57 / 132
Chapter.3
Episode.4
しおりを挟むザザァ~
1人で海眺めるのって随分久しぶりかも
さすがに日が暮れるまではいられない、か
「再起動遅すぎぃ~とか言われそう 笑」
ざぁ~
「…ふぅ」
「あの…すみません」
「あ」
「はい」
ざざぁ~
「後ろ姿に惹かれて思わず
写真を撮ってしまったんですが」
「あ、私のですか?」
「はい」
「なかなかよい感じに撮れたので…
インスタとかにあげても大丈夫でしょうか」
「顔さえ写ってなければ全然」
ザザァ~
「ありがとうございます^^」
「ちなみにこんな感じなんですけど…」
「うわっ、凄い…」
「プロの方が撮ると全然違うんですね」
「プロっていうわけではなくって…
撮りたいものを撮ってるって
感じなんですけどね」
ザァ~
「そうなんですね」
「…なんか私じゃないみたい」
「インスタってやってますか?」
「はい、アカウントだけですけど 苦笑」
「僕のアカウントはこれで」
ざざぁ~
「落合、健治さん…」
「はい」
「他の写真も凄いですね…」
じーっ
「この写真って、海外かどこかですか?」
「いえ、それは…千葉です」
ザザァ~
「千葉!?」
「全然千葉に見えない…」
「フォローさせてもらってもいいですか?」
ざぁ~
「是非ぜひ」
「多分撮らせてもらった写真、
今日中にもアップすると思います」
「では、ありがとうございました^^」
「こちらこそありがとうございました^^」
ざざぁ~
じーっ
「あ、この写真好きかも」
ザァ~
「ふふ^^」
ザザァ~
ガチャッ! キィ~
「ただいまぁ」
「あ、おかえりなさーい」
バタン!
「灯里さーん、暢子さん戻ってきましたぁ!」
「暢子、再起動遅~い!」
ガチャッ!
「ちょっと色々ありまして 苦笑」
「「ちょっと色々」って意味わかんない 笑」
「愛菜ちゃんわかる?」
「わたしにもわかりません!笑」
「…落合さんに写真、撮ってもらっちゃいました」
「落合さん?」
「・・ってまさか!」
こくり
「え、なんですかなんですか!?」
「愛菜ちゃんがイケメン言うて隠し撮りした人に、
暢子、写真撮ってもらったんだってさ!」
「えーー!!」
「なんですか、その急展開は!?」
「っていうか既に名前まで知ってるなんて…」
「あぁ、一緒に海行っとけばよかったぁ~…」
「言う程そんな急展開? 笑」
「いや、私がボーッと海を眺めてる、
後ろ姿を撮ったみたいで」
「「インスタにあげてもいいですか?」って
訊かれたので、大丈夫ですって答えて」
「素敵な写真が多かったから、
フォローして…くらいです 笑」
「うん」
「アタシからしたら想定の範囲内だけど…
ちらっ
愛菜ちゃんからしたら
結構な急展開みたいよ 笑」
「わたしもインスタ、フォローしたいです!」
「あ、うん」
「ふーん、あの人『落合健治』っていうんだ」
「すごーい!」
「えっとoccho_photoっと…」
「愛菜ちゃんもインスタやってるんだ」
「わたしのは日々の記録みたいなもんで」
「…って」
「新規投稿きた」
「うわー!ホントに暢子さんが写ってる!」
「どれどれ」
「…なんかずるいです!」
「ほほぅ」
「後ろ姿だけでも充分魅力的に写ってるね」
「ってか後ろ姿だから魅力的に見えるのか?…」
「明日からわたし、パシり志願します!」
「いい男ってのは、追いかければ追いかけるほど
自分を見失いやすくなるからね」
「見失わない程度に頑張んしゃい、若人よ」
「はい、ありがとうございます!」
「んで、間近で見た愛菜ちゃん推しの感想は?」
「え?」
「あー…えーっと」
「写真に見入っちゃって、
ちゃんと顔は見ませんでした 笑」
「さすが暢子 笑」
「チョーもったいない!」
「…で灯里さんの、海行った成果は」
「もうホント暢子に感謝!」
「さっきもうデータ送った」
「えっ、もうデザイン終わってたんですか!?」
「うん」
「やっぱり灯里さん、すごい…」
「ふふーん^^」
「これがみんなのお給料になってるんだから」
「感謝しなさいよぉ♪」
「ははーぁ!」
「いや、殿じゃないし 笑」
「ふっ 笑」
「ほらぁ、暢子に鼻で笑われちゃったじゃん 笑」
「いや、2人のやりとりが面白いなあって^^」
「あ」
バタバタバタ…!
バタンッ!
「また繋がったみたい^^」
「ホンットそんけーしかない…」
「2人とも~」
「今日はもう上がっていいからねぇ~」
「はーい、ありがとうございます!」
「私は事務処理のほうやってから帰るから
愛菜ちゃん先帰っていいよ^^」
「あ、はい!ありがとうございます!」
「お疲れ様でした~!」
「は~い」
ガチャッ! キィ~
バタン!
「暢子まだいるなら、
あったかいお茶とか入れてくれると
嬉しいかなぁ~」
「はーい、了解です」
キュイッ ジャー
キュイッ
カチッ
じーっ
「ふふ^^」
「さっきの写真眺めて
ニヤつかないでよぉ~」
!?
「そ、そんなことは…」
ぶつぶつ…
「モードに入っちゃった 笑」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
じれったい夜の残像
ペコかな
恋愛
キャリアウーマンの美咲は、日々の忙しさに追われながらも、
ふとした瞬間に孤独を感じることが増えていた。
そんな彼女の前に、昔の恋人であり今は経営者として成功している涼介が突然現れる。
再会した涼介は、冷たく離れていったかつての面影とは違い、成熟しながらも情熱的な姿勢で美咲に接する。
再燃する恋心と、互いに抱える過去の傷が交錯する中で、
美咲は「じれったい」感情に翻弄される。

乗り換え ~結婚したい明子の打算~
G3M
恋愛
吉田明子は職場の後輩の四谷正敏に自分のアパートへの荷物運びを頼む。アパートの部屋で二人は肉体関係を持つ。その後、残業のたびに明子は正敏を情事に誘うようになる。ある日、明子は正敏に結婚してほしいと頼みむのだが断られてしまう。それから明子がとった解決策 は……。
<登場人物>
四谷正敏・・・・主人公、工場勤務の会社員
吉田明子・・・・正敏の職場の先輩
山本達也・・・・明子の同期
松本・・・・・・正敏と明子の上司、課長
山川・・・・・・正敏と明子の上司
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる