葉!?」
「全然千葉に見えない…」
「フォローさせてもらってもいいですか?」
ざぁ~
「是非ぜひ」
「多分撮らせてもらった写真、
今日中にもアップすると思います」
「では、ありがとうございました^^」
「こちらこそありがとうございました^^」
ざざぁ~
じーっ
「あ、この写真好きかも」
ザァ~
「ふふ^^」
ザザァ~
ガチャッ! キィ~
「ただいまぁ」
「あ、おかえりなさーい」
バタン!
「灯里さーん、暢子さん戻ってきましたぁ!」
「暢子、再起動遅~い!」
ガチャッ!
「ちょっと色々ありまして 苦笑」
「「ちょっと色々」って意味わかんない 笑」
「愛菜ちゃんわかる?」
「わたしにもわかりません!笑」
「…落合さんに写真、撮ってもらっちゃいました」
「落合さん?」
「・・ってまさか!」
こくり
「え、なんですかなんですか!?」
「愛菜ちゃんがイケメン言うて隠し撮りした人に、
暢子、写真撮ってもらったんだってさ!」
「えーー!!」
「なんですか、その急展開は!?」
「っていうか既に名前まで知ってるなんて…」
「あぁ、一緒に海行っとけばよかったぁ~…」
「言う程そんな急展開? 笑」
「いや、私がボーッと海を眺めてる、
後ろ姿を撮ったみたいで」
「「インスタにあげてもいいですか?」って
訊かれたので、大丈夫ですって答えて」
「素敵な写真が多かったから、
フォローして…くらいです 笑」
「うん」
「アタシからしたら想定の範囲内だけど…
ちらっ
愛菜ちゃんからしたら
結構な急展開みたいよ 笑」
「わたしもインスタ、フォローしたいです!」
「あ、うん」
「ふーん、あの人『落合健治』っていうんだ」
「すごーい!」
「えっとoccho_photoっと…」
「愛菜ちゃんもインスタやってるんだ」
「わたしのは日々の記録みたいなもんで」
「…って」
「新規投稿きた」
「うわー!ホントに暢子さんが写ってる!」
「どれどれ」
「…なんかずるいです!」
「ほほぅ」
「後ろ姿だけでも充分魅力的に写ってるね」
「ってか後ろ姿だから魅力的に見えるのか?…」
「明日からわたし、パシり志願します!」
「いい男ってのは、追いかければ追いかけるほど
自分を見失いやすくなるからね」
「見失わない程度に頑張んしゃい、若人よ」
「はい、ありがとうございます!」
「んで、間近で見た愛菜ちゃん推しの感想は?」
「え?」
「あー…えーっと」
「写真に見入っちゃって、
ちゃんと顔は見ませんでした 笑」
「さすが暢子 笑」
「チョーもったいない!」
「…で灯里さんの、海行った成果は」
「もうホント暢子に感謝!」
「さっきもうデータ送った」
「えっ、もうデザイン終わってたんですか!?」
「うん」
「やっぱり灯里さん、すごい…」
「ふふーん^^」
「これがみんなのお給料になってるんだから」
「感謝しなさいよぉ♪」
「ははーぁ!」
「いや、殿じゃないし 笑」
「ふっ 笑」
「ほらぁ、暢子に鼻で笑われちゃったじゃん 笑」
「いや、2人のやりとりが面白いなあって^^」
「あ」
バタバタバタ…!
バタンッ!
「また繋がったみたい^^」
「ホンットそんけーしかない…」
「2人とも~」
「今日はもう上がっていいからねぇ~」
「はーい、ありがとうございます!」
「私は事務処理のほうやってから帰るから
愛菜ちゃん先帰っていいよ^^」
「あ、はい!ありがとうございます!」
「お疲れ様でした~!」
「は~い」
ガチャッ! キィ~
バタン!
「暢子まだいるなら、
あったかいお茶とか入れてくれると
嬉しいかなぁ~」
「はーい、了解です」
キュイッ ジャー
キュイッ
カチッ
じーっ
「ふふ^^」
「さっきの写真眺めて
ニヤつかないでよぉ~」
!?
「そ、そんなことは…」
ぶつぶつ…
「モードに入っちゃった 笑」
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